XIAN 西安 >>> 14 / AUG / 2002 *WED*



8時間しっかり眠って7時前起床、普段の日本での生活よりよく眠れるお陰で肌トラブルなし、化粧ノリもよろしい(中国1人サバイバル旅なはず?なのに、日焼けを気にして毎日しっかり化粧してしまう)。昨日店で残して持って帰った包子を食べる。

8時、ロビーで待っていると萩原流行似で目は少し優しくしたような小柄なおじさんがやってきた。結局名前は聞かなかったのだが、西安の某旅行会社社長。ドライバーはやや大柄で太った男。車は萩原社長のものと思われるホンダの高級車。車種は忘れたが、シートは皮張りでオーディオは木目調と高級感あふれる車内、CDも付いていて集中ドアロック、パワーウィンドウ、中国でこの車はさすがにすごい。日本では当たり前だが中国だと感動してしまう(北京での車はフォルクスワーゲンだったがパワーウィンドウではなく、高速の料金所で面倒臭そうだったんだもん)。しかし、ドライバーはかなり短気(大阪風に言えばイラチ)で、常にブーブーと、必要以上にクラクションを鳴らしながら強引に追い越し、左ウィンカーを出し(日本でいう右ウィンカー、道譲れ!の意)、前を行く車をことごとく追い越していくのである。これも高級車だからなせる技。

まず西安市内の‘大雁塔’を見学
別名‘慈恩寺’
1300年前、唐の時代(652年)に建てられた

7階建て64mの塔
塔の中にはもちろんエレベーターなどなく、階段で上る
蒸し暑くてかなりキツい
ガイドブックには‘西安市内が一望できる’とあったが
空気が澄んでいないのと西安があまりに広いのとでよく見えず

そして西安郊外の兵馬俑坑。市内から40kmほどあるのか、高速道を通っても片道1時間かかる。
萩原社長から渡された入場券は見ると65元(1000円)、中国の物価からすると恐ろしく高い。

1号坑から3号坑まであって
まず1号坑
体育館のような建物の地下に
1.8〜2m
等身大のはにわが
6000体
圧巻!!!

ところで、私が今回利用した某旅行会社の1名催行ツアーのタイトルは
“中国2大石窟寺院と4都周遊 兵馬俑坑特別見学・万里の長城”
というもの。この“兵馬俑坑特別見学”がミソ!! 何が特別なのかといえば、この兵馬俑坑の1号坑、通常の観光客は1Fからのみの見学で、館内での写真撮影禁止(記念撮影1枚15元!)というケチ臭さだが、私はVIPだけが入場許可される地下に降り、横にも前にも誰もいない状態で写真撮影も好きなだけOKという、まさに謎のVIP待遇なのだ。(1Fの欄干は、入る隙がないほどの観光客で混み合っていて大変!) なぜそんなことが可能かというと、どうも私の申し込んだ日本の旅行社(あまりメジャーではありません)が契約している西安の萩原社長の会社と、ここ兵馬俑坑の館長がつながりがあるらしい。萩原社長は、
「VIP見学には、毎回館長のサインがいるんです。」
と見学前、入口奥の部屋にサインをもらいに行った。いやはや、これはさすがに個人旅行では不可能、実はパック旅行は嫌いでほとんど利用したことないんですが、この時ばかりは
パック旅行様々

はにわ1体1体
顔も表情も体型もポーズも違い
同じものは2つとないところが
すごすぎる!

その後3号坑、2号坑の順に見学、2号坑は今なお発掘中。ちなみに兵馬俑が発見されたのは1973年(私の生まれ年)とつい最近(??)のことで、農民が井戸を掘ってて出てきたんだとか。
で、見学の締めくくりはその発見者の1人、“揚 志発(よう・しはつ)”さんなる人物(おじいさん)との写真撮影、兵馬俑の写真集を買えばサインまでしてもらえるという
出血大サービス。荷物になるし、どうせ日本に帰っても読まないので買わないつもりだったが、日本人も外国人もすごい勢いで買っているのと萩原社長のノリにつられて写真集購入。しかも買うなら英語版、と思っていたのに(世界の観光名所や美術館で売ってる図録の日本語訳ってミスプリントが多いんだもん・・・)、日本語版の方が写真が良かったので日本語版を。150元(2200円)、高い! 写真は撮らなかったが、サインはしてもらっちゃいました、ハハ。さらに土産物屋に山のように並んでいたのが兵馬俑のミニチュア。ローマではコロッセオのミニチュア、ピサでは斜塔のミニがうす高く積まれて売られていたが、世界各国どこへ行こうが商売人の考えることは同じ。兵馬俑のミニチュアはよく出来ているが、重そうな上にかなり高い。15cmくらいのもので300元(4500円)ほど。値切れるんでしょうが・・・。まあとにかく、時間がなくてバタバタの西安観光だったが、兵馬俑VIP見学だけでも来た甲斐あったと大満足
兵馬俑坑周辺には麺屋や土産物屋の屋台がずらりと並んでおり、萩原社長と歩いていてもひっきりなしに客引きがやってくる。郵便局の出張所があったので切手を購入。仏像の切手で、先日ホテルで買ったものより断然美しい。

すぐ近くに秦の始皇帝陵なるものがあり、少し立ち寄るが、小高い丘というだけで全く何もなく面白くもない。
その後車で10分程走ってレストランで昼食。ビールかミネラルウォーターを注文すると別料金10元。水なんてスーパーで買えば高くても2元ほどなのに。


◆ LUNCH ◆

豚肉とキャベツの炒め物 ★★★★
大学芋 ★★★★★
青菜の炒め物 ★
餃子 ★
卵入り炒飯 ★★★★
きゅうり(ズッキーニ?)のサラダ
        ★★★★
卵入りスープ ★★★
すいか ★★★

・・・と、例によって食べきれない量と品数が並ぶ。が、ここでも不味くて食べられないものは何ひとつなし。大学芋が日本と全く同じ味でおいしゅうございました。


西安への帰り、社長が車内で河村隆一やら平井堅のCDをかけてくれて驚く。が、河村隆一のハイトーンボイスに社長は、
「この人は女性ですか?男性ですか?」
そして彼、明日からチベットはラサのポタラ宮に行くという。
うらやましい!!!(ちょうどラサは何かの祭りで、後日、TVのニュースで毎日のように報道されており、どこかに社長が映っていないかと思わず探してしまった。)
西安の街はタイかどこかでよく見た人力車(自転車タクシー)が多い。バイクの後ろにリアカーのような荷台をつけたものも多い。そして、後ろの荷台にやたらめったらうす高く荷物を積んで(高さ3mはある!!)自転車こいで引っ張っている男を多く見かける。見ている方が辛い。

西安駅。やはり切符売り場もコンコースも人で溢れかえっており、改めてこう思う・・・
私はこの行列に並んで切符を買う根性はない!
中国自力列車旅には時間と、相当な手間と体力と根気が必要。私には
無理だ!!
一方、軟座の待合室は同じ駅の中にあるとは思えない別世界。中にいると外の喧騒は想像もつかない。列車に乗る前、売店で水と食料を買い込むが、100元札を出したところ、案の定?売り子はお釣りをごまかそうとする。すぐ目の前で数えるとやはり10元足りない。
ノーノー、モア・テン・イェン!!!
と大声で言ってやる。ああ、こうして騙される外国人が毎日何人いるのか??


萩原社長は
「大同に行ったら‘刀削面’ですよ」
と言いながら
トランクを軟臥のコンパートメントにまで
運んでくれた

14:20 西安発。今回の列車は始発は西安だが、内モンゴルの包斗(フフホト)というところまで行くので、大同は途中下車になる。同室は中国人の中年夫婦と30代後半くらいのビジネスマン風中国人。ビジネスマンは時々鳴る携帯に向かって喋っているが、それ以外は旅慣れている様子でもの静か。狭いコンパートメントでは、好奇心旺盛な欧米人旅行者と同室の方がキツイかも。しかし北京から洛陽まで乗った列車と比べると今回の列車は車両自体が古い。室内の照明は暗く、洗面所とトイレがあまりきれいでない。トイレは(もちろん扉はあるが)下を覗けば線路が見える!! いわゆる‘垂れ流し’!! トイレットペーパーもくずかごもないが、水は流れる。40年ほど前まで日本もそうだったんでしょうが、それにしても
おぞましい・・・! 何を掃くのか、便器のすぐ横に竹ぼうきを置いているのがなんとなく怖いし、気になる。軟臥のトイレでこのレベル、硬座車両のトイレは果たしてどういうことになっているのか?? これまた考えただけでちょっと怖い。中国鉄道沿線はゴミ箱!

途中駅で停車中、ステップのところに立っていると、カメラを下げている私を見て女車掌が怖い顔のまま、
「降りていいわよ」
というようなことを言って手招きする。降りてみると、何両か向こうの硬座車両の窓から外に伸びる無数の手。ワゴンの売り子から商品を買っているのだが、なんともすごい迫力!
車窓から見えるのは一面ひまわり畑、比較的平坦な風景が続く。中国列車旅の奥深さと面白さを再確認しながらハガキや日記を書いているとあっという間に薄暗くなってきて、向かいで喋っていた中国人夫婦が食料を取り出し始めた。彼らはベッドの下に、大きなビニール袋3〜4袋にもわたる食料を持ち込んでいて、その中から取り出したカップラーメンのひとつをにわかに私に差し出した。中国語しか話さないのでよくわからないが、とにかく、
「これあげるから食え!
ってな感じでやや強引にくれる。こういうのも列車旅ならでは、ありがたくちょうだいする。この夫婦、旦那の方がほんのちょっとイッセー尾形っぽいので、以後‘尾形夫婦’ということで。尾形夫婦は主人の方が働き者。魔法瓶(寝台車のコンパートメントには部屋ごとに必ず置いてあり、冷めたり少なくなると、服務員が足してくれることも。さすが、お茶を飲む国ですね)を持って足りないぶんの湯を給湯室にもらいに行った。

◆ DINNER ◆

麺にお湯を注いでほぐし
それを一度捨ててからかやくとスープを入れ
再び湯を注いで食べるらしい
その“湯切り”も主人の方が
せっせと洗面所に捨てに行く(私のぶんまで)

そして、別袋で付いているからしのスパイスを「こりゃあ辛いぞ」と、口から火が出る風のジェスチャーで教えてくれるのが面白い。
カップ麺ができ、私が持参の紙コップに日本茶のティーパックを入れ、トランクから割り箸を出すと、尾形夫婦は嬉しそうに頷き、食べ始めるのだった。さらに用意のいい彼等、ポケットティッシュとミネラルウォーターまでくれようとするが、さすがに
「私も持ってるから」
と言うと、気がすまないのか、今度はザーサイの真空パックを出してきて強引に渡される。
ありがとう!!
その後、尾形夫婦は桃を食べ、バナナを食べる。私がぶどうをすすめても遠慮して食べなかった。そしてそこからノート5ページにわたる筆談が始まるのである。しかし、漢字は漢字でもかなり違うので大変でございました・・・。

尾形夫婦は上海在住、今月5日に上海を出てきたらしい。西安から内蒙古の包斗へ行き、包斗に9日間ほどいて、23日、また列車で上海まで帰る。2人とも62歳。‘大学生?’と聞くので(これ、中国に来て合う人ほとんど全員に聞かれた。若く見えるのかな???)‘牙科医’と書いたところ、尾形主人は、
ア〜〜〜!!
と言ったかと思えば大げさに歯を抜くジェスチャーをする。
大爆笑!そしてしばらく、
ヤカイー(と読むらしい)
と嬉しそうに連呼していた。で、親指を立てて“
ハオ!(好)”と言ってくれる。私の旅の予定やら親の歳、どういうわけか「少林寺やってるか?」なんてことまで聞かれる。
日が暮れると照明が暗いため、本を読むにも目が悪くなりそうで早めに就寝。

ふと真夜中1時頃、比較的大きな駅(山西省の省都、大原(たいげん)駅だったと思う)に停車したのに気づき、窓から様子をうかがっていると、深夜にも関わらず巨大な荷物を抱えた人が激しく行き交い、大勢が乗り降りしている。夜中にトイレに行くと、隣の車両とのデッキで何やら服務員と乗客がケンカごしに激しく言い争っていたりと、外界は真夜中だろうがなんだか大変なのでした。

                                      Continue...


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