自分でする建物表題登記

家族が新築した際に、素人の私が建物表題登記を代行しました。

 1.建物表題登記とは

本「不動産登記はこうする」、楽天ショップへリンク本「マイホーム賢い買い方」、楽天ショップへリンク家を新築した際には、「建物表題登記」(以前は「建物表示登記」と言われていました)を、まずしなければなりません。(原則として、建物建築後1か月以内に。)

建物表題登記とは、不動産登記のひとつで、一番最初に登記簿に建物の所在を登録するための手続きになります。表題登記は、ローンを組んだりする場合に必要となる所有権登記などとは異なり、新築した際には必ず家主が行わなければならない登記であり、この申請義務を怠った場合は10万円以下の過料に処されるという決まりがあります(不動産登記法159条の2)。

新築された建物は、役所の登記簿に、当然ですが、まだ何も記載されていません。つまり、この世に存在しない建物なわけです。建物表題登記(表示登記)を行うことにより、登記簿の表題部に初めてその建物の所在が記録されます。登録される内容は、登記年月日等、建物の所在、家屋番号、種類(使用目的)、構造、床面積などです。

多くの人は、不動産登記は司法書士や土地家屋調査士さんに頼むと思いますが、建物表題登記もこれら専門業者に頼むと、だいたい10万円前後は掛かるようです。しかし、基礎的な不動産登記である「建物表題登記」に関しては、登記に必要な書類も手続きも至ってシンプルであり、素人でも全く問題なく登記の手続きを自分ですることができます。ただ、少しだけ、"手間"と"時間"と、法務局へ出向かなければならない"労力"が必要ですが、時間が許せば、結構割りのよいバイト代わりになります(登記書類の作成や手続きに必要な時間は、全部で2日程度だと思うので、→10万円÷2人日=5万円/日)。

 2.登記申請に必要な書類

建物表題登記の申請に必要な書類は、以下のとおりです。

  1. 登記申請書
  2. 建物図面・各階平面図
  3. 所有権証明書
  4. 住所証明書(住民票)
  5. 案内地図
  6. 委任状(代理人に申請に行ってもらう場合)

ただし、これは私が申請をしたケースでの必要書類であり(長野地方法務局・本局、平成22年3月現在)、各種の事情によって異なる場合もありますので、不明な点がある場合は、事前に最寄の地方法務局・支局の相談コーナーを尋ねてみてください。


それぞれの書類について、以下で詳しく解説します。

 1. 登記申請書
登記申請書のフォーマット(エクセル形式)へのリンク登記申請書のフォーマット(エクセル形式)を作りましたので、これをダウンロードして、記載が必要な箇所(赤字部分)を修正し、A4サイズで印刷してください。

 2. 建物図面・各階平面図
手書きする場合には、0.2mm以下の細線で書かなければならないので専用のペンを買う必要があったりして、手間です。できるならパソコンを使った方が楽です。私は、マイクロソフトのパワーポイントを使いました。簡単な図面ですので、たいていの描画ソフトで描くことができるはずです。
ただし、この図面だけは未だにB4サイズが使われています。我が家のプリンターはA4までしか印刷できません。さらに、私の使っている古いパワーポイント2000はB4サイズの指定ができません
建物図面・各階平面図のサンプル(パワーポイント形式)へのリンクそこで私は(パワーポイント2000をお使いの方は)、(1)図の部分だけはA4サイズで作成し我が家でプリント(枠線の大きさに合わせて少し余白を切ります)、(2)枠線部分はネットプリントを使ってセブンイレブンでB4サイズで印刷、(3)両方を重ねてB4サイズでコピーという裏技を使いました。
新しいパワーポイントを使っていれば、こんな苦労は必要ありません。(私も昨年パワーポイント2013に買い換えました・・・。)
B4サイズで作成できるのであれば、まず枠線サンプルをパワーポイントでB4サイズに設定し直し(パワーポイント2013ではB4(ISO)ではなく「B4(JIS)」を指定)、A4サイズの図面サンプルを参考にして、はじめからB4で作成してください。
B4印刷できるプリンターが家に無くても、セブンイレブンのネットプリントで印刷できます。

 3-1. 建築確認書のコピー(原本証明付き)、および原本(後で返してもらう)
原本証明書のサンプルファイルへのリンク建築確認は、通常は施工業者がしてくれているので、施工業者(あるいは設計会社)から建築確認に係る書一式を譲り受けてください。
その書類一式の中にある、「検査済証」(完了検査がまだの場合は無いので「確認済証」でよい)と「確認申請書」の表紙から第5面(委任状の手前)までをコピーします。なお、建築確認書の原本を返してもらうためには、このコピーが本物の写しであるという「原本証明」を付けなければなりません。
コピーした最後のページの余白か裏面、あるいは新たに一枚紙を足して、そこに「この謄本は原本と相違ありません」と書き、申請年月日と申請人全員の住所と氏名と記して押印(認印でよい)します。
これを「袋綴じ」して、綴じ代に割印(申請者全員の認印)を押します。袋綴じしなくても、ホチキス留めした各ページのつなぎ目に割印しても構いませんが、ページ数が多くて大変なので、袋綴じの方が簡単だと思います。

 3-2. 施工業者の引渡証明書(印鑑証明書、登記事項証明書付き)
施工業者にお願いして、以下の3枚の書類を揃えてもらってください。施工業者は毎度のことなので、表題登記に必要な以下の書類と伝えれば分かるはずです。
  • 引渡証明書
  • (会社の)印鑑証明書
  • (会社の)登記事項証明書
これらの書類の原本を返してもらう必要がある場合は、建築確認書のコピーと同じように、コピーに原本証明(原本還付請求)を付けて(ホチキス留めして割印する)、原本を添えて提出してください。

 4. 住所証明書(住民票)
住所証明書とは、住民票のことです。
申請者(共有の場合は所有者となる人全員分)の住民票を取り揃えて、提出します。

 5. 案内地図
案内地図のサンプル画像、google地図へのリンク登記申請を受けて法務局の職員が現地を確認しに行く場合のために、案内図を添付する必要があります。
建築確認書類の中に使われている住宅地図の写しなどをコピーして使ってもいいですが、googleマップYahooo!地図を印刷したものでも構いません。最寄駅など、適当な目印となる場所を入れて、分かりやすい縮尺で印刷しましょう。私は、縮尺の違うgoogleマップを2枚添付しました。
特にサイズ指定はありませんが、A4縦サイズが無難と思います。
建物の所在地が分かるように、建物の敷地を赤色で塗っておきます。

 6. 委任状
委任状のサンプルファイル(ワード形式)へのリンク申請者本人が、仕事の都合などで平日の日中に法務局に行くことができない場合には、代理人に申請に行ってもらうことも可能です。
その場合は、委任状を付けて上記の書類を提出する必要があります。
ただし、申請窓口で内容を聞かれる可能性もありますので、代理人はその内容が分かっている人にお願いするようにしましょう。

 3.自分でする際の注意点

法務局の各支局は、支局ごとに不動産登記の管轄区域が定められています。まず、法務局・地方法務局のホームページで、申請先となる建物所在地を管轄している支局を調べてください。長野県内には、長野地方法務局の本局のほか、上田・佐久・松本など9の支局があります。

法務局・支局の不動産登録窓口には、相談コーナーがあります。分からないことがあったり自分で申請するのが不安な場合は、最初にこの相談コーナーを訪ね、どの様な書類が必要かを聞いてみるとよいでしょう。地域(支局)によって、必要な書類やフォーマットが違う場合があるようです(それもどうかと思いますが・・・)。

建物図面・各階平面図は、家が取り壊されるまで何十年も保管される書類であるため、「強靭な専用用紙に」書くように記されています。専用用紙とは、日本法令の「建物図面・各階平面図」のことで、大手文具店などの販売店で10枚入り350円で買うことができます。しかし、今時のコピー用紙は十分に丈夫なので(特にセブンイレブンのコピー機のは厚い)、わざわざ不要な10枚もの専用用紙を買う必要はありません。運悪く融通の利かない役人に当たってしまって文句を言われたら、ダメな理由を明らかにするよう要求してください。

申請書類が一式揃ったら、正式に提出する前に、相談コーナーで書類を見てもらいましょう。もし不備があっても、その場で修正が可能であれば、修正の指導も受けられます(10~20分ほど)。そのため、印鑑と筆記用具は持参しましょう。そこで書類が整えば、後は登記申請窓口にそれを出すだけで終了です。登記完了予定日を記した受取証をもらって帰りましょう。なお後日、登記完了証を受け取りに、再度地方法務局・支局に出向く必要があります。

現地確認の際に、稀に立会いを求められることがあるようです。その場合は事前に電話連絡がありますので、申請者本人か代理人、あるいは申請内容について受け答えのできる人が立ち会う必要があります。

建物表題登記に登録免許税はかかりません。つまり、0円です。

法令には、建物を建ててから1ヶ月以内に建物表題登記をしないと10万円以下の過料になると記されていますが、特段の悪意を持って経過したのでなければ、滅多なことは無いようです。(私は法務局に行く機会が延び延びになってしまい、結局半年以上かかってしまいましたが、何も言われませんでした。)

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