blur






1988年結成。
1990年にシングル「she's so high」にてデヴュー。
メンバーは、
デーモン・アルバーン(ヴォーカル他:1968年3月23日生)
、グレアム・コクソン(ギター:1969年3月12日生)
アレックス・ジェイムス(ベース:1968年11月21日生)
デイヴ・ロワントゥリー(ドラムス:1963年4月8日生)

デーモンとグレアムは幼馴染。
グレアムとアレックスは名門ゴールド・スミスカレッジで同級生だった。


「leisure」

1991年
11111111111
reviews
91年。僕は15歳で、ビートルズに夢中だった。フリッパーズギターが学校では流行っていた。いや、それ以上にボウイが流行っていたっけな。

そんな状況だから、このアルバムの発売当初どんな状況だったのか、リアルタイムな体験は無い。音楽的にはシューゲイザー+マンチェ。音楽性以上にアイドル的な人気が優先していたようだ。

これぞデーモン!というようなコード進行やメロディーはそれほどこのアルバムでは確立されていない。しかし、いわゆる「マンチェ」「シューゲイザー」が既にほとんど聞くことの出来ないサウンドになっているのに対し、このアルバムは現在でもある程度の水準は確実に越えており、ブラーというバンドが当初から「実」を持っていたと言うことが分かる。デヴューアルバムとしては上出来だ。

しかし、もっともブラーの中では聞くことが少ないアルバムであるのは間違いない。作品の質も原因なのだが、単純に思い入れが少ないからだろう。



「modern
life is rubbish」

1993年
reviews
やはり、自分の思春期・青春期に、リアルタイムで聴いた音楽や、感じることが出来たムーヴメントが、その人間の一生の指標になっていくんだと思う。僕にとってはブリットポップというムーヴメントがそれに当たる。
ブリットポップのことをひどく「ダメだったもの」として捉える向きがあるが、「何を言っているんだよ、それはアンタがあのムーヴメントを楽しんでいなかったからだ」と言いたい。ホントにワクワクさせられるムーヴメントだった。そして、実の無いってことは無かった。マンチェブームはストーンローゼス、ショーン・ライダーを生み出したが、おいおい、ブリットポップは、オアシス、ブラーだぜ。ずっと素晴らしい作品を出し続けている。レディオヘッドだって同じ頃浮上したバンドだ。ポール・ウェラーだってスウェードだって、ピークは94年〜99年だ。僕はそのとき18歳〜22歳であり、モラトリアムの最盛期を、最高の音楽とともに迎えていたことになる。
これはホントに自慢できる。幾つかの作品を除いて、80年代以降の音楽は最高にクソだった。でも、突然素晴らしい音楽が鳴り出したのが94年〜99年だったと思う。最高だ。

ブリットポップの実質的なスタートとなったのが、このアルバム。@のヴィデオクリップを見て、イギリス&モッズに強い憧れを持ったヒトは多いはずだ。モノトーンのロンドンは最高にかっこよかった。「ロンドン(イギリス)への憧れ」を再びロックに取り戻したのがブリットポップだたっと思うが、それを如実に、そして一番最初に表明したのがこのアルバムだったと思う。
曲の完成度は押しなべて高く、@AEGなどは既に古典のようなモノだ。特に@はI数年後も間違いなく名曲として歌われているはず。
下手したら、ブリットポップとはこのアルバムで始まり、そして完結していたのではないかとも思う。それだけの要素が詰まっている名盤。                        



「park life」
1994
1111111111111
reviews
ピコピコ鳴るイントロのシンセを聴くと、ちょっとピッチリしたシャツを着て、その上にジャージを着て街に繰り出していた頃を思い出す。


ブラーのファンってのは当時(というか今も)二つに分かれると思う。デーモン派とグレアム派である。そして、日本では圧倒的にグレアム派が強い。
デーモンって、なんか凄くズルそうな感じがするんだよね。緻密な策略を常に練ってそうな感じで。音楽の聴き方も感覚ではなく、いろんな情報からトレンドをいち早く発見してそれを極める、みたいな。それに対してグレアムはホントに自分のセンスで表現している感じがするんだよね。ギターの音とかも凄く「求道!」みたいな、自分の音を凄く探している感じが伝わってくる。

このパークライフってアルバムは、この二人の極端な幼馴染の力が五分五分に渡り合った作品、って感じがする。デーモンの作る曲は「モダンライフ」から引き続いて凄く良い。そして、グレアムのギターは、前作のどちらかと言うとまだシューゲイザーやマンチェの色が残ったギターから圧倒的に進化し、オリジナリティを確立、ひとつひとつの曲で、ピンポイントに自己主張をしてくる。それが最も良く表れている曲が「park life」だと思う。グレアムのソロが最高だ。


また、アルバムの雰囲気は、実は「怠惰」である。デーモンの声の表情がホント「怠惰」だ。アレックスのベースと、グレアムの局面を変えるギターが、その「怠惰」を切り裂き、ロンドンタウンの高揚感・緊張感を生み出している。これは何かと言えば、学生生活と一緒であり、だからこそ遠い島国の僕らも、このムーヴメントに夢中になったのだと思う。

このアルバム以降のグレアムのプレイは、妙なテンションを持ってしまうデーモンと反比例するかのように怠惰な音を奏でるものになっていくのが非常に面白い。




「the great escape」
1995

reviews
 華があった。95年のイギリス。もとい、95年の音楽シーン。何度も言ってることだが、この年に19歳だった自分を凄く幸せなヤツだと思う。ビートルズ旋風、フラワームーブメント、パンク、マッドチェスター。ロックの時代にはいろんな節目があるが、「ブリット・ポップ」あるいは「グランジ以後」も、どんな節目に負けないぐらい素晴らしいムーブメントだったと思う。95年に20歳の若者は2005年には30歳になる。この年齢の人間はいろんな場面で中心になると思う。僕は2005年あたりからブリットポップのころの空気が戻ってくると思う。同じ時代を生きた人間達が作っていく社会・文化が、今から凄く楽しみである。

 話が大きくそれた。ブラーのグレイト・エスケイプである。今、このアルバムを、聴いてる人って凄く少ないんじゃないだろうか。ブラーの中ではもっとも敬遠されてるアルバムじゃないだろうか。今こそ聴くべき。凄く良いアルバムです。あの当時の雰囲気(いわゆるオアシスVSブラー)が評価を曇らせたとホント僕は思う。ブリットポップが生んだ最大の悲劇だよ。練りに練られた名曲揃いです。
 stereotypes、country houseの素晴らしいギター、最高の曲展開。聴いてみ、ホント、今こんなまろやかな緩急あるメロディー作るバンドいないぜ。当時地味でとばしていた曲(アーノルド・セイムとか)も、聴きなおすと凄く素晴らしい曲にきこえるから不思議。僕のベストトラックは当時から変わらずbest daysだけどね。この曲はホント素晴らしい曲だよね。
 

 うーん、今の若い子でブラーのCDを買う人とかっているのかなあ。俺がスミスを嫌いなように、一世代前の音楽ってダサイものに聞こえてしまうのかもね。だからこそ2005年以降を僕は期待してるわけです。嗚呼青春回顧。




「blur」
1997
11111111111
reviews
 ブラーのアルバムで、今、一番ノスタルジー抜きで素晴らしいと思えるアルバムがコレだ。

一曲目「ビートルバム」のグレアムのギターの音。新しいブラーがここにはある。メロもよいのだが、この曲の素晴らしさは、グレアムの怠惰な表情を見せるギターの音と戦うアレックス・ジェイムスのブイブイ唸っているベース音である。戦っている。

アレックス・ジェイムスというベーシストは非常に過小評価されているが、自分のやりたいモノをしっかり持っているヒトで、たまにソレが鼻につくことがあるのだが、強烈な個性をもった曲の中では非常に面白い働きをするヒトである。
このアルバムは「グレアム・コクソンのアルバム」だという言われ方をするが、僕はグレアムとアレックスのアルバムであると言いたい。グレアムだけだったらただのアメリカ趣味なアルバムになっていたはずだ。おそらく自分の好みとは違う音楽をプレイする中で、アレックス・ジェイムスは如何に自分の色を出すべきかって熟考したはずだ。彼は確か凄まじく頭いい酔っ払いなんでしょ?このアルバムはグレアムのギターが確かに色を決めているが、最終的にブラーのアルバムにしたのは、僕はアレックスのベースの音だと思っている。



 少年達は年をとる。マッシュルームカットでデヴューしたあどけない少年達は、青春をブリットポップにかけて、そして大人になった。僕にとっては、デーモンの年のとり方に共感できた最後のアルバム。今のデーモンはアイデンティティを探そうと必死にもがいてるように見える。もともとアンタにはアイデンティティなんてないんだよ、デーモン。
でも、年をとると、自分を見つめなおすものなんだろうなあ。





「13」
1999
1111111111111111
reviews
中村一義にも影響を与えた「tender」で始まる「13」。ジャスティーンに振られたデーモンの失恋アルバムと解釈されている。

なんとなく、重鎮というか、いっぺんに重くなってしまったな、という印象だ。TENDERでのデーモンとグレアムの掛け合いとか、物語性だけは豊富なアルバムだが、とにかく曲単位でもっともブラーの中で出来の悪いアルバムだと思う。前作まであった対立軸がこのアルバムでは見られない。デーモン一人が突っ走っている感じだ。デーモン一人では制御しきれないところが面白いバンドなのに、非常に統率されすぎている感じがする。ブッコワレた音(Aとか)ですら、凄く計算された感じがして微妙だ。

「13」というアルバムタイトルの意味するものは何かってことが話題になったけど、僕は
1がデーモンで、残りの3が他のメンバーであると解釈した。

とりあえず@ABは未だ良い曲だと思うが、ブラー初心者は一番買ってはいけないアルバムであることは間違いない。





「THINK TANK」
2003
1111111111111111
reviews
スローライフというモノが流行りだそうだ。言葉は知ってるけどその内実は良くわからない。余裕のあるエコな生活?40過ぎぐらいの人がキャンピングカーに載って週末を山で過ごす、みたいな?「スローライフ」という言葉からどんどんイメージが広がった。ロッキングオンの雑誌なら「sight」なんだろうなあ、絶対。新しいブラーのモードも、きっと「スローライフ」なモノに含めてよいと思う。あくまで僕の頭の中で広がった「スローライフ」のイメージだけれど。

基本的にはベストアルバムに入っていた新曲の世界を深めていったような作品だ。アルバムの7割はファンクのようなリズムの曲で占められている。ジョージ・マイケルの大ヒットアルバム「フェイス」を思い出した。チープな音使いといい、デーモンの音域を広く使った歌声(どんどんいやらしい声になっているような気がする)といい、スカスカ具合といい、ほんと「faith」に近いと思う。

一曲一曲は良く練り上げられている。AやBといったシングル系の曲はホントに上手。特にAは2000年代のブラーを代表する曲になるだろう。駄曲だらけだった「13」やゴリラズに比べると、かなりデーモンが復調した感じを抱く。

けれど、このアレンジをどう捉えるかが今作を好きになるかならないかのポイントじゃないか。間違いなくロックぽくないアルバム。「スローライフ」という言葉を使ったが、つまり緊張感が皆無(Aにはかろうじて感じるけど)だということ。緊張感の皆無のため、リピートにしてずっと聴いていても別に疲れたりしないのだが、全く残るものが無い。うまい例えが無くて申し訳ないが、アイドルのアルバムを聴いているようだ(久しく聴いて無いけれど)。ドラムの人はともかく、聴いててアレックス・ジェイムスの存在感すら感じることは出来ない。つーか今までと全くプレイが違うくねえ?アレックス。コレバンドの作品なのか?

アルバムの最後を飾るLに至って、ようやく、お、コレは耳に入る!ってアレンジの曲が出てくるが、コレってアルバムで唯一グレアム・コクソンが参加した曲。何故最後にグレアムのいるブラーに戻って終わるんだ?「?」だらけな展開なのだが、コレはなんか意図があるのだろうか?アルバム一回り聴いて、「やはりブラーはグレアムいないとね」って思わせるためのアルバム?そんなわけねえよなあ。今回のアルバムはグレアム不在の話題で売って、次回はグレアム復帰の話題で売るって魂胆?とにかくこの流れは謎。

総括すると、スロー・ライフなアルバムで、なぜそうなったかって言うとグレアムが不在だからってこと。ソレをアルバム一枚で伝えたアルバム。スロー・ライフなアルバムの代表作と言えばポール・マッカートニーの「マッカートニー」「ラム」で、このアルバムは、ブラーもといデーモンの「マッカートニー」であると言えるのではないか。ということは数年後に再評価されるのかな?