■おちゃっぴぃ■ > □里浦周遊□ > ☆コンジンヨケ☆

里浦周遊

民俗(2009/02/16)

コンジンヨケ(金神除け)

□ はじめに

2009年2月、山口県下関市豊北町神田大川の集落で、何軒かの家の庭先に、地面に挿された小さな御幣を見つけました。地元の方の話では「コンジンヨケ(金神除け)」で、暮れに「コウシンサマ(庚申様)」の注連縄と同じく集って造り、正月に「タユウ(大夫)」に来てもらい、家の「カド(門)」に立てるそうです。なかなか興味深いので、こちらでご紹介します。

ちなみに、話に出てきた民俗語彙ぽいものに当てた漢字は私が適当に選んだものなので、本当は違う意味があるかもしれません。お話を聞かせてくださったKさん、ありがとうございました。(2009/02/16)

当頁TOPへ

□ コンジンヨケ(2009年2月 下関市豊北町神田大川)

大川地区のコンジンヨケ(2009年2月撮影)
金神除けコンジンヨケ(金神除け)
個人宅は支障がありそうなので、道端で見つけたおそらく同じ形式・サイズと思われるもの。大川客神社の下、鳴滝と岡林に向かう分岐に近いところ。豊北町域で多く目にするものより、竹が短い。2009年2月撮影。

2009年現在でも豊北町域では、地域によって差はあるものの、峠道の頂上や旧道の辻などに、石仏(主に地蔵)や塚(主に庚申)をまつったり、御幣を立てたりしています。しかし、各家でも立てている地域があるとは、不覚にも知りませんでした。改めて『豊北町史(2)』(豊北町史編纂委員会/1994)を見てみると、大川地区の事例ではないものの、近い行事の記述がありました。

地神祭り(一月)
正月になると農村で土地の神・農神を祀る地神祭が各地で始まる。地神祭りはこの一年災いがなく豊かな恵みがありますようにと、地の神に願う、農民の切実な神鎮めの祭りといえよう。かつて回り講で当屋の家に集まり、経費は当屋持ちの地神祭りを行っていたが、近年自治開館が各地にでき、自治会単位の籠りで行うところが増えた。庚申塚のあるところでは、寄り合って初庚申の申緒打ちをし、山の幸・海の幸を供えた地神祭りと一緒にお祭するところも多い。年の初めの初寄り合いになっている。地神にささげる御幣を神官から切ってもらい、二本の大きな御幣は自治会の境や庚申塚・道祖神に、小さな御幣は各自の家の庭や田圃の畦に立てる。
滝部の御幣(2009年2月撮影)
滝部大庭の御幣豊北町滝部市守神社の下、上市から大庭に抜ける国道435号線旧道。1980年代から存在を確認。私が興味を持つ契機となったモノ。2009年2月撮影。

コンジンヨケ(金神除け)のヘイ(幣)は、大川の集落の家々にあります。12月中、コウシンサマ(庚申様)の飾りと一緒に作ります。

大川地区でも、昔はトウヤ(当屋)でだったけれど、今は集会所に集まって作るそうです。正月明け、タユウ(大夫)に来てもらい、お祈りをして家のカド(門)に立てます。もともとは1月3日頃のことだったそうですが、家々を回るシンカン(神官)やタユウも何かと忙しいので、現在では1月半ばくらいになることもあるそうです。

大川の庚申塚(2009年2月撮影)
大川の下の庚申塚国道191号線から和久で山側に曲がり、大川の集落に入るところにある庚申塚。12月、コンジンヨケと一緒に飾りをつくる「シモのコウシンサマ」かと。2009年2月撮影。
大川客神社の下の庚申塚大川集落の奥、大川客神社にあがる道の辻にある庚申塚。話には出なかったが、状態から見て、こちらの飾りも共に作るのではあるまいか。2009年2月撮影。
当頁TOPへ

■おちゃっぴぃ■ > □里浦周遊□