こちらの書評について、ちょっと思うところがあったので書いてみました。あらかじめ読んでから次に進んでね。
「地球温暖化論への挑戦」への挑戦 06.09.2002
「反地球温暖化論」の不整合 02.17.2008
薬師院氏の述べてることは大体こんな感じ。
「モデル研究者や温暖化予測を信じる人は、シミュレーションは未来を予言する機械だと思っている、そんなわけないのに。」
それに対してC先生らは「コンピュータシミュレーションは、予言をする訳ではない。ある現象を時間軸にそって再現し、現在までが再現できれば、それを未来に少しだけ外挿するというものに過ぎない。」と反論。
そしていつの間にかなぜだか全く分からないけど薬師院氏がシミュレーションは未来を予言する機械だと思っていることにされちゃって、「薬師院氏のメンタリティーの最大の問題点、すなわち違和感を感じる根本的原因が、コンピュータはすべて予言機械だと思い込んでいることだ。」「コンピュータ・シミュレーションというものの本質を全く理解していないでそれを真っ向から否定するという暴挙を行っている。」「ニュートン力学あたりを多少齧って、多体に関するすべての運動方程式も解けると思い込んだのだろうか。」とも言われちゃってます。

ええええええ、あの本の記述見てそんな風に思うかー?
C先生らがどう思っていようと現実には気候シミュレーションの温暖化予測は未来の予言として出回っています。普段温暖化予測が一般の方々にどのように広まっていってるかを思い返してみるといいでしょう。
そしてたまにツッコミが入ったときだけ「見通しであって予測をしているわけではない。」と。誤解されるのがいやならなぜ普段からこれを言わないのでしょう?
気候シミュレーションは理論とデータとモデラーの想定した数字に基づいて作るものです。シミュレーションが正しいかどうかはそういう前提に完全に依存します。前提がそもそも正しいかどうかを気候シミュレーションで判断することはできません。
『現実の気温変動を再現できたからCO2温暖化説が正しい』ということはありえません。CO2温暖化説に基づいて現実の気温変動を説明付けてみたよ、というだけのものです。CO2温暖化説が正しいことが分かっててそれをやっていれば問題ないですが、CO2温暖化説という前提がそもそも間違っていたとしたらどんなにすごいコンピュータを使って現実の気温変動にぴったり合うように再現していたとしてもCO2温暖化説は間違っています。

「シミュレーションは間違ってます」じゃないの?

シミュレーションはCO2温暖化説に従わないと現実の気温変動を再現できないように作られていますから。仮想地球の中でだけ正しいという意味で。
そんなことを踏まえつつ先を読んでいきますよ。
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B君:このあたりで、またまた認識のずれが明らかになる。本来、議論すべきことは、先ほどから出ている、IPCCの温暖化モデルをどのぐらい信用するか、ということなのに、6.の議論などは、全くその方向性がない。違うに決まっているじゃないか、ということをぐだぐだ述べている。 C先生:それでは、その話にしよう。IPCCの現在の温暖化モデル計算は、”Climate Change 2001: The Scientific Basis”に掲載されている。 http://www.grida.no/climate/ipcc_tar/wg1/index.htm に全体があって、そのなかで、本来温暖化論への挑戦が批判の対象にすべき図が、 http://www.grida.no/climate/ipcc_tar/wg1/007.htm#figspm4 である。 ![]() (b)人為起源の放射強制力の傾向が、1970年ぐらいから急激に上がっているということが、現状のモデル計算の結果。 A君:これをどう信じるか、信じないかということが、温暖化で最大の問題だと思うのですよ。 B君:それが薬師院氏の書籍に出てこないというのが、どうも、根本的な欠陥のように思える。 |
気候再現実験が出てくるわけですが、どのくらい信じるも何もこれはCO2温暖化説に基づいて現実の気温変動を説明付けてみたよ、というだけのものであって、ここにCO2温暖化説がそもそも正しいかどうかは書いて(描いて?)いないのです。コンピュータは予言機械ではないのですから。
また更にまずいことにシミュレーションの詳細さに話がシフトしてしまうでしょう?昔のモデルに比べてコンピュータの性能が上がったとかメッシュが細かくなったとか。フラックス調整をしなくてよくなったとか。あと雲とか乱流とか海流とかのパラメタ、温室効果そのものではなくCO2によって温暖化した後の部分(CO2温暖化が弱ければフィードバックもそれなりのものにとどまる。一方自然要因にもフィードバックは効く)。|
C先生:残念ながら、赤祖父教授もモデラーではないから、自ら、モデルのパラメータをいじって、過去の気候を再現することに成功し、それから、現在の温度上昇が小氷期からの回復が継続しているためであると証明したという訳ではない。専門が違うから、そんなことはできない。 A君:「1950年で小氷期の回復期は終わった」、とするIPCCの仮説が正しいのか、「地球は、現時点でも小氷期からの回復期にある」、とする赤祖父教授説が正しいのか。勿論、本当のことは、モデラーで無いと分からない。あるいは、モデラーでも分からない。 B君:IPCCがモデラー達の意見を聞きながら、議論をして90%確実という結論を出したことを無視することは不可能。赤祖父教授説もあり得るものの、その科学的根拠は無いのだから。 C先生:本題に戻ろう。今回の中心の話題である単行書「反温暖化論」の主張を読み比べてみると、薬師院氏は、図1に示したIPCCに、自分の出した疑問の答えがすべて含まれていることを見抜くことができなかったようだ。 A君:自分の疑問に、専門家は誰も答えてくれない、と「駄々をこねて」いますが、実は、明確な回答は、すでに専門家から出ている。それが自らの疑問への回答だと分からなかっただけ。 B君:この本の著者で、この赤祖父教授とIPCCの主張の違いの詳細が本当に分かっているのは、恐らく伊藤公紀先生だろう。むしろ、この本の著者同士で議論をし、それぞれの主張が「不整合」であることを確認し合うことが必要なのではないか。 C先生:個人的には、IPCCに参画した学者達の顔を思い浮かべながら、この人々が全員詐欺師だとは思えない、と思うのだ。CO2の影響が強くなるように、モデルを意図的に「しつけた」とも思えない。90%確実といわれれば、それを信じる以外に方法は無いのだ。 |
恐ろしいことに仮想地球をいじくって「現在の温度上昇は小氷期からの回復が継続してるから」と出せばれば、それはただしいのだという。
アハハハ…。
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C先生:このあたりに、コンピュータシミュレーションというものに対する根本的な誤解があるように思える。本来、最後に検証する予定だった第一章だが、ここでは、安部公房作の小説「第四間氷期」が出てくる。予言機械なるものが未来の危機を予言して、、、という小説だ。 コンピュータシミュレーションは、予言をする訳ではない。ある現象を時間軸にそって再現し、現在までが再現できれば、それを未来に少しだけ外挿するというものに過ぎない。 A君:そこで、その結果が信じられるかどうか、それは、過去から現在までを再現するときに使われた各種のパラメータ(定数)が、現実のものと近いかといったことを検証して、どの程度信じるかを判断するのですが、薬師院氏は、頭から信用しないという態度。 |
一応こういうことも書いてあるけど検証なんかしないじゃないですか。向こうのパラメタが正しくて再現できたんだから信じろってだけ。というかパラメタが現実に沿っていようがいまいが仮想地球なら再現はどうでもできるから、今の温暖化論のように単純に再現にこだわってる限りはそもそも意味もないですから。よく『90%確実』なんて言いますけど、なんで90%確実なのかなんてことほとんど言わないで再現できたんだ90%確実だから信じろとか言うじゃないですか。
どうりで頭から信用されないわけだよな。
それってコンピュータが知ってるんじゃなくて、人間が指定してやるしかないでしょ?だからこそ薬師院氏が赤祖父氏がそうしたようにデータや既知の理論から温室効果ガスとかエアロゾルとか太陽とかがどのくらい気温を上げ下げするか、気候シミュレーションでのパラメータ・放射強制力にかかわる部分を検証してるわけですよ。それをあなた、90%確実な根拠も出さず、赤祖父氏の主張のどこがどう間違ってるか示すでもなく、ただ気候再現実験がないから科学的根拠がないとか言っちゃったらまずいでしょう。温暖化懐疑論者は気候シミュレーションを嫌ってるとか言いますけど、こりゃ誰だってそうなりますよ。
自覚がないまま予言機械だと思い込んじゃってるから厄介ですよ。
しかし「温暖化の予測に使われるシミュレーションモデルは、作り方次第でいくらでも過去のデータに合うようにできるし、どんな予測結果でも出せるのではないのですか?」という問に対して、モデルはどんな予測でも出せるわけではないって言ってるぞ。|
このように、モデルには不確実性があり、パラメータ化や係数の値の選び方によって予測結果が異なるのは事実です。しかし、その範囲は限定されています。図2の例でいうならば、100年間の全球平均気温の変化はおよそプラス2〜5℃に限定されており、マイナスになることはありませんし、プラスの10〜20℃にもなりません。どのような予測でも自在に出せるわけではない、ということがこうした結果からわかると思います。 |






二酸化炭素にそれなりに気温を上げるだけの放射強制力(温室効果ガスによる正の放射強制力−エアロゾル等による負の放射強制力=観測された気温上昇を引き起こすくらいの放射強制力)を当て込んでますからそうなるでしょうね。でもそれは太陽活動だってそれなりに気温を上げるだけの放射強制力を当て込んでやれば現実の気候を再現できますよ。もしそういう気候シミュレーションが出てきたとしたら再現できたんだからと信じてくれますか?



気候モデルはどんな結果も出せるんじゃないのか?という質問に対して、そうではない、望みどおりの予測ばかり出るわけじゃないと答えたさっきの記事。こうして図にしてみると、話が食い違っちゃってるのがわかるでしょう?不確実性を付加したモデルなんだからシミュレーション結果がばらつくのは当たり前で、質問はそんなことを聞きたいんじゃないんです。




それは人為起源温暖化説に基づく気候モデルの再現性が増しただけであって、人為起源温暖化説そのものの信憑性は全く変わっていませんよ。
そうそう。気候モデルが温室効果ガスが増すことで温暖化するのは、そういう仮説に基づくモデルだからであって、そういう仮説が正しいからではないのです。
『仮説』に基づく『見通し』です。今回採り上げているのは温室効果ガスの増加によって温度上昇するモデルです。スーパーコンピュータを使ってまでいろんな条件を含めて詳細に計算します。
最近温暖化論者も宇宙線による温暖化説や海流による温暖化説に対して反論するっていうことをしています。でもその前に人為起源温暖化説の根拠を出さないと。『仮説』に基づく『見通し(シミュレーション)』をいくら並べたって、単にそういう『仮説』に基づく『見通し』がありますよってだけで、人為起源温暖化説の『根拠』にはならないですから、懐疑論者が反論する以前に始めから人為起源温暖化説なんてないことになります。
それはもちろんですけど、それは温室効果ガスによって、観測されたくらいの温暖化をもたらす&今後も温暖化するってこととは違いますよ。それだけだったら単に太陽が照ってるだけでも温暖化し続けていいことになる。