| 期日 | 平成12年11月23日 |
| 参加者 |
Ken…日和見山の会中心人物(仮名) NK…日和見山の会メンバー(仮名) YN…日和見山の会メンバー(仮名) 横田和章…私、日和見山の会メンバー |
日和見山の会の次なるハイキングは、武甲山へ出発する前から決定していた。 山梨県の名峰「大菩薩嶺」である。 この山は中里介山の小説「大菩薩峠」で全国的に有名… というのはガイドブックの受け売りで、 文学に疎い私はそんな小説は恥ずかしながら知らない。 ましてやこの山で日本赤軍関連の事件があったことさえ、 近頃の最高幹部の逮捕のニュースで知ったぐらいである。 では、私が知っていることは何なのか? それは株式会社ゼンリンの登山地図「奥多摩、大菩薩」に、 その山が描かれているということ。
それが果して「知っている」うちに入るか入らないかは微妙な問題かもしれない。 しかし、奥多摩の山々を制覇してきた私にとっては、 それだけで動機付けには十分なのである。 うーむ、我ながらやや強引な議論の展開だが、 要するに大菩薩嶺へレッツゴー!

なお、今回を含む日和見山の会の数回の登山は、 「富士見ハイク」をテーマとしている。 私も何度か経験していることだが、実は山の上から眺める富士山というものは、 平地で見るのとはまた違った趣がある。 それは目線の高さが異ることによる風景の違いなのかもしれないし、 光の反射の加減による色の違いもあると思う。もう一つ、 山の上は多くの場合平地より空気が綺麗なため、 遠くの景色まではっきり見えるというのも大きな要因だ。 そして大菩薩嶺は富士山が良く見える山の一つなのである。
それで日和見山の会は、既に7月に一度大菩薩登山を試みているのだが、
その時は天候の都合で見えなかったらしい。
今回はその再チャレンジにあたる。
今回は横田和章氏も睡眠は十分で、朝7時に予定通り青梅を出発。 しかし、どうにも天候が怪しい。 朝自宅から見えた奥多摩の山々は、雲がかかっていて良くは見えない。 それでも「中止」の連絡も聞いていないし、まずは自動車でスタート。 青梅街道をひたすら走って、柳沢峠方面へ。
この道は大菩薩ラインとも呼ばれ、 大菩薩嶺の北側を迂回する道である。 はっきり言って奥多摩湖付近までは天気が非常に悪い。 山々の全てが霧だか雲だかに隠されていて、見通し範囲はとても狭いようだ。 こんな状況で果して富士山が見えるのだろうか? 甚だ疑問に思いながらも、もうPHSは圏外。 Kenさんに確認する手段もない。 諦めて塩山まで行くしかない。
それが、一ノ瀬高原の入口を過ぎたあたりから状況が一変する。 さっきまで見えていた霧は一気に消え、まさに抜けるような青空が広がる。 そしてまぶしい太陽が照りつけるのである。 まるでトンネルを抜けたかのような眩しさだ。 そして、柳沢峠を通過した時、前方にすぐさま富士山が見えて来る。 その姿は雲海の上に真っ白な姿をはっきりと映し出していて、 とても素晴らしいものだった。 この分なら、大菩薩嶺からも見えるに違いない。
不安は一挙に期待に変わり、
あとはウキウキした気分で塩山駅へ到着。
ところが現れたメンバーはKenさん、NKさん、YNさんの3人だけ。
前回の武甲山の時に、メンバーは5・6人になるだろうという話を聞いていた。
しかし、やはり天候を不安視してか、実際にはメンバーが減ったらしい。
ただもう一人、Mayさんは来るということだったのだが、駅には姿を見せず。
一本だけ次の電車を待ってみるが、やはりMayさんは現れない。
やむなく4人で出発する。
大菩薩嶺へのルートは大きく分けて塩山市側からのルートと、 丹波・小菅側のルートの2つに分けられる。 主なルートを詳しく書くと次の通り。 地図については文末のルートマップを参照されたい。
この他に周囲の山や峠から縦走するルートもあるが省略。 我々が選択したルートは、唐松尾根ルートで登り、 大菩薩峠ルートで下るというお気楽なものである。 そう、日和見山の会は低山ハイキングを中心としたグループ。 たとえ2000m級の山に登ろうとも、軽いハイキングが基本なのである。 このお気楽さが、私もとても気に入っている。
まず我々は自動車で福ちゃん山荘を目指す。
ここには10台程の駐車スペースしかないが、
今日はラッキーにも1台スペースが空いているのでそこに駐車させてもらう。
途中道を間違えるハプニングがあり、到着時刻は既に11:40である。
それで、いきなり腹ごしらえしてからスタートということに。
NKさんにもらった唐揚げや、YNさんにもらった甘い梅干しが美味しい。
ありがとう!
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ところで、前回の登山の時、 私は「シラカバとダケカンバはどう見分けるのでしょう?」 という質問をKenさんに聞いた。 この2つの木はいずれも幹が真っ白になる木。 私は白くなる木は全部シラカバだと思っていたのだが、 三頭山に登った時に、「ダケカンバ」と「シラカバ」の2種類あることを知り、 どう見分けるのだろうと疑問に思っていたのだ。
Kenさんは、それをちゃんと覚えていて解答を調べて来てくれたそうだ。 それで登山の前に、ノートを広げて絵を見せてくれる。 それによれば違いは次の通り。 サァスガKenさん!
それを知った私は、早速実践すべく、 この日はそれらしい木を注視して見ることにした。 しかし、残念ながらこの時期は広葉樹はほとんど全て葉が落ちていて、 まるっきり幹しか残っていない。 これでは判別不能である。 ああ葉はないけど白樺。そして青空。すると…次は南風か?
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…と、理解したつもりの私だったが、 後日調べてみると、大きな勘違いをしていたということを発見。 実はKenさんのノートに書かれていたのは葉ではなく、花だった模様。 正しくは次の通りである。
いずれにしても、葉も花もない季節には、判断材料は幹の色だけとなる。
白樺は幹の色が真っ白なのに対し、
ダケカンバは木によって色が変わり、やや灰色〜クリーム色〜肌色のものがある。
しかし、真っ白と灰色の違いは微妙で、素人には判別不能だ。
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さて、ともかく登山開始。 唐松尾根の道は、 その名の通りカラマツを中心とした林の中に道が続く。 それがやがて唐松林はだんだんと姿を消し、 展望が開け始める。 すると、「富士山見えるジャン!」とKenさんが叫ぶ。 振り向けば本当にうっすらと富士山の姿が見える。 写真では写しきれないものの、 実際に目に見えた富士山は浮かんでいるような美しい姿だった。 ヤッタゼ。
その周囲の道はいきなりなかなかの急坂である。 それでもKenさんが非常にゆっくりとした均一なペースで登ってくれるので、 疲労感はとても少ない。 このペースなら女性陣も全く心配ない模様である。 ただ今日は風もなく日差しも強いので、NKさんはちょっぴり暑い模様。 それで1枚ずつ上着を脱ぎ、ついには半袖1枚になってしまう。
私「うーむ、あと1枚…。」
Ken「檜洞丸の時もそんなこと言ってたでしょ。」
私「ゲ!良く覚えてますね!」
Ken「ホームページの記事を読んだんですよ。」
私「でも魅惑的な記事を書くのって難しいですね。」
話題はこの後、「小春日和→晴れ男→雨女→新規メンバ→お友達→ストライクゾーン」 へと展開して行く。 詳しい内容は企業秘密である。
やがて道はどこまでも広がる熊笹の草原の中へと続いて行く。
すると上日川ダムが綺麗に見え始め、足元には塩山の町並みが見え始め、
遠くには南アルプスの稜線がくっきりと映り始める。
空の色は一層青くなり、とても雄大で素晴らしい風景が広がって行く。
そしてぼんやり見えていた富士山も、だんだんと雲が姿を消し、
山頂の雪も良く見えるようになる。
雲海にはっきりと浮いて見える富士山は本当に美しい。
こんなにはっきり見えるなんて、今日はなんて好運なんだろう。
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草原の道をどこまでも歩いていると、最後に前方の岩に人が沢山いるのが見える。 そしてようやく「雷岩(かみなりいわ)」へ到達。
山頂はここから更に10分程歩いた所にあるらしい。 その道は明らかに唐松林の中に続いていて展望はなさそうである。 私以外の3人は、既に登頂経験があるそうで、 今回は最初から山頂には興味がなかったらしい。 それで、Kenさんは私に「行って来れば?」と薦める。 お言葉に甘えて荷物をそこに置き、一人で山頂へ。 他のメンバーはここでお昼。
その道はわずかなアップダウンはあるものの、 今まで登って来た道に比べればとても平坦。 他のメンバーに迷惑をかけないためにも、 ややハイペースで移動。 こうして少し下って、もう一度登った所に山頂はあった。 やはりその場所は話に聞いた通り全く展望はなく、 周囲を唐松林に囲まれている。 そこにポツンと山頂標識がある。 場所も狭くて日陰で暗く、あまり休憩場所には適さないと思われる。なるほど。 とりあえず記念撮影。
この場所を往復して思ったことは、
大菩薩嶺登山においてはあまり山頂にこだわる必要はないということ。
この山は雷岩から大菩薩峠にかけて、
とても素晴らしい景色がずっと続いている。
それと比べると、山頂はオマケと言った印象だ。
1度登ったことがある人には、
山頂はほとんど意味がないようだ。
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さて、山頂から戻った後はすぐに昼食である。 気がつけばここでKenさんが持って来ていたワインの小瓶は既にカラになっている。 そうか、運転手の私に気を遣って、 私が山頂を往復している間にこっそりと飲んでくれていたのかも知れない。 まぁお酒が飲めない私としては、遠慮なく目の前で飲んで下さっても、 ちょっともうらやましくはないので構わなかったのだが。 サァスガKenさん、見事な心配りだ…と勝手に解釈。 もちろん私がいない間に、 女性陣にお酒を飲ませて悪いことをしようとしていたという解釈も成り立つ訳だが!?
ここでNKさんはフルーツの缶詰めを開けてくれる。 中にはパイナップルや桃などが小さく切られて入っている。 それをみんなでつつきながら、各自のお弁当を食べる。
この場所まで登ってみれば、富士山はさっきより更にはっきり見えるようだ。 しかも、山頂付近にかかっていた雲もやがて晴れ、 青い空にシルエットのように富士山が綺麗に見える。 その下には雲が広がり、手前にはどこまでも広がる森林、 そして上日川ダムの湖面が輝いて見える。 こんな素晴らしい景色を見下ろしながら、 日だまりの丘で昼食を食べるのは楽しい。
Kenさんは私が書いた4つの日和見探検記を、 全て印刷して持って来ており、ここで女性陣に見せる。 女性陣は読書タイムだ。 うーむ、なんだかちょっぴり恥ずかしい。 まるで小学校の頃の作文を読まれている気分である。 それでも黙って読んでくれる分には良いのだが、 NKさんは時々声を出して読もうとする。ヤメテくれー。
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昼食後は荷物を背負って大菩薩峠へ向けて移動。 まずは雷岩に登り、草原の道を歩き出す。 私は実は、唐松尾根を登る間もずっと岩を観察していた。 その観察結果によれば、 雷岩も含め、周囲の岩は全て泥岩(でいがん)のようである。 泥岩は元々泥が固まって出来たものだけに、 再び泥に帰りやすい性質を持っている。 このため、泥岩の山は比較的なだらかな山になりやすい。 それがこの稜線付近の風景の原因だろうか。
そこから大菩薩峠へと続く稜線の道は、 今日最大のクライマックスだった。 青い空の下に、熊笹の草原が続き、ところどころにポツリと低い唐松が見える。 その先に、どこまでも連なる小金沢連嶺が見える。 そして富士山もずっと見えている。 ロマンチックな景色の道を、 ゆっくりと4人で進んで行く。 素晴らしい気分。
途中のいくつかのピークには、ちゃんと看板も立てられている。 雷岩の次は「神成岩」。読み方は同じだが岩は違う。 でも、どれがその岩なんだろう?Kenさんにも分からないようだ。 その周囲が標高2000m地点。 ここには「標高2000m地点、2000年設置、塩山市」と書かれた標識もある。
Ken「きっと来年は1mぐらい左上に看板が立つんじゃない?」
一同「(笑)」
しばらく歩くと次のサイの河原付近に避難小屋がある。 その先が親不知ノ頭(おやしらずのかしら)。 Kenさんによれば富士見新道を登るとここへ出るらしい。 こうしてゴツゴツした岩と、草原とが繰り返す風景の道をゆっくりと歩く。
この先の大菩薩峠には、丹波・小菅側から登って来るルートの合流点がある。 その道筋と思える尾根が見えて来ると、 私はいつかこの道を歩いてみたいと思い始める。
こうして無事大菩薩峠に到着。ここに立つ介山荘は、
すっかりお土産屋さんというムード。
どうやってその大量のお土産を運んで来たんだろうと思えば、
その裏にはちゃんと自動車も停まっている。
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介山荘から福ちゃん山荘へ降りる道は、 歩行者にとっては楽チンの広くてなだらかな道だ。 しかし、自動車にとっては半端ではない急坂。 本当にこんなところをさっきの自動車が通って来たのだろうかと疑問にさえ思えて来る。 しかし、YNさんは「ホラ、ちゃんとタイヤの跡がありますよ」と指さす。 凄い!。
この道は再び唐松林で、さっきまで見えていた展望はおしまい。 まだ15時にもならないが、山はすっかり夕暮れのムード。 今日は本当に素晴らしい景色が見えて良かったと話しながら、 ゆっくり坂を降りて行く。 その道すがらは、Kenさんを中心に次なる日和見登山の話が続く。 富士見登山シリーズの扇山、三ッ峠山。 それにもう一つ、タクシーも入ってくれないような山にも行く予定らしい。 その言葉はどうも私に「赤い4人乗りポルシェ」を出せと言っているようだ。 私の車は、 すっかり今日の登山で「赤いポルシェ」だったということにされてしまった模様。 随分ポルシェにしちゃボロいけれど、ようござんす!出しましょう。 でもまさか、こんな荒れた道ではないですよね?
こうして楽しく話しながら、無事福ちゃん荘へ帰還。
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こうして通称「赤いポルシェ」になぜか4人乗って、 最後に大菩薩の湯を目指す。 ここはまさに帰り道の途中にある温泉である。 電車の時間を考えてみるとちょっとぎりぎりだけど、 せっかくだから寄ってみよう。
入ってみればそこはとても広い施設で、 ホールには沢山の土産物や野菜も売っている。 ホールや休憩室は無料のようで、 考えようによっては道の駅としても利用可能なムードだ。 その温泉の方はちょっぴり混雑している。 詳しくは省略するが、 それでも洗い場にも空きはあるし、 露天も落ち着いて浸かることが出来て満足。 温度の方も丁度良く、お湯は透明ながらヌルヌルとしている。 やっぱり登山の後の温泉は気分が良い。
出て来てみれば、既に女性陣は待っている。
最後にみんなでお土産物を眺める。
実は登山の間、ホウトウのお話しをしたので、
Kenさんは早速そのホウトウを購入。
私はホウトウが大好きだったりするのだが、
今回は帰り道に柳沢峠のドライブインで買うことにしてここはパス。
こうして車に戻り、塩山駅へ向けて出発。
塩山駅への道は思ったよりも短い。 余裕をみて電車の30分前に温泉を出たのだが、 結局10分で駅に着いてしまう。 ということでここで解散。 みなさんいろいろありがとう。 またまた日和見登山でお会いしましょう。
いやぁ今日は素晴らしい景色も見ることが出来たし、 富士山もずっと見えていたし、 最後には温泉にも入れて楽しい一日だった。
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さて、みなさんとお別れした私は、 一人で青梅街道を走り、 柳沢峠越えで青梅へと向かう。 しかし、期待していた柳沢峠のドライブインはなぜか閉まっている。 それで、ホウトウを結局買えずじまい。 うーむ、納得行かず!
やむなく空腹のまま家への道を走っていたのだが、 丹波山村を過ぎ、奥多摩湖を過ぎ、奥多摩駅も過ぎて、 鳩ノ巣駅周辺へたどり着いた時、 有名な「鳩ノ巣釜めし」のお店が開いているのを見つける。 をを!コレダ! ということで、釜めしを食べることにする。
店内に入って席につきメニューを見ると、 要するにメインメニューは、 きのこ釜めしと、山菜釜めしの2つだと分かる。 あんまり深く考えず、なんとなく山菜釜めしを選択。 内容は次の通り。
さて、味の方だが、
はっきり言って可もなく不可もなくと言った感じである。
刺身こんにゃくなどはなかなか美味しいし、
釜めしの具などはもう少し香りがあっても良いような気もしないでもないものの、
基本的に味は悪くない。
明らかなことは、水炊きまでついて1400円というセットは、
素晴らしく良心的な価格設定だと言えるだろう。