ワンダーフォーゲル部勉強会

気象について

1 高気圧と低気圧

天気図を見ると等圧線が輪のように閉じていてまわりよりも気圧が高いところを高気圧、 低いところを低気圧という。そして中でも最も気圧の高いところを高気圧の中心、その逆を 低気圧の中心という。 高気圧の周辺では空気が冷たく重くなり、その空気が地上に降ってくるにつれて次第に気 温が上がって乾燥してくる。したがって雲ができにくく、高気圧の圏内では晴れやすくなる。 また下降気流によって地上にふき吹きつける風は、地球の自転の影響で中心から時計周りに 出て行く。 低気圧は高気圧と逆の現象である。低気圧の地上周辺では気温が高く空気が軽くなるため め大気が不安定になり中心付近で空気が上空に向かって上昇する。この上昇した空気が冷や され、その空気中の水蒸気が凝結して雲を発生させるため、天気が悪化し雨や雪などの現象 をひきおこす。また周囲よりも気圧が低いため、中心に向かって反時計周りに風が吹き込む。 この際、南から暖気が、北から寒気が流れ込み低気圧周辺では寒暖の空気の境界が生じ、そ の面に沿って不連続線を伴う。

南方海上で発生した熱帯低気圧が発達したものを台風という。台風が接近するとその中心に向かって大量の湿った空気が流れ込み強い風が吹く。そして流れ込んだ空気は強い上昇気流となり広い範囲に積乱雲を発生させ暴風や大雨をもたらす。なお圏内の最大風力が 8以上に達した熱帯低気圧を台風といい、それ以外は弱い熱帯低気圧という。

・ 主な不連続線 温暖前線 暖気の勢力が強く低気圧の中心から東または南東方向に伸びる不連続線。こ の前線は暖気が寒気の上面を這い上がっていくようにして進み、層状の雲を 伴う。したがって穏やかな雨が長時間降り続く。なお山においてこの前線通 過時、上空の雲が低くなりさらに山麓や山の中腹で発生した雲が上に昇って きて、上下から雲が迫ってくるような時はまず雨や雪になるので注意を要す る。

寒冷前線

寒気の勢力が強く低気圧の中心から南西または南方向に向かって伸びている 不連続線。この前線は低気圧の暖域に潜り込むようにして進み、周辺の暖気 を上昇させ積雲状の雲を伴う。そのため降水現象の特徴としては、雨の強弱 が激しく降水時間は短いといったことが挙げられる。また前線通過時には降 水の他、突風を伴い山においては天気が急変し荒れるので要注意。悪天時間 は短いのでどこか安全な場所に待避して天気の回復を待つのがよい。

閉塞前線

温帯低気圧は通常温暖前線と寒冷前線の両方を伴っているが、寒冷前線の方 が温暖前線に比べ速度が速いので、低気圧が発達しながら東進していくうち に後ろから寒冷前線が先の温暖前線の追いついてしまう。この両者が重なり 合った部分の不連続線を閉塞前線という。この閉塞前線には温暖型と寒冷型 の2つのタイプがある。温暖型は地上の不連続線の位置よりかなり北または 東方面に温暖前線型の天気分布を示す。したがって閉塞前線の接近時よりか なり早い時間から天気が悪化する。 一方の寒冷型は寒冷前線の勢力が強く 残っており前線の通過時に一時的に 激しい天気変化をもたらす。また温暖前 線と寒冷前線とが分岐している所を閉塞点といいこの付近では悪天に見舞わ れ易いので接近時には注意を要す。閉塞前線はいずれも広範囲を悪天候にし 速度も遅く長時間続くので山では要注意。

停滞前線

温帯低気圧に伴う不連続線が東西に長く横たわるようになると、不連続線の 動きが遅くなり天気図上では、ほとんど停滞しているようになる。そのよう な不連続線を停滞前線という。梅雨前線や秋雨前線が典型例。一般に勢力は あまり強くなくそれほど悪天に見舞われるということもないが、一旦この前線上に低気圧が発生したり、前線が低気圧の影響を受けたりすると天気は大 荒れになる。

2 四季の特徴的な天気図

Ο春季

春の天気を左右するものに移動性高気圧がある。これは冬期に発達したシベリア高気圧の 勢力が弱まってくると、その張り出した一部が離れ日本列島に上陸してくるものである。こ れに覆われると風弱く穏やかな晴天に恵まれる。しかしその晴天期間は短く、1〜2日しか もたない。その前後は気圧が低くなるので、前線や低気圧ができやすくなり天気は悪化する。 これらが交互に日本付近を通過するので、定期的に天気は変わる。また移動性高気圧の勢力 が強くなり動きが遅くなることがあるが、このときは好天が持続する。

Ο梅雨期

夏のはじめの6〜7月頃を梅雨期といい、この時期は日本の南岸付近に梅雨前線が停滞し 雨を降らせる。梅雨期には、オホーツク海方面からオホーツク海高気圧が、また太平洋上に 太平洋高気圧が現われる。オホーツク海高気圧から吹き出す北東風はやませと呼ばれ冷害を 引き起こすことで知られる。一方の太平洋高気圧は梅雨期に南海上に勢力をのばし、梅雨末 期には梅雨前線を北に押し上げ梅雨明けとなる。 Ο夏期 夏になると太平洋高気圧は日本を広く覆い晴天をもたらす。ただし、この太平洋高気圧は 高温多湿のため不安定になりやすく、晴天域においてもにわか雨や雷雨をともなうことがあ る。真夏の台風は速度の遅いものが多く進路もあまりはっきりしない。そのため数日の山行 なら日本の南海上に台風がいる間に行程を終了することも可能。

Ο秋季

秋のはじめの9〜10月頃になると、夏期に日本を覆っていた太平洋高気圧が南へ退き、変わって寒帯の高気圧が勢力をのばし、これらの高気圧の境に秋雨前線が生じる。性質は梅 雨前線に似て激しく雨を降らすというわけではないが、この時期になると台風がさかんに日 本に上陸してくるようになる。そして前線が台風の接近によって影響をうけると一転して天 気は大きく崩れ悪天に見舞われることになる。晩秋のころの10〜11月にかけては、春と 同様に移動性高気圧が日本に上陸してくる。そして秋晴れの晴天と冷たい雨模様の天気とを 繰り返す。

Ο冬期

冬が近づくにつれ、大陸からのシベリア高気圧が徐々に勢力をのばして日本付近へ張り 出してくる。11月も後半のになると冬の代表的な気圧配置である西高東低型となり北西 の季節風が吹くようになる。各地の天気は太平洋側と日本海側で大きく異なり、太平洋側 では季節風は強いものの晴天に恵まれることが多い。一方の日本海側では降雪を伴い悪天 に見舞われる。なお日本海側の降雪には山雪型と里雪型とがあり、山雪型は天気図で日本 付近の気圧傾度が高いときで山間部を中心に大雪が降る。他方、里雪型は日本海の等圧線 に袋状のたるみがみられ、このときは日本海沿岸の平野部に雪が降る。