雷対策
安全な場所  野外で雷を避ける時の安全な場所とは、地物の仰角45度以内、地物から2m以上離れた所です。こういう場所を保護範囲と言います。
避難姿勢  安全な場所に避難したら、姿勢を低くします。頭より高く物をかざさないように注意しましょう。
避けるべき場所  雨水溝のような所は避けること。山頂、岩稜、岩場、水場の様なところは特に注意が必要です。また、野外の避難時には、直接地面に触れないよう注意しましょう。必ず這松やザックなどの上に座ること。
分散して避難  パーティーが多勢の時は、被害が大きくなるのを避けるため分散して避難しましょう。
爆風に注意  雷の直撃を受けなくても、爆風にとばされて二次的災害を受ける場合があります。細い稜線や凸地は避けて、体が飛ばされてもなるべく衝撃を受けないような場所に避難して下さい。
建物の中  小屋の壁・柱などに直接触れないで、2m位の距離を取るようにしましょう。昔こどもの頃、「雷の時は蚊帳に入れ」と言われた方も多いと思います。蚊帳は部屋の真ん中に吊ってありますから、昔の人は生活の知恵で知っていたんでしょうね。
・ 人体への落   人体に雷が落ちたらどうなるのか知っておきましょう。人体に落雷するときには3種類の特徴があります。

1)「体内電流」

   全電流が体内を流れるものです。内臓に電流が流れるために、呼吸停止や心停止などを起こして死亡する確率が非常に高くなります。

2)「部分沿面放電」

   体内電流とともに部分的に体外に電流が流れるもので、実際にはこのタイプの落雷が一番多く起きています。被害者の80パーセントは死亡してしまいます。

3)「沿面放電」

   電流のほとんどが体外を流れます。電流が流れた部分は軽いやけどをしますが、内臓には電流が流れないために、死亡は免れる例が多く報告されています。

雷対策

場所別原因
 区分      登山道 雪 渓 岩 場 小屋等 沢・谷 稜 線 その他   計  
転 落
滑 落
転 倒 10 14
落 石
道迷い 
その他
病気疲労 16
25 47
死傷者原因
区  分 転 落 滑 落 転 倒 落 石 道迷い その他 病 気   計  
死 亡
重 傷 13
軽 傷 11
無 事 12 20
14 13 47



登山上の注意事項    

梅雨期の登山は、登山道や山肌の石、土砂等が落ち着いていないため、落石や滑落による事故の危険が大きく、また、土砂崩れ、雪渓の崩壊等によりルート変更が余儀なくされる場合があります。遭難事故に遭わないためにも事前に登山情報を収集するほか、現地の山小屋等へ登山道の状況を確認するように心がけましょう。

○ 登山届けを忘れずに!

○ 計画にゆとりを!   ・ 体力、技術、経験にあったコースを選んで下さい。   ・ 悪天候、ルート変更等のため日程が遅れることがあります。余裕を持った日程で 臨みましょう。

 ○ 体調を整えて!     寝不足や風邪は登山の大敵です。体調が悪い時は自重しましょう。

 ○ 装備、食料は十分に!     万が一に備え、予備の装備と非常用の食糧を持参することにより、安心感が芽生え気持ちが落ち着きます。

 ○ 天候に気配りを!   ・ 山の天候は急変します。天気予報に気を配って下さい。   ・ 気温差は平地と10度以上もあります。風や雨で体温が急激に奪われますので、 防寒対策をとって下さい。


 ○ 落石に注意を!   ・ 浮き石が方々にあります。足下ばかりでなく、頭上にも気を配って下さい。

  ・ 万一浮き石を落としてしまったら、下方にいる人に大きな声で伝えて下さい。

 ○ 行動は慎重に!   ・ 急な雪渓は、一歩一歩確実に歩行し、ピッケル、アイゼンを正しく操作して下さ い。   ・ 視界の悪い時に雪渓を横断する場合は、雪渓から登山道への出口を見失うことなく、踏み跡を慎重にたどって下さい。

 

7 私・高瀬の経験から一言   山岳警備隊に入隊するまで全く登山経験の無かった私は、隊員としての活動中に、苦しく、手痛い経験を数え切れない位に繰り返しております。

  入隊するまでの私は、山の怖さについては

   ○ 転落・滑落は、傾斜の強い危険地帯で起きるんだろう

   ○ 崖っぷちで落ちると何百メートルも転落・滑落してしまうんじゃないかなあ

 というように、ただ単に「落ちる」「落ちると死ぬ」ということだけに怖がっていたような気がします。

  ところが、隊員として活動してみたところ、以外にも危険地帯での失敗は殆どなく、むしろ危険性が低い場所で、ちょとしたはずみによって

 失敗することが非常に多いように思います。

  この山岳情報に、私の失敗を述べるのは少し気が引けるのですが、登山間もない中高年の皆さんが登山を楽しみ上で一つでも二つでも

参考にしていただければと思い、勇気を出して記述することにしました。

  夏山においては、切りがない位の失敗を繰り返しておりますが、主な失敗は次のようなものです

   ○ ズックを履いて登山した際、つま先を岩角にぶつけ、親指の爪をはがしてしまったこと

   ○ 塗れた木道で、足を滑らせ転倒し脳しんとうを起こしたこと

   ○ 通い慣れた登山道を走った時に、砂地で滑ったり、浮き石に乗り転倒したこと

   ○ ガレ場の登下降で、大きな浮き石の上に乗った時、落してしまったこと

   ○ 足元しか見ずに歩いていたため、登山道に張り出している岩角や木の枝に頭、顔をぶつけて怪我をしたこと

   ○ 日没前に目的地に着けず、ヘッドランプを取り出したものの電池が切れしてしまい、暗闇を手探りで歩いたこと

   ○ ピッケルを持たなくても大丈夫と思い素手で雪渓を下降していた時に滑落したこと

   ○ 岩登りのため、雪渓から岩場の取り付き地点に近付いた際、雪渓が崩れシュルンドに転落したこと

   ○ 薄氷状の雪渓部分を厚い氷と思って走ったため、片足が薄氷を突き破り、四つん這いになりながら、かろうじてその場から立ち退い
      たこと

   ○ 行動食・水を持たずに遠出したため、補給に困ったこと

   ○ 濃霧と残雪でホワイトアウトになったものの、どこかに行き当たるだろうと思い体力任せで進んだところ、全く予想外の場所に到着し
      たこと

   ○ 風邪をひいて入山したため、風邪をこじらせ仲間に迷惑をかけたこと

 皆さんの中にも同様の体験をし、冷や汗をかいた方もおられると思いますがいかがですか。

 今、いつごろ、このような失敗をしたかとよく考えてみますと、入隊当時から2、3年の間に集中していたように思います。

 結果的には小さな過ちで笑って済ませておりますが、どの失敗を見ても、よく検討すれば笑って済ませない致命的な事故になっていても
  不思議は無かったと思うものもあります。

 私の場合、幸いにも山岳警備隊に入隊したことで、登山の基本を教えられたこと、重装備での長期歩行訓練や遭難者を背負って多くの悪
 路を歩き続けたため、知らず知らずにバランスを保持する筋肉と感覚を鍛え、移動要領が身に付いたことなどから、大きな失敗につながらなかったものと思っております。

 また、多くの遭難をこの目で見たことから、私の教訓にできたことも、幸いしたものと思っています。


 
そこでみなさんへ

 多くの登山者は、危険を実感したり、装備の必要性を痛切に感じる事は余りなく、むしろ、疲れながらも頑張れたことに満足している方が
 多いと思います。しかし、毎年多くの方々が遭難し、救助されています。また、遭難に至らなくともそれに近いケースも非常に多く発生しています。

 初心者や中高年者に多く見られる遭難には、次の3つの特徴が挙げられます。

   1 登山道を歩行中、砂地やガレ場で足を滑らせる、浮き石に乗りバランスを崩す、石の出っ張りにつまずくなどが原因で、転倒・滑落し、

   落石を誘発させる

   2 発病や持病を再発させる

   3 登山道を事前に研究しなかったため、あるいは濃霧の中を無理に進むために道迷い

 また、遭難を引き起こす原因として

   ○ 体力に余裕がなくなる

   ○ 危険に対する認識不足、技術不足、筋力不足


   ○ 雨具、細ひも、医薬品等の装備の不足

などが考えられます。

 山に潜む危険は、なかなか見抜くことは出来きません。

 これから登山を始められる方は、近くにある山岳会等を訪ねることをお勧めします。

山岳会等には、先人から引継がれてた教訓が沢山あり、丁寧に教えていただけると思います。

 心ゆくまで大自然を楽しむためにも山の知識を十分身につけて下さいね。