その昔、レルナという沼地に、巨大な蟹(かに)が住んでいた。
あるとき、そこへ大神ゼウスの妻ヘラからの伝言が届いた。
『ヒドラが危ない。助けてはくれまいか』
ヒドラとは、9つの頭を持つへび。
一つの頭を切るを、そこから2つの頭が生えてくるという恐るべき大蛇(だいじゃ)だ。
しかし蟹(かに)にとっては、同じ沼地に住む兄弟分でもあった。
そのヒドラが、ギリシア一の勇者として知られる巨人ヘラクレスに退治されようとしているというのだ。
(実はヒドラは、継子(ままこ)ヘラクレスを殺めようと企んだ女神ヘラが差しむけた刺客(しかく)だった。
その刺客(しかく)が形勢不利になったので、女神ヘラが蟹(かに)に応援を頼んだのだった。)
ヘラの命(めい)を受けた蟹は、意気揚揚と戦いの場に姿をあらわした。
そして巨大なはさみをふりかざすと、ヘラクレスにおそいかかっていった。
はさみで足をはさみ、その動きを止めようと試みる。
しかし、相手は千人力といわれるヘラクレス。
蟹(かに)の相手ではなかった。
蟹(かに)はあっという間にふみつぶされてしまう。
仲間を助けるために、ギリシア一の勇者に挑んだ蟹(かに)の姿を見て、ヘラは感銘を受ける。
そして、蟹(かに)を空へあげて星座にしたのだった。
『愛する人を守る』その精神は、かに座の性格の象徴である。 |
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