はじめに
 奈良県立民俗博物館は、1974(昭和49)年11月に開館しました。開館後さまざまな調査・展示・普及活動を実施してきましたが、これらの成果のうえに、さらに県民市民の皆様と連携を図りながら、当博物館が対象とする民俗文化財の保存と活用をはかり、県民の生活文化の向上をめざしてまいりたいと考えています。
 2006年からは、大和郡山市在住の秦峰一氏の民俗映像作品を公開し、皆様から高い評価を得ました。このたびその一環として、同じく市内在住の田中眞人氏の写真展「郡山の祭と行事」を開催いたします。同氏はこれまで一般にはほとんど知られていなかった大和郡山市内の民俗行事の撮影を精力的に行い、大和郡山市の豊かな民俗文化を浮き彫りにされました。
 これらの伝統行事は、それぞれの土地の信仰にもとづいて行われていますが、ともに生きるための協調性を養う場としても重要な役割を果たしており、同時に私達の暮らしに豊かさと潤いをもたらしています。激変し、混迷する現代においてこそ、こうした民俗行事の持つ意味を見つめ直す必要があるのではないかと思われます。
 今回の写真展を通じて、郡山の民俗文化への理解が深まるとともに、現代社会と民俗文化を考えるきっかけになれば幸いです。
奈良県立民俗博物館
館長  大窪秀樹
奈良県民俗博物館 <民俗写真展表紙(番条熊野神社 朔坐)>
【奈良県民俗博物館 <民俗写真展表紙(番条熊野神社 朔坐)>】