さつまいも農業倶楽部のご案内

私たち『長居公園さつまいも農業倶楽部』は、地域で暮らす失業者や年金生活者、生活保護者や野宿労働者らの野菜作りサークルです。野菜作りを通じ、それぞれのあり方を大切にしながら、明るく元気に過ごしていくことを目指しています。

● 『畑の日』に自然とふれあい、野菜をつくろう!
  藤井寺市の300坪の畑で、有機栽培(完全無農薬)でいろいろな野菜を作っています。
  毎月第2、4日曜日を「畑の日」として、広く参加者を募っています。これまで7年にわたって、農学部の大学生からホームレス経験者まで、畑に関心のある方が参  加して作業を続けています。子どもに自然を満喫して土と親しむ気持ちを教えたいとお孫を連れて参加してくださったおじいさん。畑で採りたての野菜天ぷらの味  を絶品と評価していただいた若い娘さん。作業を終えて昼食時のビールが今までこんなおいしいビール初めてやといわれた中年の方。楽しい人びととの出会いの場となっています。

畑の日:午前9時〜近鉄「藤井寺」駅集合 徒歩15分
    12時まで作業。終了後、軽食取りながらの話し合い。

※交通費は各自でご負担ください。自転車での参加も可能ですので、ご相談ください。
※飲み物と食事は用意しております。おみやげに採り立ての野菜をお持ち帰りください。
※参加される方は前日までに下記連絡先までご連絡ください。
 連絡先:長居さつまいも農業倶楽部 田畑光久 090-9879-5192

有機栽培(完全無農薬) 朝採り新鮮野菜販売
● 『さつまいも倶楽部』のお野菜をオシテルヤで!収穫した野菜は安価で販売しています。
   この6月からは毎週水曜日午後にオシテルヤ(東住吉区南田辺5丁目11-20)でも販売いたします

日時:毎週水曜日 午後1時〜5時まで(売切れ次第終わります)
場所:オシテルヤ(南田辺小学校東隣)
○ 手作り、採りたて!季節のお野菜をどうぞ!
○ みなさまのご来店をお待ちしております。
○ 昭和町の聖アンデレ教会前でも、毎月1,3,5日曜日朝10時半〜12時半まで販売しております。 
  多数の有機栽培の野菜を求め来られるおなじみの方で大好評をいただいております。

※宅配をご希望される方もお電話で申し込みください。
連絡先:長居さつまいも農業倶楽部 田畑光久 090-9879-5192

新鮮野菜販売ビラ(サイズB5・PDF)←ダウンロード
即売会.にて


畑の春・夏・秋
早春の農場 夏の農作業 夏の農作業 秋の農場

<経過報告>

<さつまいも農業倶楽部>はこの秋、「長居公園仲間の会」の「野宿者の生活と権利を勝ち取る運動」のなかで生まれました。<さつまいも倶楽部>は長居公園のテント村で生活する野宿者自身の手による、野宿者のためのグループです。作業も作付け計画もすべて、野宿者が中心になって行っています。長居公園仲間の会は、施設への収容と地域からの追い出しを強める大阪市の野宿者対策のなかにあって、地域の中で、地域と共に野宿者が生活できる環境作りをひとつの目的として活動してきました。仲間の会のテント村に集う仲間はみな、アルミ缶回収やアルバイトなどの仕事に就き、行政の支援に頼らなくても自らの糧は自ら稼いでいました。
今年の春、仲間の会はテント村近くで四畳半の農地を手がけて小規模な農作業を開始しました。野宿の仲間の自発的な営みをさらにさらに発展させたいとの考えからです。この農作業は徐々に進展し、キュウリやダイコンなどの収穫があがり、仲間の会の行う炊き出しやテント村の仲間の日々の食事に活用されてきました。取り組みが発展するなかで、知り合った大阪市近郊に農地(休耕地)を持つ地主さんからこの夏、「農地の世話をしてほしい」と声がかかり、仲間の会は300坪の農地を手に入れました。

それまで手がけていた農地よりはるかに大きな農地を目にして、当初はみな半信半疑、「ホンとにワシらの手で農業できるんか」「失敗するんちゃうか」と思いました。なにしろ、二年間手付かずでいた農地は荒れ果て、セイタカアワダチソウが300坪にびっしりと、私たちの身長よりも高く茂っていたのです。以前栽培されていたイチジクの木がしっかりと根をおろしていましたし、もちろん資金も農具もゼロからのスタートでした。農業経験のある仲間もひとりもいませんでした。けれどもここは、失うもののない労働者のたくましさ。アワダチソウも手作業で根っこから引っこ抜き、耕耘機などを使いません、昔ながらのクワ入れ、雑草引き。実に大雑把ながらも、雑草畑の開墾作業の開始です。アワダチソウを引き抜いたところから同時進行で、石灰をまき肥料をまき、土づくり種まき。まいた所からすくすくと育つ小さな芽。これらの芽は私たち常に励まし、作業へと駆り立てます。耕地はみるみる耕され、見事な畝の整った農地へと変身を遂げていきました。炎天も、どしゃぶりの雨もものともせず、缶拾い労働の合間を縫って作業は進められました。週に一度の共同作業。早朝からおにぎりを握り弁当をこしらえて、これまで毎回10人前後の仲間が参加しました。テント村を「卒業」し、生活保護を受給しながら地域で新しい生活を開始した仲間も多く参加しました。長居公園から畑まで
は自転車で40分ほどの道のりです。アワダチソウをすべて引き抜き、イチジクの根っこを掘り起こしたのは、作業を開始してから二ヶ月経った10月の初めでした。

この頃にはすでに、炎天を乗り越えた若芽が吹き、畝をかざっていました。一番最初に植えたのがグループの名称の由来となったさつまいも。そしてダイコン、キクナ、ニンジンなど。現在植えつけている野菜は10種類になりました。サツマイモの収穫をしたのが10月半ば。植え付け時期がおくれたためか丸々太った立派なおイモ、とは残念ながらいきませんでしたが、甘みの強い、身のしまったさつまいもが仕上がりました。
11月にはキクナ、ホウレンソウ、カブの間引き菜などを収穫し、長居公園のテント村前での即売会を始めました。第一回はホウレンソウを中心におよそ3000円を売り上げ、二回目もキクナ、カブを中心に2000円を売り上げました。
「おいしかったわ!もひとつちょうだい」とたびたび足を運んでいただいた地域の主婦の方もいらっしゃいます。私たちの野菜にはいっさい農薬は使っていません。なにしろ農薬を買う予算がありません。素人なので使い方もわかりません。その代わりに私たちの汗と願いがしっかりと染み込んでいます。300坪の農地は雑草引きはおおかた終わったものの、クワを入れ作付けできるのはまだ全体の半分程度です。年内には農地全ての開墾を終え、春野菜の作付けの準備をやりたいと考えています。なにぶん素人ばかりの集まり、立派な畑に仕上がるにはまだまだ時間がかかるかもしれません。ですがここまで体ひとつで仕上げてきた仲間のがんばりと、農地と野菜からもらった元気とで、あせらずじっくりぼちぼちと、作業を進めていきます。

<さつまいも倶楽部>が設置した仲間の会テント村前の掲示板は、通行する地域の方の注目を大きく集めています。「作業を手伝いたい」と声をかけていただける方や、「いつ売ってくれるの」という催促の声もたびたびかかります。看板前に配架してあるビラもたくさんの方が手にとって読んでくれています。野宿者と地域のひとびととの新たなつながりができつつある、画期的な出来事の始まりです。
作業に従事する野宿者の輪も徐々に広がりつつあります。長居公園のテント村で生活する仲間だけではなく、はるばる大阪城公園から毎回欠かさず参加する仲間
がいるし、阿倍野区や西成区の仲間もたびたび参加しています。また、この取り組みに注目を始めた農業の専門家や大学のセンセイも、<サツマイモ倶楽部>への協力を約束してくれています。

私たち長居公園の野宿者は、もっともっと元気になれます。地域の中で生活し、地域と共に活き活きと。
(2003年、秋 長居公園さつまいも倶楽部事務局 中桐康介