東考社 桜井文庫シリーズ 以下の画像は、のりっぷの所有しているものです。
早く、全巻揃えたい!!
※『1.化烏』『2.人魂を飼う男』は、後に発売された限定番号の無い、いわゆる「普及版」です
 
本の紹介
1975年4月から貸本出版社の東考社から出された文庫本シリーズが、桜井文庫です。
文庫名からわかるとおり、その名は、桜井昌一氏からとったものです。
貸本作品を文庫本で出版するという、当時では斬新なものでした。
発売開始当時、まだ貸本作品の多くが復刻されておらず、
この桜井文庫でしか読めないものが多くありました。

一般の書店では売られず、雑誌ガロ等に広告が載り、それを見て予約注文するといった形がとられたようです。
第1回の配本は、『1.化烏』『2.人魂を飼う男』『3.猫姫様』でした。
以下が、確認できたリストです。
1.化烏             水木しげる
2.人魂を飼う男           〃
3.猫姫様              〃

4.笛の本          三喜徹雄・原田タケヒデ
5.ゴマスリ二等兵      水木しげる
6.ねずみ町三番地         〃
7.青葉の笛             〃
8.河童の三平 1         〃
9.   〃    2         〃
10.   〃   3         〃
11.   〃   4         〃
12.   〃   5         〃
13.   〃   6         〃
14.   〃   7         〃
15.   〃   8         〃
16.戦後の貸本文化       梶井 純
17.飛ぶ人            吉澤真智子
18.火星年代記        水木しげる
19.呪いの谷            〃
20.台風爆弾            〃
21.花の流れ星          〃
22.幻行燈             〃
23.嘆き川             〃
24.薔薇と拳銃          谷 弘児
25.深雪物語         水木しげる
26.怪談かえり舟         〃
27.妖棋死人帳          〃
28.怪奇鮮血の目      水木しげる
29.手袋の怪            〃
30.空のサイフ           〃
31.釣り落とした魚         〃
32.古墳大秘記           〃
33.劇画私史三十年      佐藤まさあき
34.   ?
35.   ?
36.   ?
37.不死鳥を飼う男         〃
38.ああ無情             〃
39.地獄流し             〃
40.ないしょの話           〃
41.   ?
42.暁の突入            〃
43.零戦総攻撃           〃
44.戦艦比叡の悲劇        〃
45.呪われた村           〃
46.悪魔くん 上          〃
47.悪魔くん 中          〃
48.悪魔くん 下          〃
49.壁ぬけ男            〃
50.少年手帖補遺1987マッチのまち  鈴木翁二
51.なんとなくポストさん          鈴木翁二
52.   ?
53.   ?
上記のリストを見てわかるとおり、桜井文庫は、水木作品ばかりではありません。
シリーズ中、40冊が水木作品です。

以下の作品が不明番号に入ると思われるものです。 すべて桜井文庫なのですが、巻数がわかりません。
 ○ぼくは劇画の仕掛け人だった 上  桜井昌一 1985/05
 ○        〃          下  桜井昌一 1985/05
 ○怪傑蜃気楼     谷弘児 1984/
 ○地獄のドンファン  谷弘児 1984/
 ○男と女         畑中純 1988/09
 ○クマゴローの性春  畑中純 1988/10
確認ができたのは、51巻までなのですが、実際にどこまで巻数があるのかは不明です(多分53までではないかと・・・)。
『7.青葉の笛』までが限定500で、『8.河童の三平1』から『23.嘆き川』までが限定600となっています。
限定番号は、手書きで番号が書いてありました。
はじめのうちは、紙質もよく、装丁もフランス装(本の表紙を紙で四方から包みこむようににしてある)であったのですが、
後半は紙質も悪くなっていきました。
このことは、河童の三平事件といわれる事柄が関していると思われます。
←参考までに、これが「フランス装」です。表紙を包み込んでます。
1983年(昭和58年)発行の「化烏」「人魂を飼う男」「猫姫様」もあり、これは普及版なんていわれることもあります。
こちらは、第一回配本のものとは違って、紙質も落ち、装丁もフランス装ではありません。
「河童の三平事件」について
  桜井文庫から「兎月書房版河童の三平」(以下、三平)が配本され始めたすぐ後、
  二見書房からも文庫形式で「三平」が出版されはじめました
  これが、サラ文庫です。
  これは、当時の二見書房担当者が桜井文庫の存在を知らずに、契約を成立させ出版してしまったものでした。
  サラ文庫から出された「三平」は、全4巻。しかも200ページ以上のボリュームで、260円(発行数は各3万部ほど)。
  それに比べ桜井文庫の「三平」は、100ページ程で600円
  勝負は目に見えています。
  サラ文庫が出版されたのは、桜井文庫版「三平」の第1巻から第4巻まで出された後でした。
  この後、桜井文庫版はとりあえず予定の第8巻まで出されるのですが、それ以降の配本予定は、変更されました。

  この大打撃の影響か、手作りのフランス装は「台風爆弾(20巻目)」でおわり、桜井文庫自体の紙質も落ちていきました。
  これが、いわゆる「河童の三平事件」です。
  
桜井文庫は紙質や入手のしやすさから考えるとなかなか手が出ないものですが
水木ファンとして、これからじっくりと集めていきたいですね。
この桜井文庫を企画した桜井昌一氏は、2003年4月4日にお亡くなりになられました。
氏の水木作品に対する活動は、水木ファンにとって、とても大きなものでした。
ご冥福をお祈りいたします。
一つ戻る
「水木しげる」のへやTOPに戻る
TOPページに戻る

参考文献:貸本マンガ史研究13号(貸本マンガ史研究会)
協力:N氏(広島県)・・・リスト作成に関して様々な資料やアドバイスを頂きました。ありがとうございました。