大工と樵(きこり)の日々好日


我が家では、多くの家具や家の造作、そして外構(庭や門など)を家族で作りました。

ウッドデッキの写真 庭の写真1 舗道の写真2 薪棚4の写真
門柱の写真 腰板の写真 書斎本棚の写真 洗面台の写真

外構ならウッドデッキや物置、庭の通路の舗装、門柱、ブロック塀など。
家具造作ならキッチンカウンター、クローゼットの内部造作、作り付けの本棚、
テレビや電話台、パイン張りの腰壁、洗面台の扉も自作です。

ちょっとぐらいずれていたって、塗装がムラであっても気にすることはありません。
だって自分で作ったのですから。
子供たちは男女の別なく大工仕事を手伝ってくれます。
そんな大工な一家ですから、木が大好きです。おうちも勿論木造建築。
木の香りに包まれて、生活しています。

さて、皆さんのおうちでは、暖房は何を利用していますか。
その暖房のエネルギーはどうやって作られ、
どのようにおうちまでやって来たのか考えたことはありますか。

現在普通に使われているほとんどのエネルギーは、化石燃料からもたらされたものです。
電気も化石燃料または原子力から得られる熱から作られたものがほとんどです。
化石燃料は一度使ってしまうと二度ともとに戻ることはありません。しかし、木は違います。

私の家の主暖房は薪ストーヴです。家の中で冬は毎日焚き火をしています。

ストーブと犬の写真
ホントは外犬ですが、今日は撮影用におすまし

マシュマロを焼く子供の写真
焼きマシュマロ作製中!

薪ストーヴと言うくらいですから、燃料は薪、つまり木です。
木を燃やすと言うことは、なんだか空気を汚しているようなイメージを 持たれるかもしれません。

煙がモクモク出ている煙突が目に浮かぶかもしれません。

また、伐採され裸になった山肌を連想されるかもしれません。

しかし、それらはすべて錯覚です。

木は空気中の二酸化炭素(CO2)を取り込み、酸素(O2)を放出しながら成長します。
つまり炭素(C)を自分の体にするのです。

この木を燃やすと、成長するために取り込んだほぼ同じ量の二酸化炭素を放出します。
つまり、薪を焚いても、空気中の二酸化炭素の総量は変わらないのです。

地中に蓄えられた化石燃料を掘り出し、燃やして排気を大気に放出してしまうのとは違うのです。
また木は大部分が炭素から出来ていますから、窒素酸化物(NOx)や硫黄酸化物(SOx)はほとんど発生しません。
水素も僅かしか含まれていないので水蒸気の発生が少なく、家屋を結露にさらすこともありません。
(水蒸気は木造家屋の大敵ですが、灯油やガスからは水蒸気が大量に発生します)

塩素もないのでダイオキシンなど、「なんのこと?」というレベルです。

ストーヴ自体も完全燃焼をするためによく考えてありますので、煙はほとんど出ません。
カゲロウのような排気が煙突から出るだけです。
冬は毎日薪を焚いていますが、近所の人から「本当に焚いてるんですか」とか、
「煙突飾り(!)カワイイですね」なんて言われます。

煙突の写真 煙突の写真2
↑煙突飾り?これでも燃焼中です。

木は植えてから約30年から60年でかなりの太さの木に成長します。
つまり数千年から億年単位待たねばならない化石燃料とは違い、木は短期間で再生可能な資源なのです。

そして、木を切ることにより森は成長します。

木材を取るためには節がないものが良いので、枝を落とします。
ある程度大きくなった木にはある程度の面積を要しますので、育ちの悪い木を切る必要があります。
これを間伐と言います。間伐をしないと、森全体の成長が止まってしまいます。
茂りすぎた木のもとでは地面に日が当らなくなり、
下草が生えません。
過繁林の写真

するとちょっと雨が降ると簡単に表土が流され、
水みちが出来、木の根を洗うようになります。
地面侵食の写真

土壌が失われ、根の支持力が弱まり、
木々は倒れていきます。
倒木発生の写真
流れ出た土壌はどこに行ったのでしょうか。

こうしてこの地から水を育む力がそぎ落とされて行きます。

つまり、植えるだけではダメで、適宜伐採して利用して行かなくてはなりません。

木は強度にも断熱性にも大変優れ、しかも加工がしやすい素材です。
例えば木で家を作り、その家をずっと維持して行けば、取り込まれた二酸化炭素はその木に固定されます。
ですから、価値ある家を作り、大事に維持して行くことは環境に貢献することになります。

日本の野山には広大な森林がありますが、実はその森林は荒廃する一方です。

それは安い輸入材(得てして乱伐された南洋材であることが多いのです)に押されて、国内樹木が
価格競争力を失っていることや、戦後植林されたのが杉や檜など針葉樹ばかりだったため、
今日の木材需要に対応していないのが原因です。
放置された森は荒れ、成長しすぎた杉や檜からは花粉が飛び散っています。

たとえ使われない木でも、森を維持するためには枝打ち、間伐、自然倒木の処理など手入れは欠かせません。
また、世の中にはただ伐り倒されている木がたくさんあります。例えば宅地造成や道路工事などで
木が伐られていますが、製紙原料のチップになればまだ良い方で、ほとんどはただの産業廃棄物として
焼却されているだけです。

杉や檜の花粉でお悩みの方も多いと思いますが、人手がないため茂るにまかせ、
倒れるにまかせ、放置されているのが現状です。
森が荒れれば保水力が衰え、洪水の原因となります。
また大地のフィルターを損ね、海を汚します。

本当は何かに使われた後に残った木を薪にするのが理想ですが、
伐った木を直接薪にするのもやむをえないと考えています。

薪は何度も人を暖めてくれます。
原木を伐り運ぶ時。薪を割る時。薪を部屋に運ぶ時。
そして燃やして暖を採る時。薪で作った料理を食べる時。
炎を囲んで家族で語らう時。などなど、心までぽかぽかです。
火のあるところを英語では[hearth]と言いますが、この語には 家庭・家庭の団欒という意味があります。我が家では家の中心です。 まさに語源を同じくする心臓となっているのです。

そんな薪ストーヴは暖まるだけでなく、火そのものを自らコントロールする、
本能に訴えるような楽しみがあります。
また薪割り時にはチェーンソーと斧を使いますが、虚心で集中して行うので、心のリフレッシュ効果は抜群です。
薪割りの写真2 斧とチェーンソーの写真


ホームに戻る