アンネの日記 


 

あなたになら、これまでだれにも打ち明けられなかったことを、
なにもかもお話できそうです。どうかわたしのために、

大きな心の支えと慰めになってくださいね。
1942年6月12日  アンネ・フランク

 


日記を書きはじめた1942年6月12日の文面からもわかるように
アンネは自分自身に当てた手紙のように日記を書き続けていきます。
文中の「あなた」はもちろん日記であるキティーのこと。
でも読者が私達である限り、どなたでもキティーに代わって、
アンネの相談相手になることができるのです。


 


アンネの部屋



日記の内容はその日の出来事を、また自分の気持ちだけでなく、
日々の細かい社会情勢までも書いています。
十五歳の少女にしては、とても冷静に人の行動を判断していますし、
文字も、毎日の日記の中でどんどん上達していきます。
隠れ家の住人を支えてくれている大切な人々のこと、辛い生活の中にある
小さな幸せのこと、アンネはいつも前向きな姿勢で物事を受け止めていました。
とても耐えがたいようなことでも、物語のように表現していました。





日記1942年11月9日
ペーターが袋を引きずる際に破れてこぼれた豆
戦後オットー氏が隠れ家で拾い集めた
                 



日記は1944年8月1日で終わっています。
アンネは自分の運命を知っているはずもなく、
この日がキティへの最後の手紙になるとは思いもしなかったことでしょう。
しかし、しめくくりではすべてを悟っていたかのような心の叫びを綴っています。






そしてなおも模索しつづけるのです、
わたしがこれほどまでにかくありたいと願っている、
そういう人間にはどうしたらなれるのかを。
きっとそうなれるはずなんです、
もしも・・・・・・この世に生きているのがわたしひとりであったならば。





アンネが身を隠さなければならなかった現実、
プライバシーのない息苦しさの中での生活。
そんな状況が読む側にも強く訴えられてきます。








 

連行される前の最後の写真と考えられているアンネ





 アンネは何とかして有名になりたい!と思っていましたが、
このような形になってしまったものの、その願いはかなえられたのです。
もしかしたらそれは、アンネが望んでいた以上かもしれません。

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