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歴史的仮名遣い


◆目次

はじめに
 (1)歴史的仮名遣い その1
   「ぢ→じ」「づ→ず」「む→ん」
   「ゐ→い」「ゑ→え」「を→お」
   「くゎ→か」「ぐゎ→が」
 (2)歴史的仮名遣い その2
   語頭以外の「はひふへほ」→「わいうえお」
 (3)歴史的仮名遣い その3
   「ア段の音+う」→「オ段+う」
   「イ段の音+う」→「イ段+ゅう」
   「エ段の音+う」→「イ段+ょう」
結局何を覚えればよい?


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●はじめに


史的仮名遣い(れきしてきかなづかい)とは、簡単に言えば『昔の仮名遣い』のこと。
古文では今と仮名遣いが少し違うので、まず中学ではそれから勉強することになります。

出題のパターンはほぼ決まっていて、『歴史的仮名遣いを現代仮名遣いに変えなさい』というもの。
例えば、『はぢ』は『はじ』に変えるという問題です。
学校の中間、期末テストでも特に習いたての頃はよく出される問題なのでしっかり覚えておきましょう。

古文が苦手だという人は、文章自体をスラスラ読む事が出来ない場合がよくあります。
そういう人はとりあえず、イマイチ古文の意味が分からなくてスラスラ読めるようになりましょう。
そのためには音読が重要です。黙読ではダメ。
ボソボソでも良いので音読することで読む力を身に付けてください。
で、ある程度読めるようになってから文章や単語の意味を確認していくとスムーズに学習が進むでしょう。


(1)歴史的仮名遣い その1

「ぢ→じ づ→ず む→ん」


ず、『』と『』ですが、これを現代仮名遣いに直すとそれぞれ『』、『』となります。
例えば、『はぢ』を現代仮名遣いに直すと『はじ』になり、『めづらし』を現代仮名遣いに直すと『めずらし』になります。
読み方が全く同じなので簡単だと思います。

』ですが、これは『』になります。
例えば『かむなづき』は『かんなづき』とすればOKです。
発音してもらえば分かると思いますが、『む』と『ん』は音が似ているので、これも難しくはないでしょう。

ちなみに『かむなづき』は『神無月』と書き、今で言う10月のことです。

「ゐ→い ゑ→え を→お」


『わ・い・う・え・を』を、昔は『わ・・う・』と書きました。
読み方は同じで、『』は『』と読み、『』は『』と読みます。

つまり、『現代仮名遣いに変えなさい』という問題が出たとき、『』は『』と書き、『』は『』と書けばOKということです。
ゐなか』を現代仮名遣いに変えると『いなか』に、『こゑ』を現代仮名遣いに変えると『こえ』となります。

』は『』に変えるだけです。
今では『を』が文章や語句の最初に来ることはありませんが、昔は『を』が言葉の最初に来る語がありました。
代表的なものは『をかし』。
これを現代仮名遣いに直すと『おかし』となります。

なみに『をかし』は現代語に訳すと『趣(おもむき)がある』という意味になる、重要な単語の1つです。
意味も含めて覚えておきましょう。

なお、『趣がある』とは、いまどきの言葉で言うと「ええ感じ」とか「いけてる」とか、そんな感じの意味です。
もちろんテストで「ええ感じ」といった雑な訳を書くと×になるので訳すときは「趣がある」と書いてくださいね。

「くゎ→か ぐゎ→が」


これはあまりお目にかかりませんが、一応。
くゎ』は『』と、『ぐゎ』は『』と読みます。発音してみれば、そう読むことに違和感は無いと思います。
くゎかく』は『かかく』に、『ぐゎん』は『がん』にすれば現代仮名遣いに直したことになります。

(2)歴史的仮名遣い その2

語頭以外の「はひふへほ」→「わいうえお」


語頭以外の「はひふへほ」は、「わいうえお」に直します。
なお、『語頭以外の「はひふへほ」』とは、言い換えると『2文字目以降の「はひふへほ」』という意味です。
例を見た方が分かりやすいと思うので次を見て下さい。


はもの→つわもの / ひたひ→ひたい / い→いう / にほひ→におい

下線部が『語頭以外』、つまり『2文字目以降』の部分です。
この部分に「はひふへほ」があれば、それを「わいうえお」にすればOKです。

この『語頭以外のハ行はワ行にする』というのは、今でも使われているものがあります。
『僕は今日映画を見に行った。』を読んでみて下さい。『は』を『わ』と発音しますよね。
そう考えると、別に難しいものではないということが分かるとと思います。

(3)歴史的仮名遣い その3


歴史的仮名遣いを現代仮名遣いに直す問題の中で一番問われ易いのが、「ア段の音+う」、「イ段の音+う」、「エ段の音+う」です。

古典がキライな中学生を塾で数多く見てきましたが、そのキッカケがここみたいです。
これが出来ないという人は、それは古文が苦手なのではなく、単に勉強をしていないだけか勉強すべき部分を画期的なレベルで間違えたか(笑)のどちらかです。
中3生でもここの知識があやふやな人がケッコーいましたが、大して難しいものではないのでしっかり覚えてください。

それでは順番に説明していきます。次の例を見て下さい。

「ア段の音+う」→「オ段+う」」

『ア段』の次に「う」が来たとき、そのア段オ段にします。
次の例を見てください。


かうべ → こうべ

かうべ』の「」は、「か―――」と伸ばしてもらえば分かるとおり、ア段の音です。
これに「う」が付いているので、「か」を「こ」にします。
「か」のオ段の音が「こ」なのは分かりますよね。
よって、『かうべ』を現代仮名遣いに直すと『こうべ』となります。

ア段の音はオ段に、ということです。

「イ段の音+う」→「イ段+ゅう」

『イ段』の次に「う」が来たとき、その間「ゅ」をはさみます。
次の例を見てください。


きふ → きゅう

この『きふ』の「ふ」「う」と同じと判断します。つまり「きふ」=「きう」です。
語頭以外の「はひふへほ」は「わいうえお」にするというのを先ほど説明しましたが覚えていますか。
それがこの例でも当てはまります。
よって、「ふ」が「う」になります。

そしてこの例での『イ段』「き」です。
これの後に「う(ふ)」が来たときは、間に「ゅ」をはさめば現代仮名遣いに直せたことになります。
よって、『きふ』を現代仮名遣いに直すと『きゅう』となります。

実際に声に出して読んでみると分かると思いますが、「きう」も「きゅう」も発音的に似ているので、間に『ゅ』をはさむことはワリと自然に出来るとと思います。

「エ段の音+う」→「イ段+ょう」

『エ段』の次に「う」が来たとき、そのエ段イ段にします。
そしてさらにその間「ょ」をはさみます。
次の例を見てください。


てふてふ → ちょうちょう

先ほどと同じく、語頭以外の「ハ行」は「ワ行」にするので、この例の「ふ」は「う」と同じです。
つまり、「てふてふ」=「てうてう」です。

これを現代仮名遣いに直すとき、まずエ段イ段にします。
つまり『てふ』の「て」「ち」にします。(てう→ちう)
それができたら、さらにその間「ょ」をはさみます。つまり、『ちう』になります。
よって『てふてふ』は、現代仮名遣いにすると『ちょうちょう』となります。

最初のうちは、「イ段+う」と、「エ段+う」とがごっちゃになってしまいがちなので注意しましょう。

一応ゴロ合わせに、「いい湯、栄養」というのがあるので紹介しておきます。

  「段+う」 → 「段+う」 → イイゅ(いい湯)
  「段+う」 → 「段+ょう」 → エイょう(栄養)

現代仮名遣いに直す際にポイントになる部分を赤くしています。
その赤色の部分を読むとイイゅエイょう(いい湯、栄養)と読めますね。

あとは何度も説明したように、語頭以外のハ行はワ行に変える点に注意すればOK。
話をまとめると、

「ア段の音+う(ふ)」→「オ段+う」
「イ段の音+う(ふ)」→「イ段+ゅう」
「エ段の音+う(ふ)」→「イ段+ょう」


ということになります。


●結局何を覚えればよい?

歴史的仮名遣いを現代仮名遣いに換えることができればOK。
テストで出やすいのは下の4つです。

例を参考に図の左側を覚えればOK。
歴史的仮名遣い→現代仮名遣い
「ぢ→じ」
「づ→ず」
「む→ん」
「ゐ→い」
「ゑ→え」
「を→お」
「くわ→か」
「ぐわ→が」
語頭以外のハ行→ワ行
「ア段の音+う(ふ)」→「オ段+う」
「イ段の音+う(ふ)」→「イ段+ゅう」 
「エ段の音+う(ふ)」→「イ段+ょう」
はぢ→はじ
めづらし→めずらし
かむなづき→かんなづき
ゐなか→いなか
こゑ→こえ
をかし→おかし
くゎかく→かかく
ぐゎん→がん
つはもの→つわもの いふ→いう にほひ→におい、など
かうべ→こうべ
きふ→きゅう
てふてふ→ちょうちょう


以上


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