連体詞・副詞
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連体詞とは |
副詞とは |
特徴 |
どちらも修飾語 |
どちらも自立語で活用しない |
常に体言を修飾する |
原則用言を修飾する |
合言葉 |
た・な・が・の・る |
「と」まで副詞 |
◆目次
●はじめに
(1)連体詞とは
(2)他の品詞と連体詞
補足 連体形と連体詞の違いって?
(3)副詞とは(原則)
(4)例外的な働きをする副詞
(5)その他、副詞について
●結局何を知ればよい?
●付録 品詞の区別が紛らわしいもの一覧
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壊滅状態!という人も珍しくない単元ですね。
そこまでいかなくても副詞・連体詞は苦手!分からない!という人は、意外なほど多いです。
副詞・連体詞は、どちらも修飾語という点で共通しているため、セットで習うことが多いようです。
しかし難易度という点では、連体詞の方が副詞と比べ、はるかに簡単です。
もっといえば、中学で習う文法でも一番簡単な品詞が連体詞だと私は思っています。
この単元の勉強方法は、まず連体詞を勉強してから副詞の方を勉強した方がよいと思います。
連体詞を理解したうえで、連体詞とどう違うのかに注意しながら副詞を勉強するとよいでしょう。
まず連体詞。次に副詞。これが一番分かりやすいと思います。
なお、副詞・連体詞は、用言(動詞・形容詞・形容動詞)を教わった後に習うのが普通です。
以下の説明はこれら用言の知識があることを前提に説明していきます。
連体詞とは、体言に連なる品詞、つまり常に体言(名詞)を修飾する品詞です。
必ず体言を修飾します。
それ以外は絶対に修飾しません。
また連体詞は、必ず最後は「〜た・な・が・の・る」の、5つのどれかで終わるという特徴があります。
次の例を見て下さい。
例
(連体詞)
たいした
大きな
わが
この
あらゆる |
(体言)
人
車
国
本
工場 |
それぞれ体言(名詞)を説明(修飾)していますが、このように、必ず「〜た・な・が・の・る」の、どれかの形をとります
連体詞の合言葉:「たながのる」
というのを、しっかりと頭に入れておきましょう。
後で説明する副詞との違いが、これでよりハッキリとしますので。
なお、連体詞は活用しません。
このことは品詞の識別をする時に有効な知識となりますので覚えておきましょう。
これについてはすぐ後の『(2)他の品詞と連体詞』で説明しています。
以上でおおまかな連体詞の説明は終わりです。
連体詞が苦手だという人は、他の品詞と区別する時に、特に苦手だと感じる人が多いようです。
以下では他の品詞と連体詞について、若干ですが、説明していきます。
連体詞が苦手という人は、他の品詞との区別がちゃんとついていないことが原因として考えられます。
次の例題を見て下さい。
次の太字の品詞名を、あとのア〜ウから選んで答えなさい。
問1 小さい人
問2 小さな人 |
ア 形容詞 イ 形容動詞 ウ 連体詞
答えられましたか?それとも混乱しましたか?
苦手な人はこうするともうお手上げ状態になるわけですが、とりえあず、以下説明していきます。
問1の説明
「小さい」は、形容詞。ここでは後ろに体言(「人」)が来ているので活用形は連体形です。
よって答えはアが正解です。
問2の説明
「小さな」ですが、これは連体詞、ウが正解です。
よくある間違いが形容動詞と勘違いするという間違いです。
「小さな」の『な』が、形容動詞が活用して『な』になったという勘違いですね。
しかしよく考えてみて下さい。
もしも「小さな」が形容動詞で活用するのなら、終止形は『小さだ』になってしまいます。
どこかの方言としてはアリかもしれませんが、少なくとも標準語ではありません。
形容動詞の連用形『に』だと『小さに』となり、もはや日本語ではありません。
つまり、「小さな」という語は活用しない、ということです。
ここで思い出して欲しいのは、形容動詞が活用するのに対し、連体詞は活用しない点です。
となると、答えが連体詞だというのが分かると思います。
答え>問1:ア 問2:ウ
連体形と連体詞の違いは分かりますか?
働きについてですが、これはどちらも同じです。
字を見てもらえば分かると思いますが、どちらも「体言に連なる」と書きます。
つまり、名詞を修飾するという意味では、連体形も連体詞も同じということです。
働きが同じということで、これらは『連体修飾語』と一まとめに呼ばれることがあります。
さて違いは、連体形は活用形の一つであること、連体詞は品詞そのものであること、という点です。
動詞・形容詞・形容動詞は、活用することにより体言(名詞)を修飾します。
連体詞は活用せずとも体言を修飾します。
これが連体形と連体詞の違いです。
注意! |
まず、ここでは原則をしっかり抑えて下さい。
ここを適当に済ませるとなかなか副詞が理解できません。 |
副詞とは、原則として用言(動詞・形容詞・形容動詞)を修飾する品詞です。
次の例を見て下さい。
例
雨がザーザーと降る。
『ザーザーと』が用言である動詞の『降る』を修飾しています。
よって、『ザーザーと』は、副詞であるということになります。
副詞は用言を修飾する、これが原則です。
なお、ここで注意してほしい点が1つあって、それは「と」までが副詞であるということです。
例えば問題で『次の文章から副詞を抜き出しなさい』という問題が出た時、「と」を抜き出さないという間違いが非常に多いのです。
先ほどの例でいうと、「ザーザーと」の『と』を忘れるという間違いです。
副詞の合言葉:「と」まで副詞
というのを決して忘れないようにして下さい。
「と」までが副詞なので、 『単語わけしなさい』という問題で、「ザーザー/と」という風に切ってしまわないよう注意が必要です。
「ザーザーと」が正解。切れません。
副詞は「と」で終わるものが比較的多く、『うとうとと』・『ワンワンと』など、挙げるとキリがありませんが、何度も言いますけど、「と」まで副詞です。
先ほど、副詞とは、原則として用言を修飾すると説明しました。
原則として、ということは、例外があるということを意味しています。具体的には、副詞が体言を修飾することもあります。
ココが、ね。
連体詞・副詞が苦手になる一番の原因だと思います。
「連体詞は体言を修飾する、副詞も例外的に体言を修飾することがある、じゃぁ連体詞なのか副詞なのか結局分からないのでは?」となってしまいそうですが、見分ける方法がちゃんとあります。
次の例を見て下さい。
例
学校はここからずっと先だよ。
この場合の「ずっと」は、体言(『先』)を修飾しています。
結論から言うとここでの「ずっと」は副詞ですが、ここで連体詞の特徴をもう一度思い出してください。
連体詞は必ず「〜た・な・が・の・る」の、5つのどれかで終わるという特徴がありましたね。
『ずっと』を見て下さい。『と』で終わっています。
つまり、『ずっと』は体言を修飾しているものの、連体詞の特徴があてはまりません。
このことから、『ずっと』は連体詞ではなく、(例外的な働きをする)副詞である、と見分けることができます。
連体詞の特徴(〜た・な・が・の・る)にあてはまっているかどうか、という方法を使えば、連体詞か副詞かの見分けがつきます。
言い方を換えると、連体詞の特徴を知っていないと見分けることは出来ません。
ではここで改めて、副詞と連体詞の特徴をしっかり把握しておきましょう。
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連体詞とは |
副詞とは |
特徴 |
どちらも修飾語 |
どちらも自立語で活用しない |
常に体言を修飾する |
原則用言を修飾する |
合言葉 |
た・な・が・の・る |
「と」まで副詞 |
絶対にここはおろそかにしないで下さい。
ちなみに、ごく、まれにですが、副詞が副詞を修飾する場合があります。
例えば『もっとゆっくり歩け。』の、『もっと』がそうです。
もし、「もっと」が「歩け」を修飾したとすると、「もっと歩け」となってしまい、文の意味が変わってしまいます。
だからこの場合は、「もっと(副詞)」は「ゆっくり(副詞)」を修飾していることになります。
「もっとゆっくり!」ってことですよね。文の意味は。
こういう副詞は滅多に出てこないので、あまり気にしなくてよいかと思いますが、こういうのもあるんだということは知っておいたほうがよいでしょう。
副詞にはいくつか種類があります。
学校でも高校入試でも必出と言われているのが『呼応の副詞(陳述の副詞、叙述の副詞ともいう)』です。
呼応の副詞とは、修飾される語がある決まった言い方になる副詞のことです。
学校で副詞を習った後の定期考査では必ずこれは出ると断言してもよいほど。
しかし副詞は副詞。原則として用言を修飾する事に変わりはありません。
上で説明したことが分かっていれば普通に解けます。
よって、非常に大胆ですが、呼応の副詞の説明はカットします。
まぁ普通の文法の参考書では絶対にあり得ないことですが。
副詞が苦手な人ほど今までの説明をしっかりと頭に叩き込んで下さい。
あと、程度の副詞、状態の副詞というものがあります。
ただ、最近の学校ではこれを教えない中学校もあり、入試でココまでツッこんで問う問題も近年ないようです。(出ないと断言している訳ではありません)
よって、これもカットさせて頂きます。
程度の副詞や状態の副詞を勉強するなら、呼応の副詞を勉強した方が断然、良いです。
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連体詞とは |
副詞とは |
特徴 |
どちらも修飾語 |
どちらも自立語で活用しない |
常に体言を修飾する |
原則用言を修飾する※ |
合言葉 |
「た・な・が・の・る」のどれかで終わる※ |
「と」までが副詞 |
追記 |
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呼応の副詞に注意 |
※
体言を修飾していても「〜た・な・が・の・る」になっていなければ、それは副詞。
連体詞の特徴(〜た・な・が・の・る)から考えれば、連体詞か副詞かどうかを見分けられる。
品詞の区別が紛らわしいもの一覧
学校のテストや高校入試でもよくお目にかかる、紛らわしいものを集めてみました。
その1 |
「これ・それ・あれ・どれ」
「この・その・あの・どの」
「こう・そう・ああ・どう」
「ここ・そこ・あそこ・どこ」 |
…代名詞
…連体詞
…副詞
…代名詞 |
その2 |
「大きな」「小さな」
「大きい」「小さい」 |
…連体詞
…形容詞 |
以下、簡単に解説しておきます。
「これ」について、例えば本屋で欲しい本を見つけて、「これが欲しいな。」と思ったとき、この場合の「これ」は「本」のことをいっていますよね。
つまり「これ」は、「本」という名詞の代わりをしています。よって「これ」は『代名詞』となります。
「これ」だけでなく、「それ」「あれ」「どれ」についても同じことが言えます。
「この」は、『この車』とか、『このテレビ』といったように、名詞を修飾しており、連体詞の特徴(「〜た・な・が・の・る」の形をとる)にも当てはまっています。よって、「この」は『連体詞』です。
このページで説明している通りですね。
「その」「あの」「どの」についても同じことが言えます。
「こう」は、「こう歌う」や、「こう飛ぶ」といったように、動詞(用言)を修飾しています。よって『副詞』です。
これもこのページで説明している通り。
「ここ」について、例えば教室を指差しながら「ここに集合しようぜ。」と言ったとき、この場合の「ここ」は「教室」のことをいっていますよね。
つまり「ここ」は、「教室」という名詞の代わりをしています。よって「ここ」は『代名詞』となります。
「そこ」「あそこ」「どこ」についても同じことが言えます。
「大きな」は、『大きな山』といったように、名詞を修飾し、また活用しないという点から、『連体詞』といえます。
「〜な」で終わっているので、連体詞の特徴にもあてはまっています。
これを形容動詞(の連体形)だと勘違いしてしまった人は、形容動詞の活用(「だろ、だっ、で、に、だ、な、なら」)を思い出してください。
もし「大きな」が活用するとしたら、「大きな」の『な』の部分が「だろ」や「で」などに変化できるということになってしまいます。
「大きだろう」とか、「大きで〜」とか、言わないですよね?
つまり「大きな」は、活用しない語(非活用語)というわけです。
形容動詞は活用する、連体詞は活用しない、ということを覚えておけば大丈夫なはずです。
「大きい」「小さい」については、そのまま素直に『形容詞』と判断すればよいので、説明は省略します。
以上
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