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患者さんからの?

プロフィールに書いたように私も昔はACODでした。
ですから患者さんの辛さは良く解ります。
今はすっかり仕事依存から、犬依存になり、
自己満足を追求する毎日です。

ここでは、日常の診療でよく患者さんに聞かれることを
簡単に説明したいと思います。
 

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14  アダルトチルドレンとは?
 
疲れきっているのに、走るのをやめられませんか?
 
傷ついているのに、手当の方法がわからずにいますか?
 
寂しいのに、一緒にいて欲しいと言えずにいますか?
 
空しいのに、何が足りないのかわかりませんか?
 
どうして私は、こうなのだろうと思いますか?
 
自分が、好きになれませんか?
 
 
 この詩はアスクヒューマンケア研修相談センターというところで出している、「アダルトチャイルドと向き合う本」に載っているものです。もしあなたが、これを読んで自分のことだと思うのであれば、多かれ少なかれあなたもアダルトチルドレンの傾向があるかもしれません。一時期はクリントン大統領がそうだということで一躍ブームにもなった言葉です。
 
 アダルトチルドレン(略してACといいます)というのは元々アルコール依存症の親の元で育った子供のことを言います(略してACOA:adult children of alcoholic)すが、最近では機能不全家族(親が親としての機能を果たしていない)や感情を抑圧された家族のもとで育った人にも、同じような傾向があるのではと言われております。(略してACOD:adult children of disfunctional family)

 機能不全家族の例としては、両親が出来すぎたエリートだったり、昔から親が苦労しているのを目の当たりにしていたり、精神的に弱く不安定な親だったり、子供を管理したがる過保護で過干渉な親だったり、非常に厳格な親のもとで育てられたり、虐待を受けていたり・・・とにかく子供の頃から周囲に気を使わなければいけない家庭のことを指します。僕の経験的には幼少時に反抗期が無かった子供が非常に多いです。

ACとは病名ではなくそのような環境で育ってしまった大人達のことを指すんです。 アダルトチルドレンには以下のタイプ分類がされております。

1.ヒーロー(スーパーチャイルド)
 「優秀ないい子」「しっかりした子供」でいることで、何とか自分を保つ。家族の誇りで成績優秀、完全主義、容易に仕事依存に陥り、常に誰かの為に動いていないと不安になる。一般的に長男が負いやすい。

2.スケープゴート(問題児)
 「いつもトラブルを起こす子」いつも攻撃的に振る舞い、破壊的な問題行動をとることで家族の注意を引こうとする。。他罰的な傾向と自己主張が強く、感情的になり易い。必ずADHDがベースにある。ヒーローの下の子供が負いやすい。因みに私は「スケープゴート(ADHD+AC)」=「境界型人格障害」と考えている。

3.ロストチャイルド(忘れられた子供
 褒められもせず、怒られもしない目立たない子供。自分の殻に引き籠るが非常に聞き分けが良く、親からすれば手のかからない子供。自分の存在が不安定で、いつも自分は存在しなくて良いと思っている。中子(兄弟の真ん中の子)が負いやすい

4.クラウン、マスコット(道化師)
 可愛い仕草やおどけた仕草、冗談を言うことで常に場を和ませ、家族の問題が深刻化しないように常に周りに気を配っている。周囲の注目が自分に集まらないと不安になる。基本的に末っ子が役目を負う。

5.ケアテイカー(お世話焼き)
 常に不安定な親や姉弟の面倒を見る母親のかわりのような存在。いつも家族のトラブルの後始末や、なだめ役に徹しており、人の為に生きるのは得意であり、自己主張がきわめて低い。困っている人や不幸な人を放っておけない。圧倒的に長女が負いやすい。


 以上のように言われておりますが、実際のACはいくつかの面を多かれ少なかれ持っていることが多いです。そのプロセスを以下に説明します。

 アルコール依存症や機能不全家族の元で育つ子供の多くは「いい子」になります。アルコール依存症を例にとれば、飲んで暴れている親とその横でオロオロしている親を見て、自分で何とかこの問題を解決しようと思うんですよね。自分は親の助けにならないといけない、自分は親に心配をかけてはいけない、と必死に頑張ります。

 でも子供がいくら頑張っても事態は良くなりません。ですから、もっともっと頑張るんです。親の期待に答えよう、親から愛されよう、自分が家族を支えよう、何とか家族が崩壊しないように体を張って犠牲になったり、親から虐待を受けていても自分さえ我慢すればと・・・・
 
 このように通常の家庭では甘えたり我儘を言う年代にもかかわらず、自分を抑圧して我慢することで幼少時代を送ってしまうのです。
 
 このような環境で育つと、自分が望むようにではなく、周囲の状況に反応して行動する自分を作り上げてしまい、それは大人になっても続きます。何事にも自分主体ではなく他人や周囲を主体に考えるようになり、そのことで自分の存在価値を見出すようになるんですよね。このような生き方を「共依存」といい、大人になってから非常に苦しむことになるのです。
 
 自分を主張できない、自分が何をしたいのか解らない、自分が大切に思えない、嫌な相手でも嫌と言えない、ありのままの自分に罪悪感を覚えてしまう、これらは皆共依存的な考え方です。そのような考え方から人間関係でつまずき、他人と親密な関係が築けなかったり、暴力的な相手から抜け出せなかったり、自分の親と同じようなパートナーを選んでしまうこともあります。
 
 また、仕事でも嫌と言えず、自己を犠牲にすることで過度に仕事を背負い込み、休息を取ることに罪悪感を覚えてしまいます。余談ですが、ACは医療従事者など誰かを助けたり、支援する仕事を選ぶことが多いんです。そのような傾向から、過労で体調を崩したり、限界まで働いて燃え尽き症候群となることもあります。
 
 さらに、心の穴を埋めるために何かに依存する傾向も強いのもACの特徴です。それをアディクションと呼ぶのですが、アルコール依存、薬物依存の他にも、仕事、買い物、ギャンブル、異性、セックスなどにも依存することがあります。それにのめり込むことで一時的に自分が楽になるんですよね。でもこのような不健康な習慣が長引けば精神だけでなく人生までもが破綻する危険があるのです。
 


 共依存的な思考から、うつ状態や、転換性障害、アルコール依存、薬物依存などを併発したり、社会生活で問題を起こしていたり、本人の苦痛がひどい場合は治療の対象になります。(アルコール依存症のほとんどは、ADHDかACと言われております)ただ、治療と言っても薬物療法で多少不安を取り除くことは出来ますが、根本的な治療は今までの自分を見つめなおし、新しい自分を見つける作業(グリーフワークといいます)と自分の限界とテリトリーに境界線を引くこと、自分を好きになることが大事です。

 ACに限らず、性格の問題はいくら薬を飲んでも治りませんし、自分で自分に向き合おうとしなければ絶対に良くなりませんし、治療は長期にかかります。


 ちなみに日本人では60%がこの傾向があると言われております。原因としては、日本では我慢が美徳であり、誰かの為に生きる人、会社の為に頑張る人、周囲に気を使える人は優秀という風潮があるからです。また周囲の人間と同じという言葉で日本人は非常に安心しますので、何とか周りと同じになろうと必死になるんですよね。

 そういった中から周囲とうまくいかないと容易に自己存在の意義を見失い、うつ状態となって病院を受診するんです。僕の経験ですと「うつ」を主訴に来院した患者の70%以上は「うつ病」ではなく、考え方と環境から来る「適応障害」で、その方々の半数以上がこの共依存の性格を持っておりました。つまり世間で「うつ状態」になっている患者のほとんどは共依存的な思考があるということになるんですね。

 また、この共依存的な思考はびっくりするくらいの確率で親から子、子から孫に連鎖をします。アルコール依存症の父親の子供がアルコール依存症又はその妻になっていたり、虐待をされて自分は親のようにはならないと頑張って子育てをしているのに、いつの間にか親と同じことをしているというパターンも非常に多いですよ。

 でも、それに気が付けば連鎖は止まるし、少しでも考え方が変われば、その人の人生も変わるんです。もしこれを読んで自分に当てはまり、それで辛い思いをしていたり、社会的に支障をきたしているのであれば是非相談にいらしてください。
 
 
 ↓実際のACの患者さんとの思い出話Adult Children Storys
 
是非読んでみてください。(かなりキツイ内容ですが・・・)
 「Adult Children Storys」
 ACお勧め本

「アダルトチャイルドが自分と向き合う本」
「(続)アダルトチャイルドが人生を変えていく本」
:アスクヒューマンケア
「私は親のようにはならない」
「持ちきれない荷物を抱えたあなたへ」
:クラウディア・ブッラク著
「アダルトチルドレンと癒し」:西尾和美著
「アダルトチルドレンと家族ー心の中の子供を癒す」:斎藤学著
「毒になる親」:スーザンフォワード著
「永遠の仔」:天童荒太著(ドラマにもなりました)

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ここでの文章での文責は 竹川 敦です。
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