バケツフルーチェ





来てしまった。この時が。


小さい頃、僕はいつも思っていた。

何故お兄ちゃんは僕のフルーチェを食べるのだろう、と。


小さい頃、僕はいつも思っていた。

何故少ない量のフルーチェしか食べてはいけないのだろう、と。


小さい頃、僕はいつも思っていた。

いつか、お腹一杯フルーチェが食べたい、と。



そして、僕は叶えようと思った。

小さい頃から僕の胸を焦がすフルーチェを、
体の芯まで染み込ませようと。

スケールの小さいお皿のフルーチェなんかじゃなく、

兵(つわもの)としてのプライドをかけてフルーチェを作りたかったのだ。



取材協力 脱兎氏

(実験終了後の証言による)






































時は一日前にさかのぼる。






























バケツフルーチェを作るためには、やはりフルーチェを買い込むに限る。
店のフルーチェを根こそぎ買い取る。

勝ち誇ったかのように買い取る。なんて快感なんだ。


小さい頃はお母さんに規制されて買えなかったけれど、今は買える。

今月のお小遣いを我慢するだけだ。

まだ大丈夫。



























お次は10リットル入りのバケツ。

バケツフルーチェに10リットルはやりすぎだと思うが、まぁ、しょうがない。
お腹いっぱいフルーチェを食べるのだからこれぐらいが妥当だと思う。



































おいしい牛乳4本。


フルーチェの注意書きに、

「種類は必ず牛乳。加工牛乳だとだめです」

と書いてあったので、おいしい牛乳をチョイス。
これでおいしいフルーチェが出来るというものです。






























フルーチェを全部開けてみた。

合計27袋。

いやぁ、量が多い。買って持ち帰るまでが大変だった。
多分筋肉痛になるだろうな。



これが後々の沼地の魔物と化すという事は、
この時はまだ知る由もなかった。































まぁ、さっそくバケツにフルーチェを投入。

開けては投入。

開けては投入。

こういう単調な作業が内職気分を味あわせるのだ。
トポトポとバケツの中に入っていくフルーチェの音が何とも小気味よい。











そして、



















牛乳を投入!!

もしかしてバケツからはみ出るのではないか、という危惧があったが、
まぁそこら辺は雰囲気で解決していこう。


何はともあれ「おいしい牛乳」4本は入れ続ける。


これではみ出たらシャレにならんわ。





























おっし。間に合った。


巨大なしゃもじで混ぜる。

フルーチェと牛乳の絶妙なハーモニーで美味しくなるだろう。
液状だったものが、混ぜていくうちにどんどん固形になっていく。

腕がつるくらいに混ぜる混ぜる混ぜる。




混ぜていくうちに思った。




本当にコレ、食べれんのかな・・・・・。






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