この作品は、TSUKASAさんの投稿をきっかけにスタートした作品です。
2004.4.25現在この作品は掲示板上で続いています。

作者

TSUKASAさん

NEW2

駄目駄メニューX

 

 今日は晴天に恵まれた絶好のデート日和だった。
俺、佐藤憲二は今年大学2年、大学入学時に知り合った
今井律子と付き合って2年ほどだ。
 そして今日は友人の久我浩二から借りた自動車で
デートするはずであった。 
         
 俺は、律子の暮らすアパートまで出かける事になっていた。
30分ほど離れた律子のアパートまでようやく辿り着いたが
 まだ律子はアパートから出ていなかった。
まだ化粧とか支度に手間取っているのだろう。
 
 俺はクラクションを鳴らして合図を送った。
その瞬間・・・・・
         
  まばゆい光が車を包んだ。
しだいに視界が元に戻ってきたとき周囲の風景は一変していた。
景色が遠い・?遠くに見えるものがなぜか大きい。
「こ・・・これは・・・」
そのときドシィーン!
大型トラックほどあるスニーカーが落下してきた。
         
  その頭上には高層ビルサイズの2本の脚が聳えていた。
そのまま遥か上空で股に繋がっている。
とんでもないサイズの巨人だった。
ぶワーッ
大風が巻き起こり車が横転しそうになる。
巨人が腰を降ろしたのだ。
「ようチビ」 
         

 

 俺は怖くなり運転席の中で身をかがめた。そんな事をしてもどうなるわけ
でもないのに。そのとき、
「またやっちゃったのね。今度はどんな子?」
 今度は女性の声が響く。俺は恐る恐る顔を上げようとした。そのときである。
突然激しく持ち上げられるような衝撃を感じた。その後とんでもなく激しい揺れ。
「おい、出て来いよ。車といっしょにスクラップになりたいか。」
         
 俺はまたも恐る恐る車のドアをあけ、外に出た。そこは地面の上ではなく、
巨大な手のひらの上だった。
「わぁー、かわいいー。」
 巨大な女性の顔が、俺を見ている。もう一つの巨大な男性の顔も。
「いつでも見れるだろ。」
 巨人(男)は巨人(女)に話している様だ。
「ねー、この子私が連れて帰っていい?」
 今度は巨人(女)が巨人(男)に話しているようだ。
「駄目だ、たまには俺に連れて帰らせろ。」
「え〜、やだー、こないだそれでこびとさん潰しちゃったじゃない。」
「あれはだな……。そうだ。じゃんけんで勝った方がこびと、負けた方が車だ。
 いいな。」
「うんわかった。最初はグー、じゃんけん、ぽん。」
 俺は恐怖のあまり声を出す事も出来ず、巨人たちのいいなりになるしかなかった。
ただ、出来れば巨人(男)が勝たないことを祈った。 
         
 しかし、なぜか命の危険にさらされているのにもかからず、しばらくは冷静に
巨人たちの観察をする事が出来た。巨人(男)はマッチョ体型でこの時期では
珍しい暖かさ……と言うか暑い位だったためなのか、上半身はタンクトップ1枚だ。
巨人(女)も同じようなタンクトップ1枚……ってペアルックかYO!
しかも巨乳と言うか爆乳と言うかとにかくでかいっ!のを強調している服装で
(;´Д`)l \ァ l \ァ 、彼女は更にショートパンツをはいていたため、
生足(;´Д`)l \ァ l \ァ などと言っている状況ではなく、
二人の巨人が動くたび、自分の目の前で巨大な肉の塊が動くのに改めて
恐怖を覚えるのだった。
         
 そのときだった。巨人(男)は突然俺に話しかけてきた。
「何のんきに見てるんだ。お前の運命が決まったぞ。」 
         
			

 

 ”おっ俺の運命がきまッたってー?”
とにもかくにも俺は自分が男のほうにもらわれる事のないように
祈った。
(−人−)神様、仏様、このさいアルカイダ様でもなんでもいいから
助けてください。
必死に祈った(っておいおいアルカイダはテロ組織だろーが) 
         
 「とりあえずそのせまーいとこから出な。窮屈だろうが」
巨人男の指が車を軽く摘んだだけで車体が歪んだ。
俺は絶叫しながら窓から外へ出た。
(T0T)/
ひーっひーっ誰か助けて。
巧みに指を動かしながら俺を掬い取る。
         
が指の隙間から垣間見える下の光景は俺を失神寸前に追いやるに十分であった。
昔TVで瀬戸大橋の建築で作業員が、目も眩む高さの瀬戸内海を見ながらの
作業してたが、それに相当したろう。
只でさえ高所恐怖症の傾向のある俺には・・・絶望的な情景であったのは
確かだ。
万一この指がすべったら、俺が零れ落ちたら・・
俺は死ぬな・・確実に死ぬ・・それもかなり痛いだろうなーっ 
         
-ズルッ-
         
 次の瞬間、俺のすぐ後でものすごい音がした、反射的に俺が振り向くと、
先ほどまで乗っていた車が巨人の手の上から滑り落ちるところだった。
車は瞬く間に地上に激突し、粉々に砕け散った。巨人男は、
         
「悪かったな。」
「あ……あ……。」
 俺の不安は更に高まった、もし車でなく自分だったら……。死ぬのは
もちろんのこと、死体も原型をとどめていないかもしれない。
「じゃ、今からいいところに連れてってやる。」
 その言葉で俺の不安は絶望に変わった。それは恐れていた男のほうの巨人に
連れていかれるという事だった。巨人女は、
「ま、しょうがないか、駄目で元々だしね。」
(そんな〜、駄目で元々だなんて、俺の人生はこれで終ってしまうのか
゜。・(つД`)・。・゜・)
「そうだ、その前にこびとさんの名前だけでも聞いておこうか。そうそう
 こっちも自己紹介するわ。えーっと、私の名前は由香。」
 巨人女の名は由香。続いて巨人男、
「俺の名は浩平。さあ自己紹介してやったんだ。今言わないとその場で
 潰してやってもいいぞ。」
「あ……あの……。」
 俺は恐怖と不安でまともに話すことが出来ない。すると由香と名乗った巨人女、
これからは由香でいいだろう彼女は、
「今この子潰しちゃうノー、やだよー。」
「わかったわかった。名前は後でいいからとにかく俺たちのところへ来い。」
 同じく巨人男浩平に俺の全てが託されることになった。 
         
         
「奇跡って、本当に有るんだね。」
「奇跡って言うな。」
 俺は2人の巨人、浩平と由香の声で気がついた。 
			

 

「奇跡って俺の身体はあんたらが縮めたんだろうがーっ」
サイズの差も考えず強く抗議する俺に向かって
浩平いわく
「残念でした。俺らが人間を小さくなんぞできるわけねーだろ?」
「・・・・・・えっ?」
「俺らは時折ここで小さく縮んでる連中を拾っていくだけなの。
 こないだ偶然通りかかってる時他の奴が縮んでくの見かけて
 そのままにしといたら野良犬か野良猫の餌食になるだろ?
 だから優しい俺様たちが拾って言ってやったんだ。
 それから何度もみかけるな小さくなってた奴ら」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
(^-^)「良かったわね優しい私たちに拾われて」
由香のにこやかな声に向かい俺は当然の疑問を投げかける。
「あのぉー他の人たちはどうなったんですか?」
(;^-^)「そ・・それは・・・・・・・」
由香が返答に詰まり冷や汗を流す。
いやーっな沈黙が続く。
         
(T0T)/
ひーっひーっ誰か助けてくれーっ
俺はパニックになったのは言うまでもなかった。 
         
「まあおちついて。」
 由香の声が俺の頭上から響く。彼女は更に、
「お腹すいてるでしょ。何か食べる?」
 こんな状態で食事とかできる状態ではないだローと思いつつ、実はその日は
寝坊して、外に出るとき朝食を摂っていなかったので健康ではなく
結構空腹状態だった。
         
「そうだな。あれを持って来い。」
 俺は浩平の巨大な指に摘み上げられテーブルの上らしきところに降ろされた。
そこには俺から見れば、巨大な皿が用意してあった。
「はいどうぞ。」
 由香が一本の棒状のお菓子を持ってきて、お皿の上に置いた。お菓子と言っても
俺から見れば丸太のような大きさだ。俺は、
「これを、食べろと……。」
「なん文句あるのか、腹減ってんだろ。さっさと食え。」
 浩平が俺をにらみつけながら言う。仕方なく俺は丸太のような菓子の真中辺りに
またがるように乗り食べ始めた。そのときである。俺は突然持ち上げられるような
衝撃を感じた。反射的に俺は落ちないように丸太のような菓子にしがみついた。俺は、
「何が起こったんだ、うわぁぁぁぁぁっ!!!」
 俺は恐ろしいものを見てしまった、それは俺のしがみついているお菓子の片方を
くわえ少しずつ食べていく巨大な由香の顔だった。
「うわぁぁ、やめてくれぇぇ!!食べないでくれぇぇ(>o<)」
 だが、俺は自分が思う以上に悲惨な状況に置かれている事を知った。お菓子の
反対側を浩平が同じようにくわえ、食べ始めていたのだった 
 俺の両側から巨大な顔が近づいてくる。丸太のようなお菓子にしがみつきながら
ふと下を見た。下では巨人の分厚い胸板と巨大な二つの球体がくっつこうとしていた。
巨人に食べられるか、飛び降りて巨人の体にはさまれてつぶされるか。俺は
死を覚悟した。生きていてろくな事などほとんどなかった。今回のデートの相手は
並み居るライバルの中から俺を選んでくれた。駄目駄目人生大逆転のスタートと
なるはずだったのに……。 
 俺は思わず叫んだ。
「くそおっ!食うならさっさと食いやがれ!もう俺は終りなんだ!もう思い残す事
 なんかねーよ。ほんとにないといったらうそになるけど。」
 そのときである。巨人(俺から見てだが)浩平はお菓子を食べるのをやめた。
俺は巨人由香(これも俺から(ry)のくわえるお菓子の上に乗る形となった。浩平は、
「フーン、これで人生が終ると思っているのか。でも違うんだよな。」 
「違うってどう言う事だよ。」
 おれはたずねた。すると由香が、
「えーっ、あのこといっちゃうの?ちょっとかわいそうじゃない?」
 浩平は、
「いずれわかることなんだ、先に言った方がいいだろ。」
 そう言った後、しばらく2人の巨人はお菓子といっしょに床に下ろされた俺を
見下ろしていた。
「「やっぱり、やめようか。」」
 2人の巨人は声をそろえていった。俺は、
「ちょっと待てよ〜。」
「まー別に言わなくても大した事じゃないし。」
 由香が言う。
「とにかく言ってくれ、頼む。違うってどう言う事なんだ。あのことって何なんだ。」
「ま、ここまで言うんなら言ってやってもいいか。」
 浩平は言った。 
「その前に、もう遅いと思うけど、自分の人生に後悔するようなことはないか?」
 浩平は俺を見下ろしながら言った。俺は、
「そんなこなんで念を押して聞くんだよ。とにかく話してくれ。話してくれたら
 答えるよ。」
 浩平は、
「わかった。驚くなよと言っても聞いたやつは皆驚いたけどな。」 
 俺は、
「もったいぶらずに早く教えてくれ。」
「まああせるな。ゆっくり説明してやる。」
 浩平は言った。そして言葉を続けた。
「まず第一に、お前はもうもとの世界にはもう戻れない。もし戻れたとしても
 もう元の生活には戻れないだろう。」
「わかってるよ。こんな体になったんだ。」
「そして第二。この世界の法則はお前達の住んでいた世界とは違う。」
「確かに。」
「そして第三。もう永久に会えないと思っている人物と再会できる可能性がある。」
「(゚Д゚)ハァ? どういうことなんだ?俺の知り合いとかも小さくなったって事か?」
 すると由香が、
「もう浩平ったら、ちゃんと言ってやりなよ。」
「わかったよ。説明するより見せたほうが早いな。」
 浩平は液晶テレビのような機械をどこからかもってきた。俺にとってはちょっとした
映画のスクリーンのような物だ。浩平はその機械のスイッチをいれた。 
 画面には、CGで作られた立体的なタイトルが現れた。
“ようこそ、新しい世界へ”
 直後、ナレーションが入る。
『ようこそ、新しい世界へ。これは今までの世界での生活の永遠の終わりではなく、
 新しい世界での生活のスタートなのです。今からあなたがこの世界へ来た
 理由をお見せしましょう』
“ID:DEADJ-0976-1234-8675 NAME:KENJI SATOH(佐藤憲二)2004.03.14 AM09:55:20”
 テロップとともにあるアパートを空撮していた映像が映し出された。
「こ……これは……。」
 俺は驚いた。映しだされたのはデートするはずだった律子の住むアパートだった。
そこに俺の運転する車がその前に止まった。 
 画面の中の俺の車は、しばらく変化がなかった。だが数分後、我が目を
 疑うような出来事が起こった。突然現われた大型トラックが停車中の
 俺の車に衝突した。
「いったいこれはどういうことなんだ。」
 俺は浩平と由香を見上げながら言った。浩平は、
「口で説明してもわからないだろうから、わざわざデータベースから
 死んだときの動画データを検索してダウンロードしてやったんだ。」
「俺、死んだのか?」
「ま、そういうことだな。このごろは戦争やら自殺や地球温暖化による
 異常気象による天災とか理不尽な死に方をするやからが急増しているからな。
 こっちの受け入れシステムが誤作動するようになってるみたいなんだよな。
 なぜかこっちの世界で体が再生される時にこびとになってしまうんだ。
 体があるといっても、踏み潰されようが、動物に食われようが、一旦死んだ
 奴はこれ以上死なないからな。」
「そ……そんな……。」
「住めば都さ。どうしても俺たちのところが嫌なら、預かり先を紹介してやっても
 良いぜ。」
 画面には一瞬でスクラップになった俺の乗っていた車、前が壊れた大型トラック、
パトカーや救急車、集まってきた見物人。その中には今井律子の姿もあった。俺は、
「俺はもうしんじまったんだ、お前たちの好きにしろ。」
「何言ってるんだ、お前の人生これからだローが。俺たちはお前のこと結構気に
 入ってるんだ。由香といっしょにかわいがってやるよ。」
「死んだ人間に向かって人生なんていうなぁー(涙)」

 俺は死んだ。そして巨人に飼われると言う「地獄」に落ちた……。

-終- 

         
			
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