神社仏閣大工雛形、社寺彫刻。作品集、鼻・懸魚等の各部名称図を掲載。


HOME
木鼻の種類と取付例

木鼻とはどこに取りつけるのか、どのように設置するのかであるが、現代の業務の流れに沿って作成依頼の中でも最も多い向拝の木鼻を例にする。

@木鼻の配置と種類

Zu0009_3

図1には4つの木鼻があるが、木鼻的に表現すると種類的にはABの2種となる。つまり図1の寺院には2種計4つの木鼻が必要なわけであるが、木鼻にはその2種計4つをピックアップする為に昔から複数の意匠が用意されている。それが以下の分類である。

なお以下は主な木鼻の種類を分野、形状、を参考に名称を含め私的に分類したものである。

生き物系 獅子
主に木鼻Aに付く、正面から右が口開きアン型、左が口閉じウン型、獏との組合せが一般的、

獅子
(振向き型)

主に木鼻Bに取りつける。取りつけは木鼻B部であるが顔は正面に向いた形になる。よって木鼻A部には木鼻は不要となる。


主に木鼻Bに付く、正面から右が口開きアン型、左が口閉じウン型、獅子との組合せが一般的、


主に木鼻Bに付く、この場合木鼻Aは獅子となるのが普通


木鼻ABに取りつけ可能な正面を向いたものや獅子同様主に木鼻Bに取りつける見返りの龍がある。

麒麟
木鼻ABに取りつけ可能な正面を向いたものが一般的、組合せとしては獅子、獏、象、に対応できると思う。獏、象との組合せの場合取りつけ部は木鼻Aとなる。

象鼻系 象鼻
ここでいう象鼻とは平面の板に象系の輪郭を繰りぬいた簡易なもの及び植物等の意匠を用いて象の輪郭を形成したものをいう。取付け位置は獏と同じ。

木鼻系 木鼻(拳鼻)
参考図例3・5参照

植物系
雲系
波系
象鼻
木鼻(拳鼻)

主に象鼻・拳鼻の形状を葉・波・雲等で表現したもの。参考図例3参照


参考図例1:生き物系木鼻



参考図例2
獅子(振向き型)向拝正面右側(阿型)

 参考図例3
唐草木鼻 雲木鼻(象鼻)
唐草木鼻

参考図例4:

参考図例5:簡易な木鼻


左図は比較的簡単小規模の寺社建築物及び工期・予算等の都合で獅子・獏等の代わりに用いられる木鼻であるが、取付け位置としてはAが「象」をモチーフにした木鼻であるので本来「獏木鼻」を置く位置に取付ける。その場合は本来「獅子」を置く位置にはBのようないわゆる拳鼻の形状の木鼻を取付ける。

尚、業務上我々はAのような象を抽象的に表現したような木鼻を「象鼻」と呼び、象を立体的に表現したようなものは「象木鼻」若しくは「象の木鼻」というふうに使い分けている。

又、これらの木鼻はかなりの種類があり、そのデザインも時代により大幅に違ってくることもある。AとBをセットで使うのが基本なのであるが、その場合は比較的似たようなデザイン、同じような時代のものを組合わせなければならない。


A:象鼻
B:木鼻(拳鼻)

A配置におけるルール

必要な四つの木鼻を上記より選んで木鼻部の彫刻を表現するのであるが、なんでもかんでも適当に選べば言いと言う訳で無く、最低限のルールがあります。要するに適切な組合せです。

最低限のルール(木鼻計2種4つのケース)個人的な意見です。
@
生き物系の木鼻を選んだ場合、2種4つ全て生き物系に統一する。

A
基本的に正面から見て右側にアン型(口開)左側にウン型(口閉)を配置する。

B
象系(獏、象木鼻、象鼻)は図1においての木鼻B部に配置される組合せとなる。
C
2種4つ全て獅子という組合せもありうるが、全て象系(獏、象木鼻、象鼻)という組合せはこのケースではありえない。

D
獅子+龍、獅子+麒麟となった場合、獅子を木鼻A部に配置するのが好ましいと思う。


Bそれぞれの木鼻

以下自分なりの感想や経験をもとにもう少し個別に説明します。

a生き物系
最も一般的なものは獅子と獏、他には象、麒麟、派手なものでは龍や振向きの獅子がある。変わったものでは大きな毬を抱いた獅子がある。個人的には麒麟の木鼻がとても良いと感じているがあまり普及していない。組合せとしてはやはり獅子獏が一番バランスが取れていていいと思う。

b拳系

c象鼻系
平面の板に象の形を繰り抜き簡易な装飾をしたものと、葉波雲で象の形を表現したものがある。もちろん彫り方も重要であるが個人的には全体的な型を良し悪しの判断基準としている。高度に研究した意匠であれば獅子獏を用いた寺社よりも格式を感じさせる事も可能であると思う。一般的には予算の都合で象獏等の変わりに用いるようになる事が多い。




dその他系@

eその他系A


C「配置」「組合せ」の例

作成中


(C)2003 Kazushi Nishimoto
本サイトで掲載している画像の著作権は西本彫刻所が有します。