「承啓楼」に隣接する方楼は「世澤楼」と呼ばれる。住人もおり、比較的清潔に保たれている。円楼独特の曲線を描く屋根瓦も美しいが、方楼の端正な直角カーブも見応えがある。廊下は「承啓楼」より雰囲気があって良い。また、承啓楼の裏山には展望台があるのでお見逃し無く。

【方楼】


入口は一ヶ所のみ

現代のアパートと大きさを比較する

「福神」の石碑

途中、「日」を横にしたような二連方楼がある

巨大なバームクーヘンみたいに見える

3000人が生活するアパート

【下洋初渓土楼群】

【2004年4月5日】

民俗文化村にある振成楼は整備されている様子なので素っ飛ばして、下洋初渓土楼群へ行く。バスが無いため、バイタクをチャーターするのだが、大体20〜30元程度で交渉が成立する。この土楼は正面に「松蓮亭」と呼ばれる展望台があり、景色が良い。これほどの被写体に出会えたことを悦ぶ。

※「松蓮亭」の裏にある山道をさらに直進すると分岐があり、そこを右折して等高線沿いにしばらく行くと大きな石墓と小さな「福神」の石碑があるが、そこからは空中写真のような撮影が出来る。


これが展望台からの眺望

狭い谷間に沿って並ぶ土楼。この撮影には
近くの山をよじ登る必要がある。

左、「円楼」、右、「方楼」

【南渓実佳土楼群】


福建省・客家円楼


「承啓楼」は宿泊出来ることでも有名

梅の花のように配置されたデザイン

【アクセス】

意外とアクセスは簡単。私は香港から広州へ入って駅前から市バスで天河橋バスターミナルへ移動。同日の夜行バスで梅県へ。翌朝、「高頭」行きバスに乗り換えて、昼には堂々たる「承啓楼」の目の前に立っている自分がいた。
アモイから永定を経由するルートがよく紹介されているが、広東省からのアクセスも充分、利用価値がある。

客家円楼に宿泊することが出来る。代表的なものは高頭にある「承啓楼」で、一泊二食付きで50元(ディスカウント可)、私の場合、永定へ仕事に行っている娘の部屋を使わせてもらった。但し、トイレは廊下の棚の中にある大きな壺にすることになるので、それなりの覚悟が必要。土楼の外にも共同トイレがあるが、部屋は4階だということをお忘れなく。

それ以外では「承啓楼」の向かいに「住宿」という看板があり、シングル15元。食事は別注文。

初渓土楼群へのアクセスポイントとなる「下洋」では旅社があり、シングル15〜20元。部屋はシンプルだが清潔感があり、好感がもてる。

【宿泊】


この先にドラマが待っている

「承啓楼」の入口

土楼には様々なタイプがあり、その形状により「円楼」「方楼」などと区別されている。「承啓楼」の建築は1709年で、古建築と呼ばれる。一方、振成楼(1913年)や振福楼(1912年)などは近代建築に当たる。特筆すべきはこれら土楼がこの地方に大小合わせて2万基以上あるということだ。目的である大きな土楼を目にする前に、あちらこちらで同じような形状の建物を目撃して目を瞠るだろう。そのため、最初にインパクトのある巨大なもの(例えば、承啓楼など)を見学して欲しい。

撮影のポイントは絶妙な湾曲と内部の美しい木造建築、先祖を祀った中央の廟や生活感あふれる人々の暮らしぶりなど。各階毎に見える光景が変化して面白い。その後は各地の土楼を訪れて展望台から眼下に広がる景色を鑑賞するというのが理想的な見学方法ではないだろうか。一つ一つの土楼を見学しているとお腹一杯になり、飽きてしまうだろう。

以下、代表的な土楼群の紹介とアクセス、個人的な評価を一覧にまとめてみた。

【撮影ポイント】

円楼の設計図

最上階

絶妙な湾曲を描く

それぞれの家の入口部分

温もりのある食卓風景

最高の木造建築

     名   称

 入場料       ア ク セ ス など   評 価            感     想
■ 承啓楼  30元   「高頭」のバス停の目の前にある ★★★★   見て良し、泊まって良し。まずはここを目指せ!
■ 田螺坑土楼群  20元   バイタクで往復30元。片道40分 ★★★★   梅の花弁型の配置でまとまりがある。展望台あり
 南渓実佳土楼群  無料   バイタクで往復30元。片道25分 ★★★   配列は良いが、展望台からの眺めがいまいち
■ 下洋初渓土楼群  無料   バイタクで往復20元。片道30分 ★★★★★   3000人が生活する土楼群を眼下に眺める!!
■ 永定土楼民俗文化村  40元   バス停の正面。振成楼がある   整備されており、テーマパーク化しているので行かず

「円楼」と「方楼」の狭い路地

生活感が溢れている

アパートのような構造である


【2004年4月4日】

でかい要塞のような建物が目の前に聳えている。これが「承啓楼」か。客家独特の円筒形の集合住居、これを見るのが今回の目的だったが、これは文句なく凄い。梅州からの直通バスは昼にならなければないと言われたので、ローカルバスを乗り継いだが、昼過ぎには到着した。

今回のホテルは特別だ。何と言っても観光すべき円楼の中に宿泊するのである。楼主と交渉して一泊二食付きの料金を50元から40元に値切る。内部はマンションのような感じで、見晴らしの良い4階の部屋に案内される。今は永定(←この付近で一番大きな町)へ出稼ぎに行っている娘さんの部屋らしく、化粧台やDVDやテレビ、CDなどが当時のままの状態で置いてある。カーテンやベッドも女の子の部屋という感じで少しドキドキしたが、布団はおっさん臭かった。娘は自分の部屋に不特定多数の男性が寝泊りしているということを知っているのだろうか。

「高頭」でバイタクをチャーターして田螺坑土楼群を見学へ行く。「方楼」の四隅に「円楼」を配置した梅の花弁型のデザインはなかなか良かったが、世界独一無二と謳っているこんな珍しい形をした建物が幾つもあるとは思わなかった。世界に1つか2つの特殊な建物だと思っていたけど、新旧大小、合わせて2万以上あるそうだ。そういえば、そこらじゅうにある。

※田螺土楼群は標高600メートルに位置する。1790年(嘉慶年間)に建築された。方楼は歩雲楼、円楼は和昌楼、文昌楼、振昌楼、瑞雲楼という名前が付けられている。

左から山道を進んで行くと斜面に沿って建つ土楼群が見える。
展望台は写真左上の東屋。よく絵ハガキに登場する写真はここから撮影したもの。

「承啓楼」背後の展望台より

この直角が良い!

雰囲気が良いj廊下の様子

4階からの眺め

一階には小屋が並ぶ


【2004年4月5日】

今晩9時の広州発、桂林行き寝台バスに間に合わないので、下洋というローカルな町で一泊することにした。そして、この町には温泉がある!どうして判明したのかというと、南渓土楼群へ連れて行ってくれたバイタクの運ちゃんが帰路、途中停車して紙に何か書き始めた。待ち時間が長かったから追加料金でも言ってくるのかと思ったら、「温泉、小姐」と書いてある。あー、シャォジェですか・・。いらないけど、そういう話、嫌いじゃないよ、話してみて。「20歳左右(前後)、服務好!最漂亮(とても器量良し)」そして、「到時看小姐、年齢和漂亮(到着した時、女の子の年齢と容姿を確かめろ」という。たぶん、お客を紹介したら運ちゃんにお金が入るんだろうなあ。一生懸命勧められたが、100元という値段と場所を聞いて断った。

さて、宿に到着してから、「さっき温泉があるって訊いたんだけど、この近くですか?」とおじさんに聞くと、ああ、温泉へ行きたいのか、「じゃあ、一緒に行こう!」と誘われて連れて行かれたのが正真正銘、本物の温泉(しかも無料!)だったという訳だ。宿のある通りを2分くらい歩いて右手の階段を下りていくと男女別の浴槽があった。広い浴槽の中のお湯は少し温めだが、日本の公共浴場とほぼ同じ感じで、多くの地元住民が入浴していた。ただ、日本の場合と違うのは、中国人が浴槽の中で身体や頭を洗っていること。お湯が青っぽい乳白色なのは温泉の成分ではなくて、石鹸やシャンプーが全部混ざっているからなんだね!それが一番問題だよ!!

「みなさん、撮影しますよ!」と言って、お湯
の中へ入ってもらった

「歴史を勉強している学生です」と言って
10元まで値切った安宿のシングル

ワクワクする様な「土楼」の看板

なんか弁当みたいで、いい感じ

「ご飯下さい」って言ったら、アルミ箱が・・・

素朴な朝のメニュー

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