熱水消毒で土壌の蘇生

  連作障害には熱水土壌消毒で

 ハウス栽培に於いては、連作障害が栽培上の大きな問題となっており、安定した生

産を行える圃場管理が要求されている。その連作障害は、病害虫と、土壌の科学・物

理的変化が大きな要因
として考えられている。

 連作障害に対し、土壌消毒剤は病害虫の駆除のみを目的としており、病害虫が発生

している土壌の質的改善には効果が期待できない。土壌の質的改善をしないことには

一時的に病害虫を抑制できても再発の可能性は残したままになってしまう。特に施設

栽培においては、閉鎖された環境での栽培となるため、土壌の還元にはより一層の注

意が払わなければならない。



  熱水消毒による土壌の改善

 還元性の少ない施設園芸の土壌では残留肥料が多い傾向にあり、それがまた微生物

の繁殖を妨げ、土壌の還元性をさらに低くしています。
そのような土壌に熱水を注入する

と土壌の質的改善が期待できます。

 
 土壌の質的改善とは、熱水の持つ界面活性効果により、残留肥料等の結晶成分を剥離

溶脱し土壌の汚れを洗い流す
ことにより行われる。それにより、結晶等による根焼けを防ぎ

病害虫の根からの侵入を妨ぐ効果も期待できます。また土壌が浄化さると、微生物が活動

しやすい環境
がつくられ、微生物の活性は、土壌環境の改善を促進していきます。 


   熱水消毒は事前事後の処置が重要です。

 しかし熱水消毒は、どの方法で行っても同じ結果が望めるものではありません。

 結果は、事前事後の処置でまったく変わったものになる場合もあるからです。

 それは熱水消毒後の土壌はほとんど無菌状態になり、良くも悪くもなる可能性がある

いうことです。

 事前の処置としては、バチルス菌が潜在する有機資材を入れます。熱水によって加熱

された有機資材は、消毒後に微生物の格好のえさになります。そして事後の処置として

は消毒後に地温がある程度下がった時点で、速やかに有効菌を投入し、土壌の活性を

計るようにします。

   熱水消毒は土壌条件にあった方法で

 これら熱水消毒の効果は、熱水を土壌中に浸透させた時に発揮します。逆を言えば、

熱水が土壌中に浸透せず、表面を流れてしまうようではその効果は発揮されません。

 土質、土壌条件、圃場条件にあった方法の選択が大変重要です。

 熱水の浸透性の良し悪しが大きく効果・効率を左右することから、消毒方法の選択には

充分な考察が必要になってきます。



   熱水消毒後の土壌は菌の繁殖適正土壌に

 しっかり熱水消毒された土壌は、pH、ECの改善、団粒化、が進むと同時に、事前に

投入されている粗大有機により有効菌の旺盛な繁殖を促進します。こうして熱水消毒に

より還元、蘇生された土壌は波動効果を持ち、栽培に適した土壌に変わっていきます。
(波動・・・物質「電子、陽子、中性子や細胞等」の潜在的に持つ力と言ってよいと思います。気功などもその力
ではないかとも言われています。)



   有効菌の旺盛な活動は病害菌の抑制効果が?

 どのような方法で消毒をしても、実際に圃場内すべての病害菌を殺菌することは無理に

近いことと思われます。外部からの菌の侵入も考えられます。しかし、「セルロースを添加

し土壌微生物が活性化した土壌においてはウイルスの働きは減退する。」ということが分

かっています。この実験は、微生物の繁殖した土壌に、ウイルス感染した根を混ぜ8週間

培養し、ウイルスの働きが10%〜20%に抑えられた、というものです。
(実験 農業生物研究機構・中央農業総合研究センター)

 似た様な状況で、当社も以前、畝立てした後の圃場で畝のみの熱水消毒を試みたこと

があります。畝はほぼ完全に消毒されたと思われますが、通路部分は表面5〜10冂度

しか熱水の浸透がみられませんでした。もちろんこの時も事前事後の処置はしっかりしま

した。その結果は以下の通りです。

  場所 高知県土佐市    病名 ピーマン青枯れ

  圃場面積  1.8ha  2500本定植

  2003年熱水消毒前  発病 800本  32%

  2004年熱水消毒後  発病 20本  1%未満
 
 この例の場合、圃場通路の部分の消毒は十分ではなかったにもかかわらず、以前と比

べると明らかな違いが確認できました。畝部分の約65%以外の場所には病害菌は残っ

ていたことは容易に想像がつきます。しかし熱水消毒で還元され、有機資材を充分に持ち

微生物が旺盛に繁殖した畝により病害菌は抑えられたと考えることができます。

 また、同圃場内ではバイラスによる被害もあったが、熱水消毒後の農業改良普及セン

ターの調査では、その存在が確認されなかった。要因としては、一説によると還元された

土壌により施設内環境は−イオン化が進み、−イオンが害虫の繁殖を抑えるようである。
(−イオンは害虫の方向感覚、雌雄の判別感覚を無くす効果があるようです。)


  省エネ、省力、高効率熱水消毒法
 
 この方法は、先程の項であげた畝のみの消毒方法のことです。畝立てして栽培する場合

に、この方法を用いることができます。畝消毒の場合、消毒範囲内に人が踏み込む事もない

ので熱水の透水性も良く、効率性が高く、35%〜40%の省エネ、省力化を図れます。

 しかし、基本的には最初は全面消毒を行い、次回から畝のみの消毒にして、以後何年か

に一度は全面消毒を行うようにしてもらえば良いでしょう。


  体感できる土壌の改善

 当社の熱水消毒をした圃場の生産者は、一様にして土が変わったといっています。

 JAおおいがわ、JAハイナン管内のトルコギキョウの栽培農家も、熱水消毒を始め3〜6年

になり、土壌が改善されている様子が良くわかる、といっています。

 ・潅水しても透水性が非常に良く、以前のように通路まで流れることが無い。

 ・以前は潅水時に、しおれないように水のやりすぎにすごく注意を払ったが、今は土がそれ

をカバーしてくれているようで楽になった。

 ・支柱立ても楽に入っていく。

 ・栽培上、水を切っても40日程度はしおれない。

 との声を良く耳にします。これらの現象は、団粒構造化した土壌により、保水性・排水性が

向上したことが大きな理由
として考えられます。また土壌の浄化・改善によって作物自体が

本来持つ能力を発揮できるようになり、栽培上の水切りにも耐えられる強い根が張るように

なった
とも考えらます。

 他にも「生育にムラが無く、栽培管理が楽になった。」との声が多くあります。しっかりムラ

なく熱水消毒さた土壌は、圃場全面が一様に浄化された状態になります。これに加え、前

後の処置で、微生物の繁殖による土壌の活性を図っておけば、圃場一面が一様な栽培適

正土壌
になると期待されます。


 以上のように熱水土壌消毒は、「消毒」という一場面でとらえるのではなく、その

前後の処置を適切に行うことで、付加価値の高い効果を期待できます。

 
熱水土壌消毒は栽培の一場面であり、これに加え熱水消毒前後の処置生産

者の適切な栽培管理
、がそろってその効果が発揮されると当社は考えています。


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