Helicoprion
 古生代のサメキチ憧れのヘリコプリオンは、1899年、ロシアの A.Karpinsky によって、
ギリシャ語の“
helix(らせん)”と“prion(のこぎり)”から Helicoprion と命名され
ました。この軟骨魚類は古い歯が脱落せず、成長とともに螺旋状に巻いていくという独特の歯列を持っていました。体化石は発見されておらず、未だにその歯がどのように顎に配列していたかは謎のままです。
 ヘリコプリオンの化石は、ロシア・北アメリカ・オ−ストラリア・ラオス・メキシコ・日本などの石炭紀〜ペルム紀から発見されています。歯列のみが発見されるため分類上、板鰓類とする説と全頭類とする説があります。初期の復元図は、螺旋状の接合歯が上顎に存在しています。近縁種と思われるアガシゾ−ダス属の下顎の発見やサ−コプリオン属の頭部の化石の発見などによりヘリコプリオン属も下顎に存在する復元図になりました。
ヘリコプリオン
 ロシアの古生物学者 Karpinsky によって初めて報告されたヘリコプリオン。鰓孔が描かれており、板鰓類として復元されている。螺旋状の接合歯は上顎と考えられている。
『原色化石図鑑』にも登場した復元図。まだ上顎に接合歯が存在している。基本的には Karpinsky の考え方を受け継いでいる。
 上下の顎に接合歯を描いた復元図。
 Helicoprion ferrieri の顎軟骨が保存された標本を研究した Bendix-Almgreen(1966)は、螺旋状の接合歯は下顎の正中接合部に存在していたと報告しています。下図右は下顎に収まる螺旋状の接合歯の復元図です。下図中はその断面図です。 
Helicoprion bessonowi
Helicoprion ferrieri
 Bendix-Almgreen(1966)Moy-Thomas and Miles(1971) は、頭部の骨格や歯の組織構造からEdestus類は全頭類とし、Helicoprion属とCampyloprion属のみが板鰓類という見解を示しました。
現在のHelicoprion 復元図。接合歯は下顎に存在し、板鰓類として描かれている。

1)ヘリコプリオンの変遷
2)日本産ヘリコプリオン
 群馬県勢多郡東村花輪産の日本産ヘリコプリオン第1号標本。Yabe(1903)では、H.bessonowi とされた。発見当時は、3個体あったと伝えられている。
ペルム紀前期 鍋山統、直径26cm
 日本産第2号標本。1979年5月、宮城県気仙沼市上八瀬で発見された。
ペルム紀中期 叶倉統、長径10cm

3)ヘリコプリオンとヘリコプリオンの近縁種
Sarcoprion edax  頭部
Lestrodus newtoni
Helicoprion lecontei
Agassizodus variabilis 下顎歯列
NIELSEN 1932

Order Eugeneodontida nov. ユ−ジネオ−ダス目
  Superfamily Caseodontoidea nov. ケシオ−ダス上科
    Family Agassizodontidae nov. アガシゾ−ダス科