スピーカー D-83「フラミンゴ」製作過程と写真 (2005.5)



図面は
『こんなスピ−カ−見たことない(Ontomo Mook Audio) 長岡鉄男のオリジナル・スピ−カー設計術2 図面集編 / 長岡鉄男 音楽之友社 1997/10 ISBN:427696041X』
amazonデータ
によります。
こちらにもアップされています。

寸法は異なりますが、以下の製作過程についてはフラミンゴに限らず、スワン族の製作全般に当てはまると思います。音道もほぼ同じです。


むさくるしい部屋の写真ですみませんが・・・
以下、板が曲がって見えるところがありますが、カメラのレンズの問題で、実際には真っ直ぐです。



音道の一番手前側の部分です。上下に二つを重ねています。下側から見たところで、真ん中の二枚の板は下が4センチ、外側の二枚は上に5センチ開いています。
横に写っているのが作りかけの首の部分です。
図面には縦仕切り板の間隔が書かれていないのですが、横仕切り板の角の切り込みの長さから判断して
一列目が

| 42 |15| 30 |15| 56 |15| 30 |15| 42 |

二列目が

|   70   |15|   90   |15|   70   |

となります。長さを測り、鉛筆で線を引いておきます。

(幅260。|15|は板厚)




下の段は側板まで付けた状態、上の段は音道を完成させた状態です。
仕切り板の角にある切り込み4ヶ所は、自分でノコギリを引いて切りました。ここはわざわざDIYで切ってもらう必要はないと思います。
スワンの音道も、基本構造はこれと同じです。

首の部分もすでに完成してます。本来は数日乾燥させてからユニット(FE-83Eを使用。FE-83の後継モデル)を取り付けたほうが良いそうですが、せっかちなのでもう取り付けて音楽を聴いていました。
首部分のみで使っても、上下逆向きにすると穴から低音が少しは出るので、極端にスペースの狭い場所で使うにはこれでもけっこういけます。
ターミナルをつけるのがめんどくさいので、ケーブルはユニットに直にハンダ付けしています(基本的にずぼらな性格なのです)。




側板を付け、あとは底板と天板を付けるだけの状態。下の段は上から、上の段は下から見た音道の様子です。音道の折り返し部分は、カンナを持っていないのでカッターで大雑把に削りました。別に削らなくてもあまり違いはないのかもしれませんが。
この側板を付ける作業が一番大変だと思います。中の仕切り板がずれていると、ここで側板がピッタリ合わない事態となります。
そうならないように仕切り板が正確な位置についているか、差し金できちんと直角を測るなどしてきちっと作る必要があるのですが、私の場合もやはり少しずれてしまいました。ヤスリで削り、最終的にはピッタリ合いました。




本来とは違い、首を逆向きに付け、低音が前から出るようにしました。
天板は、接着してしまうと後で直しがきかないので、ネジ止め等にした方がよいと思います。天板裏からの首の固定もネジにすれば、首の取り外しが可能になり、引越し等の持ち運びの際便利だと思います。

木ネジをねじ込む時は、打つ場所全て(この場合4本)にまず釘を仮打ちして固定し、釘抜きで一本抜いては一本その跡の穴にねじ込んでいき、を繰り返します。いきなりネジを打つとどうしてもズレが生じてしまうのですが、釘で固定しておけばその心配がありません。最後にいったんネジを外し、木くずを削り取ってから再度ねじ込み完成、となります。

釘打ちは今回は最小限にし、基本的に外から見える場所には打ちませんでした。強度的には問題ないと思います。前回スワンを作ったときは、打ちすぎるくらい打ったのですが。



○板切りなど

板切りは東急ハンズでやってもらいました。図面を一目見て「スワンですか?」と言われました。だいぶ慣れていらっしゃるようです。
ただ最近は依頼がずいぶん減ったとのこと。10年くらい前は毎日のように依頼があったそうで、オーディオ趣味の衰退をちょっと感じました。

ハンズでは1カット52円で、標準的な値段だと思います(一般に50円くらい)。
ただし、フラミンゴやスワンaのように二枚同一板取りの場合、2枚重ね1カットで作業が出来るのにもかかわらず、カット代は一枚ごとの計算で、実際の作業の2倍取られてしまいました。総額5000円前後でした。
2枚重ね1カット計算のDIYなら、この半額程度でやってもらえるのではないかと思います。ただハンズの人の方が、上のように長岡スピーカーに慣れているので、いい仕事をしてもらえるかもしれません。
円・角穴カットは200円前後と、少し高めです(これも他のDIYと一緒)。しかし自分で開けるのは相当苦労すると思うので、やってもらった方がいいです。
(キリで一か所穴を開け糸ノコを使うか、ドリルとノコが一体型になったような工具を使う。スワンの時は後者を買って開けましたが、ずいぶん時間がかかりました)
天板の重りを入れる穴は、美観を損ねるので開けませんでした。天板を外して入れればいいわけですし。この辺は好みの問題だと思います。
首下部周りの板は設計では縦長(100x70,115x100)ですが、美観を考え、切り口が横に来るように寸法を変更して切ってもらいました(100x100,85x100)。



○製作の際の注意など

とにかく音道が迷路のように複雑なので、初めて作る人はまず、厚紙で模型を作ってみたほうが間違いがないと思います。私も以前にスワンを作ったときには音道の模型を作りました。
要するに真ん中のデッドスペースを除き、密閉された空間が出来ないようにして「道」として空気が通るように設計がされているわけです。
こちらの内部構造図がとてもわかりやすいです。
うっかり逆向きに板を付けてしまわないよう、気をつける必要があります。


○音

やはりスワンに比べると低音がやや不足ですが、個人的には充分です。前面開口にしたために余計響いているのかもしれません。個人的には、コントラバスのピチカートが自然に出る程度の低音があれば充分なので、それ以低の壮大な低音は、別になくてもいいかと。
またスワンのような低音が出ても、集合住宅住まいでは、それはそれで困りますから(笑)、特に集合住宅にお住まいの方にはスワンより断然おすすめです。隣人の苦情が出ない範囲での高音質を求める方には、ベストの選択ではないでしょうか。
高音域はスワンよりだいぶ伸びているようです。
FE88ES(スーパーフラミンゴ用。限定発売で2006年現在、入手困難)はどうかわかりませんが、中高音はFE83Eの方がよかったという声も見られるので、どっちもどっちかもしれません。個人的には中高音重視なので、今のままでいいかなと思います。


○費用

板7200円が2枚、カット代が5000円、ユニットが2500円×2で合わせて25000円ほどでした。この値段で買えるスピーカーでこの音は、ありえません。


○追記 (2006.1)

実家に置いてあるスワンaの写真を撮ってきました。

1988-9年頃に製作。経年変化か、コーンがだいぶ変色していました。
鳴らしてみましたが、音質上も特に問題なく鳴りました。

『長岡鉄男 最新スピーカークラフト〈1〉スワンaとその仲間』(amazonデータ
を参考にしました。図面はこちらにもアップされています。

スーパースワンは当時まだ設計されていなかったのですが(1992年発表のようです)、スーパーもスワンaと基本構造は変わりません(細かい補強が付いたりの違いかな?)。
aは板取りが一本につき一枚、二枚同一なので、無駄がなく製作しやすいし、安上がりではあります。「スーパースワン」は板を二枚半使用するので、板代、カット代が高くつきます。

シナ合板で製作。
ユニット型番は忘れましたが、当時スワンaの標準ユニットとされていたものを使用。ユニットには保護網を付けてます。
ケーブルは直ハンダ付け、後ろの穴から引き出しています。見ての通り安物を使用。

写真ではわかりませんが、塗装が苦手なので、あまり良くない仕上がりになっています。
(いっそ塗らない方が良かった・・・)
板付けはかなり正確で、ミリ単位のズレもほとんどありません。
釘はきっちり打つべき場所に打ってますが、別に必要なかったかも。

丸穴・角穴開けをDIYにやってもらえなかったので、ノコを引いて手作業で開けました。結構しんどかったです。穴が少しゆがんでいますが、外から見えないし、まあ全然問題ありません(笑)。
完成まで一週間くらい、学校から帰ってトンカントンカンやってました。懐かしいですなあ。

フラミンゴと同様、中央の重り穴は開けてません(手作業でめんどかったからです)。
しかも天板を接着しているので、完全なデッドスペースになってます。
(この辺ちょっと失敗した・・・大勢に影響はないと思いますが。今からでも、糸ノコで開けようと思えば不可能ではないです)

まあこういった反省を、フラミンゴに反映しているわけです。


(2007.2.6 後記)

ところで、このスワンaですが、今使っていません。
そこで、家まで車などで取りに来ていただくことを条件に、どなたかに無料でお譲りしようかと思います。
宅配便等には、送料先方払いでも対応できません。
包装その他に手間がかかり、私が実家に不在なので対応できないためです。

場所は埼玉県中部(さいたま市よりやや北)です。
お譲りする方が決まれば、住所等をお教えします。
実家なので当方はそこに住んでいませんが、家族にお願いしておきます。
家族はオーディオには全く興味がないので、ここ数年無用の長物となっています。

お礼等は一切無用です。家族はかえって部屋のスペースが空いて喜ぶでしょう。

→ 応募者があったので、一旦締め切ります(2007.6)。