
「自転車に乗って」
稲垣「この間、もの凄くカッコいい自転車を見つけてね」
山口「ほう」
稲垣「32まんえんもしてたけど」
山口「どんなだよ、それ」
稲垣「メルセデス・ベンツなんだ」
山口「ベンツって自転車も造ってたのか」
稲垣「女の子のナンパに使えるかもね『俺のベンツに乗らないか?』って」
山口「できるかよ!絶対馬鹿にされるぞ、それ」
稲垣「やるわけないでしょ。2人乗りは違法だからね」
山口「そういう問題じゃないだろ!」
稲垣「いやいや。そういえばこの前、ラジオで自転車のおもしろい話してたな」
山口「なんて?」
稲垣「マウンテン・バイクで転倒したときにハンドルで腹部を強打する事故が多発してるって」
山口「おもしろくねぇよ!危ないって」
稲垣「いまワープロで<まうんてん・ばいく>って入力して変換したら
<魔運転バイク>だって。腹部強打してたらそれこそ『魔運転』だよね」
山口「やめなさいって」
稲垣「それでそのラジオのDJがね、『俺なんか腹部強打よりもっと酷い目に遭ったことがある』って」
山口「続きがあるのか」
稲垣「うん。僕らが小学5年くらいの頃<5段変速機付自転車>って流行ったでしょ」
山口「ああ。可倒式ヘッドライトとかの派手な電飾が付いてるヤツね」
稲垣「そう。しかも車体は必ず黒色なんだ。んでそのDJも小学生の頃それに乗ってたんだって」
山口「うん。それで」
稲垣「ある日、変速機を1速に入れてガーッって走ってたんだって。それで勢いつきすぎちゃって。
正面の電柱に激突したんだ」
山口「うわー」
稲垣「で自転車にまたがったままの姿勢で、そのまま滑るように前に投げ出されて。
自らの金玉で1速から5速までガガガガーって変速しちゃったらしいよ。
声も出せないほど痛かったって」
山口「そりゃ痛いよ」
稲垣「でもまぁ、こうしてシャズナのIZAM君は誕生したんだね」
山口「勝手につくるなよ!」
(了)
「鯨卵」
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