CFIMRTのメリット
CFIMRTは通常の放射線治療をより効果的なものに変えてしまう方法です
CFIMRTと他の高度な治療との位置づけ
CFIMRTをご紹介したとき、粒子線治療やガンマナイフ、Xナイフ、世界的に定着している強度放射線治療(IMRT)とどこが違うの?といった御質問をされることがよくあります。
それぞれは特徴があり、使い分けがされます。一つ一つに関しての解説は自分なりには当然出来ますが、専門的に研究開発されておいでる施設、先生方がより正当なご説明を文献、HPなどで数多くされておいでます。詳細はそちらにお譲りすることとして、CFIMRTは理論的にはそれらの手技を包括した理論だと御理解ください。使用する放射線の差もあります。しかし、CFIMRTというのは放射線の分布を最適にするやり方の提案なのです。照射方法からすると、Xナイフと、IMRTの亜型であるIMAT、tomotherapyといった手法、躯幹部の一部の定位的な放射線治療は回転系の手技です。その他の治療は固定系の手法だと考えています。それぞれのメリット、デメリットがありますから、将来的には固定系と回転系の合理的な複合があればよりよい治療になるのではないかと考えています。
現在のところは、頭部の腫瘍で比較的小さいものを手術のように’焼ききる’ような治療がガンマナイフと、Xナイフだと御理解ください。数多くの症例が世界中であり、再発率も低く、効果も早く出ますから主治医の先生がこちらを選択されたときは間違いなく、両者の治療がベストです。
腫瘍への放射線の集中性を放射線自体の特性から行うのが粒子線治療です。重粒子などは正常な浅い部分は比較的素通りに近い状態で腫瘍のあたりで(ちゃんと調整するわけですが)急激にエネルギーを放出するため選択的な治療が出来るわけです。しかも、その粒子の重さによって生物学的な効果も異なり、X線を使った場合より効果的ですから、従来治療が困難とされていた腫瘍でも効果的とされています。
CFIMRTは現在のすべての治療に応用できます
今までの説明に出てきた治療方法は、特殊な施設、設備が必要です。しかし、基本的にCFIMRTは、どのような病院でも放射線治療装置と治療計画装置さえあれば導入できます。よく、どの病院でCFIMRTをやっていますか?と聞かれるのですが、実は、単に照射方法の提案ですから、その施設で御採用いただければ、別に、その日から開始できるのです。しかも、コンセプトの一部を応用することも可能ですから、見た目いつも通りでも、ちょっと変えるだけでもCFIMRTになってしまいます(コンセプトにある回転照射のウエイトを0にすれば、単なる多門照射ですから)。要は、患者様おひとりおひとりにオーダーメイドの治療をしましょうというスローガンのようなものです。そのやり方を放射線の特性を逆手にとって、こうすればうまくゆくという手順を提案したものなのです。
従来から、3DCRTといわれる極めて高度な放射線治療が世界中でなされておりますが、治療計画が非常に難しく、そのためにIMRTという概念がコンピュータ補助という武器とともに出現してきたのです。CFIMRTはそれをもっと容易に、人間の頭の中で絵を描くように最適な放射線治療を決定できるようにする方法なのです。実例をあげましょう。

NHKのプロジェクトXで「ワードプロセッサーの開発」の回がありました。東芝が初の日本語ワードプロセッサーを開発した際の御苦労を特集していましたが、それを見ていて思いました。誰でも簡単に計画できなければ本物ではないし普及もしないと。それで、ある日、当院のある秘書の方にお願いして、帰宅前の5分間で固定照射の方向を適当に設定してもらいました。

これを御覧いただければ、治療計画に携わる方であれば、おや?と思うはずです。私も横で見ていて「あ〜、そこからは照射できないんだよな〜」とか思っていましたが、一切口出ししていません。(当院の治療用寝台には真ん中に細いレールがあって、照射方向の制限があるのです)そのまま、彼女は帰宅されましたので、それから計算させてみて、予想通りの結果に驚きました。

私が実際に施行した計画は別にあります(下顎骨の被曝をやや落とし、腫瘍への放射線をさらに均一化したもの)。しかし、それに非常に近い計画が出来ていました。正直、かなりの施設であれば、これでも臨床応用可能とされるのではないでしょうか?一般の方ですと、この良さはお分かりにならないでしょうが、病変に放射線が集中し、脊椎の前の黒く抜けた咽頭部のほとんどが放射線の被曝を減少できていることが分かるでしょう。反対側の唾液腺も十分放射線から守られていることが分かります。この計画なら、実際に治療しても腫瘍は早く縮小し、治療期間中も食事が摂れなくなる事もなく、後の障害も最低限になるだろうと予測がつきます。
(実際の症例では、現在完治状態が続いておいでで、味覚も障害なく、唾液分泌の障害もございません)
いかがでしょう?通常の放射線治療すべてに応用可能と言った意味がおわかりでしょうか?通常照射の扱いですから、保険請求も通常通りですし(普通の放射線治療)、治療時間はSIMTECという自動照射照合システムを使えば5分以内(手作業でも10分以内でしょう)、治療計画も私は30分以内に出来ます。
医療側だけでなく、患者様からも、もっといい治療というご意見が強ければ、応用される施設、応用される疾患がどんどん増えてゆくのではないかと考えております。
2003年9月7日
追記
これは、私から医療機関へのお願いです。もし、一部の患者様だけでもCFIMRTを施行していただけるなら、むしろ、弱り目に祟り目の患者様がよりよい治療を受けられるようにしてあげてください。医療費に関しては照射方法のため若干上がりますが、通常照射の保険請求ですから患者様のご負担はそれほど増加しないと思います。むしろ、弱ったお身体に負担をかけず、比較的早急な効果発現が見られるはずです。私がCFIMRTに辿り着いた真意は、そういう患者様をなんとかしたいという気持ちからはじまったのです!
米国施設からの感想より
(2005/2/22受領メールから)
あなたのウェブサイトは非常に興味深く、読めば読むほど理にかなっています。もう少し詳細を調べたいので、あなたが提供しているCDと、それに関する添付文書があれば送っていけませんか?。われわれは、脳の定位放射線照射と前立腺癌に対してはBrainLab Novalis systemで、その他の部位のIMRTをVarian 21EX w/120 leafmlcで施行しています。頭頸部や脊髄の治療のための計画、QA、セットアップ完了には数日を要するのですが、それらの手法のいくらかは、貴手法によって迅速に処理できるだろうと考えながら見ています。放射線腫瘍医は、それらが再生可能だとみなし、QAが明らかに出力を保証すると同意しています。私はまた、あなたのQAの手法にも非常に興味があります。
お願いばかりで申し訳ないが、貴論文は、米国での機器製造元の売り込みとは完全に逆で、しばしばエラーや制御問題の危険をはらむ手法に取って代わると思われます。おそらく大変複雑な手法も簡略化できるでしょう。
あなたのpicture gallaryも素晴らしくて目を見張るものがあるので、是非ウェブにそのような写真をもっと掲載してみることを勧めます。妻と私はうちにもそのような日本庭園の技を再生しようとしましたが、私たちが模倣して作ったものは、あなたの国のものほど美しくもなく、同じだけの効果は得られなかったようです。もちろん、それらは再生するためのものではなく、眺めたり楽しんだりするものですが。
(海外癌医療情報リファレンス:希さん訳):
2005年3月に届いたメール
2005 3/16付けで、ある米国の施設からメールをいただきました。MEDDOSに私が書き込んだ『治療期間中の体型変化による線量分布をどう考えますか?』といった内容の投稿に対する返事です。
これは特に悪性リンパ腫の放射線治療の際にしばしば問題となってきました。悪性リンパ腫は放射線治療で急激に縮小するため輪郭も急激に変化します。しかし、顕微鏡レベルの腫瘍細胞が疑われる場合に照射野を変化させるでしょうか?DMU(モニターユニット)は変化するかもしれないが、大きな変化がなければ通常はそれほど変化がありません。我々は少なくとも 1cmSSDが変わらなければ何もしない。そして、それは治療のどの段階かにもよります。例えば、あなたは残り 3、4回しか治療回数が残っていないのに全部を変更しますか?さらに米国の我々には保険支払いに関することもあります。しばしばブースト照射をしようと思っても、再度CTを撮影することも困難な場合があります。以前勤務していた施設では新しく撮影したCT画像を治療計画時のCTに合成したいと思っても、CT検査を拒否されました。それにたいてい、再度計画したとしても我々の苦労は保険請求を得られません。特に小児の放射線治療では成人の場合よりずっと厳密な計測も必要なのは確かなのですが・・・
IMRTの出現は我々にとって考え方を変える契機になりました。そして、私はIMRTは我々が考えているほどは有用ではないのではないかと考えざるをえなくなってきました。最近あった症例では酷い粘膜炎が起こったため、IMRTから3D CRTに治療を変更しなければなりませんでした。
でも私はおびえてなどいられません。あなたが指摘した問題点は証明されうるものだと考えますが、それにかけうる時間が我々にはなさすぎます。もし、あなたが何かを変革しようと思うなら、あなたは繰り返し研究を続けなければなりません。そしてそれは真に『患者にとってよい治療結果』をもたらすでしょう。ぜひとも、あなたの時間外の業務をすべてこれに費やしていただけませんか?私は単に利益を得るような作業だけを行うことが正しいとは思ってませんが、我々は治療患者の計画にすべての時間を費やさなければやっていけないのです。
私はあなたが私に送ってくれた資料の中に、たまたま前立腺の治療についてのものを見つけ、非常にインパクトを受けました。私はIMRTの分布とCFIMRTの分布の比較を、いくつかの我々の症例で比べる作業を行っています。それと治療計画に費やされる時間の追跡も行っています。
私はあなたの情報に心から感謝しています。そして、その情報を共有しようとするあなたの心意気に感謝します。あなたが日本で行っているのとはちょっと違うやり方を、ここ米国中西部で我々は行っていますから、将来、情報を交換し合いたいと思っています。
2005年5月11日
テンプレートの強みと自由度
ずっと以前からの約束で、NHKの某氏と、ある患者会の代表の方が施設見学にみえました。せっかくですので、事前に二つの試験症例を用意しておいたので、実際に治療計画装置に触れていただきました。
この例は、篩骨洞を想定したファントムでの計画です。前方中心の矩形回転照射は私が設定しましたが、あとは適当に固定門の角度を選んでもらったものです。かなり不均等に角度が設定されてますが(苦笑)、それでも、ちゃんと治療対象に放射線は集中します。こういった自由度が大きいのもCFIMRTの特徴です。
全頚部照射のテンプレートを実際に体験してもらいました。機械操作の一部は私が手伝いましたが、基本的にはテンプレートの絵にしたがってMLCを調整してもらったものです。(したがって、耳下腺部のカットなどはきちんとされてはいません。)テンプレートを用いることで、比較的高品位な治療計画が、容易に作成できる可能性があることがお分かりになったでしょうか。
2006年5月11日