福島第一原子炉事故関連参考論文集

 

ここに集めた文献は放射線リスクの立場のものが中心です。安全・安心な情報はさまざまに流布していますので、それらと対比しつつご自身の判断材料としていただきたいと思います。ただし、Fukushima Voiceのサイトの「放射線影響研究所が論文の日本語概要を「改ざん」」という記事で

改ざん前:「総固形がん死亡の過剰相対リスクは被曝放射線量に対して全線量域で直線の線量反応関係を示し、閾値は認められず、リスクが有意となる最低線量域は00.20 Gyであった。」 

改ざん後:「総固形がん死亡の過剰相対リスクは被曝放射線量に対して直線の線量反応関係を示し、その最も適合するモデル直線の閾値はゼロであるが、リスクが有意となる線量域は0.20 Gy 以上であった。」

という例と放影研の「内容は同じだが前の表現だと内容を誤解する一般の方が多かったので変更した」という電話回答が紹介されています。ご存知の方は少ないと思いますがPubMedという世界中の学術論文を紹介する検索サイトがありますが、そこに公開されている英文抄録を和訳するだけでも著作権が発生し、雑誌によっては許可されないところもあります。上記の改竄はそれ以前の問題であり、同施設の発言全体の信憑性も疑われてしかるべきだと考えます。それを踏まえて、慎重に取捨選択・判断していただきたいと切望します。

※低線量被曝などに関連して参考になりそうな論文をご紹介してゆきたいと思います。ドキュメンタリーなどで紹介された事例について論文化されたものも含まれます。紹介された番組については著作権の関連や、削除されている場合もありますのでリンクはつけませんが、YouTubeなどでタイトルなどを検索することで視聴できる場合があります。

※疫学に関する報告、論文は研究スタイルで結果が異なる場合もでてきます。ただ、今回はリスクを重視している論文を拾ってみました。リスクは高めに見積もったほうが将来の後悔が少なくなると思います。科学である限りは両極端な意見があってしかるべきだと思いますので、『安全』を主張している報告、論文などもあわせ、個々で判断していただけたらと思います。資料もなしに議論することほど不毛な感情論になってしまいますから。

私が引用した文献については全面的に正しいと判断したものではありません。ただ、臨床に応用すべき論文とリスクを考えるための資料とは評価すべきポイントが異なると私は考えています。まさかこういうことはないだろう・・と思ったことが実際には起こりうることは福島の事故で世界の人たちが痛感したと思います。本来、可能性が少しでもあると考えられるなら、それに対する対処を考えることがリスクマネージメントです。みんなが見ているから患者を取り違えることなんてないだろう・・・という空気が医療事故を起こすように、その文献にわずかでも引っかかるところがあるならば、検証するための方策を考えるべきだと私は考えます。『もしかしたら、こんなこともあるかもしれない』と考えて、自分なりの判断をすることが大切だと思います。自らへのリスクに関しては誰も唯一の正解を示すことは不可能だと思います。それをリスクが織り込まれた医療行為に伴うものと同一の議論をすること自体誤ったやり方だと考えます。

UNSCEAR 2008 REPORT Vol. II (EFFECTS OF IONIZING RADIATION) UNSCEAR(原子放射線の影響に関する国連科学委員会)のレポートは小児甲状腺癌以外の健康被害は明らかでないというスタンスのものですが、チェルノブイリですら両極端の立場があることを考慮し、可能ならご一読をお勧めします。今回の福島の件では肯定的、否定的な意見の総合的な判断が個々に求められると思います。ただし、原爆の調査も含めて一般的に大規模な調査よりは特徴的な地域・人を対象として比較した検討のほうが差が出ることが多いように思います。交絡因子をどう扱うかでも最終的な結論は大きく変わってゆきます。

Little MP. Risks associated with ionizing radiation. Br Med Bull. 2003;68:259-75. 放射線の確定的影響、確率的影響についてICRPUNSCEARの立場に沿ったリスク評価をした評論。’However, in contrast to the situation for deterministic effects, for most stochastic effects it is generally accepted that at sufficiently low doses there is a non-zero linear component to the doseresponse i.e. there is no threshold. There is little evidence, epidemiological or biological, for thresholds for stochastic effects. ’という記述があります。閾値があるという専門家は世界的に認知されるだけの根拠を示すべきです。

※医療関係者であれば、一応標準的な立場の雑誌とみなされているNEJMの福島原発事故に関する短期、長期の健康リスクについての文献をまず基本スタンスとしてご一読をお勧めします(フリーで読めます)。

Short-term and long-term health risks of nuclear-power-plant accidents.

N Engl J Med. 2011 Jun 16;364(24):2334-41.

Christodouleas JP, Forrest RD, Ainsley CG, Tochner Z, Hahn SM, Glatstein E.

SourceDepartment of Radiation Oncology, University of Pennsylvania, Philadelphia, PA 19104-4283, USA.

(※上記NEJMに引用されている甲状腺癌の疫学データ Brenner AV, Tronko MD, Hatch M, et al. I-131 dose response for incident thyroid cancers in ukraine related to the chornobyl accident. Environ Health Perspect. 2011 Jul;119(7):933-9.)

注意:上記NEJMの評論には多くの意見が示されており、そのなかには、同論文の表2について誤った表現であること、すなわち、100mSv以下では健康の影響が認められないかのような書き方をしてある点をBEIR VII reportの結論を引用し、問題視しているものもあります。The article by Christodouleas et al. on accidents at nuclear power plants is timely. However, in Table 2 of the article, the risk of health effects associated with exposure to doses of ionizing radiation of less than 100 mSv is described as either too small to be observed or nonexistent. This is incorrect. The most comprehensive assessment of the risks of low-dose ionizing radiation, the Biological Effects of Ionizing Radiation (BEIR) VII report,1 concluded that there is a linear doseresponse relationship between exposure to ionizing radiation and the development of solid cancers in humans. It is unlikely that there is a threshold below which cancers are not induced.

BEIRVIIレポート:Meanwhile, the National Academy of Science's Biological Effects of Ionizing Radiation VII (BEIRVII) report 米国科学アカデミーは『専門家のコンセンサス報告』としてBEIR VIIのなかでで10mSv1000人中1人が発癌と推定と記載

ICRPの記載や原爆の初期データ(近年の再評価を除く)などで低線量では遺伝的影響を含め健康被害は科学的に明らかにされていないと考えている方々(私もそれに近かったです)。客観的に下記評論を読んでいただけないでしょうか?被爆国である日本人としては原爆のデータに関する記載もぜひご一読を。

Wing S, Richardson DB, Hoffmann W. Cancer risks near nuclear facilities: the importance of research design and explicit study hypotheses. Environ Health Perspect. 2011 Apr;119(4):417-21. 100mSv以下では健康に影響がないと言えるマジック。原爆を含め研究スタイルなどで結果がどうとでもなることが分かりやすく解説されている論文(ノースカロライナ大)

※低線量被曝による発癌リスクについての議論。双方とも引用文献も多く参考になると思います。

Little MP, Wakeford R, Tawn EJ, et al. Risks associated with low doses and low dose rates of ionizing radiation: why linearity may be (almost) the best we can do. Radiology. 2009 Apr;251(1):6-12. 過去のデータからは低線量まで閾値なくホルミシス効果も認められない

Tubiana M, Feinendegen LE, Yang C, Kaminski JM. The linear no-threshold relationship is inconsistent with radiation biologic and experimental data. Radiology 2009 Apr;251(1):13-22. 上記に真っ向から反論する論文

※雑誌BMJ1994年の頃の論調と、2001年のEditorialを読み比べてみてください。同じ雑誌でもこんな感じでチェルノブイリの扱いが変わってきています。

Boice J, Linet M. Chernobyl, childhood cancer, and chromosome 21. BMJ. 1994 Jul 16;309(6948):139-40. と意見論文  有意な影響はあまり出ないと考えられ、それほど心配しなくてよいという風潮

Williams D. Lessons from Chernobyl. BMJ. 2001 Sep 22;323(7314):643-4 2001年のEditorial。この頃からチェルノブイリ関連のBMJの論文が増えているように感じます。

※放射線ホルミシスでラッキー博士の著作が根拠に出されることがありますが、まず、下記の論文が考慮に値するかどうか考えていただきたい。

Luckey TD. Atomic bomb health benefits. Dose Response. 2008;6(4):369-82. 低線量が健康に良いとするホルミシスを主張する2008年の論文。少なくとも定説であるLNT仮説を否定するためにはちゃんとした根拠が必要だと思うが、引用文献は自らの著作と1990年代までの文献のみ(しかも引用される著者も同じ名前が並ぶ)

福島第一原子力発電所事故

Tagami K, Uchida S. Can we remove iodine-131 from tap water in Japan by boiling? - Experimental testing in response to the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant accident. Chemosphere. 2011 Aug;84(9):1282-4. 汚染された水道水を煮沸したら濃縮しちゃいました

Kinoshita N, Sueki K, Sasa K, et al. Assessment of individual radionuclide distributions from the Fukushima nuclear accident covering central-east Japan. PNAS 2011 ; published ahead of print November 14, 2011, doi:10.1073/pnas.1111724108 放射性ヨウ素やセシウムなど個々の核種の東日本での分布に関するPNASの論文(オープンアクセス) 

Koizumi A, Harada KH, Niisoe T, et al. Preliminary assessment of ecological exposure of adult residents in Fukushima Prefecture to radioactive cesium through ingestion and inhalation. Environ Health Prev Med. 2011 Nov 10. [Epub ahead of print] 『福島県成人住民の放射性セシウムへの経口、吸入被ばくの予備的評価』(和文あり)

Bailly du Bois P, Laguionie P, Boust D, et al. Estimation of marine source-term following Fukushima Dai-ichi accident. J Environ Radioact. 2011 Dec 13. [Epub ahead of print] 福島第一から海洋に放出されたセシウムに関する仏IRSNの論文抄録と4月に公表されたデータ

Clemenza M, Fiorini E, Previtali E, et al. Measurement of airborne (131)I, (134)Cs and (137)Cs due to the Fukushima reactor incident in Milan (Italy). J Environ Radioact. 2011 Dec 30. [Epub ahead of print] ミラノ(伊)で大気中から検出された福島第一由来の放射性核種についての論文  ※ヨウ素1310.4mBq/m3程度まで検出された

Møller AP, Hagiwarab A, Matsuic s, et al. Abundance of birds in Fukushima as judged from Chernobyl. J Environ Radioact. 2012 May;164:3639. 福島の鳥への影響はチェルノブイリより強いとする論文。その要因として考えられるのは@チェルノは調査前に突然変異種が淘汰A福島の核種のほうが影響が強いB福島のほうが鳥が多く種内競争が目立った。※序章で、交絡因子などの変数を調整しても汚染地域の線量と鳥の数は対応し、それは年代や地域の違いがあっても再現性があるとの記載。

Murakami M, Oki T. Estimation of thyroid doses and health risks resulting from the intake of radioactive iodine in foods and drinking water by the citizens of Tokyo after the Fukushima nuclear accident. Chemosphere. 2012 Mar 2. [Epub ahead of print] 飲水、食事、ミルクなどからのヨウ素131摂取による東京都民の甲状腺等価線量推定

Isotopic evidence of plutonium release into the environment from the Fukushima DNPP accident (ネイチャー誌) 福島第一からのプルトニウム放出と分布

Mangano JJ, Sherman JD. An unexpected mortality increase in the United States follows arrival of the radioactive plume from Fukushima: is there a correlation? Int J Health Serv. 2012;42(1):47-64. 福島第一原発事故後の米国の乳児死亡増加の疑いに関する論文

Unno N, Minakami H, Kubo T, et al. Effect of the Fukushima nuclear power plant accident on radioiodine ((131) I) content in human breast milk. J Obstet Gynaecol Res. 2012 Apr 9. doi: 10.1111/j.1447-0756.2011.01810.x. [Epub ahead of print] 母乳の放射性ヨウ素131による汚染は環境の放射能汚染が軽度であっても起こり得る。

Summary of the Fukushima Accident's impact on the environment in Japan, one year after the accident 事故後一年の仏IRSNのまとめ。土壌だけでなく海洋汚染や食品汚染などについての情報もまとまっている。

Imanaka T, Endo S, Sugai M, et al. Early Radiation Survey of Iitate Village, Which Was Heavily Contaminated by the Fukushima Daiichi Accident, Conducted on 28 and 29 March 2011. Health Phys. 2012 Jun;102(6):680-686. 飯舘村での20113/28-29の測定結果についての論文抄録。3/15は地上1m200μGy/h5月中旬までの積算では50mGyに達すると推定している。※Interim Report on Radiation Survey in Iitate Village area conducted on March 28th and 29th この論文の基礎データと考えられる

Hashimoto S, Ugawa S, Nanko K, et al. The total amounts of radioactively contaminated materials in forests in Fukushima, Japan. Sci Rep. 2012;2:416. Epub 2012 May 25. ネイチャーのサイエンティフィックレポート。福島の森林における放射性汚染物質の総量について。

Madigan DJ, Baumann Z, Fisher NS. Pacific bluefin tuna transport Fukushima-derived radionuclides from Japan to California. Proc Natl Acad Sci U S A. 2012 May 29. [Epub ahead of print] 本マグロの回遊により日本からカリフォルニアへと移動した放射性物質についての論文。20118月のサンプルでCs134 4Bq/kgCs137 6Bq/kg

Lujanien? G, By?enkien? S, Povinec PP, et al. Radionuclides from the Fukushima accident in the air over Lithuania: measurement and modelling approaches. J Environ Radioact. 2011 Dec 27. [Epub ahead of print] リトアニアでの大気中の放射性物質モニタリングデータ。プルトニウムが検出され238Pu/239,240Pu比は大気圏核実験やチェルノブイリ由来と異なり福島由来と推定

Priest ND. Radiation doses received by adult Japanese populations living outside Fukushima Prefecture during March 2011, following the Fukushima 1 nuclear power plant failures. J Environ Radioact. 2012 July 7. [Epub ahead of print] 山形・宮城から長野・静岡まで(福島を除く)の被ばく線量推計

Tokonami S, Hosoda M, Akiba S, et al. Thyroid doses for evacuees from the Fukushima nuclear accident. Sci Rep. 2012;2:507. Epub 2012 Jul 12. 福島第一原発事故で62名を調査した結果、46名に甲状腺に放射性ヨウ素が検出され平均4.2mSvで最大は33mSvであった。(※当初の報道ではもっと線量は高かった「甲状腺被曝、最高87ミリシーベルト 50ミリ超も5人」(朝日新聞201239日))

Hamada N, Ogino H. Food safety regulations: what we learned from the Fukushima nuclear accident. J Environ Radioact. 2012 Sep;111:83-99. 原発事故直後の食品の暫定基準値と実際の測定値例

Lee JK, Han EA, Lee SS, et al. Cytogenetic biodosimetry for Fukushima travelers after the nuclear power plant accident: no evidence of enhanced yield of dicentrics. J Radiat Res. 2012 Aug 1. [Epub ahead of print] 原発事故以降に福島の汚染地域に入った韓国のジャーナリスト、救援隊の調査では被曝の影響を示す二動原体染色体の増加は明らかではなかった。

Yamaguchi T, Sawano K, Kishimoto M, et al. Early-Stage Bioassay for Monitoring Radioactive Contamination in Living Livestock. J Vet Med Sci. 2012 Aug 3. [Epub ahead of print] 原発事故後30日目に福島第一原発20km圏内で輸入飼料で飼育されていた豚の糞便と血液のGe検出器による汚染調査結果

Negishi K. Correspondence to the radioactive material generated in the accident of fukushima. Sangyo Eiseigaku Zasshi. 2012;54(3):114-8. 原発事故時の個人線量モニタリングや防護服などについての概要。千代田テクノル社としての対応も記載。

Hiyama A,Nohara C,Kinjo S, et al. The biological impacts of the Fukushima nuclear accident on the pale grass blue butterfly. Sci Rep. 2012;2:570. 「福島原発事故のヤマトシジミへの影響」原発事故後に採集されたヤマトシジミ(蝶)の眼や翅に形態異常を認めそれらの交配によってそれらの異常が世代を超えて受け継がれた。

Yoshihara T, Matsumura H, Hashida SN, et al. Radiocesium contaminations of 20 wood species and the corresponding gamma-ray dose rates around the canopies at 5 months after the Fukushima nuclear power plant accident. J Environ Radioact. 2012 Aug 7;115C:60-68. 我孫子市での調査で常緑樹の葉は落葉樹の7.7倍の放射性セシウム

Tsubokura M, Gilmour S, Takahashi K, et al. Internal radiation exposure after the Fukushima nuclear power plant disaster. JAMA. 2012 Aug 15;308(7):669-70. 南相馬市での内部被曝調査結果⇒プレスリリース参照

Yasumura S, Hosoya M, Yamashita S, et al. Study protocol for the fukushima health management survey. J Epidemiol. 2012 Sep 5;22(5):375-83. 福島健康調査の研究プロトコル

Wada K, Yoshikawa T, Hayashi T, et al. Emergency response technical work at Fukushima Dai-ichi nuclear power plant: occupational health challenges posed by the nuclear disaster. Occup Environ Med. 2012 Aug;69(8):599-602. 福島原発労働者の作業環境や初期の被曝線量など。

米軍による2011.3/12-5/11の全身、甲状腺の積算線量推定値24時間屋外で激しい運動をしつづけた場合での最大見積り。

Ken O. Buesseler. Fishing for Answers off Fukushima. Science. 2012 Oct 26;338(6106):480-2.  福島第一原発事故後、太平洋岸の魚は1年半経ってもセシウム量は下がっていないことを示した論文。5県で捕獲した魚のセシウム底物や表層など生息範囲での差。詳細はWoodsHoleサイトでもhttp://www.whoi.edu/page.do?pid=7545&tid=3622&cid=153749

Kamada N, Saito O, Endo S, et al. Radiation doses among residents living 37 km northwest of the Fukushima Dai-ichi Nuclear Power Plant. J Environ Radioact. 2012 Aug;110:84-9. これとはぼ同じ内容の文献 Effective doses among residents living 37 km northwest of the Fukushima Daiichi Nuclear Powet Plant 飯舘村と川俣町住民15名の3/11-5/5の積算実効線量は成人で平均8.4mSv、小児で5.1mSv。尿検査結果から甲状腺実効線量はそれぞれ27-66mSv44mSvと推定。

Takada M, Suzuki T. EARLY IN SITU MEASUREMENT OF RADIOACTIVE FALLOUT IN FUKUSHIMA CITY DUE TO FUKUSHIMA DAIICHI NUCLEAR ACCIDENT. Radiat Prot Dosimetry. 2012 Dec 2. [Epub ahead of print]  放射性降下物の屋内外の実測。3/16午前4時に実効線量17.9 µSv/h。皮膚線量は最大見積りで520-670µGy/hと。

Harada KH, Fujii Y, Adachi A, et al. Dietary Intake of Radiocesium in Adult Residents in Fukushima Prefecture and Neighboring Regions after the Fukushima Nuclear Power Plant Accident: 24 hr-Food Duplicate Survey in December 2011. Environ Sci Technol. 2012 Dec 24. [Epub ahead of print] 201112月に食事のサンプルを福島県と周辺地域で集めて放射能をゲルマニウム検出器で調べた結果福島県で26検体中25件でセシウムが検出され(中間値4Bq/日)、関東・西日本より有意に高値であったとする論文

Fukuda T, Kino Y, Abe Y, Hideaki, et al. Distribution of Artificial Radionuclides in Abandoned Cattle in the Evacuation Zone of the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant. PLoS One. 2013;8(1):e54312. 福島第一原発から20km以内の南相馬市、川内村で飼育されていた79頭の畜牛について各臓器のセシウムを含む核種分布を調べた論文

Ramzaev V, Barkovsky A, Goncharova Y, et al. Radiocesium fallout in the grasslands on Sakhalin, Kunashir and Shikotan Islands due to Fukushima accident: the radioactive contamination of soil and plants in 2011. J Environ Radioact. 2013 Jan 20;118C:128-142. サハリン、国後、色丹での草原の福島原発由来の土壌、植物への放射性セシウム沈着についての論文

Matsumoto T, Maruoka T, Shimoda G, et al. Tritium in Japanese precipitation following the March 2011 Fukushima Daiichi Nuclear Plant accident. Sci Total Environ. 2013 Jan 23;445-446C:365-370. 横須賀より福島第一原発に近い測定所で事故前よりも高値のトリチウム降下が検出されたが事故後5週で事故前のレベルまで減少したとする論文。

Steinhauser G, Schauer V, Shozugawa K. Concentration of Strontium-90 at Selected Hot Spots in Japan. PLoS ONE 8(3): e57760. 福島原発によるホットスポットでのストロンチウム90量の測定。

堤 智昭, 鍋師 裕美, 五十嵐 敦子, . マーケットバスケット方式による放射性セシウムおよび放射性カリウムの預託実効線量推定. 食品衛生学雑誌 2013;54(1):7-13.  宮城・福島の食事のセシウム量は東京の7-11倍。どの食品群が高く出たかも記載。

Crépey P, Pivette M, Bar-Hen A. Quantitative Assessment of Preventive Behaviors in France during the Fukushima Nuclear Crisis. PLoS One. 2013;8(3):e58385. 仏当局への信頼欠如のため福島原発事故後、安定ヨウ素剤が入手困難でさまざまなヨウ素を含む代替薬剤の販売量が増えたとする論文。

Saegusa J, Kikuta Y, Akino H. Observation of gamma-rays from fallout collected at Ibaraki, Japan, during the Fukushima nuclear accident. Appl Radiat Isot. 2013 Feb 27;77C:56-60. 原発事故後の茨城での放射性降下物の解析。セシウム137は少なくとも1.4×104Bq/m2で、その約14%は降雨による。

Christoudias T,Lelieveld J. Modelling the global atmospheric transport and deposition of radionuclides from the Fukushima Dai-ichi nuclear accident. Atmos Chem Phys 2013 13:14251438. ヨウ素131の放出量は従来の推定の少なくとも2-5倍と。

Preliminary dose estimation from the nuclear accident after the 2011 Great East Japan Earthquake and Tsunami. 福島原発事故による内部・外部被曝線量などに関するWHO2012年報告。

Hong GH, Hernández-Ceballos MA, Lozano RL, et al. Radioactive impact in South Korea from the damaged nuclear reactors in Fukushima: evidence of long and short range transport. J Radiol Prot. 2012 Dec;32(4):397-411. 福島原発事故での日本からの韓国の放射性降下物の調査結果。北半球を回って西から到達したものと日本から直接流れてきたものについても検討。※福岡などでの汚染を考える参考資料となりそう。

Mizuno T, Kubo H. Overview of active cesium contamination of freshwater fish in Fukushima and Eastern Japan. Sci Rep. 2013 Apr 29;3:1742. 福島第一原発事故での淡水魚のセシウム汚染に関するネイチャーの論文。原発から400kmの静岡でも汚染確認。

Hayano RS, Adachi R. Estimation of the total population moving into and out of the 20 km evacuation zone during the Fukushima NPP accident as calculated using "Auto-GPS" mobile phone data. Proc Jpn Acad Ser B Phys Biol Sci. 2013;89(5):196-9. 携帯電話のGPSデータによる避難状況の推定。ヨウ素131が最大放出された3/15以降のある程度の状況が把握できることが重要。

宮崎仁志, 加藤陽康, 加藤友香里. 名古屋市におけるトータルダイエット試料の分析による放射性セシウム摂取量の推定. 食品衛生学雑誌, 2013;54(2):151-5.

宮崎仁志, 土山智之, 寺田久屋. 名古屋市における食品の放射性物質検査. 食品衛生学雑誌, 2013;54(2):156-64. 名古屋市で購入された食材の2011-2012年の産地とそれに含まれる放射性物質の調査結果。20113-4月の千葉、茨城産の水菜、長葱などのヨウ素131が目立つ。

Fisher NS, Beaugelin-Seiller K, et al. Evaluation of radiation doses and associated risk from the Fukushima nuclear accident to marine biota and human consumers of seafood. Proc Natl Acad Sci U S A. 2013 Jun 3. [Epub ahead of print]  太平洋のクロマグロの放射能汚染に関する論文。

Hayama SI, Nakiri S, Nakanishi S, et al. Concentration of Radiocesium in the Wild Japanese Monkey (Macaca fuscata) over the First 15 Months after the Fukushima Daiichi Nuclear Disaster. PLoS One. 2013 Jul 3;8(7):e68530. 野生ニホンザルの筋肉内のセシウム測定。季節変動があり大気降下物濃度を反映。また季節での摂取食料の種類も関係すると。

Banno Y, Namikawa M, Miwa M, et al. Monitoring of radioactive substances in foods distributed in kyoto, Japan (1991-2011). Shokuhin Eiseigaku Zasshi. 2013;54(3):178-87. 京都で流通した食品の放射性物質モニタリング結果(1991-2001)京都でも100Bq/kg超えの食品が流通していたことが分かる。

Callaway E. Fukushima offers real-time ecolab. Nature. 2013 Jul 18;499(7458):265-6. 福島原発事故後の蝶の奇形や鳥類の減少は低線量被曝の生態系への影響を示す可能性があるがさらなる検証が必要だとするnatureのニュース

Hosoda M, Tokonami S, Tazoe H, et al. Activity concentrations of environmental samples collected in Fukushima Prefecture immediately after the Fukushima nuclear accident. Sci Rep. 2013 Jul 26;3:2283. 福島第一原発事故直後に福島県内で採取された土壌、水、植物、エアフィルターの放射能に関する論文

Priyadarshi A, Dominguez G, Thiemens MH. Evidence of neutron leakage at the Fukushima nuclear plant from measurements of radioactive 35S in California. Proc Natl Acad Sci U S A. 2011 Aug 30;108(35):14422-5. 原子炉冷却に注入した海水が中性子と反応、発生した放射性硫黄が米カリフォルニア州まで飛散していたとする観測結果。

Hiyama A, Nohara C, Taira W, et al. The Fukushima nuclear accident and the pale grass blue butterfly: evaluating biological effects of long-term low-dose exposures. BMC Evol Biol. 2013 Aug 12;13(1):168. ヤマトシジミでの長期間にわたる低線量被曝による生物学的影響評価。異常の頻度、異常体質は遺伝性であったこと、内部・外部被曝での実験系で再現できたことなどが示されている。

Mousseau TA, Møller AP. Elevated frequency of cataracts in birds from chernobyl. PLoS One. 2013 Jul 30;8(7):e66939.  チェルノブイリの野生の鳥での白内障の頻度は年齢に関係なく環境放射線線量とともに増加し、それが鳥の減少に関与していると考察。

Adachi K, Kajino M, Zaizen Y, et al. Emission of spherical cesium-bearing particles from an early stage of the Fukushima nuclear accident. Sci Rep. 2013 Aug 30;3:2554.  2011312日と23日のプルームについての検討。セシウムを含んだ粒子は2μm前後と比較的大きいものであったことが示されている。

Chaisan K, Smith JT, Bossew P, et al. Worldwide isotope ratios of the Fukushima release and early-phase external dose reconstruction. Sci Rep. 2013 Sep 10;3:2520.  高度汚染地区と世界への福島原発事故後30日以内の放射能拡散について。大気中と土壌の放射能測定値についての最初の系統的レビュー。初期被曝を論ずる際の数値的根拠(ネイチャー)

Schneider S, Walther C, Bister S, et al. Plutonium release from Fukushima Daiichi fosters the need for more detailed investigations. Sci Rep. 2013 Oct 18;3:2988.  福島原発事故でのホットスポット(横浜、柏を含む)でのプルトニウム調査結果。明らかに検出されたのは原発メインゲートの植物から。南相馬は可能性ありと(ネイチャー)。

チェルノブイリ関連

※小児甲状腺癌の論文は膨大な数なので省略

Romanenko AY, Finch SC, Hatch M, et al. The Ukrainian-American study of leukemia and related disorders among Chornobyl cleanup workers from Ukraine: III. Radiation risks. Radiat Res. 2008 Dec;170(6):711-20. 除染作業労働者における白血病調査(米・ウクライナ合同)

Wertelecki W. Malformations in a chornobyl-impacted region. Pediatrics. 2010 Apr;125(4):e836-43. Epub 2010 Mar 22. ポレーシア地方に関する研究結果。先天異常頻度高し。

NHKスペシャル『終わりなき人体汚染』 ※上記論文では具体的な被曝線量の記載がないので抄録ですが、引用文献参照:Likhtarev IA, Kovgan LN, Vavilov SE, et al. Internal exposure from the ingestion of foods contaminated by 137Cs after the Chernobyl accident--report 2. Ingestion doses of the rural population of Ukraine up to 12 y after the accident (1986-1997). Health Phys. 2000 Oct;79(4):341-57.

Stepanova E, Karmaus W, Naboka M, et al. Exposure from the Chernobyl accident had adverse effects on erythrocytes, leukocytes, and, platelets in children in the Narodichesky region, Ukraine: a 6-year follow-up study. Environ Health. 2008 May 30;7:21. セシウム137の土壌汚染の程度に対応して白血球、赤血球、血小板、Hbの減少。(特に266310kBq/m2で最も顕著)

(NHK 汚された大地で 〜チェルノブイリ 20年後の真実〜)

Busby CC. Very low dose fetal exposure to Chernobyl contamination resulted in increases in infant leukemia in Europe and raises questions about current radiation risk models. Int J Environ Res Public Health. 2009 Dec;6(12):3105-14. 『英国の小児白血病発症率』を年代別に調べた論文。86-87年の出生児が高い。

Lazjuk G.I., Satow Y. Some Issues of Long-Term Investigations on Genetic Consequences by the Chernobyl Accident ベラルーシでのミンクス(Minsk、低汚染地域)、とゴメリ(Gomel、汚染地域)での染色体異常の比較

(NHK 汚された大地で 〜チェルノブイリ 20年後の真実〜)

Vladimir P. MATSKO Current State of Epidemiological Studies in Belarus about Chernobyl Sufferers. チェルノブイリ事故前後の小児の影響(疫学、遺伝子)についてのベラルーシの調査結果

(NHK 汚された大地で 〜チェルノブイリ 20年後の真実〜)

Rabitsch H, Feenstra O, Kahr G. Radiocesium levels in humans over a four-year period. J Nucl Med. 1991 Aug;32(8):1491-5. 放射性セシウムはそう簡単に身体から抜けないことを示した論文

Diani F, Albiero A, Perdelli F, et al. Determination of cesium in human placenta 3 years after Chernobyl 1990 Minerva Ginecol. 1990 Nov;42(11):439-41. (抄録) 放射性セシウムの胎盤への移行についての論文

Møller AP, Bonisoli-Alquati A, Rudolfsen G, et al. Chernobyl birds have smaller brains. PLoS One. 2011 Feb 4;6(2):e16862. チェルノブイリの汚染地域の鳥は脳が小さい傾向

(ドキュメンタリ「被爆の森はいま」)

Chernobyl - Consequences of the Catastrophe for People and the Environ (ニューヨーク科学アカデミー) 関連動画(チェルノブイリの被害者は100万人 1/2チェルノブイリの被害者は100万人 2/2

Health Effects of the Chernobyl Accident and Special Health Care Programmes (WHO 2006) 2006年のWHOの報告では胎内被曝による白血病の増加は個人線量の推定が困難なため統計学的評価が困難としているが、引用しているデータは増加を示唆。(Chapter 4 LEUKAEMIA)

Sternthal E, Lipworth L, Stanley B, et al. Suppression of thyroid radioiodine uptake by various doses of stable iodide. N Engl J Med. 1980 Nov 6;303(19):1083-8. (抄録)安定化ヨウ素服用のエビデンスとなる論文

ARINCHIN A.N.,OSPENNIKOVA L.A. Lens Opacities in Children of Belarus Affected by the Chernobyl Accident. ベラルーシの調査:体内セシウム量と白内障の関係

3-13【子供と健康力】放射能から子供達をまもろう! 講演 野呂美加さん

Ostroumova E, Brenner A, Oliynyk V, et al. Subclinical hypothyroidism after radioiodine exposure: Ukrainian-American cohort study of thyroid cancer and other thyroid diseases after the Chornobyl accident (1998-2000). Environ Health Perspect. 2009 May;117(5):745-50. 放射性ヨウ素による内部被曝の程度と甲状腺機能低下を定量化した論文(低線量まで直線性あり)

Svendsen ER, Kolpakov IE, Stepanova YI, et al. 137Cesium exposure and spirometry measures in Ukrainian children affected by the Chernobyl nuclear incident. Environ Health Perspect. 2010 May;118(5):720-5. セシウムによる小児の呼吸機能低下を示した論文

Okeanov AE, Sosnovskaya EY, Priatkina OP. National cancer registry to assess trends after the Chernobyl accident. Swiss Med Wkly. 2004 Oct 30;134(43-44):645-9. 国の癌登録からチェルノブイリ作業員の事故前後での癌全体、大腸癌、肺癌、膀胱癌の発症に有意差あり

7-13【子供と健康力】放射能から子供達をまもろう! 講演 野呂美加さん

Castronovo FP Jr. Iodine-131 thyroid uptake results in travelers returning from Europe after the Chernobyl accident. J Nucl Med. 1987 Apr;28(4):535-41. チェルノブイリ事故発生時に欧州を旅行していた人の滞在地と期間、甲状腺へのヨウ素131取り込み量の実測

Fischbein A, Zabludovsky N, Eltes F, et al. Ultramorphological sperm characteristics in the risk assessment of health effects after radiation exposure among salvage workers in Chernobyl. Environ Health Perspect. 1997 Dec;105 Suppl 6:1445-9. チェルノブイリ除染作業労働者の精子の電顕での形態異常

Lambrot R, Coffigny H, Pairault C, et al. High radiosensitivity of germ cells in human male fetus. J Clin Endocrinol Metab. 2007 Jul;92(7):2632-9. 胎児の生殖細胞は低線量被曝でもアポトーシスを起こす

Birgitta Ahman. Body burden and distribution of 137Cs in reindeer. Rangifer 1994;14 (1): 23-28. 放射性セシウムは筋肉だけでなく腎臓などにも集積

人体中の放射能 (09-01-01-07) - ATOMICA - 図1参照)(国際放射線防護委員会(ICRP)の放射性核種の体内摂取に伴う線量評価モデル『筋肉は他の部位に比べセシウム濃度が高くなる報告があるものの,その差は小さい。したがって,線量評価の目的においてはセシウムは全身均一分布と仮定する。』)

 Lang S, Servomaa K, Kosma VM, et al. Biokinetics of nuclear fuel compounds and biological effects of nonuniform radiation. Environ Health Perspect. 1995 Oct;103(10):920-34. ウラニウム、プルトニウムなどのhot particlesの皮膚や呼吸による生体内動態について動物実験などのデータをあわせて総説したもの(※放射性ヨウ素やストロンチウムではない)

Vladimir M. LUPANDIN Chernobyl 1996: New Materials concerning Acute Radiation Syndrome around Chernobyl チェルノブイリ事故での汚染地域にある施設で盗難から免れたカルテから事故による急性放射性障害の症状を具体的に示した論文

(上記に引用された文献の日本語訳『隠れた犠牲者たち- チェルノブイリ事故がもたらした一般住民の急性放射線障害 - 』)

Agate L, Mariotti S, Elisei R, et al. Thyroid autoantibodies and thyroid function in subjects exposed to Chernobyl fallout during childhood: evidence for a transient radiation-induced elevation of serum thyroid antibodies without an increase in thyroid autoimmune disease. J Clin Endocrinol Metab. 2008 Jul;93(7):2729-36. 放射性ヨウ素131汚染地域でチェルノブイリ事故の4年前から事故発生年までに生まれた思春期の小児では血清甲状腺抗体の増加をみた

Pacini F, Vorontsova T, Molinaro E, et al. Prevalence of thyroid autoantibodies in children and adolescents from Belarus exposed to the Chernobyl radioactive fallout. Lancet. 1998 Sep 5;352(9130):763-6. (抄録)

Peterka M, Peterková R, Likovský Z. Chernobyl: relationship between the number of missing newborn boys and the level of radiation in the Czech regions. Environ Health Perspect. 2007 Dec;115(12):1801-6. チェコではチェルノブイリ時に男児の出生率低下。胎児のヨウ素131取り込みについても記載。

Geras'kin SA, Fesenko SV, Alexakhin RM. Effects of non-human species irradiation after the Chernobyl NPP accident. Environ Int. 2008 Aug;34(6):880-97. チェルノブイリでは初年度に低線量(率)のほうが突然変異の頻度が高かったとする論文(抄録)

Bandazhevsky YI. Chronic Cs-137 incorporation in children's organs. Swiss Med Wkly. 2003 Sep 6;133(35-36):488-90. 放射性セシウムは小児の場合甲状腺に特に蓄積される

Romanenko A, Kakehashi A, Morimura K, et al. Urinary bladder carcinogenesis induced by chronic exposure to persistent low-dose ionizing radiation after Chernobyl accident. Carcinogenesis. 2009 Nov;30(11):1821-31. 国会での児玉龍彦先生の陳述のなかで述べられているセシウム137の内部被曝による膀胱癌発生のメカニズムなどのレビュー

Guéguen Y, Lestaevel P, Grandcolas L, et al. Chronic contamination of rats with 137 cesium radionuclide: impact on the cardiovascular system. Cardiovasc Toxicol. 2008 Mar;8(1):33-40. 放射線ホルミシスでネズミの研究をとりざたされてますが、ラットでセシウム137の慢性汚染による心血管障害が起こりうることを示した論文抄録

Bandazhevskaya GS, Nesterenko VB, Babenko VI, et al. Relationship between caesium (137Cs) load, cardiovascular symptoms, and source of food in 'Chernobyl' children -- preliminary observations after intake of oral apple pectin. Swiss Med Wkly. 2004 Dec 18;134(49-50):725-9. 食物からのセシウム摂取に対するリンゴペクチンの効果を調べた論文。議論のたたき台としてよいかと(仕方がない面がありますが引用文献は偏りあり。ただしちゃんとした学術雑誌)。

Thornberg C, Vesanen R, Wallström E, et al. External and internal irradiation of a rural Bryansk (Russia) population from 1990 to 2000, following high deposition of radioactive caesium from the Chernobyl accident. Radiat Environ Biophys. 2005 Oct;44(2):97-106. ブリャンスク地方(ロシア)でのセシウムによる外部被曝と内部被曝の推移。外部被曝より内部被曝の減少が遅く、除染が有効であった。

137Cs in small forest lakes of Finland after the Chernobyl accident フィンランドでの淡水魚のセシウムの年次推移

Sperling K, Neitzel H, Scherb H. Evidence for an increase in trisomy 21 (Down syndrome) in Europe after the Chernobyl reactor accident. Genet Epidemiol. 2011 Dec 7. doi: 10.1002/gepi.20662. [Epub ahead of print] チェルノブイリ後のヨーロッパ(西ドイツ、ベラルーシ、ハンガリー、英国、スウェーデンなど)での21トリソミー(ダウン症)の調査結果について2011年に発表されたドイツの論文。1987/1988にピークがあり著者らは低線量被曝との関連を強く示唆している。※雑誌Genetic Epidemiologyのインパクトファクターは3.98 (先天性疾患に関してはLazjukらの報告(和訳)と先天性疾患を否定した2005年のチェルノブイリフォーラムを比較のこと。ただし、このチェルノブイリフォーラムではLazjukらの報告は引用されている) ※1994年には21トリソミーに関する論文は出ている。Sperling K, Pelz J, Wegner RD, et al. Significant increase in trisomy 21 in Berlin nine months after the Chernobyl reactor accident: temporal correlation or causal relation? BMJ. 1994 Jul 16;309(6948):158-62.

Remeikis V, Gvozdaite R, Druteikiene R, et al. Plutonium and americium in sediments of Lithuanian lakes. NUKLEONIKA 2005;50(2):6166 リトアニアの湖の堆積物の(238)Pu/(239,240)Pu比からチェルノブイリ4号炉由来のプルトニウム由来であることを示し、その分布が南の湖の方が高かったことを示した論文。

Blahák F, Jenistová T, Divisová I. Changes of intraocular pressure in patients with open-angle glaucoma in relation to the passage of atmospheric fronts and environmental contamination. Int J Biometeorol. 1992 Aug;36(3):125-9. 開放隅角緑内障患者で1986-7年に数か月間の眼内圧上昇をみ、チェルノブイリ事故との関連を示唆した論文抄録(他の文献では類似のものは私は探せず)

Møller A.P, Mousseau T.A, de Lope F, et al. Elevated frequency of abnormalities in barn swallows from Chernobyl. Biol. Lett. 2007;3:414417. チェルノブイリに伴う奇形児の増加はチェルノブイリフォーラムではストレスのせいとされた。そこでツバメの奇形の増加について調査し、共通因子として被曝しか考えられないとした論文

Møller AP, Bonisoli-Alquati A, Rudolfsen G, Mousseau TA. Elevated Mortality among Birds in Chernobyl as Judged from Skewed Age and Sex Ratios. PLoS One. 2012;7(4):e35223. Epub 2012 Apr 11. 放射能汚染が強くなるにつれ鳥類のメスの比率が減少し、その結果メスを探すためのオスのさえずりが高汚染地域ほど多くなる。汚染が高くなるほど幼鳥の比率が増え生存期間の短縮も示唆される。

Romanenko AM, Ruiz-Saurí A, Morell-Quadreny L, et al. Microvessel density is high in clear-cell renal cell carcinomas of Ukrainian patients exposed to chronic persistent low-dose ionizing radiation after the Chernobyl accident. Virchows Arch. 2012 May 13. [Epub ahead of print] ウクライナではチェルノブイリ後25年間で腎癌での死亡率は10万人あたり4.7人から10.7人に増加した。特に腎明細胞癌の悪性度が高まり慢性低線量被曝との関連が示唆される。その要因として微小血管増生が示されたとする論文。

Tondel M, Lindgren P, Hjalmarsson P, et al. Increased incidence of malignancies in Sweden after the Chernobyl accident--a promoting effect? Am J Ind Med. 2006 Mar;49(3):159-68. スウェーデンではチェルノブイリ後早期に癌発症率が増加した。交絡因子を除外するとセシウム137の影響と考えられ、その発癌促進効果が疑われた。(トンデル博士の論文)

 (NHK追跡!A to Z:低線量被ばく 揺らぐ国際基準)

Salminen-Paatero S, Nygren U, Paatero J. (240)Pu/(239)Pu mass ratio in environmental samples in Finland. J Environ Radioact. 2012 Jul 7;113C:163-170. チェルノブイリ由来のプルトニウムがフィンランドまで飛来していることを(240)Pu/(239)Pu比を大気圏核実験時とチェルノブイリ後で比較して示した論文抄録。爆発で吹き上がった高度を言うならまだしも、「プルトニウムは重いから遠くまで飛びません」と断言した『専門家』はいかがなものか?

Twenty-five Years after Chornobyl Accident: Safety for the Future ウクライナ政府がまとめたチェルノブイリ事故後25年間の健康調査の検討。高血圧や循環器系などの慢性疾患の増加、小児の健康状態の悪化なども含め、癌だけでなく多様な健康障害を低線量慢性被曝が引き起こす可能性を示唆している。(ETV特集:シリーズ チェルノブイリ原発事故・汚染地帯からの報告「第2回 ウクライナは訴える」)※「チェルノブイリ被害調査・救援」女性ネットワーク翻訳資料:ウクライナ政府(緊急事態省)報告書『チェルノブイリ事故から25 “Safety for the Future”』

Grigoriev P, Doblhammer-Reiter G, Shkolnikov V. Trends, patterns, and determinants of regional mortality in Belarus, 1990-2007. Popul Stud (Camb). 2012 Oct 11. [Epub ahead of print]  ベラルーシでの1990-2007年の地域別死亡率の検討。心血管系死亡の増加が問題となっており、アルコール、貧困が地域差の主因としている。被曝に関しては比較検討の困難さを述べるにとどめている。

Dam K, Bankl H, Mostbeck A. [Measurements of radiocesium incorporation in 250 deceased patients who died within a year following Chernobyl].[Article in German] Wien Klin Wochenschr. 1988 Apr 1;100(7):193-7. 1986-87年に死体250例のセシウム分布を調べた論文。骨格筋に多いが、肝、肺、脾、腎、甲状腺、心、血液、脳にその約半分の濃度で分布。臓器分布は男性より女性が多かった(尿排泄量の差と著者らは推定)⇒斉藤竜太氏によるその論文翻訳(資料あり)「オーストリアにおけるセシウム被曝(1986-87年)

Lydia B. Zablotska, Dimitry Bazyka,et al. Radiation and the Risk of Chronic Lymphocytic and Other Leukemias among Chornobyl Cleanup Workers. Environ Health Perspect. 2012 Nov  (本文PDF)チェルノブイリ除染作業員11万人を対象とした調査で線量推定できた白血病症例137例とキエフなど汚染地域の対照群863例でのケースコントロール研究結果。長期の低線量被曝で慢性リンパ球性白血病リスクが高まる。(78%は骨髄線量が100mSv未満、中間値はそれぞれ132mGy82mSv。) UCSFのこの論文の紹介文はhttp://www.eurekalert.org/pub_releases/2012-11/uoc--ccw110612.php

Sheikh Sajjadieh MR, Kuznetsova L, Bojenko V. Cytokine status in ukrainian children with irritable bowel syndrome residing in a radioactive contaminated area. Iran J Immunol. 2012 Dec;9(4):248-53. 低線量被曝の影響を免疫系について調査した論文。ウクライナでは過敏性腸症候群の小児が多くみられたが、有症状小児ではIL-4が有意に高くIFN-γが低かった。汚染地域でもセシウムの内部被曝が2Bq/kg程度であることにも注目。

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※チェルノブイリでの小児甲状腺癌について チェルノブイリ原発事故と甲状腺がん

(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 原研細胞 山下 俊一)

※チェルノブイリでの小児甲状腺癌で特異的な遺伝子マーカーを特定

Heß J, Thomas G, Braselmann H, et al. Gain of chromosome band 7q11 in papillary thyroid carcinomas of young patients is associated with exposure to low-dose irradiation. Proc Natl Acad Sci U S A. 2011 May 23. (抄録) 図入りの紹介ニュース Fingerprint of Radiation Exposure Discovered in Thyroid Cancer

Drozdovitch V, Khrouch V, Maceika E, et al. Reconstruction of radiation doses in a case-control study of thyroid cancer following the Chernobyl accident. Health Phys. 2010 Jul;99(1):1-16. 甲状腺癌についてのベラルーシ、ロシア汚染地域での甲状腺線量の推定。症例対照研究のためバイアスはあるが、中間値はベラルーシ370mSv、ロシア34mSv

安定ヨウ素剤の使用について Potassium Iodide as a Thyroid Blocking Agent in Radiation Emergencies (米国FDA  Iodine prophylaxis national practices in Europe (ヨーロッパ)

O'Kane P, Shelkovoy E, McConnell RJ, et al. Differences in sonographic conspicuity according to papillary thyroid cancer subtype: results of the Ukrainian-American cohort study after the Chornobyl accident. AJR Am J Roentgenol. 2008 Dec;191(6):W293-8. チェルノブイリ事故での小児甲状腺癌の超音波所見

Brenner A V et al. I-131 dose response for incident thyroid cancers in Ukraine related to the Chornobyl accident Environ. Health Perspect. 2011; 119 9339

Tronko M D et al. A cohort study of thyroid cancer and other thyroid diseases after the Chornobyl accident:thyroid cancer in Ukraine detected during first screening. J. Natl Cancer Inst. 2006; 98 897903

Piciu D, Piciu A, Irimie A. The thyroid cancer in children: a 20 years study in a Romanian oncology institute. Endocr J. 2012 Mar 23. [Epub ahead of print] ルーマニア腫瘍研究所(Romanian oncology institute)での20年間の小児甲状腺癌の調査結果。チェルノブイリ事故の10年後から増加傾向を示し、25年後に増加が止まった。※ルーマニアは1989年に革命があり国内の混乱のため1991年からの検討しかできなかったと思う。単一施設の治療件数とはいえ成人と小児での症例数の増加パターンが異なること、小児症例が北部で多い事などから小児ではチェルノブイリの影響を筆者らは指摘している。

Ishigaki K, Namba H, Takamura N, et al. Urinary iodine levels and thyroid diseases in children; comparison between Nagasaki and Chernobyl. Endocr J. 2001 Oct;48(5):591-5. 尿中ヨウ素濃度と小児甲状腺疾患との関係をチェルノブイリと長崎で比較した論文で山下氏も共同筆者。※長崎では250例中4例で甲状腺腫大。結節や癌はなし。ゴメリ(ベラルーシ)では甲状腺腫大13.6%、結節1.74%、癌0.2%

Ozdemir D, Dagdelen S, Kiratli P, et al. Changing clinical characteristics of thyroid carcinoma at a single center from Turkey: before and after the Chernobyl disaster. Minerva Endocrinol. 2012 Sep;37(3):267-74. トルコではチェルノブイリ事故前後の比較で濾胞癌が減少し乳頭癌が増加。近隣国だけではなく遠方でも大規模調査すべきと結論づけている。

Abend M, Pfeiffer RM, Ruf C, et al. Iodine-131 dose dependent gene expression in thyroid cancers and corresponding normal tissues following the chernobyl accident. PLoS One. 2012;7(7):e39103. チェルノブイリ事故後の甲状腺癌での放射性ヨウ素131の甲状腺線量依存性の遺伝子発現について(※症例の内訳をみると8mGyの甲状腺線量でも甲状腺癌例があることが分かる)

Stiller CA. Thyroid cancer following Chernobyl. Eur J Cancer. 2001 May;37(8):945-7. チェルノブイリ事故による小児甲状腺癌が科学的に立証されるまでの経緯が記載

Kesminiene A, Evrard AS, Ivanov VK, et al. Risk of Thyroid Cancer among Chernobyl Liquidators. Radiat Res. 2012 Sep 21. [Epub ahead of print] チェルノブイリ事故処理作業者の甲状腺癌に関する論文抄録。対象症例の甲状腺線量の中央値は69mSvで有意な放射線量反応関係を認めた。

O'Kane P, Shelkovoy E, McConnell RJ, et al. Differences in sonographic conspicuity according to papillary thyroid cancer subtype: results of the Ukrainian-American cohort study after the Chornobyl accident. AJR Am J Roentgenol. 2008 Dec;191(6):W293-8. チェルノブイリでの小児甲状腺癌スクリーニングに使用された各メーカーの超音波診断機器と実際の当時の病変画像あり。

Hayashida N, Sekitani Y, Takahashi J, et al. Prognosis of thyroid nodules in individuals living in the zhitomir region of ukraine. PLoS One. 2012;7(11):e50648. ウクライナ・ジトーミル地方で1991年から2000年に甲状腺検査で結節ありとなしとされた群の追跡調査で小児期に結節ありとされた人は結節の数と大きさが増大する傾向(山下俊一氏も共同著者)

Ory C, Ugolin N, Hofman P, Schlumberger M, et al. Comparison of transcriptomic signature of post-Chernobyl and post-radiotherapy thyroid tumors. Thyroid. 2013 Mar 22. [Epub ahead of print] 散発性甲状腺癌と放射線治療後に発生した甲状腺癌を比較し、さらに過去のチェルノブイリでの研究発表を再検討した結果、被曝を示す遺伝子サインは外部放射線、内部放射線の差やその線量・線量率とは無関係に被曝の既往を示すものであることが示唆されたとする論文抄録。

stroumova E, Rozhko A, Hatch M, et al. Measures of Thyroid Function among Belarusian Children and Adolescents Exposed to Iodine-131 from the Accident at the Chernobyl Nuclear Plant. Environ Health Perspect. 2013 May 7. [Epub ahead of print] チェルノブイリ事故でのヨウ素131の内部被曝によるベラルーシの小児の甲状腺機能についての論文。

スリーマイル島原発事故

Talbott EO, Youk AO, McHugh KP, et al. Mortality among the residents of the Three Mile Island accident area: 1979-1992. Environ Health Perspect. 2000 Jun;108(6):545-52. (乳癌の増加などに関しての考察に疑問が残るが・・)

Talbott EO, Youk AO, McHugh-Pemu KP, et al. Long-term follow-up of the residents of the Three Mile Island accident area: 1979-1998. Environ Health Perspect. 2003 Mar;111(3):341-8. 外部放射線線量と死亡原因の検討

Han YY, Youk AO, Sasser H, Talbott EO. Cancer incidence among residents of the Three Mile Island accident area: 1982-1995. Environ Res. 2011 Aug 17. [Epub ahead of print] 低線量長期被曝による癌発生率を調べたもの(抄録)

台湾の建築物のコバルト汚染による健康被害調査

放射線ホルミシス(低線量放射線は人体に有益とする立場)を主張する人たちがしばしば引き合いに出す事例です。その経緯については、原子力技術研究所 放射線安全研究センターの記事をご覧ください『コバルト60が鉄筋に混入したアパート住民の健康影響調査』。少なくとも低線量被曝は癌を抑止するなどといった非科学的主張をすることは問題だと私は思います。

Chen WL, Luan YC, Shieh MC, et al. Effects of cobalt-60 exposure on health of Taiwan residents suggest new approach needed in radiation protection. Dose Response. 2006 Aug 25;5(1):63-75. これがそもそもの発端の報告。この報告の信憑性を確かめるために下記の調査が行われた。

Hwang SL, Hwang JS, Yang YT, et al. Estimates of relative risks for cancers in a population after prolonged low-dose-rate radiation exposure: a follow-up assessment from 1983 to 2005. Radiat Res. 2008 Aug;170(2):143-8. 上記原子力技術研究所の記事に引用されている論文

Hwang S, Guo HR, Hsieh W, et al. Cancer risk analysis of low-dose radiation exposure. International Congress Series 1299 (2007) 8797. 台湾のコバルト60で汚染させた建物(学校、アパートなど)での被曝と発癌についての調査結果。白血病や固形癌の頻度が高く低線量の長期被曝は急性被曝と同様発癌リスクがある。

Chang TC, Chen WL, Chang WP, et al. Effect of prolonged radiation exposure on the thyroid gland of residents living in 60Co-contaminated rebar buildings. Int J Radiat Biol. 2001 Nov;77(11):1117-22. コバルト60で汚染された建物の住民で甲状腺腫大などがみられたことを述べた論文

Hsieh WA, Lin IF, Chang WP, et al. Lens opacities in young individuals long after exposure to protracted low-dose-rate gamma radiation in 60Co-contaminated buildings in Taiwan. Radiat Res. 2010 Feb;173(2):197-204. 被曝線量とレンズ混濁が有意に相関したとする論文抄録

Hwang S, Guo HR, Hsieh W, et al. Cancer risk analysis of low-dose radiation exposure. International Congress Series 1299 (2007) 8797. 台湾のコバルト混入鉄筋での被曝。積算線量の多い群の線量率は約10mSv/年。単純計算で1.1μSv/h。γ線の外部被曝で白血病などの有意な増加(実際は積算線量の低い群でも増加

旧ソ連、セミパラチンスク核実験場での健康被害調査

Bauer S, Gusev BI, Pivina LM, et al. Radiation exposure due to local fallout from Soviet atmospheric nuclear weapons testing in Kazakhstan: solid cancer mortality in the Semipalatinsk historical cohort, 1960-1999. Radiat Res. 2005 Oct;164(4 Pt 1):409-19. (抄録) 放射性降下物と固形癌による死亡率

(NHK 核は大地に刻まれていた 〜“死の灰” 消えぬ脅威〜

川野徳幸ほか セミパラチンスク核実験場近郊被曝証言の日本語版全文データベース化

セミパラチンスク地域周辺住民等健康影響調査(平成13年度〜平成20 年度調査結果)

広島・長崎の再検討

第6回 Gilbert W. Beebe シンポジウム『ABCC-放影研の60年:重要な貢献と将来の調査研究』(RERFニュース)はぜひご一読を。低線量被曝に関する被爆者の寿命調査(LSS)からの調査結果あり。

Watanabe T, Miyao M, Honda R, Yamada Y. Hiroshima survivors exposed to very low doses of A-bomb primary radiation showed a high risk for cancers. Environ Health Prev Med. 2008 Sep;13(5):264-70. 原爆での被曝がわずかだった人でも癌死亡率が高かったことを示した論文で、残存放射能や内部被曝による影響も考慮すべきとしている。

Miyao M, Watanabe T, Honda R, Yamada Y. Answer to the comment by Yoshisada Shibata on "Hiroshima survivors exposed to very low doses of A-bomb primary radiation showed a high risk for cancers". Environ Health Prev Med. 2009 Mar;14(2):157-8. 上記論文に対する意見についての著者らの反論。こちらも一読の価値あり。

Iwanaga M, Hsu WL, Soda M, et al. Risk of myelodysplastic syndromes in people exposed to ionizing radiation: a retrospective cohort study of Nagasaki atomic bomb survivors. J Clin Oncol. 2011 Feb 1;29(4):428-34. 若年者のほうが骨髄異型性症候群の頻度が高いとする論文。山下先生の解説を含め、可能なら論文の本文と図、放射線影響研究所のQ&Aを合わせてご覧ください。少なくとも50mSvでも影響があることが分かります。(クリックで図拡大)

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Shimizu Y, Kodama K, Nishi N, et al. Radiation exposure and circulatory disease risk: Hiroshima and Nagasaki atomic bomb survivor data, 1950-2003. BMJ. 2010 Jan 14;340:b5349. 原爆生存者での循環器系疾患リスクの評価。

Preston DL, Cullings H, Suyama A, et al. Solid cancer incidence in atomic bomb survivors exposed in utero or as young children. J Natl Cancer Inst. 2008 Mar 19;100(6):428-36. 胎内被曝と幼児期の被曝による固形癌発症は低線量まで線量依存性あり。※この文献では間接被曝の被曝者も対象に加えられている。'Fallout From Atomic Bombs Still Causing Health Problems' (ABC news)

Ron E, Ikeda T, Preston DL, etc. Male breast cancer incidence among atomic bomb survivors. J Natl Cancer Inst. 2005 Apr 20;97(8):603-5. 稀な男性乳癌に着目して線量依存性を示した論文。

Pierce DA, Preston DL. Radiation-related cancer risks at low doses among atomic bomb survivors. Radiat Res. 2000 Aug;154(2):178-86. 放射線影響研究所(放影研)として出された論文。抄録に100mSv以下でも統計学的に有意なリスクがあると明記 There is a statistically significant risk in the range 0-0.1 Sv, and an upper confidence limit on any possible threshold is computed as 0.06 Sv.

Ozasa K, Shimizu Y, Suyama A, et al. Studies of the Mortality of Atomic Bomb Survivors, Report 14, 1950-2003: An Overview of Cancer and Noncancer Diseases.  2012 Mar;177(3):229-43. 原爆生存者の追跡調査から閾値は存在しない('zero dose was the best estimate of the threshold')とする放影研の201112月の論文。あらゆる癌種だけでなく、呼吸器や循環器系への影響も述べられている。

Takahashi I, Abbott RD, Ohshita T, et al. A prospective follow-up study of the association of radiation exposure with fatal and non-fatal stroke among atomic bomb survivors in Hiroshima and Nagasaki (1980-2003). BMJ Open. 2012 Feb 3;2(1):e000654. 広島・長崎の被爆者追跡調査で脳出血は男性では閾値なしで線量とともにリスクが増加し、女性は1.3Gyまでリスク増加は小さく(結論では閾値なしのような表現)脳梗塞では線量との関連は明らかでなかったとする論文

NEEL JV. A study of major congenital defects in Japanese infants. Am J Hum Genet. 1958 Dec;10(4):398-445. 古い論文だが広島、長崎、呉で奇形児の発生頻度を比較した論文

Hasai H, Hoshi M, Yokoro K. Studies of radioactivity produced by the Hiroshima atomic bomb: 2. Measurements of fallout radioactivity. J Radiat Res. 1991 Mar;32 Suppl:32-9. 広島原爆での放射性降下物測定(いわゆる黒い雨の放射能について)

Yamada H, Jones T.D. An examination if A_bomb survivors exposed to fallout rain and a comparison to a similar control population. Oak ridge national laboratory 1972.Dec NHKスペシャル「黒い雨」で取り上げられたABCC(原爆傷害調査委員会)の委員による内部資料

Tonda T, Satoh K, Otani K, et al. Investigation on circular asymmetry of geographical distribution in cancer mortality of Hiroshima atomic bomb survivors based on risk maps: analysis of spatial survival data. Radiat Environ Biophys. 2012 May;51(2):133-41. 広島原爆後の疫学調査から爆心地の西に直接被曝では説明できない地域が広がっていることを示した論文(NHKスペシャル「黒い雨」でも取り上げられたもの)

Endo S, Tanaka K, Shizuma K, et al. Estimation of beta-ray skin dose from exposure to fission fallout from the Hiroshima atomic bomb. Radiat Prot Dosimetry. 2012 Mar;149(1):84-90. 広島原爆での「黒い雨」地域で1kBq/m2のセシウム137で汚染された泥が雨として皮膚に付着した場合のβ線による皮膚線量を500mSvと推定した論文抄録

Neriishi K, Nakashima E, Akahoshi M, et al. Radiation dose and cataract surgery incidence in atomic bomb survivors, 1986-2005. Radiology. 2012 Oct;265(1):167-74. 放影研の被爆生存者の追跡調査による白内障リスクに関する論文抄録。白内障リスクは1Gy未満でも存在し、白内障の等価線量限度は500mSv以下とすべきとしている。

Hamatani K, Mukai M, Takahashi K, et al. Rearranged Anaplastic Lymphoma Kinase (ALK ) Gene in Adult-Onset Papillary Thyroid Cancer Amongst Atomic Bomb Survivors. Thyroid. 2012 Oct 10. [Epub ahead of print] 原爆被爆者の調査で成人発症の甲状腺乳頭癌でALK遺伝子再構成が多かったとする放影研の論文抄録。成人発症の放射線誘発甲状腺乳頭癌に関与していると示唆

Yamamoto M, Taguchi K, Yamanaka T, et al. Outcome and Status of Microsatellite Stability in Japanese Atomic Bomb Survivors with Early Gastric Carcinoma. Ann Surg Oncol. 2012 Nov 13. [Epub ahead of print] 早期胃癌で手術を受けた被爆者は非被爆者と比較して癌抑制遺伝子不活化を有し予後不良となる傾向を示した広島赤十字・原爆病院の報告

低線量被曝の影響に関する論文

【翻訳論文】「低線量被ばくによるがんリスク:私たちが確かにわかっていることは何かを評価するPNAS(2003) 翻訳:サイエンス・メディア・センター

Cardis E, Vrijheid M, Blettner M, et al. Risk of cancer after low doses of ionising radiation: retrospective cohort study in 15 countries. BMJ. 2005 Jul 9;331(7508):77. 線量被曝でも癌リスクは増加することを示した論文(対象は原子炉労働者で平均20mSvいってない国も多い)

(NHK 汚された大地で 〜チェルノブイリ 20年後の真実〜)

Ghirga G. Cancer in children residing near nuclear power plants: an open question. Ital J Pediatr. 2010 Sep 10;36:60. 原発周囲の小児における癌の発生頻度についての総説。ここには白血病が2.2倍、固形癌が1.6倍の有意な増加をみたKiKK studyの結果が引用されています(原子力発電所からの距離と相関)。

 同じくThe German KiKK studyのデータ

KiKK study2007年のレポート(独語) Krebsrisiko für Kinder in der Umgebung von Kernkraftwerken – die KiKK-Studie とKiKK studyについての外部専門委員会の評価(英語) KiKK研究評価に関するBONN会議(前原子力安全委員会委員長代理 松原純子氏の資料)

原発と白血病の因果関係(ドイツのテレビ番組) 日本語字幕が作られてます。感謝)

このKiKK studyのきっかけとなった論文:Körblein A, Hoffman W. Childhood Cancer in the Vicinity of German Nuclear Power Plants. Med Glob Surviv. 1999 Aug;6(1):18-23.

Fairlie I. Commentary: childhood cancer near nuclear power stations. Environ Health. 2009 Sep 23;8:43. KiKK study(ドイツが国家的に原子力発電所周囲の小児癌、白血病を調査したもの)の解説。このなかで、フランスと英国で行われた類似の研究の問題点も厳しく指摘。(ウイルス説への反論もある)

Spycher BD, Feller M, Zwahlen M, et al. Childhood cancer and nuclear power plants in Switzerland: a census-based cohort study. Int J Epidemiol. 2011 Jul 27. [Epub ahead of print] KiKK studyが集団の選び方などにバイアスがあることを考慮してスイスが国家的に行ったこほーと調査結果。結論としては影響は明らかではないことになっているが、本文中に’However, due to the small number of cases, statistical power was limited and we cannot exclude a moderately increased or reduced incidence in the 05km zone, particularly for leukaemia in children aged 04 years.’という文章があり、原子力発電所に隣接した地域での影響を否定できないことが示されている(小児白血病)  (この論文に対しての意見Claudio Knüsli ,et al. Sufficient Statistical Power for CANUPIS? と著者らの対応 Claudio Knüsli, et al. Response to:Sufficient Statistical Power for CANUPIS?も参照のこと。統計手法と有意差などに関する議論あり)

Andreassi MG, Cioppa A, Botto N, et al. Somatic DNA damage in interventional cardiologists: a case-control study. FASEB J. 2005 Jun;19(8):998-9. 心臓カテーテル検査医の低線量被曝による遺伝子異常

Bhatti P, Doody MM, Preston DL, et al. Increased frequency of chromosome translocations associated with diagnostic x-ray examinations. Radiat Res. 2008 Aug;170(2):149-55. 診断用X線での外部被曝による染色体異常を調べた論文。対象は米国の79人の放射線技師

※参考:「肺がんX線検診で死亡率低下せず 米で15万人調査」 Oken M, Hocking W,Kvale P, et al.  Screening by Chest Radiograph and Lung Cancer Mortality. JAMA. 2011

Gundestrup M, Storm HH. Radiation-induced acute myeloid leukaemia and other cancers in commercial jet cockpit crew: a population-based cohort study. Lancet. 1999 Dec 11;354(9195):2029-31. (抄録)パイロットでの急性骨髄性白血病やその他の癌の調査

Formenti SC, Demaria S. Systemic effects of local radiotherapy. Lancet Oncol. 2009 Jul;10(7):718-26. 局所放射線治療に関連した解説ですが、Radiation Bystander Effect(放射線の暴露を直接受けていない細胞が、受けた細胞からの影響を受ける)についての最近の知見も加えられています

Petkau A. Effect of 22 Na+ on a phospholipid membrane. Health Phys. 1972 Mar;22(3):239-44. (抄録) ペトカウ効果(Petkau effect:低線量の長時間被曝のほうが、高線量短時間被曝よりも細胞膜の障害が強かったとする1972年の論文)。

市川定夫・埼玉大学名誉教授 『低線量被曝の影響とJCO事故健康被害』(論文ではありませんが、個人的には非常に分かりやすいと思いました)

The Human Plutonium Injection Experiments. プルトニウムでの人体実験報告書

Dobyns BM, Sheline GE, Workman JB, et al. Malignant and benign neoplasms of the thyroid in patients treated for hyperthyroidism: a report of the cooperative thyrotoxicosis therapy follow-up study. J Clin Endocrinol Metab. 1974 Jun;38(6):976-98. (抄録)甲状腺機能亢進症に対する医療用のヨウ素131投与

Rivkees SA, Sklar C, Freemark M. Clinical review 99: The management of Graves' disease in children, with special emphasis on radioiodine treatment. J Clin Endocrinol Metab. 1998 Nov;83(11):3767-76. ヨウ素131による治療では高線量より低線量のほうが甲状腺腫瘍の発生頻度が高い傾向(後年の胃癌、乳癌についても触れている)

Metso S, Auvinen A, Huhtala H, et al. Increased cancer incidence after radioiodine treatment for hyperthyroidism. Cancer. 2007 May 15;109(10):1972-9. 甲状腺機能亢進症で放射性ヨウ素内用療法を受けた患者では胃、腎、乳癌の発症頻度が高かったとする論文

Matsumoto H, Tomita M, Otsuka K, et al. A new paradigm in radioadaptive response developing from microbeam research. J Radiat Res (Tokyo). 2009 Mar;50 Suppl A:A67-79. バイスタンダー効果についての知見がまとめられている論文

Richardson DB, Sugiyama H, Wing S, et al. Positive associations between ionizing radiation and lymphoma mortality among men. Am J Epidemiol. 2009 Apr 15;169(8):969-76. 被曝後35年以上の集団で悪性リンパ腫での死亡と線量の相関あり。(広島・長崎被曝者、サバンナ・リバー・サイト核施設労働者)

Monleau M, De Méo M, Paquet F, Chazel V, et al. Genotoxic and inflammatory effects of depleted uranium particles inhaled by rats. Toxicol Sci. 2006 Jan;89(1):287-95. Epub 2005 Oct 12. (Laboratoire de Radiotoxicologie Expérimentale, BP 166, 26702 Pierrelatte Cedex, France.)  劣化ウランの経気道吸引による遺伝子毒性と炎症性変化をラットで比較した試験。繰り返しの吸引で変化が増強

Harrison JD, Stather JW. The assessment of doses and effects from intakes of radioactive particles. J Anat. 1996 Dec;189 ( Pt 3):521-30. 放射性粒子を吸入した際の生体内の動態。腸管からは抜けにくい傾向(とくに乳児)

Lundh C, Nordén MM, Nilsson M, et al. Reduced iodide transport (stunning) and DNA synthesis in thyrocytes exposed to low absorbed doses from 131I in vitro. J Nucl Med. 2007 Mar;48(3):481-6. ヨウ素131100mGy以下だとかえって甲状腺細胞への影響が強まるin vitroでの結果

Busby C, Hamdan M, Ariabi E. Cancer, infant mortality and birth sex-ratio in Fallujah, Iraq 2005-2009. Int J Environ Res Public Health. 2010 Jul;7(7):2828-37. 劣化ウラン弾によるものと思われる健康被害(小児癌の増加、出生時の男女比の異常など)

BBC ファルージャの子供達が被る「遺伝子損傷」

Estimation of the Baseline Number of Cancers Among Marshallese and the Number of Cancers Attributable to Exposure to Fallout from Nuclear Weapons Testing Conducted in the Marshall Islands ビキニ環礁での核実験による米国癌研究所による健康被害調査報告書

Simon SL, Graham JC. Findings of the first comprehensive radiological monitoring program of the Republic of the Marshall Islands. Health Phys. 1997 Jul;73(1):66-85. マーシャル諸島での核実験後30年以上経った土壌調査結果

(知らされなかった核汚染〜被ばく60年 マーシャル諸島〜)

Doll R, Wakeford R. Risk of childhood cancer from fetal irradiation. Br J Radiol. 1997 Feb;70:130-9. 胎児は10mSvの被曝でも小児癌のリスク増加 (これに関しては反論コメントも参照のこと。)

de Vathaire F, Drozdovitch V, Brindel P, et al. Thyroid cancer following nuclear tests in French Polynesia. Br J Cancer. 2010 Sep 28;103(7):1115-21. 症例数が比較的少なく、甲状腺線量の見積もりに限界があるが、比較的低線量でも甲状腺腫瘍の発生リスクの疑いについて述べた論文

Standring WJ, Dowdall M, Strand P. Overview of dose assessment developments and the health of riverside residents close to the "Mayak" PA facilities, Russia. Int J Environ Res Public Health. 2009 Jan;6(1):174-99. ロシアの核施設があったマヤークのテチャ川流域についての調査についての論文

(終わらない悪夢 放射性廃棄物はどこへ /BS世界のドキュメンタリー)

Jen MH, Hwang JJ, Yang JY, et al. Micronuclei and nuclear anomalies in urinary exfoliated cells of subjects in radionuclide-contaminated regions. Mutat Res. 2002 Sep 26;520(1-2):39-46. 台湾の1987年の小規模な原発事故によるセシウム汚染地域住民の尿中剥離細胞でDNA損傷レベルが高かったとする2002年の論文と当該地域の汚染状態について示した論文抄録(Nabyvanets YB, Gesell TF, Jen MH, Chang WP. Distribution of 137Cs in soil along Ta-han River Valley in Tau-Yuan County in Taiwan. J Environ Radioact. 2001;54(3):391-400.

Froidevaux P, Haldimann M. Plutonium from above-ground nuclear tests in milk teeth: investigation of placental transfer in children born between 1951 and 1995 in Switzerland. Environ Health Perspect. 2008 Dec;116(12):1731-4. 1955年から1963年にかけての大気圏内核実験が行われた時期を含め1995年までの大気中のストロンチウム放射能と乳歯のプルトニウム放射能、ストロンチウム放射能との関係を調べた論文

Vozilova AV, Shagina NB, Degteva MO, et al. Preliminary FISH-Based Assessment of External Dose for Residents Exposed on the Techa River. Radiat Res. 2011 Oct 25. [Epub ahead of print] (抄録)核汚染されたテチャ川の住民の骨髄線量をFISH法で推定する試み

Forster L, Forster P, Lutz-Bonengel S, et al. Natural radioactivity and human mitochondrial DNA mutations. Proc Natl Acad Sci U S A. 2002 Oct 15;99(21):13950-4. 世界的にも高線量地域であるケララ州(インド)でのミトコンドリアDNAの配列異常の調査(有意に高率)

Worldwide effects of atomic weapons 'PROJECT SUNSHINE' 米国による1950-60年代の大気中核実験における影響調査(骨へのストロンチウム沈着なども) で機密文書として扱われていたもの。

Chen LJ, Tang LY, He JR, et al. Urinary strontium and the risk of breast cancer: A case-control study in Guangzhou, China. Environ Res. 2011 Dec 14. [Epub ahead of print] 尿中のストロンチウムが高いと乳癌リスクが高く、特に閉経後のHER2陽性乳癌との相関が強かったとする論文

Lim MK. Cosmic rays: are air crew at risk?.Occup Environ Med. 2002 Jul;59(7):428-32; discussion 432-3. 航空機パイロットの放射線によるリスクについての総論

航空機乗務員の宇宙線被ばく管理に関するガイドライン(文科省) 

Yong LC, Sigurdson AJ, Ward EM, et al. Increased frequency of chromosome translocations in airline pilots with long-term flying experience. Occup Environ Med. 2009 Jan;66(1):56-62. パイロットの飛行年数と染色体転座に相関あり(非パイロットの対照群とは差はなし)。

Maalouf M, Durante M, Foray N. Biological effects of space radiation on human cells: history, advances and outcomes. J Radiat Res (Tokyo). 2011;52(2):126-46. ヒト細胞の宇宙線による生物学的影響についての評論(宇宙線による細胞への障害は明らかではあるが、低線量被曝の影響そのものに関しては不明な点が多い)

Neumaier T, Swenson J, Pham C, et al. Evidence for formation of DNA repair centers and dose-response nonlinearity in human cells. Proc Natl Acad Sci U S A. 2012 Jan 10;109(2):443-8. 細胞レベルでの2Gy0.1Gyとの比較ではあるが、低線量被曝では修復がより複雑になることを示した論文

Grison S, Martin JC, Grandcolas L, et al. The Metabolomic Approach Identifies a Biological Signature of Low-dose Chronic Exposure to Cesium 137. J Radiat Res (Tokyo). 2012;53(1):33-43. 4mSv/年を切るレベルでのセシウムの持続摂取による代謝異常をバイオマーカーにできる可能性を示したマウス実験。※試験群と対照群を数値的に判別できた点で将来重要な論文になりそう。本来の意味の低線量被曝の影響を実験系で示したもの

Sermage-Faure C, Laurier D, Goujon-Bellec S, et al. Childhood leukemia around French nuclear power plants - the Geocap study, 2002-2007. Int J Cancer. 2012 Jan 5. doi: 10.1002/ijc.27425. フランスの原発近傍での小児白血病増加を示した論文。この論文のIRSNによる評価IRSNの公式見解も参照のこと

Shuryak I, Brenner DJ, Ullrich RL. Radiation-induced carcinogenesis: mechanistically based differences between gamma-rays and neutrons, and interactions with DMBA. PLoS One. 2011;6(12):e28559. γ線と中性子での線量率と放射線誘発癌リスクの比較検討。

Chaudhry MA, Omaruddin RA, Kreger B, et al. Micro RNA responses to chronic or acute exposures to low dose ionizing radiation. Mol Biol Rep. 2012 Feb 25. [Epub ahead of print] 100mSvの慢性被曝と急性被曝ではマイクロRNAの調節への影響が異なることを示した論文抄録 ※論文では低線量率0.01cGy/h(100μSv/h)と高線量率3cGy/min(30mSv/min)で比較実験を行っている

Berrington de González A, Darby S. Risk of cancer from diagnostic X-rays: estimates for the UK and 14 other countries. Lancet. 2004 Jan 31;363(9406):345-51. 診断用X線撮影による癌リスク

Bladen CL, Lam WK, Dynan WS, et al. DNA damage response and Ku80 function in the vertebrate embryo. Nucleic Acids Res. 2005 May 24;33(9):3002-10. 放射線で神経系の先天異常やIQの低下などが起こる理由を動物実験から遺伝子レベルで示した論文。

ATOMIC RADIATION IS MORE HARMFUL TO WOMEN (米国原子力資料情報サービス:NUCLEAR INFORMATION AND RESOURCE SERVICE)「放射線による発がんリスクで提言 女性は男性の1・5倍」

Health Implications of Dounreay Fuel Fragments:Estimates of Doses and Risks: Health Protection Agency (UK) ホットパーティクルの皮膚、目、消化器、呼吸器などへの線量・影響推定(英国健康保護局)

Lang S, Servomaa K, Kosma VM, et al. Biokinetics of nuclear fuel compounds and biological effects of nonuniform radiation. Environ Health Perspect. 1995 Oct;103(10):920-34. 原発事故などで飛散するホットパーティクルのサイズ、線量と生物学的な影響についての論文

Dissolving of Twenty Day Metal at Hanford ハンフォード核施設からの大気中への放射性物質の放出実験に関する報告 (NHK「地球核汚染」で示された米国極秘資料開示により発見された資料)※文字がつぶれて読めないという方にはノートがあります。※※住民からの強い要請により30年以上経ってから行われた健康調査の結果(当事者が主導する調査はこんなものという悪例)。最終報告書のサマリ Hanford Thyroid Disease Study Summary of the Hanford Thyroid Disease Study Final Report と最終報告書 HANFORD THYROID DISEASE STUDY FINAL REPORT。この最終報告書に関するJ Natl Cancer Inst.の記事 Final Report of Hanford Thyroid Disease Study Released

(※ハンフォード核施設からの大気中への放射性物質の放出実験に対する訴訟についてのサイト DOWNWINDERS.COM

Worldwide effects of atomic weapons: PROJECT SUNSHINE 大気圏核実験による人骨へのストロンチウム沈着などを世界的に調査したサンシャイン計画(NHK「地球核汚染」でも提示)。※この結果から核軍縮へと世界は進んだ。

Mangano JJ, Sherman JD. Elevated in vivo strontium-90 from nuclear weapons test fallout among cancer decedents: a case-control study of deciduous teeth. Int J Health Serv. 2011;41(1):137-58. 癌死と歯の核実験によるストロンチウム90濃度の関連に関するケースコントロール研究

Meinrath A, Schneider P, Meinrath G. Uranium ores and depleted uranium in the environment, with a reference to uranium in the biosphere from the Erzgebirge/Sachsen, Germany. J Environ Radioact. 2003;64(2-3):175-93. NHK「イエローケーキ〜ウラン採掘の現場から」で取材されたヴィスムート鉱山に関する論文抄録。作業員の健康被害にも触れる。※'Pechblende' Der Uranbergbau in der DDR und seine Folgen ヴィスムート鉱山を告発した環境活動家ミヒャエル・ベライテスのレポート(ドイツ語)

Grosche B, Kreuzer M, Kreisheimer M, et al. Lung cancer risk among German male uranium miners: a cohort study, 1946-1998. Br J Cancer. 2006 Nov 6;95(9):1280-7. ドイツ最大のウラン鉱山であったヴィスムート鉱山での鉱夫の肺癌リスクについての論文(NHK「イエローケーキ〜ウラン採掘の現場から」)

Scherb H, Voigt K. The human sex odds at birth after the atmospheric atomic bomb tests, after Chernobyl, and in the vicinity of nuclear facilities. Environ Sci Pollut Res Int. 2011 Jun;18(5):697-707. 核実験後の放射性降下物、チェルノブイリ、核施設から35km以内での出生時の性差の原因と考えられるとする論文抄録 ※この論文については『核放射線は新生児の性別に影響を与える(Nuclear radiation affects baby gender)』と出版元のSpringer社がプレス報道を出している。また、この論文に関する意見に対し、著者らはScherb H, Voigt K. Response to W. Kramer: The human sex odds at birth after the atmospheric atomic bomb tests, after Chernobyl, and in the vicinity of nuclear facilities: comment (doi:10.1007/s11356-011-0644-8). Environ Sci Pollut Res Int. 2012 Mar 16. [Epub ahead of print]でニーダーザクセン州公衆衛生局も原発近傍での調査結果を確認していることを強調して再度論文の正しさを主張している。この文献はFreeで全文が読め、根拠とされた調査結果も見ることができる。

総務省統計局 男女別出生数及び出生率(明治5年〜平成16年)から

http://www.geocities.jp/nekoone2000v/photos/2012/JapanSexOdds.jpg

(参考)Jin L, Elwert F, Freese J, Christakis NA. Preliminary evidence regarding the hypothesis that the sex ratio at sexual maturity may affect longevity in men. Demography. 2010 Aug;47(3):579-86.繁殖可能年齢に達した時期に男性過多な環境にあった男性は、通常の環境にあった男性と比べ平均3ヶ月寿命が短かったとする香港・米国共同研究(Christakis氏はハーバード大)

Sermage-Faure C, Laurier D, Goujon-Bellec S, et al. Childhood leukaemia around French nuclear power plants – the study, 2002-2007. Int J Cancer. 2012 Jan 5. doi: 10.1002/ijc.27425. [Epub ahead of print]. 欧州各国での原発周囲の健康調査結果を受けて仏で行われた調査結果(原発とは関連が疑われるが放射性物質の排気とは関連なし?)と、その評価に関するIan Fairlie氏の批評 'New French study on childhood leukemias near nuclear power plants'

Chou LB, Chandran S, Harris AH, et al. Characterization of Breast Cancer Risk Among Female Orthopedic Surgeons in the United States. J Womens Health (Larchmt). 2012 Mar 20. [Epub ahead of print] 女性の整形外科医へのアンケート調査で一般公衆より2.9倍浸潤性乳癌の頻度が高かったとするスタンフォード大の論文抄録

Azizova TV, Muirhead CR, Moseeva MB, et al. Cerebrovascular diseases in nuclear workers first employed at the Mayak PA in 1948-1972. Radiat Environ Biophys. 2011 Nov;50(4):539-52. マヤーク核施設(ロシア)労働者の調査でプルトニウムの内部被曝0.025Gy以上はそれ以下より有意に脳血管疾患発症率が高かった。

Joo HM, Nam SY, Yang KH, et al. The effects of low-dose ionizing radiation in the activated rat basophilic leukemia (RBL-2H3) mast cells. J Biol Chem. 2012 Jun 14. [Epub ahead of print] 肥満細胞は炎症や免疫反応などに関与するが、10mGy程度の低線量被曝では急性高線量率・慢性低線量率ともにその活性化が抑制される (※放射線治療などの高線量被曝では肺線維症発症などの合併症発症にILなどの炎症反応が重要な役割を果たすことが知られており、生体反応としてまったく反対 例:星野 友昭. 間質性肺炎の原因遺伝子解明と新規治療薬開発

Baker PJ, Hoel DG. Meta-analysis of standardized incidence and mortality rates of childhood leukaemia in proximity to nuclear facilities. Eur J Cancer Care (Engl). 2007 Jul;16(4):355-63. 過去の文献のメタ解析により原発周囲の小児白血病死亡率増加の可能性を否定できないとした論文

Hande MP, Azizova TV, Geard CR, et al. Past exposure to densely ionizing radiation leaves a unique permanent signature in the genome. Am J Hum Genet. 2003 May;72(5):1162-70. 核兵器労働者は対照群と比べ白血球の遺伝子変化が特異的だったとする論文

Ibrahim SA, Simon SL, Bouville A, et al. Alimentary tract absorption (f1 values) for radionuclides in local and regional fallout from nuclear tests. Health Phys. 2010 Aug;99(2):233-51. プルトニウム、ストロンチウムを含む多種の放射性降下物の腸管吸収による内部被曝の推定

Ménétrier F, Grappin L, Raynaud P, et al. Treatment of accidental intakes of plutonium and americium: guidance notes. Appl Radiat Isot. 2005 Jun;62(6):829-46. 実際の論文とは若干異なるが論文原稿(ブラウザーによってはDLできないかも)。プルトニウム、アメリシウムでの被曝に対する治療、吸入後の尿や便への排泄などの資料もあり。

Mughal SK, Myazin AE, Zhavoronkov LP, et al. The dose and dose-rate effects of paternal irradiation on transgenerational instability in mice: a radiotherapy connection. PLoS One. 2012;7(7):e41300. 外部被曝(特に慢性被曝)では1Gyまでは継代的なゲノム不安定性はもたらさない可能性を示したマウス実験(⇒低線量被曝による症状が当人には出る可能性があっても、次世代には遺伝的な問題は起きにくいことを示唆)

Pearce MS, Salotti JA, Little MP, et al. Radiation exposure from CT scans in childhood and subsequent risk of leukaemia and brain tumours: a retrospective cohort study. Lancet. 2012 Aug 4;380(9840):499-505. 小児期に受けたCT検査により白血病、脳腫瘍のリスクが増加する。

Ahn YO, Li ZM; The KREEC Study Group. Cancer Risk in Adult Residents near Nuclear Power Plants in Korea - A Cohort Study of 1992-2010. J Korean Med Sci. 2012 Sep;27(9):999-1008. 韓国の原発近傍に住む成人に対する癌の疫学調査。原発による発癌増加は認められないという結論だが本文中で男性の胃癌、女性の甲状腺癌の増加が示唆されている。

Exposure of the American People to Iodine-131 from Nevada Nuclear-Bomb Tests: Review of the National Cancer Institute Report and Public Health Implications. Institute of Medicine (US) Committee on Thyroid Screening Related to I-131 Exposure; National Research Council (US) Committee on Exposure of the American People to I-131 from the Nevada Atomic Bomb Tests. Washington (DC): National Academies Press (US); 1999. ネバダ核実験によるヨウ素131での米国民の被曝についての報告書

F. A. Cucinotta, F. K. Manuel, J. Jones, et al. Space Radiation and Cataracts in Astronauts. Radiation Research: November 2001, Vol. 156, No. 5, pp. 460-466. 宇宙飛行士の被曝線量と白内障との関係を調べたNASAの研究。8mSv超と未満との比較で差が出ており従来言われているよりはるかに低線量での白内障リスクを示唆。

Snijders AM, Marchetti F, Bhatnagar S, et al. Genetic differences in transcript responses to low-dose ionizing radiation identify tissue functions associated with breast cancer susceptibility. PLoS One. 2012;7(10):e45394. doi: 10.1371/journal.pone.0045394 300mGyとはいえマウス実験で低線量被曝でゲノムの不安定性は示さず免疫応答、細胞のストレス増強、発生遺伝子の異常発現とともに、個体の特性によってヒトでの乳癌生存に予後不良の生体指標に被曝の有無での差が認められた。LNT仮説は低線量被曝で再評価すべきとする論文(個体によって低線量被曝での影響が異なる)

Kleiman NJ. Radiation cataract. Ann ICRP. 2012 Oct;41(3-4):80-97. 2012年のICRP年報での放射線白内障についての文献。最新の知見では閾値がない可能性にも言及し職業被曝の水晶体線量限度を20mSv/年に引き下げることを提案している。

Mitchel RE, Hasu M, Bugden M, Wyatt H, et al. Low-Dose Radiation Exposure and Protection Against Atherosclerosis in ApoE(-/-) Mice: The Influence of P53 Heterozygosity. Radiat Res. 2013 Jan 4. [Epub ahead of print] ApoE欠損マウス(動脈硬化症のモデル動物)での実験で、低線量低線量率被曝は動脈硬化初期では防護的に働き、動脈硬化が進行した時期では有害に働き、線量効果関係は直線とはならないことを示した論文抄録

Taira Y, Hayashida N, Tsuchiya R, et al. Vertical Distribution and Estimated Doses from Artificial Radionuclides in Soil Samples around the Chernobyl Nuclear Power Plant and the Semipalatinsk Nuclear Testing Site. PLoS One. 2013;8(2):e57524.  現在のチェルノブイリ、セミパラチンスク核実験場の土壌の放射性物質調査結果と外部被曝による実効線量(PLoS Oneの論文)

Schuler N, Rübe CE. Accumulation of DNA damage-induced chromatin alterations in tissue-specific stem cells: the driving force of aging? PLoS One. 2013 May 17;8(5):e63932.  細胞の老化と放射線被曝との関係などについての研究結果。単純にDNAの切断・修復だけの話ではないことが示されている。テロメアについての記載も参照

Metz-Flamant C, Laurent O, Samson E, et al. Mortality associated with chronic external radiation exposure in the French combined cohort of nuclear workers. Occup Environ Med. 2013 May 28. [Epub ahead of print] 1968-2004年に原子力作業従事者5万人のうち2312名が固形癌、78名が白血病、1468名が循環器系疾患で死亡。中間線量は22.5mSv。線量との相関はあったが有意ではなかったとする論文抄録⇒白血病の発症率がかなり多いと思うが?

Scherb H, Kusmierz R, Voigt K. Increased sex ratio in Russia and Cuba after Chernobyl: a radiological hypothesis. Environ Health. 2013 Aug 15;12(1):63. キューバの男女比チェルノブイリ事故後ロシアで増加したのと同様に、ロシアから汚染食料を輸入していたキューバでも1987年に男女比の増加が急増したとする論文

岡崎龍史. 日本における放射線に関わる法令. 産業医科大学雑誌 第35巻 特集号『産業医と労働安全衛生法四十年』:85-89, 2013

その他

Dyer O. Inquiry will study claims that Sellafield workers' body parts were removed without families' consent. BMJ. 2007 Apr 28;334(7599):868. 死亡したセラフィールド原子炉労働者から家族の同意を得ずに組織採取されていた

Robert Baan a, Yann Grosse a, Béatrice Lauby-Secretan a, et al. Carcinogenicity of radiofrequency electromagnetic fields. Lancet Oncol. 2011;12(7);624-626. 携帯電話などの電磁波ですら脳腫瘍のリスクを考慮すべき ※WHOIARCInternational Agency for Reseach on Cancer)のモノグラム102参照のこと

核爆弾での核降下物の構成核種の比率など。チェルノブイリとの全体としての半減期の比較データもあり。

Kim ST, Xu B, Kastan MB. Involvement of the cohesin protein, Smc1, in Atm-dependent and independent responses to DNA damage. Genes Dev. 2002 Mar 1;16(5):560-70. 放射線暴露に対応しDNA修復などの最初のチェックポイントとしての毛細血管拡張性運動失調症の原因遺伝子ATMについての論文と、田内 広先生の解説

Wang J, Su F, Smilenov LB, et al. Mechanisms of increased risk of tumorigenesis in Atm and Brca1 double heterozygosity. Radiat Oncol. 2011 Aug 17;6(1):96. [Epub ahead of print] 上記ATMと乳癌などで有名なBrca1の変異の組み合わせによる放射線による発癌メカニズム

Jensen MP, Gorman-Lewis D, Aryal B, et al. An iron-dependent and transferrin-mediated cellular uptake pathway for plutonium. Nat Chem Biol. 2011 Jun 26;7(8):560-5. プルトニウムはトランスフェリンと結合し体内に取り込まれ抜けにくいことを示した論文 (参考:Qian ZM, Li H, Sun H, Ho K. Targeted drug delivery via the transferrin receptor-mediated endocytosis pathway. Pharmacol Rev. 2002 Dec;54(4):561-87 トランスフェリンによる細胞内への金属などの取り込み機構を詳細に解説した文献.

A. Stohl, P. Seibert, G. Wotawa, et al. Xenon-133 and caesium-137 releases into the atmosphere from the Fukushima Dai-ichi nuclear power plant: determination of the source term, atmospheric dispersion, and deposition. Atmos. Chem. Phys. Discuss., 11, 2831928394, 2011

'The Effects of Nuclear Weapons'(Locust blog) 核実験でのさまざまな降下物の性状、大きさ、構成成分などの情報あり

Fallout and Radiological Countermeasures Vol-I, Vol-II (放射性降下物と放射線への対応)放射性降下物についての機密解除された報告書

Eisuke K, Shiro N, Hiroyuki Y, et al. Ultrasonographic characteristics of thyroid nodules: prediction of malignancy. Arch Surg 2001;136:334 -337 甲状腺腫瘤の超音波検査での形態診断による良悪性鑑別についての論文

Libby WF. Radioactive fallout 大気圏核実験時代のニューヨークでの雨のストロンチウム値など

Radiation Dose to the Population of the Continental United States from the Ingestion of Food Contaminated with Radionuclides from Nuclear Tests at the Nevada Test Site: Appendix F Internal Dose Estimates from NTS Fallout Appendix H Internal Dose Estimates from Global Fallout  ネバダ核実験場からの放射能汚染と内部被曝線量推定

Chauhan V, Howland M, Wilkins R. Effects of α-Particle Radiation on MicroRNA Responses in Human Cell-Lines. Open Biochem J. 2012;6:16-22. Am241を用い0.98Gy/h0-1.5Gyまでのα線暴露下で細胞培養しmiRNAの反応を検討した論文。miRNAの反応による発癌への生物学的影響について示唆はされるが直接実際の疾病への関与は今後の検討が必要としている。

Ray M, Yunis R, Chen X, et al. Comparison of low and high dose ionising radiation using topological analysis of gene coexpression networks. BMC Genomics. 2012 May 17;13(1):190. [Epub ahead of print] マイクロアレイを応用して広範囲のゲノム反応を調べ位相的な特徴を比較することで高線量短時間被曝と低線量長時間被曝の差を調べた論文。今後のさらなる検討が必要だが生物学的過程の見地から100mGyは決して低線量とは言えないと結論している。

Higaki S, Hirota M. Decontamination Efficiencies of Pot-Type Water Purifiers for (131)I, (134)Cs and (137)Cs in Rainwater Contaminated during Fukushima Daiichi Nuclear Disaster. PLoS One. 2012;7(5):e37184. Epub 2012 May 16. 家庭用のポット型浄水器で放射性ヨウ素やセシウムを含んだ雨水が浄化できたとする報告(PLoS One

米国国立環境衛生科学研究所(National Institute of Environmental Health Sciences )のサイトではさまざまな文献が閲覧可能です。※たとえば'nuclear power'で検索すると原発と健康問題に関連した文献が多数ヒットします。

Little MP, Stovall M, Smith SA, et al. A Reanalysis of Curvature in the Dose Response for Cancer and Modifications by Age at Exposure Following Radiation Therapy for Benign Disease. Int J Radiat Oncol Biol Phys. 2012 Jun 9. [Epub ahead of print] 1859例の胃潰瘍を放射線で治療された群(16-17Gy)と1860例の非被曝群とで被曝の影響を検討した論文。肺癌や胃癌、膵臓癌などで有意なリスク増加を認めた。

林 裕晃, 西原貞光, 小沼洋治. イメージングプレートの放射能汚染による黒点計数法の開発. 日放技学誌 2012;68(5):545-53. 福島原発事故で環境中に放出された放射性同位元素によるイメージングプレートの汚染(茨城)で発生した黒点の解析

渡邉立子. 放射線の飛程構造シミュレーションとDNA損傷研究. 核データニュース,No79,2004  DNA二重鎖切断は低エネルギーX線のほうが頻度が高い可能性(α線など高LET放射線がX線よりも生物学的影響が強い)

Daniels RD, Bertke S, Waters KM, et al. Risk of leukaemia mortality from exposure to ionising radiation in US nuclear workers: a pooled case-control study. Occup Environ Med doi:10.1136/oemed-2012-100906 米国での職業被曝の白血病死亡リスクに関する長期追跡結果の論文抄録。調整された過剰相対リスクは0.09/100mGyで、遅延モデルでは10mGy未満の極低線量と100mGyを超える高線量ではリスクは線形モデルとはならなかったが10-100mGyでは以前のリスク推定通り線量反応関係は直線的であった。

Mangano JJ. Geographic variation in U.S. thyroid cancer incidence and a cluster near nuclear reactors in New Jersey, New York, and Pennsylvania. Int J Health Serv. 2009;39(4):643-61. ニュージャージ、ニューヨーク、ペンシルバニアの甲状腺癌発生率が他州よりも高く著者は他の因子の可能性を除外のうえインディアンポイント原発との関連を強く示唆している。

Understanding Space Radiation (NASA Facts) 宇宙飛行士の宇宙線による被曝とその対策について。6か月の宇宙ステーション滞在で80-160mSvの被曝。被曝による染色体ダメージ例の写真あり。

Seaberg RM, Eski S, Freeman JL. Influence of previous radiation exposure on pathologic features and clinical outcome in patients with thyroid cancer. Arch Otolaryngol Head Neck Surg. 2009 Apr;135(4):355-9. 結果の評価が難しいのは著者らも認めているが、職業被曝を含め被曝の既往のある甲状腺癌は多発傾向と転移傾向が強いことを示唆するJAMAの論文

Gaffney SH, Donovan EP, Shonka JJ, et al. An independent evaluation of plutonium body burdens in populations near Los Alamos Laboratory using human autopsy data. Int J Hyg Environ Health. 2012 Oct 15. pii: S1438-4639(12)00113-7. ロスアラモス国立研究所近傍の住民236名の剖検組織でのプルトニウム量と居住期間と時期との関係を調べた論文。ロスアラモス居住歴のある住民の肺にはそれ以外の人より肺のプルトニウム量が多かった。骨髄、肝には認めなかった。

ロスアラモス国立研究所周辺土壌のプルトニウム、ストロンチウムの測定結果1970) 参考:文部科学省による、プルトニウム238、239+240、241 の核種分析の結果(第2 次調査)について

Inoue Y, Sakanoue M. The determination of plutonium in soil samples. J Radiat Res. 1970 Jun;11(2):98-106. 大気圏核実験時代後の秋田の土壌プルトニウム・ストロンチウム調査(1970年)

Lyovkina YV, Miller SC, Romanov SA, et al. Quantitative plutonium microdistribution in bone tissue of vertebra from a Mayak worker. Health Phys. 2010 Oct;99(4):464-70.  ロシアの核施設マヤークでの労働者の椎体骨におけるプルトニウム分布の定量的解析。オートラジオグラフ画像あり。

Q. Hu, J. Weng, J. Wang. Anthropogenic radionuclides in the environment. Journal of Environmental Radioactivity. December 11, 2007 チェルノブイリをはじめ原発事故、核実験、原潜事故などで放出された核種、総量などの資料。

Yentrapalli R, Azimzadeh O, Barjaktarovic Z, et al. Quantitative proteomic analysis reveals induction of premature senescence in human umbilical vein endothelial cells exposed to chronic low-dose rate gamma-radiation. Proteomics. 2013 Jan 24. doi: 10.1002/pmic.201200463. [Epub ahead of print] 慢性低線量被曝(※4.1mGy/h)が細胞レベルでの早期の老化をきたしうることをヒト臍帯静脈内皮細胞で示した論文抄録。

Borzoueisileh S, Monfared AS, Abediankenari S, et al. The effects of residence duration in high background radiation areas on immune surveillance. J Nat Sci Biol Med. 2013 Jan;4(1):218-22. イランの高自然放射線地域ラムサール(10mSv/年)住民の血液調査でCD4発現T細胞の比率増加が認められ免疫系の変化が示唆された。

Keith S, Doyle JR, Harper C, Mumtaz M, et al. Toxicological Profile for Radon. 2012 May. 環境のラドンの毒性に関する書籍(フリー)

放射線とは直接関係ない資料(参考文献)

Levi F, Chatenoud L, Bertuccio P, et al. Mortality from cardiovascular and cerebrovascular diseases in Europe and other areas of the world: an update. Eur J Cardiovasc Prev Rehabil. 2009 Jun;16(3):333-50. 他の欧州や北米、中南米が冠動脈性心疾患による死亡率が減少傾向なのに対して、旧ソ連(特にロシアやウクライナ、ベラルーシ)では死亡率が高い(抄録)。

原子力発電所の事故事例のデータベース(原子力施設情報公開ライブラリー)

石原直忠, 三原勝芳. ミトコンドリアの融合と分裂を支配する分子たち. 蛋白質 核酸 酵素 50(8):931-939, 2005

健康に関するリスクコミュニケーションの原理と実践の入門書(原文:A Primer on Health Risk Communication

A Brief Chronology of Radiation and Protection 放射線と防護の歴史年表(英語)

マスコミ学会で東大総長に会場から激しいヤジ 震災・原発報道で見えたマスコミの限界とは?(BLOGOS編集部 20120306) 忘れてはならない非常に重要なこと。未来に伝えましょう。

その他

Nitta Y, Endo S, Fujimoto N, Kamiya K, Hoshi M. Age-dependent exposure to radioactive iodine (131I) in the thyroid and total body of newborn, pubertal and adult fischer 344 rats. J Radiat Res (Tokyo). 2001 Jun;42(2):143-55. ヨウ素欠乏状態のラットでの年齢と放射性ヨウ素131の吸収との関係 ※放射性同位元素の不適切な使用について(国立大学法人広島大学原爆放射線医科学研究所)

Estimated Exposures and Thyroid Doses Received by the American People from Iodine-131 in Fallout Following Nevada Atmospheric Nuclear Bomb Tests. National Cancer Institute(米国立癌研究所)ネバダ核実験場で1950-60年代に行われた大気圏核実験でのヨウ素131による甲状腺線量推定 (序文はこちら

Possible cause of reactor building explosions marc サイエンスZERO「原子炉で何が起きていたのか〜炉心溶融・水素爆発の真相に迫る」で出された資料 ※MarkIで内部圧力が過大になると気体が漏れ出す構造的な欠陥

Putnam FW. The Atomic Bomb Casualty Commission in retrospect. Proc Natl Acad Sci U S A. 1998 May 12;95(10):5426-31. 放射線影響研究所(RERF)の歴史。その前身のABCCが設立された際の米国、米軍、日本のそれぞれの思惑の違いについても触れられている。

Technical Lessons Learned from the Fukushima-Daichii Accident and Possible Corrective Actions for the Nuclear Industry: An Initial Evaluation マサチューセッツ工科大学による福島第一原発事故の解析と将来の改善点など。

Fridman MV, Savva NN, Krasko OV, et al. Clinical and Pathologic Features of "Sporadic" Papillary Thyroid Carcinoma Registered in the Years 2005 to 2008 in Children and Adolescents of Belarus. Thyroid. 2012 Sep 4. [Epub ahead of print] ベラルーシでの2005-2008年に登録された小児甲状腺癌の特徴(チェルノブイリの影響がない散発性甲状腺癌と判断)。※このなかで腫瘍径の中央値が12mmということは注目に値する!※10万人に1人程度。67%にリンパ節転移あり。腫瘍径10mm以下が43%5mm以下は13%

Yamashita H, Noguchi S, Watanabe S, et al. Thyroid cancer associated with adenomatous goiter: an analysis of the incidence and clinical factors. Surg Today. 1997;27(6):495-9. 結節性甲状腺腫と甲状腺癌の関係について調べた論文抄録。直径10mm未満と以上で分けたが腫瘍径との相関はなかった。835例の組織学的に結節性甲状腺腫と診断された症例のうち256例(30.7%)に甲状腺癌の合併を認めた。

Wiens M, Gordon W, Baulcomb D, et al. Cesium chloride-induced torsades de pointes. Can J Cardiol. 2009 Sep;25(9):e329-31. 癌の代替医療として非放射性の塩化セシウムを服用し心室性頻拍を発症した患者の血中セシウム濃度の推移(生物学的半減期)が調べられている。

Al-Kashwan TA, Houshmand M, Al-Janabi A, et al. Specific-mutational patterns of p53 gene in bladder transitional cell carcinoma among a group of Iraqi patients exposed to war environmental hazards. BMC Res Notes. 2012 Aug 28;5:466 イラクで29例の膀胱癌p53遺伝子の変異が高率に認められたとする論文。著者らは劣化ウランの暴露との関連を示唆している。※イラクでは近年さまざまな癌の発症が増加していると。

Core Curriculum, The: Ultrasound 1st Edition 2001年の超音波検査の教科書。1990年頃の甲状腺超音波検査の画像レベルはこの程度。超音波検査では小さい腫瘍では一般に固形腫瘍より嚢胞のほうが視認しやすい。

Högberg L. Root Causes and Impacts of Severe Accidents at Large Nuclear Power Plants. Ambio. 2013 Feb 20. [Epub ahead of print] スリーマイル島事故、チェルノブイリ事故、福島第一原発事故についてその原因と種々の影響について考察。健康被害に関してはUNSCEARの立場で書かれている。

放射能の各単位での換算ツール

過去の放射線被曝事例集(ウイキペディア)

List of civilian radiation accidents 原子力事故(日本語は英語のものとは内容・対象が異なります)

 

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