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豆腐巻きや豆腐カステラは豆腐料理の芸術品というべきもの。
全国的に大変珍しい食物です。
昭和40年代初めごろまでだったでしょうか。
祝儀不祝儀の宴が自宅で催されていた時代、
豆腐巻きや豆腐カステラは町や村々にいる料理人*1を
自宅に呼んで手作りするものでした。
人寄せ(宴会)の種類、家の格によってさまざまな種類の豆腐巻きがあったそうです。
なかでも最上の品は、鮭の皮を巻いて魚のすり身を使った魚皮巻き(おかわまき)。
記憶の底にある魚皮きは、鮭の鱗が銀色に輝き、それは見事な細工物でした。
豆腐カステラは、どちらかといえばカジュアルな一品。
普通の主婦でも簡単に作ることができるお茶請けという位置づけでした。
秋田県南地方は、かつて大豆がよくとれた土地。
その大豆から作られた豆腐に、卵と白砂糖を
ふんだんに使ってお菓子を作ることが、経済的に余裕のある家であることを
示す時代が、ほんの数十年前までは存在したのでした。
この豆腐カステラとその鍋には、雅やかな別名があります。
それは豆腐水仙という名。大曲地方(現大仙市)での呼び名です。
したがって豆腐カステラ用の卵焼き器を少し大きくしたような鍋の呼び名も、水仙鍋。
一口に秋田県南と言っても、そこには多少の差異があるようです。
ちなみに魚のすり身を使った「豆腐かまぼこ」は、
今でも大仙市大曲のお菓子屋さんで製造販売されています。
豆腐巻きや豆腐カステラは、秋田県南ならばスーパーで買うことができます。
また道の駅に置いていることもあるので、
秋田県南地方へドライブされる方は、ぜひ探してみてください。
首都圏にお住まいの方は、
有楽町にある東京交通会館1F『花まるっ秋田ふるさと館(03-3214-2670)』に行ってみて。
数は少ないながら、常時置いているそうです(要問合せ)。
イラストでは質感がわかりづらい豆腐巻きや豆腐カステラの写真は、
ル・ステュディオ溝口政子さんの『豆腐巻き・豆腐かすてら』のページで
ご覧いただけます。さらに溝口さんの『いとおかし』では
全国各地の縁起菓子などをご覧いただけます。
*1 料理人は、今風にいえばパーテー時におけるセミプロのデリバリーコック&板前さん。
ふだんは農家などの主婦でした。
注)秋田県南地方とは、雄勝郡東成瀬村、雄勝郡羽後町、湯沢市、横手市、
仙北郡美郷町、大仙市、仙北市のことです。
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(2005年8月に東北地酒横丁にUP→2006.8.2再更新)
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