バックホーム
第87回選手権 春の甲子園名勝負 センバツ選考事例 三重の高校野球
バックナンバー コラム お問い合わせ

PL粘り見せるも常盤の2ランで力尽く
熱投松坂250球 平成の名勝負

横浜9-7PL学園(平成10年/準々決勝)

横浜 0 0 0 2 2 0 0 1 0 0 1 0 0 0 0 1 2 9
PL学園 0 3 0 1 0 0 1 0 0 0 1 0 0 0 0 1 0 7
(横)松坂-小山 (P)稲田、上重-石橋、田中雅
(本塁打)小山(4回・稲田)、常盤(17回・上重)

優勝候補同士の対戦は予想外の打撃戦となったが、延長17回に飛び出した常盤の一発で横浜が追いすがるPL学園を振り切った。

先制したのはPL学園。2回、この回先頭の大西が松坂の股間を抜くセンター前ヒットで出塁。三垣のピッチャー前への送りバントを松坂がセカンドに送球するも間に合わず無死一、二塁。石橋の送りバントで1死二、三塁とした後、稲田のセンターへの浅いフライで大西がホームイン。さらに松丸のセンターオーバーの2塁打で2点目。ボークで三塁に進んだあと田中一のセンター前ヒットで3点をリードした。

これに対し横浜は4回、加藤がレフト線への2塁打で出塁。2死後小山がレフトスタンドにホームランを放ち2点を返した。その裏PL学園に井関のタイムリーで1点を追加されるが、続く5回に斎藤のサードを強襲する2塁打と佐藤のセンター前ヒットで無死一、三塁とすると松本が右中間を破る3塁打で2者が還り同点に追いついた。

4-4でむかえた7回裏、PL学園は2死一塁から大西のライト前ヒットで一、二塁とすると三垣がレフト線に落ちるヒットで本橋がホームインし勝ち越した。しかし横浜もすぐさま8回、2死一塁から加藤が盗塁で二塁に進むと小山がセンター前に運び再び同点に追いついた。この時センターからの送球がイレギュラーバウンドしキャッチャーの石橋がボールを顔面に受け交代。急きょ公式戦で1度も出場経験のない2年生・田中雅がマスクをかぶる事になった。

試合は5-5のまま延長に突入。11回、横浜はレフト前ヒットで出塁した松坂をバントで二塁に送った後、柴がセンター前ヒット。松坂がタイミングはアウトだったがキャッチャー・田中雅が落球しホームイン。横浜がこの試合初めて勝ち越した。

しかしPL学園もその裏2死ながらレフト前ヒットの平石を二塁に置き大西の三遊間を破るヒットで平石がホームインし6-6の同点に追いついた。

15回の2死二、三塁のチャンスを潰した横浜は16回、先頭の常盤が一、二塁間を破るヒットで出塁。佐藤の送りバントで1死二塁とした後、松本がショート後方へフライを打ち上げた。スタートを切っていた常盤がこれを見て懸命に二塁へ戻るも打球はレフト・田中一とショート・本橋の間に落ち一、二塁。続く小池は止めたバットにボールが当たるボテボテのショートへのゴロが内野安打となり満塁となった後、加藤の高いバウンドになったショートゴロの間に常盤が還り再び勝ち越した。

しかし粘るPL学園もその裏、12回から4イニング連続で三者凡退に抑えられていたが先頭の田中一がこの試合4本目のヒットで出塁、送りバントとワイルドピッチで三進した後、続く本橋の打球は松坂のグラブに触れショートへのゴロとなった。三塁ランナー・田中一はショート・佐藤が一塁へ送球と同時にスタート。ファースト・後藤の打者走者の本橋と交錯し体勢を崩しながらのバックホームが大暴投になったためホームイン。驚異的な粘りで同点に追いついた。

試合は夏の大会としては昭和54年の箕島-星稜戦以来17回に突入した。横浜は2死後、柴がショート・本橋のエラーで出塁した後、常盤が上重の初球を叩くと打球は右中間に飛び込む2ランホームラン。マウンドでガックリうなだれる上重。感激のあまり目に涙を浮かべる松坂。決定的な2点が横浜に入った。その裏のPL学園もさすがに反撃の力もなく三者凡退に倒れ3時間37分にわたる熱戦が幕を閉じた。

この試合の中でPL学園は横浜のキャッチャー・小山の構えから球種を見破っていた事や、その事にいち早く気付いた横浜バッテリーなど高校野球の域を越えた駆け引きが見られた。間違いなくこれまでに行われた試合の中で最高レベルの試合であったと言える

 

Copyright(C) 2005 nekkyu-studiam All rights reserved.