芹(セリ)
 学名 Oenanthe
今日は七草。
昔から「七草粥」を食べる風習があります。

この七草は
「せりなづな 御形はこべら 仏の座
 すずなすずしろ これぞ七草」(四辻の左大臣)
と詠まれた7つの草を粥にして食べるもの
昔はどこにでも生えていた草。
今も注意してみると結構あちらこちらで
見かけるものです。

この写真の芹はまだ若い葉
大きくなるともう少し葉がとがり
切れ目も大きくなります
「セリ」の名は、競るように生えることからつきました。

似たものに「ドクゼリ」があります。
「ドクゼリ」は根茎の部分が
たけのこ状になっているので注意しましょう。

薺(ナズナ)
学名:Capsella bursa-pastoris
別名 ペンペン草
七草粥の調理は6日の晩にするのが慣わしで
「七草ナズナ、唐土(とんど)の鳥と日本の鳥と
 渡らぬ先に、七草ナズナ」
「なずな七草唐土の鳥が、渡らぬさきにストトントン」
「なずな七草唐土の鳥が、渡らぬさきに
 セリこらたたきのタラたたき」
(地方によって少しずつ言葉や
 囃子がちがっているようです)
と歌いながらそれぞれ7回ずつ
あわせて49回きざんで粥にするそうです。

ナズナの別名はぺんぺん草
実の部分が三味線のバチに似ていることから
この名がつきました。
実がついた枝を折ってふると
シャラシャラと音がします。


御形(ゴギョウ)
学名:Gnaphalium affine
別名 母子草(ハハコグサ)
七草には次のような意味が込められています。

セリ       :競り勝つ
ナズナ     :撫でて汚れを除く
ゴギョウ     :仏の体
ハコベ     :繁栄がはびこる。
ホトケノザ   :仏の安座
スズナ     :神を呼ぶ鈴
スズシロ    :汚れのない純白。

“御形”という名前は
昔、人々の身代わりとして
川に流す人形を「御形仏」と呼び
この草を御形仏の代わりに流す
風習があったことから
つけられたそうです。

また、別名の母子草の名前の由来は
この草には柔らかな毛が生え
それが母が子を包みこむようなので
ついたというものや
白い毛が生える様子がほつれて
乱れている(ほうけている)様子から
ホウケグサと呼ばれ
それが転じて呼ばれるようになったなど
いくつかの説があります。

繁縷(ハコベ・ハコベラ)
学名 Stellaria neglecta
ハコベの名は日本最初の本草書である
「本草和名」(918年)に「波久倍良(ハクベラ)」とあり
これが語源だと言われています。

漢方では繁縷(ハンロウ)と呼ばれ
利尿、淨血、催乳などの効能があるとされるが
今はあまり用いられることはありません。

日本の民間療法としては
歯茎が腫れて痛むときに、
はこべ塩で磨くと効果があるといわれています。

仏の座(ホトケノザ)
学名 Lapsana apogonoides
「ホトケノザ」と呼ばれるものは2つあります。

葉が段々になりムラサキの花をつける
シソ科の「ホトケノザ」の方ではなく
キク科の「コオニタビラコ」が
春の七草に詠まれた「ホトケノザ」です。

シソ科のホトケノザの名前は
段々になった葉のつき方が
仏様の蓮座に似ていることから、
一方キク科のホトケノザは葉の円い形
あるいは地面に葉が広がった様子が
仏様の蓮座に似ていることから名づけられました。

菘(スズナ)
学名:Brassica rapa
スズナとは鈴菜とも書き、蕪(カブ)のことを指します。
七草はいずれも薬草としての効果があり
このスズナには、整腸作用、解熱効果、便秘防止
などの効用があるとされています。

七草の歌が詠まれたのは千年ほど前の平安時代。
その後、人々の間を伝承されてきたものだけに
七草の歌や由来など様々な説が生まれています。

このスズナについても、
カブではなく、ノビルとする説もあるそうです。

蘿蔔(スズシロ)
学名:Raphanus sativus
スズシロは清白とも書き「大根」のことです。
中央アジアから地中海地方にかけてが原産で、
中国を経由して奈良時代に日本に渡来しました。

この大根、刺身のつまとしても用いられますが
これは、大根に含まれた
ジアスターゼが消化を促進したり
イソチオシアネートに殺菌作用があって
食中毒を予防するなどの効果があります。

さらにこれらの効果の他に、
口の中を洗うという意味もあるとのこと。
次の刺身を口に運ぶ前に、
大根のつまを醤油を付けずに食べると
口中に残っている他の料理の味が消え、
次に食べる刺身の味が引き立つそうです。
今度ぜひ試してみてください。


それではみなさんも七草がゆを作ってみましょう。

<用意するもの>
 ・春の七草(セリ・ナズナ・ゴギョウ・ハコベラ
 ・ホトケノザ・スズナ・スズシロ)
これらを近所を散歩しながら集める(^_^)
ただしセリの項で述べたように、
似ているけれど毒があるものもあるので要注意
そろわない時は、近所の八百屋かスーパーで
鍋物に使う青物野菜を買ってくるv(^o^)v

<調理>
 ・七草を水洗いし、お湯でややかためにゆで、冷水につける。
 ・なずな七草唐土の鳥が、渡らぬさきにストトントン」と
  歌いながら手ごろな大きさに刻む。
 ・1時間ほど水につけた米を多めの水を入れ、
  中火で炊き、煮たってきたら塩で味をととのえ、
  その後、弱火でことこと30〜40分炊く。
  このとき混ぜすぎると、とろみが出すぎるので注意。
 ・ここに七草を加えかるくまぜてできあがり。

| 四季の草花写真集 |