JUNIOR TENNIS 観戦記

観 戦 記

このペーシ゜は個人の情報からできていますので、できる限り正確にと心掛けていますが記録等に間違いがあるかもしれません。お気付きの方はどうぞご連絡ください。

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☆ 平成14年度 全国高等学校総合体育大会(茨城インターハイ)
   第59回 全国高等学校対抗テニス大会

   第92回 全国高等学校テニス選手権大会

                                                於:神栖町海浜運動公園テニスコート

 いよいよ高校生の夏の祭典、茨城インターハイが始まりました。今年も、新幹線でと思いましたが、今回の会場「神栖町海浜運動公園」はすぐ裏に、紺碧の鹿島灘が控えています。うぅ〜!僕の釣師根性が「行くんだ!」と背中を後押しします。ディズニーランドにすら行ったことの無い僕にとって車で横浜以東に進出するのは初めて。東京にすら行ったことが無いんです。でも、海があるなら行くしかない!ってことで、気合を入れて(入れるな!)車にこっそり釣道具を満載し出発しました。
 宿直明けで睡眠不足での出発でしたので、途中「富士川SA」でグースカに寝てしまい、8/2の団体初日開始午前9:00に間に合わないかもというピンチもありましたが、横浜の湾岸で迷いながらも、浦安では「これが噂に聞くディズニーランドかぁ!」とお城なんかを横目で見ながら、東関道に車を進め、千葉を抜け開始直前に無事到着となりました。ふー、よかったぁ!


〜平成14年 8月2日(金)〜 団体初日 1回戦・2回戦

 本日は団体の初戦、会場には全出場校の選手と関係者でごった返しています。各メーカーのブースも軒を並べ、開会式を前日の8/1に終えているためか、もう選手が沢山お店を覗き込んでいます。会場には神栖町の保育園・幼稚園児の手書きののぼりも賑やかに飾られ、海辺の工業地帯なのでしょうが、ここだけはとても華やかでした。
 まず受付でインターハイのパンフレットを購入(1000円)。そのあと観戦用にドリンクを買って、チビを探します。・・・・いたいた!
毎度のことですが、緊張した面持ち。「ここまでやってきたことを信じて、全力で行け!」と言ってみましたが、硬い表情で頷くのみ。これは心配だぁ〜!!地区予選からの精神状態のまずさを、本番まで引きずっているようです。自分に自信が持てないのかなぁ。

 場内放送で1回戦のコールがあり、各学校が登場してきました。

 
藤沢翔陵高校
 チビたちの名古屋高校は2回戦からなので、めぼしい学校の試合を見学しました。まずは、大型の1年生を擁して、激戦神奈川を勝ち抜いた「藤沢翔陵」。狩谷君、宮越君がダブルス。山本英智君がシングルス1です。シングルス2の大出君だけが3年生です。どれどれ、1年生コンビのダブルスは・・・ おー、あの1年とは思えないごつい顔の狩谷君がニコニコしながらやってます。童顔のまま大きくなってしまった宮越君も、プニプニと元気よく動いています。狩谷君のアドコートからのクロスのサーブ、やっぱりノータッチの連続です。帰ってきても、宮越君がプニプニボレーで、柔らかく相手の逆を突きます。ほんとにノンプレッシャーで戦っています。こういうチームは昨年の名古屋のように、このままノリノリで行っちゃうんだよなぁ。ちょっと注意が必要です。
 第1シングルの山本君も、でかくなったぁ〜!! びっくり。兄ちゃんはがっちりした普通体型だったのに、弟君は狩谷君より大きくなっています。このチーム、すごく大型チームで迫力あります。山本君、ストロークでガンガン押して、ネットを積極的に取っていき、あっという間にリードを広げていました。 
藤沢翔陵の勝利。

 
大産大附属高校
 さて次は、おっ、酒井さんの息子さんとこの「大産大附属高校」がやっています。これは父の分も応援しなくては。まずは酒井・新谷組のダブルスから。おー、酒井さんのムービーと一緒のガッツポーズの連続だぁ。気迫に満ちています。強いサーブからのネットダッシュと、コンビネーションの良さで、相手の陣形を崩していきます。落ち着いてるし、気分の盛り上げ方も上手いし、そのままこの試合をものにしました。続く第1シングル。この子が松田君かぁ。いい男だなぁ。ゲームは、柔らかいタッチながらも、早いタイミングで相手を振り回し、相手の体勢が崩れたところで、積極的にネットを取っていきます。かっこいい!各ポイントごとに決めに行くまでのゲームプランがあり、きちんと考えた組み立てができる選手ですねぇ。
大産大附属の勝利。

 
清風高校
 あの大応援団は!? いたいた「清風高校」だ。今年は大声援を送りながらもヤジは無し。とても清々しい応援をしていました。大型新人井藤君、昨年までのエース森君を擁する清風は、誰が見たって優勝候補の一角。今回は正々堂々と力勝負をしてくれそうです。
こうなると、昨年までの考え方を捨て、冷静に見れます。新人井藤祐一君は、ビッグサーブからゲームを作っていきますが、初戦のためか、佐土原高校も気迫のある良いチームなのでまだ井藤君の固さが取れていないようです。しかし、ゲームの主導権はずっと井藤君が握っており、まず問題はなさそう。逆に森君。チビと当たった冬の室内選抜ような勢いが感じられず、ちょっと心配です。ハードに打っていくタイプなので、ちょっとミスが多い。でも、サーブ・ストロークのスピードはもうかなり戻っています。粘る相手に苦戦の末敗退。しかし、チームは順調に勝ち進みました。やはり強い。
清風の勝利。

 このほか、チビたち名古屋高校の初戦で当たる
東京学館千葉も無事2回戦に駒を進めました。

 さあ、いよいよ2回戦、、シード校の登場です。

 
名古屋高校(愛知)VS東京学館(千葉)
 名古屋高校の選手がコートに入ってきました。皆初戦のため硬い表情ですが、全身気迫に満ちています。ダブルスと第1シングルの2面進行です。それぞれがコートに入り、ウォーミングアップを終え、試合が始まりました。
 ダブルスはいきなりガッツポーズの応酬です。どちらも序盤の流れを自分に引き込もうと、気合が入っています。しかし、この大会の予選から組んだ富永キャプテン(3年)と野上(2年)君のペア。最高にコンディションが良さそうです。次々にポーチを決め、サーブとリターンからどんどん押していきます。結局一度もピンチを迎えることなく、試合終了。完勝でした。
 ダブルスの後に入ってきた名古屋のダブルエースの一人鳥屋君。相変わらず自信満々のプレーを展開します。ライジングからの速い展開で、相手に調子を出させる前にどんどんエースを決めていきます。相手が打ってくれば、三倍返しのカウンターを見舞い隙を見せません。あっという間に試合を終えてしまいました。
 で、心配なのは成瀬君の試合。予選から今ひとつ自信が持てないプレーで、プレーにも向かって行く気迫が見られず、余裕もありません。終始打点を落とし、一発の威力に頼るため、打っても単発で相手を追い込めず、ミスも目立ちます。そんな自分に腹が立つのか、しきりに苛立つポーズを見せます。本人なりにプレッシャーに苦しんでいるのは分かりますが、エースのとる態度としては失格です。
勝たなくてはという気持ちが、本人の動きを固くしています。終盤追い上げられ、必死の形相で打ち込む成瀬君ですが、明らかに打つタイミングが遅く、単発では追い込むものの相手を振り切れず、泥仕合になっていきます。結局、このゲーム取りましたが、本人には納得がいかず、チームの勝利を素直に喜べない、本人にとって不安を残す内容でした。
 
名古屋 3−0 東京学館  名古屋の勝利。

 その他、
柳川高校は圧勝。藤沢翔陵高校は、1回戦からメンバーを変えて、ダブルスに山本・宮越組を起用。第1シングルに大出君。第2シングルに狩谷君を投入。狩谷君は岐阜県の16歳以下ナンバー1の高津君に敗れましたが、ダブル、第1シングルを余裕で取り3回戦進出を決めました。足利工大附属は、出場校唯一の鮮やかな黄色いユニホームで登場し、安君が昨年の不調の憂さを晴らすかのような、猛烈なサーブと攻撃で、見る者の目を奪います。これは強い!ちょっと付け入る隙は無い様にも感じました。
ダブル、シングル共に足利工大の圧勝です。選手層の厚い
湘南工大附属も楽勝で盛り上がっています。日大三島も、無難に勝利。清風も第2シングル打ち止めで勝利を決めました。ただ、清風、ダブルスが、意外とポイントを取られています。いつもなら強力なダブルスを作ってくる清風ですが、付け入るならここかもしれません。

 名古屋は明日の龍谷戦で勝つと、いよいよ清風戦(浦和学院を破ると思います。)を迎えます。いよいよ成瀬君も井藤祐一戦を迎えます。名古屋高校にとって、前半戦最大のヤマ場です。調子の出ない成瀬君は、まだまだ今日も練習を続けます。自信は回復するのでしょうか?


〜平成14年 8月3日(土)〜団体2日目 3回戦・準々決勝

 
名古屋高校(愛知)VSl龍谷高校(佐賀)
 名古屋高校は、今日の初戦、3回戦は佐賀県の龍谷高校。龍谷高校の緒戦を見ておらず、ちょっとどういうチームか分かりませんでした。コートに入ってみると、結構できそうなチームでした。シードチームに一泡吹かせてやろうという気迫が感じられ、手強そうです。
 名古屋はまずダブルスが圧勝。相変わらずの好調をキープしています。プレーに余裕が感じられ、試合自体を楽しんでいるようです。頼りになります。
 第1シングルの成瀬君は、昨日と全く一緒の展開。攻める気持ちがあっても、手堅くいこうとするため、相変わらず打点が下がり、相手を押し込めません。成瀬君の一番悪い状態時のプレーです。単発で決めようとするため、一打一打に力が入りすぎ、ラケットの真ん中にボールが当たりません、苛立っています。序盤リードは続けるものの、突き放すことができず、ますます思い切りがなくなっていく悪い展開。相手にどんどん粘られます。自分本来の戦い方を全く忘れてしまっています。中盤とうとう追いつかれ、このまま行くと危ないかもという状態にまで追い込まれ、本人も泣きそうな表情です。
 ここで、あとから登場した鳥屋君がチームを救ってくれました。あっという間の8−1で勝負を決めてくれ、第1シングルのゲームを打ち切りにしてくれました。ダブルエースの本領を発揮してくれました。感謝。
 これで名古屋高校が準々決勝に進出。
 打ち切りになった成瀬君、全く自信を無くしてしまっている状態。このままの状態なら、次の清風戦は井藤君に惨敗は目に見えています。これまでの準備は全て無になってしまいます。気持ちを入れ替えることができるでしょうか。はたから見ると、この大会、もう立ち直れず駄目かもしれないという気がしてきました。ここまでの試合、全く精彩を欠いています。本人も悩んでいるようです。
 
名古屋 2−0 龍谷  名古屋の勝利

 
冨永・野上(名古屋)VS藤沢・深山(清風)
 いよいよ、名古屋高校にとっては本日最大のヤマ場。準々決勝、清風高校戦。清風の応援団が続々とコート周りに集結します。選手自身も、この試合の大切さと勝利の大変さを理解していますから、どの選手も決意の形相で望みました。清風の方に余裕が感じられます。清風の大声援が始まりました。名古屋の応援は僕の声が一番大きかったです。なんか頼りないぞ。
 ダブルス、第1シングルスが同時にスタートしました。第1シングルの成瀬君が最悪の状態ですから、どうしてもダブルスは落とせません。成瀬君の不利を感じてか、ダブルスの冨永・野上組にも固さが目立ちます。競り合いながらも、清風の大応援を背に受けた藤沢・深山組は、どんどん強気で攻めてきます。お互い一歩も引かない展開でしたが、終盤清風が抜け出し、第1セットを奪取。
いきなり、名古屋高校にピンチの気配が漂います。
 しかし、第1セットを取られて、ようやく我に返った冨永・野上ペア。今大会、一番の自信を持って望んでいるペアです。キャプテンの冨永君は、春の選抜の柳川戦の敗退を自分がダブルスを落としたせいだと、チームを引っ張る立場の者として、ずっと責任を感じていた事は知っています。その分、自分にとって最後の大会となるこのインターハイに向けて、すさまじいトレーニングを繰り返してきました。春からずっと集中力を保ち続け、この大会に臨んでいます。全国的には冨永という名を知らない方が多いかもしれませんが、名古屋というチームを引っ張って来たのは、間違いなく彼です。下級生に命令なんて一切無しです。今回ダブルスメンバーから外れたもう一人の3年生伊藤君と共に、ひたすら練習に打ち込んできました。成瀬、鳥屋がどうしてもクローズアップされてしまいますが、チーム名古屋の屋台骨は全て3年の彼らが支えていました。監督も全幅の信頼を置いて、毎日のトレーニングを任せています。その背中を見て、他の選手も練習に打ち込んでいます。
 そんな努力の塊の冨永キャプテンと、攻撃的なセンスあふれる野上君のペアがそう簡単には負けません。第2セットから、本来の力を十分発揮し始め、全く付け入る隙を与えず、第2、第3セットを完勝しました。すごい! すごすぎる。
 実力で清風応援団を黙らせてしまいました。 
 
冨永・野上 4−6 6−1 6−0 藤沢・深山 冨永・野上組の勝利。

 
成瀬(名古屋)VS井藤(清風)
 絶不調の成瀬君。これまで、全く自分のテニスができていません。しかし、井藤君との一戦。遂にこの大会はじめて、本気で自分から打って出ようと覚悟を決めたようです。年下の井藤君ですが、成瀬君は最初の練習のサーブ、ストロークを受け、このままではやられると感じたようです。それほど、井藤君からはものすごいパワーを感じます。必死にチャレンジする気になったようです。
 第1セット。これまでの試合とはうって変わり、頼みの綱のフォアハンドを打てる範囲はどんな球も回り込み、猛烈に強打していきます。井藤君も真っ向から受け、猛烈なストロークの振り回し合戦になりました。体格で勝る井藤君はフットワークもゆっくりに感じます。しかし、成瀬君は、必死の形相で走り回り、打ち続けます。どちらも引かない展開に、徐々に井藤君の足が止まってくるのが分かりました。他の多彩なテクニックを持つ選手ならこんな試合展開にはしないかもしれません。試合前に中川君が言ったように、井藤君を崩す方法は色々あると思います。しかし、成瀬君にとっては生命線のフォアハンド。これまでも、これで負けたら玉砕と思って鍛えてきた、一番自分が信じられる武器です。もうちょっとで井藤君を粉砕することができそうです。この試合から3セットマッチとなるため、成瀬君は第1セット奪取に賭けたようです。第1セット序盤はどちらかというと成瀬君が差し込まれていましたが、少しずつ井藤君の体力を削り、徐々に成瀬君が踏み込んで打ち込めるような展開になってきました。
 チャンス到来と名古屋を応援する者がが思った時、足の止まった井藤君は、無理にバック側を回り込むのを止め、伸びのあるちょっとテンポを落としたスライスで、成瀬君のバック側にボールを集めはじめました。フォアでの打ち合いを避けたようです。第1セット終盤のこのチェンジオブペースは成瀬君の打ちまくるリズムを崩しました。この大会、ここまで、満足に打っていない成瀬君は、バックハンドはフォアほどには確率よく打ち込めないようです。バックハンドで膝が十分に降りず、弾まない井藤君のスライスの連発をトップスピンでネットを越えることができません。毎回打ち合いの末に最後の球がネットのコードに当たってしまいます。無理して回り込むと、すかさず井藤君がオープンコートに強打してきます。 結局、あと一歩というところで第1セットを落としてしまいました。
 しかし、足の止まった井藤君に、第2セットからの成瀬君の巻き返しは十分チャンスがあります。ゲーム全体の流れは成瀬君の組み立てで流れていましたから、後は最後のショットまで持っていけるかでした。ここで、井藤君は1年生とは思えないほどの落ち着いた展開を見せ始めました。まず、ファーストサーブを全力で打ち込み、できる限りラリーに持ち込むことを避けました。サービスエースか、ギリギリ取った成瀬君のリターンを一発で決めにきました。ラリーに入ると、テンポを遅くし、スライス中心に丁寧に成瀬君を振り回し、甘い球のみ強打してきます。かさにかかって攻め込みたい成瀬君は、3回戦の泥仕合でも体力を消耗しており、この試合も第1セットにかなり体力を使ってしまったため、逆に自分の足が止まり始めてしまいました。あと一歩が踏み込めないため、手打ちになり、ボールがコートを割るようになってきました。ストロークとともにフットワークのスピードの持続が武器の成瀬君は徐々に、自分の武器を井藤君に削がれていきました。これまでのスランプをこの試合一度で取り戻すのはちょっと無理だったようです。全体に詰めの部分でミスが目立ちました。また、そこを突いてきた井藤君も、ほんとに良い選手でした。
 こうして、成瀬君は初めて自分から打つ覚悟を決めて望んだ対井藤戦でしたが、前の試合までの絶不調をこの試合1つで取り戻すことは出来ませんでした。試合は、徐々に井藤君ペースになり、ひっくり返す体力は成瀬君にもう無いようでした。
 
成瀬 5−7 4−6 井藤 成瀬君の敗退。

 「年下の選手になんか絶対に負けたくない」、と常から言っている成瀬君。この敗戦は良い意味でショックを彼に与えたようです。ほんとは修造チャレンジでも一緒にやっていますから、その強さは以前から認めていました。「あいつは強い。」と言っていましたから。しかし、負けるつもりも無かったようです。井藤君に勝つには、ちょっとこの試合に臨むまでの何ヶ月間の精神的なスランプが長すぎたようです。
 この井藤君との一戦は、完全に成瀬君をこれまでずっと縛ってきた「勝たなくては」というプレッシャーをそぎ落としてくれました。負けたことで、開き直れたようです。彼の実力の一片も見せずにこの大会を終えてしまうのかと、そんな雰囲気が漂っていましたから、団体での1敗は大きな代償でしたが、彼にとってはとても良い試合になりました。成瀬君が不調だったから負けたということはありません。この試合に限っては120パーセントの力で打ちまくって、打ち抜けなかったという、完全な実力負けです。井藤君は成瀬君が言うとおり本物の強さを持っています。本気で打ち合えるライバルがまた一人登場してきました。これはとても嬉しいことです。

 成瀬君が精神的に完全に立ち直った証拠に、これまで、自分が勝っても試合内容が納得できず、他のチームメイトの試合の応援も上の空でした。しかし、清風に勝つためにはもう一人のエース鳥屋君の勝利がどうしても必要です。井藤戦での汗も拭かずに必死で鳥屋君を応援する成瀬君は、「今度は俺がみんなを助ける。だから、鳥屋勝ってくれ。」と思っていたと思います。ライバル心の強い二人が始めて一つになったような気がします。これで、この試合に勝てばチームの団結力は最高に固まります。頑張れ鳥屋君!

 
鳥屋(名古屋)VS森(清風)
 1勝1敗の五分で、勝負のかかった第2シングル。これも第1セット森君が奪取したあと、壮絶な打ち合いになりました。おたがい1球ごとにうなり声を上げ、すさまじいボールの打ち合いをします。もともと井藤君が入学してくるまでは、十分すぎるほどエースの役割を果たしてきた森君ですから、第2シングルと言っても、名古屋と同じで、清風もダブルエース体制だと思います。このところの結果だけを追うと、不調だったかもしれない森君も、この試合はさすがに魂を込めて打ってきます。重い球の森君とすさまじいテンポで繰り出してくるフラットドライブの鳥屋君でしたが、第2セット中盤から、徐々に森君の足を、鳥屋君のストロークスピードが振り切り始めました。それでも、勝負がかかったこの一戦に、森君は最後まで闘志を見せ、見ている者全てが引き込まれていきました。お互いの応援団から、必死の声援が飛び交う中、最後は鳥屋君が名古屋のダブルエースとしての意地を見せて勝利を呼び込みました。
チームが楽勝ならいつも出番が無かった鳥屋君。成瀬君もその実力は認めています。しかし、出番の無いことに彼のプライドが許すはずがありません。常に自分の出番はピンチの時になりますが、そこで、彼本来の強さを発揮してくれます。腐らず、逆にその悔しさをモチベーションに替えて、きちんと準備ができているのでしょう。鳥屋君の目線はいつも世界に向けられています。どんなにピンチでも自分のスタイルで戦える選手です。彼がもたらしてくれた準決勝への道に、雪辱を誓う成瀬君はじめ、名古屋の関係者は彼を取り囲んで最高にこの一戦の頑張りを讃えました。
 
鳥屋 3−6 6−4 6−3 森  鳥屋君、頑張りの勝利。ありがとう!


 この日波乱が二つありました。まず、伝統校、押しも押されもしない第1シード「柳川高校」が、フレッシュパワー藤沢翔陵に敗れてしまいました。怖いもの知らずの藤沢翔陵、第1シングルの山本VSヒョンテ戦は0−8で予定通り(すみません)完敗するものの、第2シングルの大出君が健闘し、9−8(4)の大接戦をものにし、タイに持ち込みます。こうなるとなまじ伝統校なだけプレッシャーのかかる柳川のダブルスは、狩谷・宮越の楽しくハイレベルなテニスを展開するゴツイ&プニプニペアに徐々に追い込まれいきます。ノンプレッシャーの藤沢翔陵ペアは、中盤までの競り合いも、抜け出してからも攻撃の手を緩めず、ついに名門柳川を振り切ってしまいました。添田君のいない藤沢翔陵にまさか負けるとは思ってもいなかったでしょうねぇ。逆に藤沢が不気味な存在になってきます。
 もう一つの波乱(波乱と言えないかもしれませんが)、第4シードの
日大三島高校、僕は安君を擁する足利工大附属の勝ち上がりを予想していたんです。しかし、春の選抜といい、団体では無類の強さを誇る日大三島は、勝負のダブルスと第2シングルスを、どちらもファイナルの大接戦の末ものにし、東海勢で名古屋高校と並び2校がベスト4に駒を進めました。第2シングルの戸田君、とってもハンサムなんだけど、見るたびに強くなってくるなぁ。日大三島高校、派手な選手はいませんが、とても選手を育てることの上手な高校です。名古屋高校の関係者は、同地区で戦う者として、皆、日大三島高校の藤井監督さんの人柄と実力を認めています。どの先生、コーチに聞いても、藤井監督は選手に人生を教えられる素晴らしい監督さんだと言われます。選手の人柄からもそれは伺えます。名古屋と共に全国に旋風を巻き起こそう!!


〜平成14年 8月4日(日)〜団体3日目 準決勝・決勝

 昨日、序盤のヤマ場、清風高校戦をからくも潜り抜け、準決勝へ駒を進めた名古屋高校。ベスト4に進めたことに気が緩んで無ければ良いのですが・・・・。
 いよいよ決戦の日がやってきました。第1シードの柳川高校は敗退してしまいましたが、他のシード3校は順調に勝ち進みました。藤沢翔陵が台風の目となるのでしょうか。

 
名古屋高校(愛知)VS湘南工大附属高校(神奈川)
 前日、対井藤(清風)戦で、やっと復活の兆しが見えてきた名古屋第1シングルの成瀬君。昨日も試合後、最後まで練習を続けました。僕は井藤戦でも当たりの出ていなかったバックハンドに、少し当たりを付けておいた方がいいと言っておきました。あとはあえて「フォアは完璧に復活した。自信を持っていい。打ちまくれ。真っ向勝負だ。」と言ってあります。ここまで来たら、自分の持っている最高のもので勝負だと思いました。細かい注意はコーチがしてくれているでしょう。でも、いつも真っ向勝負しかできないんですけどね。
 準決勝、第3シードの湘南工大附属高校の富田君は、小柄ながらも、ものすごいフットワークを持っていて、フォア、バック共に速射砲のようにフラットドライブを繰り出してくる選手です。余程のディフェンス力が無いと、そのペースに巻き込まれてしまいます。僕の大好きな羽石君(成蹊高校)も同タイプですが、この大会前の、関東ジャニアの18歳以下は、この富田君が制しています(足利工大附属の安君はまだこの大会の出場資格はありません。全日本ジュニアは在日2年以上の規定があります)。関東ナンバー1の肩書きを持って登場の富田君とは、成瀬君はまだ一度も当たったことがありません。しかし、タイプ的には苦手な選手です。これまでの不調と、今大会でここまで全く満足な試合が出来ていないことを考えると、どう見ても有利な材料はありませんでした。
 しかし、昨日の井藤戦での敗戦から、明らかに表情は良くなってきています。もう、勝たなくてはという意識は無くなったようです。「俺は自分のテニスをやるよ。」と一言残して行きました。実は、監督も昨晩短いミーティング(3分か5分位って言ってました。だって、すぐ僕等と合流してましたもの)を宿舎で持って、「ここまで来たんだ。なんかみんな一言ずつ言っておこうや。」と選手に声を掛けたそうです。それぞれが「頑張ります。」といった風だったらしいですが、ここまで、みんなに助けられてきた成瀬君は「僕はここまで、全く不甲斐ない戦いをしています。明日は全力で全てを出し切ります。」と宣言したそうです。監督は「勝敗はどうでもいい。せっかくの全国の舞台、明日は自分の最高のパフォーマンスをしてみろ。それがお前の明日の目標だ。」と言ってくれたそうです。これまで成瀬君が入学してから、選手は一度も勝利を監督から求められたことは無いそうです。全国制覇を目の前にしても、この監督の姿勢は変わりません。こんな監督が僕も大好きです。成瀬君は静かに決意したと思います。

 
冨永・野上(名古屋)VS瀬野・森中(湘南工大附属)
 湘南工大附属のダブルスは、ここまでめまぐるしくメンバーを入れ替えてきています。調子の良いペアの組み合わせを探っているのか、体力の温存を図っているのか、山内・瀬野ペアと読んでいた名古屋には以外でした。しかし決勝を見据えた準決勝に登場してくるのですから、誰がどう組んでも選手層の厚みで、同等以上の力はあるのでしょうね。序盤から激しい攻防が続き、どちらもそう簡単に崩れません。レベルの高いボレー合戦が続きます。しかし、最後のタイブレークで、臆することなく責め続け流れをものにした富永・野上ペアは、9−8(3)の僅差で第1セットをものにします。続く第2セットも立ち上がり互角の展開でした。

 
成瀬(名古屋VS)富田(湘南工大附属)
 関東ナンバー1の富田君に挑戦する、名古屋高校の成瀬君。ここまで満足な試合は一戦もありませんでしたが、決意どおりの試合を見せてくれるかどうか・・・・ それにしては荷が重すぎる相手です。
 しかし、成瀬君、驚くほどの復活を遂げてくれました。ここ数ヶ月間の憂さを全て晴らすかのような、動きとストロークで打ち合いに出ました。この試合にかける執念を感じます。富田君の相変わらずの速射砲のようなストロークを次々と打ち返していきます。一球一球がものすごい打ち合いと走り合いになり、すごいスピードの展開でラリーが続きます。どちらも最大スピードで動き、打ち込んでいるのにミスが出ません。成瀬君のバックハンドもしっかり矯正されています。これはすごい。びっくりしました。1ポイントごとが息もつかせないほどの速い展開です。昨日までの成瀬君のプレーはなんだったんだというくらい、最後まで正確に打ち抜いていきます。
ちょっと成瀬君の神掛かり的な展開となり、激しい打ち合いを成瀬君がことごとくものにしていき、関東ナンバー1の富田君相手に思いもよらない展開になっていきました。結局、一度のラリーも集中力を失うことの無かった成瀬君が、一方的にこのセットのポイントをものににしていき、6−0で第1セットを奪取。ちょっと、昨日までの成瀬君の試合をもし富田君が見ていたなら、びっくりしたと思います。それほど完璧に打ち抜いてしまいました。こういう展開になると、かえって第2セット以降は守りに入ってしまい、ずるずるファイナルに持ち込まれ負けてしまうということも考えられましたが、この大会で、一度もチームに貢献していないという自覚が、集中力を保たたせてくれているようです。第2セットに入っても最後まで攻め続け、結局最後に1ゲームを与えただけで、6−1でものにしました。このできに、名古屋の関係者はびっくり。昨日まではなんだったんだろう? しかし、完全に自信と自分の戦い方のリズムを思い出した成瀬君に皆は一安心。これなら、今後の戦いも期待をかけられます。思いもよらない復活の完勝劇でした。
よくぞこの舞台に間に合ってくれた。やっと、今日からがチームの一員と思えるでしょう。ここまで、自分に代わってチームを支えてきてくれたみんなに感謝していました。
 
成瀬 6−0 6−1 富田  成瀬君の勝利。復活おめでとう。待ってたよ!

 
鳥屋(名古屋)VS前原(湘南工大附属)
 前原君も、フォアハンドからのカウンターが得意の選手。ハマると一発で抜いて行く威力を持っています。しかし、鳥屋君は、強力なサーブを軸に、フォア、バック共に強烈なカウンターを持っています。打ち合いの中で前原君が仕掛けてくるカウンターを、得意の三倍返しカウンターで、さらにその横を抜いていきます。動きと展開の速さで鳥屋君のほうが少し勝っているようです。そして、こんな速い展開からでも、積極的にネットを取る鳥屋君は、時折意表をついたアングルへのドロップボレーで見る者のため息を誘います。終始主導権を握った鳥屋君は、一度もリードを譲ることなく、なんなくこの試合をものにしました。
 
鳥屋 6−2 6−3 前原  鳥屋君のスピードの勝利!

 この試合、成瀬君の復活で、珍しくダブルスが打ち切りになりました。接戦になっていた仲間をやっと助けることができました。これで、名古屋勢は全員が絶好調となり決勝を前に団結力も高まり、最高の状態になってきました。さあ、FINALの相手はどこだ?

 名古屋高校の試合の反対側では、
日大三島高校藤沢翔陵高校の激戦が続いていました。まず第1シングルで、日大三島の山口君が山本君を下し、1ポイントリード。しかしここまで頑張ってきた第2シングルの戸田君は第1セットをタイブレークで落とし、体力が切れたのか、第2セットは一方的な展開になり、藤沢翔陵の大出君がこの試合を征し、ポイント1−1のタイに持ち込みました。
こうなると、ダブルスに勝負がかかってきました。どちらも一歩も譲らず、ファイナルのタイブレークに突入します。狩谷・宮越組も、1年生らしく最後まで攻撃を仕掛けます。しかし、これまで団体の激戦の修羅場を潜り抜けた数が違う日大三島の楳原・岩本組は、タイブレークでの集中の仕方と、流れの呼び込み方をよく知っているのでしょう。きっちりとこのセットをものにし、日大三島が決勝の舞台に進みました。いよいよ東海勢同士の戦いになってしまいました。


 
男子決勝  名古屋高校(愛知)VS日大三島高校(静岡) 
 
 いよいよ、今年の高校テニスの頂点を決める決戦の時がやってきました。正直なところここまで名古屋高校が来るとは、目標ではありましたが、僕はちょっと良い意味で予想外でした。同様に、反対側のブロックから、よもや同じ東海勢の日大三島高校が上がってくるとは! 嬉しい半面、不安な要素も沢山ありました。ご存知の通り、このところ東海のブロック決勝では常に名古屋高校VS日大三島高校のカードになっています。それをこれまで、ことごとく名古屋が勝利を納めていますが、この大会でも、このカードになると、どうしても名古屋高校だろうという大方の予想が生じます。失うものが無い日大三島は、貪欲にチャレンジャー精神を発揮できます。反して、名古屋高校には日大三島には負ける訳にはいかないと、選手にもプレッシャーが生じていました。そして、ここのところの試合は、確実に日大三島が実力を上げていることを名古屋の選手は感じ取っていました。現に、第1シングルの成瀬君は、地区予選で団体、個人共に日大三島の山口君に敗れています。鳥屋君も、日大三島の戸田君と何度も接戦になっています。確実に計算できそうなのはダブルスのみ。これも決勝の舞台ではどうなるか。名古屋関係者は、できれば藤沢翔陵高校とやりたかったというのが本音です。もう一つ、日大三島は春の選抜でも決勝まで駒を進めており、全国の決勝という舞台の経験があります。それに、今度こそっていう、固い決意もあったでしょう。いずれにせよ、接戦になることは間違い無しです。
 今までの精神状態とはちょっと違った雰囲気で、選手は大観衆の見守る最後の舞台に登場してきました。

 
冨永・野上(名古屋)VS楳原・岩本(日大三島)
 いよいよ、キャプテン冨永君が、春の選抜「柳川高校」戦の悔しさを拭い去る時が来ました。あのプレッシャーのかかった、金縛りにあったような顔付きとは違います。明らかに、チャレンジしようという決意が冨永君の顔にみなぎっています。この決勝の舞台で、後輩の野上君をリードし、一度も不安な様子を見せることなく戦い続けます。こんな晴れやかに自信に満ちたプレーを展開する冨永君を見たことがありません。「汚名を晴らす」、この舞台では、もうそんなことはとっくに忘れてしまっていたんでしょうね。ひたむきに取り組んできたこれまでの練習のことでも思い出し、以前のパートナー、彼の一番の練習相手の伊藤君の分もと、持っているもの全てを出し、この試合をリードしていきます。一片の不安も無く、この決勝という晴れの舞台を戦い続け、全く相手を寄せ付けずに1ポイントを名古屋高校にプレゼントしてくれました。冨永君、君は大きくなったなぁ。感動しました。
 
冨永・野上 6−1 6−3 楳原・岩本  冨永・野上組の大勝利!!

 
成瀬(名古屋)VS山口(日大三島)  鳥屋(名古屋)VS戸田(日大三島)
 地区予選で、今年に入り、一度も勝っていない山口君相手に、成瀬君は何を考えてコートに入っていったのでしょう。僕は、もう何も言うことが無くなって(この舞台に進めたことだけで感激していました)、ただ、しっかりチビに聞こえるように「岐阜で井上君がどうやって戦ったかを思い出せ。(井上君は名古屋の優勝チームの第2シングル。柳川から勝負のポイントを奪った) 全てを出して、諦めるな。井上君になってこい。」とだけ言いました。チビも井上君の死に物狂いの戦いを目の当たりで見ています。全国を取ることの大変さを、素晴らしい先輩にその懸命なプレーから実地で教えてもらっていました。きっと、この舞台で何をすべきか悟ってくれたと思います。
 第1セット。明らかに地に足が着いていません。動きもぎこちないし、ボールがラケットの芯を食いません。準決の出来とは程遠い内容でしたが、アウトになっても、ひたすら打ち続けます。もう、ここまで来たら、自分の一番得意なショットを武器にするしかありません。この雰囲気の中では、しばらくの間は、自分を取り戻すのに時間がかかりそうです。雲の上でプレーしているような成瀬君は、打てば打つほど入らず、殆どラリーにならないまま、山口君にポイントを献上していきます。それでも、もう入れに行くということは頭に無いようです。全てをフルショットしていきます。僕も、この舞台に立っても、打ちに行けるチビにもう感動してしまって、勝敗を抜きにして、「打て、打ちに行け。真っ向勝負しろ!」と叫んでいました。全然地味なプレーヤーのチビが、一球ごとにこぶしを握り、雄叫びを上げる姿を見て、ボレーなんてちっともできないくせに、全力で打ってはネットに突進して行くチビを見て、これまでの色々なことを思い出してしまい、恥ずかしいことにウルウルしてしまいました。本当に、2年前、名古屋高校が岐阜インターハイの優勝を決めた時の井上君の姿にダブって見えました。この舞台では、理屈抜きに死に物狂いになれるんですね。個人戦ではなく、団体であるがゆえに、あの瞬間だけは、自分の全てを賭けて打っているように見えました。仲間のために、諦める訳にはいきません。

 しかし、第1セットは、結局自分を取り戻せず、0−6という絶望的なスコアで取られてしまいました。しかし、名古屋には強力なもう一枚の看板、鳥屋君がいると隣のコートを見ると、鳥屋君も成瀬君と全く同じ状態。鳥屋君ほどでも、この勝負に対するプレッシャーと戦っているのでしょう。そこには同じく絶望的な0−6というスコアーが貼り出されていました。お互いのスコアーを確認して、もう他人任せにはできない窮地に追い込まれました。互いが、ダブルエースとして自分のゲームをものにしなくてはという気持ちになったのでしょう。
 ここからが、名古屋の反撃開始です。大観衆の「今年は日大三島か・・・」という雰囲気をぶち壊し始めました。
 まず、成瀬君が徐々に入り出したストロークを軸に、時折ネットを取り主導権を奪い返します。隣の鳥屋君も、一段ギアを上げ、ストロークのタイミングをどんどん早くして、ラリーのテンポを引き上げにかかります。名古屋高校の応援もヒートアップし、どんどん選手を後押しします。俄然入り始めたストロークで、山口君の脇をストロークが通り過ぎていきます。その一球の度に雄叫びがこだまします。鳥屋君の一球ごとのうなり声も大きくなってきました。調子が出てきた証拠です。ダブルエースが最後の戦いを挑み始めました。どちらも全力の攻撃が売りの選手、第1セットとは逆に、一方的な展開で二人ともがポイントを奪い返します。これで、成瀬君、鳥屋君ともにファイナル突入。こうなるとダブルスを落としている日大三島に絶対に負けられないというプレッシャーが襲いかかります。しかし、山口君、戸田君は共に名古屋の二人と同じ攻撃型の選手。四名の雄叫びが最後に残ったこのコートに響き渡ります。
 本当に死力を決するって、このことなんだ。成瀬君、山口君はもう二人とも足は止まってしまっています。叫びながらのストロークも、スピードも何もありません。それでも、二人の必死のうなり声だけは続きます。まるで、ノーガードで打ち合うボクサーのようでした。最後は、泣きながら打っているんじゃないかと思えるほど、クシャクシャの顔で戦う成瀬君は、これまで迷惑をかけてきた仲間に恩返しするように、必死で足を動かしていました。はたから見てると、歩いているようなフットワークの打ち合いでしたが、最後の気力を振り絞っていることだけは、見ている者にも感じ取れます。
 そして、最後の瞬間がやってきました。3度のマッチポイントを逃れる山口君。もうこのまま、決らないのではと思ったという成瀬君が打った渾身のユルユルストローク(本人は全力で打ったのでしょうが)、そのバック側に来たユルユルボールを、山口君が振り遅れます。彼も、もう足も動かないし、ラケットも振れないのでしょう。力の無いボールが、ゆらゆらサイドラインを割り、ポトリと力無く落ちました。
 勝負が決しました。
 何も、かっこいいことも、スーパープレイも無い幕切れでした。本人にも、かっこいいポーズを決める余裕も無かったのでしょう。観衆も含めて、静かに優勝が決りました。名古屋らしい勝ち方でした。
 
成瀬 0−6 6−1 6−2 山口  成瀬君のヘロヘロ勝利! よく頑張ったね。 おめでとう。

 その後鳥屋君はファイナルが接戦となっていましたが、成瀬君が勝負を決めた後も続行となりました。決勝は全部やるとはどこにも記載されていないはずなんだけど。勝負を決した後の、消化試合に意味があったのでしょうか。二人共に体力を消耗させているのに。これで、個人戦を控えて、怪我でもしたら、誰が責任を取ってくれるのでしょう。ちょっと疑問が残りました。
 鳥屋君は、プレッシャーの無くなった戸田君の強烈なサーブを受け、残念ながら敗退。
 
鳥屋(名古屋) 0−6 6−2 6−7 戸田(日大三島)  残念、鳥屋君、もうちょっとというところで敗退。
 

名古屋高校 優勝おめでとう!!
 
 
よく頑張りました。君たちのフェアプレーに徹した戦い方は、
 少なくとも僕の記憶には残ります。みんな、かっこ良かったよ。
 心から、おめでとう。頑張ってきた甲斐があったね。
 次は個人戦。最後までみんな頑張れ!!

−最後に−
 僕は、ここで愛知県勢のフェアプレーを応援する者として讃えましたが、今大会、これまでとうって変わって、どのチームの試合もフェアな応援、戦い方の連続で感動しました。会場にも色々工夫が見られ、関係者の方々の努力の賜物だと思います。素晴らしい大会にしていただいてありがとうございました。
どのチームの方も同様に感じられたと思います。この舞台では、子どもたちが主役です。選手同士が、さわやかに、正々堂々と力が出し切れるよう、周りの者は協力していきたいと思います。
 この大会を各チームの自覚と努力で、素晴らしい大会にできたことに誇りを持ちたいと思います。
やればできますね。みなさん、選手たちへの素晴らしい舞台の演出ありがとうございました。!!
来年からも、頑張って、続けていきましょうね。


茨城インターハイ photo

この写真の一部は、息子さんが千葉県の志津テニスクラブでやられている、
有松さんから送っていただきました。有松さん、ありがとう。感謝!

会場入り口。幼稚園
児の手作りノボリが
日本一のダブルス
冨永・野上ペア
日本一のダブルス
   その2
成瀬君
ボールが来たぞ!
成瀬君 その2
成瀬君 その3
会場でみんなと
誰だか分かる?
浦和学院の石岡君
いいテニス、いい男
勝ってサインする、
堀越の森実君
東山の武村君
彼も頑張り屋!
ただのオヤジと、
天才清風の井藤君