
母への手紙
おっかさん、まだ元気でいるかね?
元気だよ、ぼくも。 達者でやっとくれ、達者にね。
おっかさんの住んでるぼろ家の上に
夕暮れともなれば あの何とも言えぬ光が射すんだろう。
お前さん、ぼくを案ずるばっかりに ひどくふさぎこんでるというではないか、
───心配事を押し隠してさ。
時代ばなれの古めかしいシューバをひっかけ、
しょっちゅう道端まで出て来るというではないか。
青いほむらの夕闇、そこで
しょっちゅうひとつことがちらつくんだろう。
居酒屋の喧嘩沙汰、そこで
誰かにグサリ胸元を刺されたとか、ね。
なに、たいしたことないよ、おっかさん! 心配しなさんな。
そりゃあ気おもなうわごとってもの。
そんなにひどい呑みすけじゃあなし、
お前さんに会わずに死ぬなんてこたああるもんか。
ぼくは昔ながらのやさしい子、
夢見ることといやあ、早いこと
この浮ついた退屈におさらばし、
匍いつくばったよなわが家に帰ること。
春、わが家の白い庭で 木々が枝をぐっと伸ばすころ、
ぼくは帰ってくよ。
八年前みたいに、朝早く
起こすのだけはやめとくれ。
見果てた夢、そいつはもうよび起こさないで。
成るようにして成らなかったこと、そいつもそっとしておいて。
喪くすのも、疲れきるのも早すぎた。
そういう目にあったってこと。
それから、お祈りはもう教えないで。 ね、もういいよ。
昔に還るすべはなし、さ。
おっかさん、あんただけが支え。 なぐさめ。
おっかさん、あんただけがあの何とも言えぬ光なんだよ。
ね、だから、心配ごとは忘れて。
そんなにひどくふさぎこみなさんな。
しょっちゅう道端に出て来るなんてやめて。
時代ばなれの古めかしいシューバを引っかけたりして、さ。
(内村剛介『エセーニン詩集』から)
まだ見ぬ友へ
責任をもって、しかも自由闊達に、
誰に気兼ねをすることもなく
大いに、語り合おうではありませんか。
さあ、仲間のページを開いてみよう。
そして、あなたのページを開設してみよう。
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