ヒバのしっとりした床と湯舟
温泉はこの箱で湯の華を沈殿させる。
もう一つの小さめの内湯
施設名 : 山のホテル (宿泊日:2007.5.10)
休火山で津軽富士と呼ばれる岩手山(標高1625m)の南西麓、のんびりした山里にある素朴で小さな温泉地の嶽温泉に宿泊した。
弘前市は、2006年2月に嶽温泉があった岩木町と相馬村と合併、新「弘前市」になった。
弘前と言えば、「城と桜とりんご」それにもう一つ付け加えれば「ねぶた」の町として知られている。
津軽平野の南部に位置し、400年の歴史を持つ城下町で、津軽地方の政治・経済・文化の中心として繁栄してきた。
東に八甲田連峰、西に岩木山、南に白神山地、北に岩木川が流れ、郊外にはりんご園が広がる。
津軽地方のリンゴ栽培は150年前に遡り、現在は日本のリンゴの半分を生産している。
種類はお馴染みのふじ、王林をはじめ、つがる、陸奥、ジョナゴールドなど数十種に及ぶという。
今回の旅行では南から北上して行ったが、途中の山形・秋田などではリンゴが白い花を咲かせていたものの、青森に入るとまだ数輪が開花の段階だった。
日本一と言われる弘前城の桜は葉桜になっていたが、まるで藤のような枝垂桜が満開だった。
前日宿泊の花巻温泉郷大沢温泉山水閣(岩手県)を9時前に出発。
東北自動車道小阪ICから樹海ラインに乗って十和田湖へ。初荷峠は最高のビューポイントだ。
奥入瀬再訪。何時来ても奥入瀬渓流は美しい。
奥の滝は、銚子大滝。
国道103号線で八甲田山の南麓を走って弘前へ。標高が1000mを超える笠松峠には雪の回廊が残っていた。
家内が珍しくも「岩木山」の麓の温泉に泊まりたいと自分から申し出た。
理由を聞くと、現在放映中のNHK・朝の連続ドラマの舞台が岩木山の近くだと言う。青森県では他に泊まりたい温泉(宿)があったが、温泉巡りに付き合ってくれる彼女のためにそこは我慢。
湯量豊富な嶽温泉の旅館に予約を入れた。
ところが予約後、よく聞くとそのドラマの舞台は「岩手山」の麓の旅館だったことが判明。
キャンセルは面倒くさいのでそのままとしたが、彼女からの申し出故、どんな温泉地であろうが文句が出ないので、一面、安心して宿泊できる、という思惑もあった。
その岩木山は標高1625mの休火山、津軽富士とも呼ばれれ、津軽地方を包み込むような形でその裾野を広げている。
データは変更されている可能性もあります。お出かけ前にご確認ください。
土産物屋や食事処が数軒ある。
岩木山。弘前から嶽温泉に続く県道には桜並木が続く。
嶽温泉では、ユニークな名前の温泉宿「縄文人の宿」が知られているが、トイレ付きが条件なので、ここ山のホテルに予約を入れた。
結論から先に言うと、宿泊料金(平日・2人1室 税・サ込み13,000円)からすれば、十分な満足感が得られた宿だった。
外観は、旅館名より食事処の名前(またぎ亭)と名物の「マタギ飯」の看板が目立ち、ロビーも雑然としている。
しかし、奥に入ると安普請だが黒く塗った木と白壁(ほとんどが板に壁紙を張っているが)の洒落た民芸調の造り。
部屋は10畳の和室に広縁とトイレ(シャワー無し)で、2人には十分な広さだった(畳はだいぶ傷んでいたが)。
すっきりした館内
風呂は文句なく素晴らしい。
但し、これは温泉好きの評価であって、普通の宿泊者の方からすれば、浴室全体がジメジメした感じがして、別の感想を持つかもしれないが・・・。
露天風呂は無いが、外来者も利用できる小さな内湯と、少し大きめの宿泊者専用の風呂がある。
どちらの浴室も浴槽も青森産のヒバをふんだんに使っていて、なんとも味わい深い雰囲気を醸し出している。
ここに浸かると、「風呂ややっぱり木造だ!」を実感する。
硫黄の臭いが少しある(鼻の利きが悪い私には分からないので家内の弁に拠る)カルシウムー塩化物泉(浴室内及びHPの表示通り)だが、硫黄泉ではないかと思われる白濁さだ(ガイドブックでは硫黄泉となっている)。
源泉は温泉街の山の中に自噴するものを含め複数の温泉を集中管理・配湯しているので、泉質の混乱はここらにあるのかも知れない。
pHが2.05と強酸性なので、浸かった瞬間に肌がピリピリする。
宿泊者専用の内湯。
お弁当風の朝食
山菜と鮭の蒸し物
茶碗蒸し
ホタテのホイル包み焼き
山菜の天麩羅
お造り
土瓶蒸し
色取り取りの先付け
アワビと野菜の蒸し物
山菜3種
名物の「またぎ飯」
夕食は凝った料理ではないが、豊富な地元の山菜や意外と近い海の幸をしっかりとした味付けしたものだ。料理2種を複数のメニューから選ぶことも出来て、宿泊料金からすればなかなかのものだった。
またご飯代わりの名物「マタギ飯」は、7種類の具と米を出し汁で炊き込んだもので、これも美味しかった。
弘前から嶽温泉に続く約30kmの道は、日本一長い桜街道であるが、残念ながら花はすでに散っていた。
嶽温泉が近づくに連れて、岩木山はその山容を大きくしていき、この山と津軽は切っても切れない縁で結ばれ、山岳信仰が盛んであったことが容易に実感できた。
嶽温泉は小さいながらも温泉街が形成されていて、数軒の旅館と土産物屋が、広場を中心に取り囲むようにして建っている。
公衆浴場は無いが、どこの宿も日帰り入浴を積極的に受け付けているので、気軽に温泉を楽しめる。
尚、周辺には公衆浴場もある百沢温泉をはじめ三本柳温泉・湯段温泉など小さな温泉地が点在している。
温泉好きな方はこれらを湯巡りするのも楽しいだろう。
正面玄関