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      第60号 「12月のイタリア、外国語学習成功の要因、スカルペッタ」  

 

                        2010年12月4日(土)


------今号の目次--------------------------------------------------------------------------------------

1.12月のイタリア

2.外国語学習成功の要因

3.スカルペッタ

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*今回の記事でも、サイトの方では、写真を載せ、主要な言葉を赤や青で記して、学習しやすいようにしてあります。

 インターネットに接続できる方は、ぜひこちらのリンク先のウェブページの記事をお読みください。

 ⇒ http://www.geocities.jp/naoko_ishii/vol60.4_12_2010.html

 

 12月に入って、クリスマス、そして年末年始が近づきつつあります。こうした話題に興味のある方は、次のバックナンバーを参考にしてください。

・クリスマスカードの書き方、クリスマス・ソング 

⇒ 第29号 「『Tu scendi dalle stelle』 - イタリア語のクリスマス・ソング 

・イタリアのクリスマス、プレゼーペ(presepe、キリスト生誕場面の模型)、大晦日と元旦

第32号 「小旅行 その2(Subiaco)、クリスマス  

第34号 「年末年始のイタリアの行事   

      

 ・ベファーナ、主顕節(Epifania)

⇒・第2号 「イタリア語の効果的な学習法 ― 音声の大切さ(1)」 

 ・第35号 「ベファーナが子供たちにお菓子を贈ることになった理由    

 イタリア旅行を控えていて、ホテルの朝食が気になり、「ぼったくりが心配」という方は、次の記事をご覧ください。外国人も多いホテルでは朝食にゆで卵やハムなど塩気のあるものを出す場合もありますが、そうでないと、甘い朝食を取ることになる可能性もあります。

第7号 「イタリア式の朝食、歌 『Fidati di me』 (Laura Pausini) 

 ・第15号 「ローマのぼったくりレストラン」     

第16号 「ぼったくり対策の手引き、ペルージャの夏」    

 

2.外国語学習成功の要因

 

 クリスマスについて語るのは次号とバックナンバーに譲って、今回は、「外国語学習がうまくいくか、うまくいかないか」はどういう要因によって決まるのかについて、一緒に考えてみたいと思います。

 そうです、「一緒に考え」ましょう。まずは、鉛筆と紙を手にして、「外国語学習の成功・失敗」に関わる要因には、どういったものがあるかを、日本語ですべて書き出してみてください。そうして、イタリア語でも書ける要因がある場合は、右横に、イタリア語訳を書いてください。頭を使ってじっくり考えてください。

 


 書き出すことができましたか。十分に考えましたか? 自分でしっかり頭を使わないと、ちゃんと自分のものになりませんので、要注意。上の写真では、我が家の子猫たちが煮干しを食べています。(詳しくはブログ記事、「 リゾットと煮干し、タラ鍋 」)よく噛まないと、きちんと消化できず吸収できないように、イタリア語の学習も、教科書を眺めているだけ、音声を聞いているだけでは身につきません。学習要因もまずは自分の頭でしっかり考えましょう。

 よろしいですか?

 

 実は諸説あって、研究者によって異なるのですが、今回はG.Pallottiの『La Seconda Lingua』(訳すと、「第二言語」)という本が、外国語を学ぶ要因として掲げているものを、目次から拾ってみます。順序は、目次に見つかった順であり、特に大切な順と言うわけではありません。番号は私が任意にふったものです。

1. L'input  (quantita, frequenza di strutture linguistiche,  comprensiblita)   2. L'interazione  3. L'eta  4. Fattori affettivi (motivazione, ansieta, personalita) 5. Attitudine e stile cognitivo  6. Attenzione alla forma  7.  Le strategie di apprendimento 

今、さっと見て、「これはないと困る」と思ったので、次の二つを追加しておきます。

8. La lingua materna  9. Altre lingue appresse

 

 外国語学習というと、「得意な人と苦手な人がいる」とか、「うまくいく言語といかない言語がある」と、ぼんやりと考えていた方はいませんか。実はそういう単純なものではなくて、人が風邪を引くには様々な原因が起因しているように、ある人の外国語学習がうまくいくか、いかないかも多くの諸要因に基づいています。

 まずは1ですが、ある人が話せるようになるためには、どれだけの量のどんな質のその外国語に接したかが肝心なのはご想像がつくと思います。見たり聞いたりして自分に入ってくる外国語inputと呼びます。そして、皆さんも経験からご存じのように、見たり聞いたりした外国語のうち、身につくのはごく一部であり、inputの中で自分のものとして使えるようになったものintakeと呼びます。

 inputがintakeになるには条件があり、理解ができる度合い(comprensiblita)がどのくらいかが問題になります。難しすぎる外国語ばかり聞いていてはものにならないし、自分が分かる簡単な外国語ばかり聞いていても向上しない。自分の今のレベルより少し難しい程度のinputが最も外国語の上達への近道です。そして、同じ言語構造がそのinputの中で繰り返される頻度(frequenza di strutture linguistiche)も、多いほど身につきやすいのです。

 2のL'interazione。人と会話をする機会、手紙やメールを交わす機会など、外国語を使ってやりとりするinterazioneが多いほど、またその質がよいほど、外国語の力は向上します。Foreigner talkと言って、まだうまく話せない外国人に分かるように易しい語彙を使ってゆっくり話しかける、こういう話し方は、外国語の向上に役立ちますが、これが度を越して、「相手は分からないからと、行きなさいというのに、vaiでなくandareと不定詞を使い、文法的に正しくない言葉で話しかける」と、相手のイタリア語の発達の妨げになるのは明らかです。質のよいForeigner talkは、たとえば語学学校でまだ外国語があまりできない生徒たちに先生が分かりやすい言葉で話しかけるイタリア語、一方文法的に正しくない問題あるForeigner talkは、特に移民の労働者に向かって時々使われることがあります。

 3は「年齢」。発音やイントネーションは思春期を過ぎてしまうと習得が非常に難しくなります。でも、発音も単語や文法も年齢が上がっても、時間をかければ、きちんとものになります。

 4は「情意的要因」。学習者の学習動機(motivazione)やその強さ、不安(ansieta)の程度や人柄(personalita)も、外国語学習に大きく影響します。研究結果はいろいろ分かれるのですが、傾向としては、「仕事や試験のために、必要に追われて』学習する人よりは、「自分がその外国語やその言葉が話される文化が好きで」学習する人の方が、長い目で見ると、学習が持続し、成功する場合が多いという結果が出ています。

 5の適性(Attitudine)としては、音の違いを聞き分ける力、文法に対する注意力など、さまざまな項目が挙げられています。

 6は「形への注目」(Attenzione alla forma)、自分が見聞きする外国語、そして書いたり話したりする外国語の語形や文法に、どれだけ注意を払うかも、大切な要素です。ただ形ばかりにとらわれて、言わんとすることが分からなくては困りますので、適度の注目が大切です。

 7は「学習ストラテジー」(Le strategie di apprendimento)。どんなストラテジーを使って勉強しているか。優秀な学習者というのは、さまざまな学習法を組み合わせて、学習を積み重ねます。本を読むだけでも、文法問題を解くだけでも、イタリア語でおしゃべりするだけでも、イタリア語の歌を聴くだけでも、映画を見るだけでも、手紙をやり取りするだけでも、それだけでは駄目なのです。文法書だけでも、歌を聴くだけでも、inputが偏るのはご自分でもよく分かりますよね。イタリア語学習に役立つ歌や映画は、メルマガのバックナンバーやサイトでご紹介していますので、参考にしてください。

 8は「母語」(La lingua materna)、9は「すでに習得した他の外国語」( Altre lingue appresse)です。イタリアの語学学校で、ヨーロッパやラテン・アメリカの生徒がすぐに上達するのに、あせった方はいませんか。フランス語やポルトガル語、スペイン語は、イタリア語と同じ俗ラテン語から発展・変容してできた言語です。20世紀を経て、すでに異なる言語となっていますが、日本語のようにまったく親戚関係がなく、類型的に隔たりのある言語に比べれば、はるかに共通点が多いのです。英語やドイツ語も、さらに言語の系図をたどれば、同じインド・ヨーロッパ語から派生したものであり、日本語に比べれば、はるかにイタリア語との共通点が多いのです。たとえば、名詞の単数・複数も、日本語には存在しませんが、英語・ドイツ語には存在し、日本語にはない冠詞があるといった具合です。だから、こうした言語を母語とする生徒が、日本人のわたしたちより学習の発達が早くても、それは当たり前。出発点が違うし、イタリア語で話される授業を聞いていても、理解の度合いも違います。あせらずに、しっかり勉強していきましょう。また、たとえ母語が日本語でも、たとえばすでにスペイン語やフランス語を学んでいる場合には、この知識が、姉妹言語であるイタリア語学習を大いに助けてくれます。

 というわけで、一口に外国語学習成功・失敗の要因、と言っても、さまざまな要素がからみあっています。日本の学習者の方が特に注意されるといいのは、1と7。音声も文字も言葉の大切な両輪です。inputを共にバランスよく、さらに自分のレベルや学習目的に応じて選び、増やしていくこと、そのためにも、さまざまな学習ストラテジーを組み合わせることが大切です。

 

3.スカルペッタと日曜の昼食

 

 今日は内容が「イタリア語学習法」で、並べた語彙が難しかったので、生活に即した言葉を一つ覚えましょう。それは、fare la scarpetta。いったい何を意味するかについては、次のブログ記事をご覧ください。

最後の一滴、一粒まで [2010-11-19]  http://cuoreverde.exblog.jp/15013002/ *ヒントは左下の絵です。


     


 続いて、最近の、食に関するブログ記事をご紹介します。

新オイルと新ワイン [2010-11-27]  http://cuoreverde.exblog.jp/15060778/

椿まつりでお茶を [2010-11-23]   http://cuoreverde.exblog.jp/15037202/

 他にも、ニョッキ作りの様子やリゾットをおいしく作るコツ、盤上にイタリア語の単語を並べて得点を競うScarabeoなど、さまざまなブログ記事がありますので、興味があれば、ご覧ください。励みになりますので、記事が気に入りましたら、二つのブログランキングへのリンクを、ぜひクリックしてください。イタリア情報、ヨーロッパ情報についてのブログの一覧ページが現れます。 

 では、また。再来週お会いしましょう。日本でも寒い日が続いているようですが、お風邪など引かれませぬように。

 このメルマガの著作権は石井に帰属します。引用・転載を希望される方はご連絡ください。

  バックナンバーはこちらのホームページからご覧になれます。http://www.kitsunenomado.com

(HPでは、アポストロフィで代用せずに、イタリア語のアクセント記号つきの母音をそのまま使って表記しています。)

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発行者      石井直子

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