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■ サ ラ ・ ウ ォ ー タ ー ズ ■
(Sarah Waters 1966~)

作 品 I N D E X 

 1.半身




■ 半 身 ■
(2003年)
★★★★
2003年度<このミステリーがすごい!>第1位


★★★★
半身 書籍画像
サラ・ウォーターズ:著

創元推理文庫:刊
2003年


19世紀のイギリス。婚期を逃してしまったマーガレットは妹の結婚を前に、家族から冷たい目で見られ肩身の狭い思いをしている。敬愛していた父も亡くなってしまい、彼女は失意の中にあった。
そんな彼女の心の支えがミルバンク監獄への慰問だった。彼女はそこで1人の女囚・シライナに興味を持つ。シライナは陰惨な監獄の狭い監房で粗末な囚人服に身を包みながらも、印象的な美しさを持っていた。彼女は徐々にシライナとの交流を深めて行く。

ミステリーだという認識を持たずに読んだら、終盤までは、恋愛物なのかゴチック・ホラーなのか全く見当が付かなかったと思います。
先が読めない展開で、ミステリーだと知っていてさえ、中盤まで結末の予想が全然付きませんでした。しかし、読み終わってみれば見事な結末としか言いようがありません。
作品は全てがマーガレットとシライナの日記という形態で描かれています。
マーガレットの日記で、彼女が慰問に訪れるミルバンク監獄の重苦しい雰囲
気と、そこに収監されている女囚の不潔で悲惨な生活、そして、女囚シライナとの交流の様子が克明に描き出されて行きます。
また、マーガレットの家族との係わりも描かれていて、彼女に暗い過去があり、現在も無理解な家族のために、彼女の心が閉塞感で満ちている事が徐々に明かされて行きます。

一方のシライナの日記では、高い能力を持つ霊媒である彼女の収監前の霊媒としての生活が描かれていますが、こちらは主に虚か実か判断の付きにくい交霊術が描かれます。 彼女が罪(シライナは冤罪を主張)を裁かれるまでの順調な霊媒師としての成功の様子も明らかになります。

全く雰囲気の違う2つの日記がそれぞれに興味深く、また、非常に精緻で重厚な筆致で描かれているため、グイグイと不思議な物語の世界に引きずり込まれて行ってしまいました。

ネタばれ

1人の女性の心の葛藤を描いた作品としても、興味深く読める非常に完成度の高いミステリーです。
(2004.1.16)

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