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■ レ ー サ ー の 死 / 黒 井 尚 志 ■
(2006年)

■ 黒 井 尚 志 ■
(くろい ひさし 1952~)

1952(昭和27)年、北海道生まれ。ノンフィクションライター。
大学在学中よりジャーナリズムの世界へ。<週刊プレイボーイ>誌などでモータースポーツや経済欄を担当。


★★★★☆

緊迫したアイルトン・セナの死亡報道の裏側や
サーキットに散った国内のレーサーたちの生と死を多くの証言から克明に描き出す


オンライン書店ビーケーワン:レーサーの死

単行本

 双葉社 2006.4 \1,680 4575298913

オンライン書店bk1




■ 内 容
1994年5月1日(現地時間)にサンマリノGP の決勝レース中にコンクリートウォールに激突、その夜遅くに死亡した稀代の天才レーサーアイルトン・セナ。彼の死亡を伝えたフジテレビの報道の裏側ではどんなことが起こっていたか。

国内の過去にサーキットで起きた死亡事故の幾つかをピックアップ。関係者の証言から、川合稔・風戸裕・鈴木誠一・福沢幸雄・高橋徹・小河等らそれらの事故の犠牲者となってしまたレーサーたちの人となり、レーサーとしての足跡、そして彼らが何故死んでゆかなければならなかったのか、その背景や原因を探る。
■ 目 次 ■
01 アイルトン・セナ死亡事故報道/02 福沢幸雄裁判/03 幻のレースクイーン 小川ローザを求めて/04 封印された魔の三十度バンク/05 天国のチェッカーフラッグ
■ 感 想
帯にはアイルトン・セナ、衝撃の事故死。十二年間報じられなかった、もうひとつの真実。・・・とあるので、どんな衝撃的な新事実が飛び出すのかと非常に期待したのですが、内容は殆どがフジテレビの事故報道の内幕でした。それはそれで面白かったものの、期待外れだったことは否めません。
しかし、それに続く国内のレーサーの死を扱った4編が非常に読み応えがあり、1冊を通しての感想としては大満足でした。

F1以外のレースは全く知識が無かったので新鮮だったというのもありますが、事故そのものの分析も細かくなされているだけではなく、一人一人のレーサーについてもその人となりやレースに賭ける気持ちの強さなども伝わって来て衝撃的かつ、感動的でもありました。
最近になって、レースにも安全性が重要視されるようになって来ましたが、ここで取り上げられている事故の頃は安全性に対する意識が低く(レーサーの命が軽く見られていたと言ってもいいと思います。)、そのために命を落とした例が殆どです。レーサーの命よりも自動車メーカーの威信や現場責任者の保身に重きが置かれていたのには憤りを覚えます。そして、それが著者が声を大にして訴えたかったことの一つなのがよくわかります。(近年、やっとレースの安全性が重要視されるようになって来た切っ掛けがセナの事故死だったことを考えると、冒頭にセナの件が取り上げられているのも無意味ではないと思いました。)
そして、もう一つがレーサーたちの情熱。
その二つのどちらに偏ることなく書かれているため、レースという魅力と危険性が表裏一体になった世界がリアルに表現出来ているのだと思いました。

ちょっとでもレースに興味がある、という方には読み応えバッチリ! オススメです!
(2006.4.21)


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