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■ 伊 藤 た か み ■
(いとう たかみ 1971~)
1971(昭和46)年、兵庫県神戸市生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。

 受賞歴 
1995(平成7)年第32回文藝賞「助手席にて、
 グルグル・ダンスを踊って」
2000(平成12)年第49回小学館児童出版文化賞『ミカ!』
2005(平成17)年第133回芥川賞候補 「無花果カレーライス」


作 品 I N D E X 

1.ミカ!




■ ミ カ ! ■
(1999年)
★★★★

第49回小学館児童出版文化賞受賞作


ミカ! 書籍画像
伊藤たかみ:著

(文春文庫)
1999年
理論社:刊

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双子のミカとユウスケは小学校6年生。父さんと母さんは別居状態で、2人は父さんの許でお姉ちゃんと4人で暮らしている。自分でも<オトコオンナ>と言うほど、男勝りでちょっと乱暴なミカ。スカートなんていや! おっぱいなんていらない!・・・大人になんかなりたくない! 父さんは再婚するかも知れないし、お姉ちゃんは家出した。そんな時、ミカが見つけた不思議な生き物<オトトイ>・・・。思春期の入り口で不安定なミカと、そんなミカをそばで見守るユウスケの1年。


<児童文学>と言う事になっているようですが、特有の<ぬるさ>を感じる事も無く、大人の読み物として自然に愉しめました。
ちょっと不思議で、大人にはちょっと懐かしい物語です。

まず感じたのは、読み易さ。
子供向けだからというのではなく、文章のテンポがとても良く、会話が大阪弁なのもGood! 声に出しても読んでみましたが、軽快で気持ち良く読めるんです。<読み易さ>は、私にとっては重要なファクターになっているので、これはとても重要なことなのです。

今時の小学生の生活や感覚は、私の頃とは随分と違うんですね。
その上、私はぼんやりした子供で、ぼーっとしたまま、何となく大きくなってしまったので、ミカのように大きな悩みも抱えた事も、ユウスケのように友達との関係を真剣に考えた事も無かったような気がします。兄弟もいないし・・・ それでも、私なりの子供時代の感覚が呼び起こされて、何とも懐かしい感じがしました。

そして、私の場合、大人になったからこそ、ミカのやり切れない思いや切なさが理解出来、ユウスケのじんわりとした優しさや思い遣りが心地良く感じられたのだと思います。うすぼんやりな子供時代じゃ、絶対に無理だったハズ。

<オトトイ>の正体が何だったのか、結局、最後までわからないのですが、オトトイは死んでなんかいないんでしょう。
きっとどこかで、哀しい子供のすっぱい涙を受け止めてあげているに違い無いと思います。

続編に、中学生になった2人を描いた『ミカ×ミカ』があります。
(2004.4.27)

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