和洋九段中学校・高等学校


学校説明会 訪問日時:2002年10月19日

地下鉄九段下駅で降りると、土曜日の午後1時すぎでしたので、部活が終わって帰るところだと思える和洋九段の生徒たちが大勢いました。地上に出ると案内の和洋九段の先生がたが立っていらっしゃり、生徒たちは「さようなら」とさわやかにごあいさつしてから階段を降りていきます^.^

きつい中坂をのぼっていく途中にも、何十人もの生徒が歩いています。最近のくせで無意識のうちにその生徒たちの服装をチェックしてしまいます(笑) すると、ただの一人もスカートを短くしたり髪を茶色くしたりしている生徒はいません(@@) みんな制服をきちんと着こなして、清楚なかっこうをしています^.^

最近ではかなり厳しいといわれる学校でも、スカートはともかく髪を染めた生徒はたいてい見かけましたから、それが一人も見つからないというのは驚きでした。また、声高におしゃべりをする子はおらず、道幅いっぱいに広がって歩いている子もいません。見ていてじつにすがすがしい下校風景です^.^

坂をはあふうと上りきったところにある校門はふつうのビルの入り口のようで、うっかりしていると見過ごしてしまいそうです。中に入ると、先生がたばかりでなく、守衛さんもとても感じよくむかえてくださいました。

びっくりしたのは、校舎に入ってすぐのホールで、生徒たちによる管弦楽の生演奏がされていたことです(@@) ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロで8〜9人の編成だったでしょうか。あとでご説明があったのですが、これらの生徒たちは本校のブラスバンド部の部員だそうです。名前こそ「ブラスバンド部」ですが弦楽器が増えており、いずれオーケストラになるのではないかとのことでした^.^

受け付けでパンフレットを渡してくださったのは、英会話の授業担当と思える欧米人の男性だったのもびっくりでした(@@) パンフレットをいただいてじゅうたんの敷かれた廊下を歩き、2階に案内されます。

またまたおどろいたのは、説明会場が講堂ではなく、普通教室であることでした(@@) あとでご説明があったのですけど、本校ではいま講堂のある校舎を取り壊し、立て替え工事をしている真っ最中だからなのでした。

整然とならべられたいすに座って机の上にパンフレットをならべたりしていると、なんだか自分が中学生、高校生だったころにもどったようで、こういう説明会もいいなあ・・・という気もします^.^

定刻になると、黒板のわきに据えられたテレビの画面に、会議室のようすが映し出されました。校長先生は会議室でお話しをなさり、それをテレビで各会場の教室に中継?するという形式がとられるようでした。

豪放磊落という感じの校長先生は、まず校舎改築について簡単にのべられ、つづいて本校の教育方針についてお話をなさいました。

「現代の教育について、いろんな言い方があると思います。何がいいことなのか悪いことなのか、いろんなことが言えます。しかし結果は出ません。教育のしかた、やり方はみなさんいろんなことをおっしゃるが、理論、言葉にすぎません。しかし実際になにを教え、なにをしているのかということになると私自身がわかりません」

白髪、ご年配でらっしゃる校長先生ならではのお言葉だと思います。そして、教育は理論ではなく、実践である。教師は議論や評論をしていてはいけない。「人作りの職人」だという考えで学校を運営していかなければならない・・・とお話しになりました。

つづいて、本校の歴史についてのご説明がありました。本校は105年の歴史を持ちますが、創立当初の明治の始めは日本の女性は和服がふつうであり、「当時は洋服はたいへんなものだった」そうです。洋裁はあこがれのまとであり、日本各地から本校に人が集まり、洋裁を全国に広げていったそうです。

つぎに、本校の公報についてふれられました。本校は「女子校ですので、決してひけらかしません」「実際に行動して実践していれば、結果というものはあらわれてくる」というお考えで、従来、宣伝というものはまったくといっていいほどしてこなかったそうです。

しかしながら、「それじゃ船に乗り遅れるんじゃないか」とのことで、ことしから過去問説明会を行うなど、公報活動を始められたそうでした。ただし、けばけばしく飾り立てることはしないとのことで、「生の目で見ていただいて、正当な評価をおみやげに持ち帰っていただきたい」とのことでした。

確かに本校は、もうすこし公報に力を入れるべき学校ではないかと思います。というのは、中学受験の世界では有名な、記録的なほどの偏差値低下を起こしているからです。8年前の1995年には53あった四谷大塚の偏差値が、ことしはなんと35にまで低下しています(@@)

本校はわたしの母校のご近所さんであることから以前から関心があり、この偏差値低下についてはとても気になっていました。そこで説明会に来る前に、わたしが以前通っていた塾の先生にお聞きしてみました。

現在のように名門校でも2回目試験、3回目試験がある時代には考えにくいことですが、10年以上前には入試が2月3日にある学校というのはたいへん少なかったそうです。そのころ、和洋九段は3日校として確固たる地位を持っていたそうでした。

2月1日に御三家を受ける子が3日は和洋九段という併願パターンもめずらしくなかったそうで、御三家レベルの子たちも受験していたということになります。

ところが、その3日に女子聖学院が2回目試験を設けて参入してきました。女子聖学院は御三家の併願校とはなりえなかったようですが、公報に力を入れ、「花の学園」として売り出してきたところであり、かなりの人気を博したようです。

その成功を見て、ぞくぞくと2月3日に参入してくる学校が増えました。その結果、競合校が増え、和洋九段はいままで安泰であった地位をおびやかされるようになったようです。

そして、偏差値低下の決定打となったのは、3日に押さえで受ける受験生を大量に確保していた時代の感覚のまま、定員をだいぶ越える合格者を出しつづけてきたことにあるのではないかとのことでした。現代でも埼玉や千葉の学校には東京からの「お試し受験」の生徒が大勢いるため、入学辞退者が大量に出ることを見越して定員の数倍の合格者を出すところがありますが、そのような感じでしょうか・・・?

この仮説はあくまでもわたしの恩師の個人的なお考えですので、当たっているかどうかわかりません。ですが、本校は校舎もきれいですし、生徒たちのようすにもまったく問題が見られませんでしたので、こういった競合校の増加とか公報の不足のほかに原因が考えにくいような気もします。

さて、テレビ画面での校長先生のお話がおわり、教室にいらっしゃる先生によるご説明になりました。まず校舎の建て替え工事についてですが、現在、体育館、講堂、温水プールのある校舎を取り壊し、新築がなされているそうです。完成は2年後だそうで、現在小6の子が中2の1学期になるころにバレーコート3面が取れる体育館、6コースある大きな温水プールなどが完成するそうです。その間、入学式などは近所の九段会館を借りて行なうので、心配いらないとのことでした。

つづいて教育過程についてですが、教育方針の中で「進学指導」を第一に置き、国・数・英にかなりの時間をかけているそうでした。特に英語は週5時間の授業のほか、総合学習の時間の1時間を英会話に当てており、実質週6時間あることになります。

また、週6日制は今後も維持され、週34時間の授業時間が確保されます。「中学校に入ったら塾は必要がない」指導体制がとられているそうでした。

また、高1からは特別進学クラスが設けられ、国公立、難関私大を目指す授業が行われるようです。高3ではほとんどが選択授業になり、各科目にすべて演習授業があって、大学受験に対応されているそうでした。

進学状況としては平成13年度の四年制大学進学が76パーセントとのことでした。資料を見ますと、10年前の平成3年度はわずか32パーセントでしたから、飛躍的に向上していることになります。また、指定校推薦枠は80名分あり、50名ぐらいが利用して進学しているようです。

つぎに学校生活ですが、始業時間は8時40分と、やや遅めになっています。「遠い子も多いので」とのご説明でしたが、なにしろ学校がたくさん集中している地域にありますので、混雑を避けるための時差登校的な意味合いもあるのではないかと思います。

食堂はありませんが、購買部でおにぎり、サンドイッチなどを購入することができます。また、部活動については、中学生が80パーセント、高校生が70パーセントほど参加しているそうでした。

教育方針については、進学指導の強化のほか、国際化教育の推進がなされています。具体的には、高1で希望者参加のオーストラリアホームステイ、高2で全員参加の中国への修学旅行があり、それぞれ現地の姉妹校との交流がなされるとのことでした。

こうしたお話がなされている途中で、校長先生が教室にごあいさつに見えました^.^ 会議室からのテレビ中継のあと、それぞれの教室の会場を回られたようで、ご高齢のためぜいぜいと息をあらげてのごあいさつでした。生でお聞きする校長先生のお声にはとても迫力がありました^.^

その後、入試の状況、出願手続などのご説明があったのち、質疑応答の時間がありました(@@) 「なにを聞かれるかわからない」というリスクがあるせいか、現在はたいていの学校では説明会終了後の個別相談という形式をとっており、説明会での質疑応答は、本校ときのう訪問したばかりの香蘭女学院でしか経験したことがありません(@@)

香蘭では800〜900名もの参加者の中でマイクを渡されての質疑応答でしたから、ほんの数名しか質問ができませんでしたが、本校では普通教室で40名程度のなかででしたから、かなり細かな質問などが大量に出てきました^.^

つづいて校舎見学となりました。1会場40名ほどなのに、さらにそれを4グループに分け、10名ほどに先生一人がつくという形式でした^.^

教室の中は板張りですが、通路はどこもじゅうたん敷きです。完成してそれほど年月の経っていない校舎はまだ新しく、ところどころベビーピンクの配色がなされていたりして、女子校らしい柔らかな清潔感に満ちあふれています。

土曜日の午後でしたので授業見学はできませんでしたが、図書室、音楽室、美術室などをたっぷり時間をかけて見せていただくことができました^.^ パソコン室では自由にパソコンを使わせていただけたほか、LL教室では座席についてヘッドホンをつけ、じっさいに体験授業?まで受けることができました^.^

案内の先生も、各教室の先生も、とても親切でたいへん和やかなふんいきの中での見学だったと思います^.^ どことなくこの学校全体にほのぼのとした空気が流れているような気がします^.^

校舎案内は1時間近くにわたり、校長先生のお言葉どおりじっくりと見せていただくことができました^.^ 全体にとても好感度の高い説明会であったと思います。校舎見学がおわって中坂をくだっていきながら、ひさしぶりに後味のいい、おわったあとに気持ち良さの感じられる説明会に出席したなあ・・・という気がしました^.^ わたしはすっかりこの学校のファンになってしまいました^.^

おそらく昔は黙っていても受験生が集まったのでしょうけど、そういう時代ではなくなってしまいましたので、ぜひとも公報に力を入れていただいて、この学校のよさをもっともっと多くの人にわかっていただきたいなあ・・・と思えた学校でした^.^ わたしの生徒にも、ぜひお勧めしたい学校です^.^


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