富士見丘中学校・高等学校


塾対象説明会 2006年11月1日

京王線笹塚駅で下車し、甲州街道を横断して、うっかりすると見落としてしまいそうな細い道の商店街を抜けると、富士見丘には迷うことなくたどりつくことができます。校門から校舎の中まで、数メートル置きに先生が立って案内してらっしゃるのは、セキュリティの面でも安心できることです^.^

本校を訪問するのは3年ぶりですが、廊下に敷き詰められたじゅうたんも、校舎の壁も、少しも汚れていません。まるでぜんぜん使っていないかのようで、このあたりはさすがに女子校らしい清潔さです^.^

説明会場のプレイルームは2人がけの机が用意され、メモなどがとてもとりやすいです。定刻までにほとんどの座席が埋まり、出席者数はかなり多いようでした。

やがて定刻になり、校長先生のお話がありました。はじめに、今の公立の小中学校の状況について触れられました。現在の公立校は、「ほんとうに生徒を大事にしているかわからない状況」ではないかと感じてらっしゃるそうです。というのも、10年ぐらい前までは、公立中学校も、いかによい進路を指導するかに熱心で、中学校の先生対象の学校説明会にも大勢の先生方がいらっしゃったそうです。

ところが、最近では公立校では1クラス40名と、生徒の数が大幅に減っているにもかかわらず(つまり、生徒一人当りにかけられる時間が増えているにもかかわらず)、地域の代表1校の先生がいらっしゃるだけで、あとはその学校の先生が書いたものを読むだけ、という状況になっているそうです。

中には、まったく進路の指導をしていないと思える学校もあり、塾がそのかわりになっている。「塾がなかったら生徒たちは迷子になっている」と感じられることもあるそうでした。

このお話は、高校受験の指導もしているわたしにもうなずける内容でした。たとえば、埼玉県では、公立中学校の先生は進路指導にほとんどノータッチで、埼玉の生徒は私立の学校への単願推薦や併願推薦を自己推薦として、自分で高校に提出しなければならなくなっているようです。わたしの教室は都内ですので、そこまでひどくはありませんが、進路指導のおざなりぶりにがっくりさせられる時も多いです。

たとえば、都立高校第一志望の生徒には、判で押したように「都立1校・私立1校」だけの受験を進められる場合がほとんどです。私立を1校しか受けないとすれば、それは「すべり止め」の学校にせざるをえません。自分の実力よりもかなり低めの学校を選ぶことになります。すると、万一都立に不合格であった場合、その低い学校に進学せざるをえません。

そのたった1校の私立も、わたしに言わせれば「(多くの中3が好む)共学である」ことだけが取り柄で、入り口にくらべて出口の大学進学実績がひどく、年々偏差値が下がっている某校を、おそらく併願推薦が取りやすいという理由だけで毎年毎年勧めてらっしゃったりします。(この某校は、このホームページにエッセイを載せている学校の中には含まれていません。念のため^^;)

万一都立がだめだったときに備え、こちらでは生徒や保護者の方に、滑り止めのほかに「実力適性校」「チャレンジ校」なども受験するようお勧めしています。ですが、調査書を書くのが面倒なのか、「そんなに受けなくてもいい」と学校の先生に反対されることもしばしばです(-.-#

また、数年前、わたしの教室の男子の中3生徒で、こちらの進路指導通り、西武文理・国学院久我山・早稲田大学高等学院・明大中野と私立校を受験し、早稲田大学高等学院以外すべて合格した生徒がいました。この生徒は都立高校も受験するつもりでしたが、担任の先生より、私立のいいところに受かったのだから、都立は受けるな、と指導されました。「お前が受ければ倍率が上がって、その分ほかの生徒が落ちる」というのが理由だったそうです。

ですが、いくら都立高校でも、合格しても抜ける生徒はおり、その分、定員よりも水増しして合格者を出しています。ですから、「その分ほかの生徒が落ちる」というのは詭弁でしょう。その生徒は都立高校受験のために、私立高校には必要のない理社のお勉強も一生懸命してきました。仮に最終的に私立進学を選ぶにしても、難関都立を受けてみたい・・・という気持ちは大切にしてあげてほしかったと思います。

毎年、受験情報誌に「今年も中学受験率が史上最高に!」という見出しが踊りますが、公立中学校のこういった進路指導に失望して・・・ということも原因の一端ではないかと思います。

さて、富士見丘から大幅に話がそれましたが、校長先生のお話も大幅にそれて(笑)、現在大変な騒動になっている、全国の高校での履修不足問題にまでおよびました。必修科目である世界史を履修させずに、大学入試に必要な科目に振り替え、あまつさえ虚偽の報告までしていた学校があったという問題です。

このエッセイを書いている11月1日現在、単位不足で卒業できない恐れのある生徒への対処をどうするかについて文部科学省の結論は出ていないようです。ですが、校長先生のおっしゃる「今の子どもたちに責任を転嫁するのはやめてほしい」というお言葉は、もっともなものであると感じさせられました。

つづいて、本校についてのご説明がありました。本校では、ここ数年、高等学校の入学者減に見まわれています。その理由として、「女子教育をつらぬこうという、わたしどもの考えが古いのかもしれません」と考えてらっしゃるそうでした。

しかしながら、校長先生は、「中等教育は、大人になるための大切な準備期間」と考えてらっしゃいます。「社会性とは大人としての知力であり、学校は、そうしたものをしっかり身につける場」です。また、女性は「子どもを生むというすごい力を持って」います。「女性がいなければ世の中は成り立たない」とも言えます。ですから、男子のいない女子だけの環境での教育にこだわり続けるお考えのようでした。

そのため、「生徒募集のために共学にすることはできない」との信念があり、もし共学にするとすれば、宣言してから10年ぐらいは準備する必要があると考えてらっしゃるそうでした。

今後は「今の世の中に合った女子教育をして、世の中に認めてもらって生徒を増やしていくしかない」という方針で行かれるようです。そのため、説明会終了後に予定されている校内見学では、授業参観もふくめて見ていただきたい。本日はまったくの通常の時間割で行っているので、「素の姿を見ていただきたい」とのことでした。

続いて、本校の進学実績についてのお話がありました。「確かに、進学状況も大事だと思います」。ですが、「それだけじゃないんじゃないか」ともお考えだそうです。というのも、本校では「推薦入試が一つのになってしまっている」からだそうです。

たとえば、偏差値70、平均評定4.9で、「早慶まちがいなし」の生徒が、「成蹊の指定校推薦を受けたい」と言ってくるそうです。本人も保護者も、厳しい受験勉強をするよりは、と考えての決断だそうです。その場合、「女子校は、というよりうちは、断れない」とお考えだそうでした。

わたしの生徒の進学した他校では、本人の意向に関係なく、選抜コースの生徒は指定校推薦を認めない、というところもあります。本校の、学校の進学実績より本人の希望を尊重する方針は、とても良心的なのではないかと思います^.^

「おあずかりした生徒が、自分の夢に合わせて満足できる進学が、ほんとうの進学実績ではないか」というお言葉で、校長先生はお話をしめくくられました。

続いて、教頭先生より「本校の教育の特色」についてお話がありました。本校の中1は、120名入学しましたが、なんとこれを6クラスに分け、1クラスわずか20名という「超少人数編成」が行われています(@@)

入学者数が少なすぎるため、結果的に少人数になってしまう学校は珍しくないです。ですが、120もの入学者がいるのにこれだけの少人数にするのは、とてもぜいたくな感じですばらしいと思いました。1クラス30人にして4クラスでも、十分「少人数」をうたえるはずなのに・・・。

また、本校では英語・数学については、3クラスずつ同時間に授業を行うという「特異な時間割」を組んでいます。先生の割り振りを決める時、1時間ずつずらしたほうが、一人の先生でいくつものクラスを担当できるので有利なはず。ですが、あえてこのような時間割にしているのは、「同時解体授業」を行うためです。

つまり、3クラス60名の生徒を、英・数の時間にはいったんばらばらにして、習熟度別に組み分けるのです。3クラス同時授業ということは人件費が余分にかかりそうで、これまたとてもぜいたくな感じがします。生徒からすれば、ありがたい制度ではないでしょうか・・・?^.^

「同時解体授業」というネーミングがちょっとオシャレではないですが、本校の用語は、「5×2」とか「Will入試」など、今まで非常にわかりにくいものが多かったので、わかりやすさという点では歓迎すべきではないかと思います^.^

高校の授業では、高2から非常に選択科目の数が多いのが特徴です。たとえば、高3では必修はわずか5つ。それに対し、必修選択が11、自由選択が35もあります。「基本的に、自分に必要な科目は子どもに選ばせる」という方針だからです。

選択授業の数が多いため、必然的に自由選択は少人数になります。35の科目のうち8つは10人以下です。全体の平均は、1クラス19.5名にしかならないとのことでした。

また、選択が多いことから「おそろしく選択パターンが増える」ことになります。本校の高3は300名いますが、現在、150種類ものパターンがあるそうでした。「一人一人が、独自に自分の時間割を作るといっても過言ではないと思います」というお言葉も、決して誇張ではないと思いました。

その結果として、本校の卒業生の進路も多岐にわたっています。大学については、なんと295種類もの学科への進学実績があるそうでした。選択科目が多いことが、「進学先の多様性に結びついている。これが、大学の付属校でない学校の強みであると思います」とのお話で、教頭先生のお話は終わりました。

続いて、入学試験についてのご説明がありました。一般入試のほかに、本校には「Will入試」があります。高校入試の方では、おそらく他校の単願推薦にあたるものと思われます。ただし、中学入試では、学校の「内申点」が存在しないので、かんたんな基礎学力考査があります。いわば「第一志望優遇制度」のようなもののようです。

なお、本校の高校には「都立同額負担支援制度」というものがあります。こちらはとてもわかりやすいネーミングです。要するに一種の特待生制度ですが、授業料をゼロにするとかではなく、3年間、都立高校と同額程度の負担にするということです。先日訪問した、都立井草高校の初年度総額が22万円程度でしたから、おそらくこれぐらいになると思われます。ただし、制服、指定バッグ等の代金はどうなるのかはわかりませんでした。たぶん別途かかると思いますが・・・。

この支援制度を受けるには、高校入試で3科目合計250点以上を取ることが条件です。1科目あたり83点以上ですから、ずいぶんハードルが高いような気もします。でも、もし該当者が15名以下の場合は、250点を超えていなくても上位15名までがこの制度を利用できます^.^ ちなみに、この前の入試では214点がボーダーラインだそうでした。

中学から入学する生徒には関係なさそうなお話です。ところが、本校では内部生も高校進学の際、外部生と同じ入試問題を受けることになっています。この前の入試では、1人の内部生が基準を突破し、この制度の恩恵にあずかることになったそうでした^.^

なお、中学入試においては、本校は2科・4科選択制を取っています。はじめに全受験生の算・国の結果だけで、合計85点(42.5%)を越えた受験生を合格とします。続いて4科目受験生の中からだけ、4科合計で42.5%以上の受験生を合格させるというものです。4科受験生有利の方式ですが、実際にはこの前の入試で4科目による救済はわずか3名しか対象がいなかったそうです。ですから、2科受験でもそれほど不利ではないようです。

これで説明会のお話は終わり、いよいよ校舎見学となりました。プレイルームを出ると、途中の通路から体育館が見下ろせます。ダンスらしき授業が行われていました。校内を進むと、新築されてから何年も経っているのに、校内が本当にきれいに保たれていることに感心します。毎日、中高あわせて千人近い生徒が使っているのに、本当にお見事としか言い様がありません。

さて、いよいよ普通教室ですが、以前のエッセイにも書いたように、本校の教室は、廊下側に黒板があり、全生徒が廊下側を向いているという構造になっています。そのため、入り口から中を見ると、全生徒の顔がこちらを向いているので、非常に気まずい感じです(笑)

ですが、どのクラスでも一つも私語がなく、非常に授業態度がいいのには感心しました^.^ もちろん塾の先生の見学があるということは事前に知らさせていたのかも知れませんが、だからといって、見学の時に授業態度がいい学校ばかりとは限りません。悲しいことですが、中には自分の学校の評判を落としたがっているとしか思えないような生徒のいる学校もあるのが現実です。

その点、本校の生徒たちはみんな学校が好きなのでしょうね^.^ 見学があるとわかっているとはいっても、なかなか本校のように全員がきちんと授業を受けている学校はないのではないでしょうか。

唯一にぎやかだったのは理科の実験室でした。ですが、私語によってさわがしいのでなく、全員が実験台に真剣に向かって、やり方を相談したり、感想を言いあったりしていたようでした^.^

説明会が終わって、いままでこの学校を訪問するたびに感じていたのと同じことを、また感じることとなりました。いい学校だと思うのに、何で中学受験の世界ではこんなに知名度が低いのかと。わたしのホームページのアクセス解析を見ても、富士見丘の閲覧数は、ざんねんながらかなり少ない部類に入ります(^^;

原因の一つは、先にも書いたように、「Will入試」とか、「5×2」などのように、説明を聞かないとよくわからない用語が出てくる。なんとなく「わかりにくい学校」と思えるところにもあるのではないかと思いました。

ただ、先生方もそのへんは感じてらっしゃるのか、最近あらわれたものは「同時解体授業」「都立同額負担支援制度」のように、制度の内容がずばりわかるネーミングになっています。もっとわかりやすい学校になって、人気が出るといいなあ・・・と思わされた学校でした。

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塾対象学校説明会 2003年6月26日

京王線笹塚駅から富士見丘へは単純な道のりなので、いくら方向音痴のわたしでも迷う心配はありません。ですが、念のためホームページから地図をダウンロードして印刷して持っていきました。でも、結局その必要はありませんでした。駅から学校まで、何人も案内の先生が立ってらっしゃったからです^.^

れんが色の美しい校舎にそって歩き、りっぱな校門から校舎に入ります。訪問するのはちょうど一年ぶりなのですが、じゅうたん敷きの校舎の中は新築の時のまま美しさは変わらず、どこにも汚れが見られません。どのガラスもぴかぴかに磨かれていることに感心します。生徒たちが新しい校舎を大切に大切に使っていることがしのばれます^.^

昨年のエッセイに書いたことなのですが、富士見丘は高校受験の世界ではかなりメジャーな学校です。これだけ美しい校舎を持ち、学習面でもいろいろとユニークな取り組みを行っているのに、中学受験の世界ではいまひとつ知名度が低いのが惜しいと思えます。

説明会は、昨年と同じく多目的ホールのプレイルームでおこなわれました。高校入試の説明会も兼ねているので、かなりの出席者数です。始めに、校長先生のお話がありました。

本校では3年前に校舎の半分を建て替え、残りの半分が昨年3月に完成しました。校舎について、「生徒たちはたいへん満足」しているそうです^.^

続いてお話は、女子校の苦戦についてのことに及びました。本校は現在中学が3クラス、高校が7クラスの体制です。高校7クラスというと、堂々たる大型校のように思いますが、これでも学則定員は下回っているそうでした(@@)

時代の流れで、特に高校受験の世界では、どうしても女子校は不利なようです。ですが、本校は創立以来63年間、女子教育の重要性を信じてきました。ですから、「男女共学にするとすれば、一度宣言して5〜10年ぐらいかけて、すべて変えていかなければならない」とのことで、共学にするお考えはまったくないようでした。これからも、「本来の女子教育に主眼を置いた教育をしていきたい」とのことです。

本校の教育の特色について何度も強調されていたことは、「経験・体験」を重視することでした。その現れとして、中学1年でディズニーシーに行ってレストランでテーブルマナーの練習をし、夜はホテルマナーや班行動の練習をします。

中学2年では京都の研修旅行、中学3年では海外修学旅行などがあります。それらの体験を通じて、本校の特色のひとつである「淑女教育」が行われているようです。

続いて教頭先生から、本校の教育の特色についてさらにくわしくご説明がありました。本校の教育理念は、孔子の「忠恕」という言葉です。これは、「アイデンティティの確立と他者への思いやり」を意味するそうです。

自分をしっかり持つことこそ思いやりにつながる。これが本校の求める生徒像であるそうでした。このうち他者に対する思いやりについては、「環境教育プログラム」「環境共生合宿」「国際理解教育プログラム」などが組まれています。

また、アイデンティティの確立のためには、多種多様な授業プログラムが組まれています。高校ではのべ82もの選択科目があるほか、「スタディ7」という7時間目の補習・質問の時間、長期休暇中の補講、「5×2」という自由研究、中2、中3での職業体験学習などが用意されています。

また、部活動もとてもさかんで、テニス部がことし全国大会で優勝したそうでした^.^ なお、このテニス部は過去に11回も優勝をとげているそうです。そのほか、ブラスバンド部も、東京都のコンクールで金賞を受賞しています。

その後、卒業生による「学校生活をふり返って」というビデオの上映がありました。会場が暗くされたのですが、実はきょうわたしはひどい夏風邪をひいてしまっていて、熱があったので不覚にもうつらうつらしてしまい、ビデオの内容はほとんど覚えていません(/_;)

つづいて、昨年同様高校3年生の生徒が演壇に上がって、「読書の時間」「スタディ7」「5×2」などの特色ある教育について感想を述べてくれました。最後は「本校は、生徒ひとりひとりの場がある、自己を成長させる場だと思います」という言葉でしめくくられ、会場からは大きな拍手がわき起こりました^.^

続いて校舎見学があるはずだったのですが、説明会が延びてしまったため省略されてしまいました(/_;) やむを得ず校門への道すがら各教室をのぞいてみたのですが、廊下側に黒板があり、廊下から見ると生徒たちが真正面から見れるという特殊な構造の教室です。ですから、私語もなく、とても真剣なまなざしで授業を受けているのがよくわかりました^.^

説明会が終わっての感想ですが、こんどの入試で中3をひとり受験させる可能性が高いので、入試関連のお話がほとんどなかったのがすこし物足りなく感じました。また、いろいろとユニークな取り組みがなされているのに、変わった名称が付けられているため、いまひとつわかりにくいように感じました。

そのせいかどうか、個性的な学校であるにもかかわらず、なんとなく全体の校風というものがはっきりと感じ取れないような気もしました。大学付属校ではないし、バリバリの進学校路線でもない。お嬢さま学校というのともちょっとちがう気がする・・・。

偏差値重視の高校入試とことなり、校風重視で学校選びがされることも多い中学入試の世界では、このへんのつかみ所のなさが、今一つ知名度のあがらない原因かもしれません。進路面談などで富士見丘を知らない保護者のかたにお勧めするとして、「この学校は環境重視で、ISO14001を取得していて・・・」という説明では、なかなか興味を持っていただけそうにないからです。

ですが、すばらしい校舎を持ち、さまざまな特色ある取り組みを続けている本校・・・。ぜひとも、もうすこし中学入試の世界でも注目されてほしいものだなあ・・・と思います。興味のある方は、いちどぜひ校舎を訪問なさってみることをお勧めします。

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塾対象学校説明会 訪問日時:2002年6月25日

京王線の笹塚駅からおりると、ショッピングモールが新装開店になったみたいですごい人通りです。甲州街道を横断すると、新宿からひとつめの駅とは信じられないぐらい細い道の昔ながらの商店街があります。そこを抜けて、ほんの5分ぐらいで富士見丘につくことができました。

中学受験の世界では残念ながらあまり話題になることのない富士見丘ですけど、高校受験の世界では試験日が都内私立の3日目に当たることもあって、併願パターンで重要な位置を占めています。中学受験でいえば、昔の和洋九段みたいな地位といえばいいでしょうか・・・?

そのためか、わたしの通っていた塾の先生は、高校受験の指導では偏差値60なかばぐらいの生徒には、1日目十文字、2日目豊島岡、3日目富士見丘というのを「定食セット」と呼んで勧めてらっしゃいました(^^;; それよりちょっと上の生徒ですと、1日目は中大杉並だったり国学院久我山だったりしますけど、3日目はやっぱり富士見丘でした。

それを見習って、わたしも高校受験では富士見丘をお勧めすることが多いです。同じように考える方が多いのか、2年前の平成12年度の高校入試の資料を見ると、なんと出願1432名、実受験者1234名という堂々たるマンモス入試です(@@) ただ、このところすこし減少ぎみで、ことし平成14年は、出願数が1000名をわずかに割り込んでいます(^^;

中学入試のほうでは高校ほどではないですが、それでも平成14年で応募者416名、実受験者251名を集めているのは、中堅校としては立派なものだと思います。さて、その富士見丘ですが、来年度からはまたぐっと応募者が増えそうです。というのは、すばらしい新校舎が完成したからです。

校門を抜け、アンツーカー?の中庭をとおって玄関ホールから校舎に入ると、廊下はとてもゆったりと幅広く、なんとじゅうたん敷です。どこもかしこもぴかぴかでしみひとつなく、土足で歩くのが申し訳ないほどです(^^;;

その廊下を歩いていくと、左手にはすごく広いコンピュータールームがあり、新品の液晶モニターが林立しています。右手の細長い窓からは、地下のアリーナを見下ろすことができます。ちょうど体育祭の練習の期間とのことで、ポンポンを持った生徒たちが、いっぱいに広がってダンスの練習をしていました^.^

説明会場は「プレイルーム」と呼ばれる多目的ホールでした。ここも新築ぴかぴかで、床は板張りというよりフローリングです。木の香りがいっぱいにただよって、新築のよさを感じさせてくれます^.^

説明会は、富士見丘が取材を受けたというテレビ番組のビデオの上映からはじまりました。新校舎の建築にあたって、環境問題にとりくみ、ISO14001の認定を受けたということでテレビにとりあげられたようでした。

つぎの校長先生のお話しにも再三「環境」のお話しが出てきました。校長先生は、媚びもせず、驕りもせずといった実に堂々となさった力強い口調で、環境問題への取り組みについて熱のはいったお話しをなさいました。

この新校舎では「地球と人類の共生を考える」ということが重視されているそうで、屋上に太陽光、風力発電の設備を備えるほか、雨水を集めてお手洗いの水に使うこと、紙のゴミはすべて回収してリサイクルに回すこと、生ゴミはたい肥にすることなどが行われているそうでした^.^

また、学校は生徒たちが一日のうちで一番長くいる場所ですので、みんなで「おうち」のように考え、自分たちが生活する場所として家のように使えるように、使いやすくお作りになったとのことでした。

特筆すべきは、この立派な新校舎を建てるにあたって、創立以来一度も寄付をいただいたことがないというお話しでした^.^ 都立の半額の経費しかないそうですけれど、長年の設備費をためて建設費となさったそうです^.^ 建材などもアメリカから直輸入するなどして、単価を下げるくふうをなさったようです。

そして、この新校舎は子どもたちがごくふつうの学園生活の中で環境問題について学べる場であってほしいと願ってらっしゃるそうでした^.^

学習面においては、自ら学び考える姿勢を育てたいとのことで、意欲を持った人に入っていただきたいとのことでした。そのため、中高とも「Will入試」というのを行ってらっしゃるそうでした。

Will入試は、高校入試のほうでは一般的な「単願推薦」に当たるもののようです。ですけど、中学入試のものについてはご説明がなかったので、あとで資料を調べてみました。試験日は2月1日です。入試科目は算・国の2科目ですが、試験時間がほかの回とちがって30分と短いです。また、保護者、生徒の面接があります。

平成14年度の入試結果を見ますと、募集人員50名に対して51名が出願、そしてぴったり50名が実受験しています。そのうち合格者が47名ですから、かなりの合格率の高さです。また、合格者のうち44名がじっさいに入学していますから、高校受験の世界でよくある「第一志望優遇制度」のようなもののようです。ですから、富士見丘第一志望のかたは、ぜひご利用なさるべき制度だと思います。

校長先生はそのほか、高校受験の推薦入試における私学の統一試験についても力のはいったお話しをなさり、お話しがおわったとき、塾対象説明会としてはたいへん珍しいことに拍手がわき起こりました^.^

つづいて教頭先生から教育の特色についてのご説明がありました。富士見丘の教育の2本の柱は、孔子の言葉からとられたという「忠恕」と、「自調自学」ということだそうです。思いやりの心のある女性を育てるという目標があり、「もともとそういう目的で作られた学校」であるとのことでした。この思いやりというのは、人に対してであるとともに、まわりの環境に対してでもあるとのことで、環境問題への取り組みとも一貫性があると思いました^.^

また、自調自学については、土曜日に「5×2の日」というユニークな学習日が取り入れられています。もともと勉強というのは疑問から出発するものなので、年度の始めにひとつのテーマを決めさせ、1年間かけて自分の追求したいものを徹底的に研究させるとのことでした。

また、学習については83もの選択講座があるそうでした。そのほか補講も充実しており、夏休みに設置される73講座には、昨年はなんとのべ3000名もの生徒が参加したそうでした(@@)

つづいて進学実績についてのお話しがありました。大学現役進学率は62.1パーセント、短大現役進学率が10.8パーセントとのことで、ここだけが唯一この学校について物足りなく思った点でした(^^;;

というのは、最初に書いた通り、富士見丘は高校入試では上位校の押さえとして受けられることが多く、中大杉並とか豊島岡を受けた生徒も入学してきます。わたしの生徒の話では、中学からの生徒と比較して、学力面では「それはもう、だんぜん高校からの生徒のほうが・・・」とのことで、かなり高学力の子もいるようです(^^;;

そうした高学力の子もいるのに、400名以上の卒業生で国公立4名、慶応2名、早稲田8名、上智1名というのは、すこうしさびしい気がします(^^;; クラスはたくさんあるのに、中学からの生徒と高校からの生徒が高1から「まぜこぜ」だそうですから、そのへんが関係するのかもしれません(^^;;

ただ、新校舎の完成によって応募者増が予想されますから、レベルアップによって、これから大学進学実績も向上していくのではないでしょうか・・・?^.^

つづいて説明会としては珍しいことに、生徒による学校説明がありました(@@) 高3の生徒さんで、読書の時間、スタディセブン、5×2の日などについて説明してくれました^.^ スタディセブンというのは放課後に授業でわからないところを質問できる制度だそうです。先生が時間をあけておいてくださるので、確実に質問ができるとのことでした^.^

また、毎年クラス替えがあるので、多くの友だちと出会えるのがとてもいい点だとのことでした^.^ いっしょうけんめい話してくれたので、おわったとき、先ほどの校長先生の時よりも大きな拍手がわき起こりました^.^

説明会のあと、いよいよ校舎見学がありました。塾対象の説明会ではあまり校舎見学に参加する先生は多くないものですけど、新築の校舎ということと、富士見丘の先生方のたくみな誘導によって、ほぼ全員の塾の先生が見学に参加なさいました。

廊下はどこも幅広く、生徒用のロッカーが置かれていても、まだたっぷりと余裕があります。エレベーター付近や階段などとっても豪華です(@@) まるで一流のホテルのようです(@@) 豪華というと豊島岡の校舎を連想しますが、豊島岡以上のような気がします。こんなすばらしい校舎で学べる生徒たちが、ほんとうにうらやましくなります^.^

普通教室は、めずらしいことに黒板が廊下側に取り付けられている構造でした(@@) ということは、廊下側からのぞくと、生徒の顔が全員こちらを向いているということです(^^;; ですから、あまりじろじろと見るのがはばかられるような感じでした(^^;;

中学生のクラスはすこしにぎやかというか、落ち着きがない感じでした(^^;; ですけど、高校のクラスはどこもしーんとして授業態度はいいです^.^ 跡見のように、高学年になるほどきちんとしてくるのかもしれません^.^

生徒指導はけっこう厳しいと聞いていましたが、極端にスカートを短くしている生徒は発見できず、はでな茶髪の生徒も見かけませんでした。

また、実験室などもぴかぴかで、まるで一回も使ったことがないかのようにきれいに保たれていました^.^ 特別教室はすべてガラス張りで廊下から中が丸見えなんですけど、これは保護者にいつでも来て授業を見ていただきたいということと、なるべく開放感のある学校にしたいからとのことでした^.^

全体に、ほんとにため息が出るようなすてきな校舎でした^.^ これは見学したら、ぜったいに入りたくなってしまうのではないかなあ・・・と思います。わたしの今年の中3の生徒にも、ぜひ勧めてみようと思った学校でした^.^


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