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 人工関節の感染症って?
 人工関節の手術後に、細菌が関節内に増殖したために起こる感染症です。
 人工関節で最も注意を要する合併症で、発生頻度は1%前後(0.5〜3%)あり、
 膝関節は、股関節の約2倍の頻度であるそうです。


 早期感染  遅発感染
 手術中の感染が原因。
 クリーンルームであっても、空気中の細菌が
 手術創内に進入する可能性があります。
 通常は、生体の防御反応があり、
 感染に至るのは、稀なことです。

 術前すでに細菌が存在し、手術侵襲が引き金となって
 感染が引き起こされる場合もあります(静止感染)。

 一般的に手術後3ヶ月以上を経過して発症したもので
 他の感染巣からの血行感染が原因。
 危険因子は?
 関節リウマチ、患側下肢の開放創の存在、
 尿路感染症、糖尿病、ステロイド継続服用者、
 歯科疾患、免疫不全、肥満などです。

 症状は?  ■症状は?
 全身症状として、
 術後38℃以上の発熱が4〜5日以上続く場合や、
 37℃台の微熱が1〜2週間にわたって遷延します。
 
 局所的には、発赤、熱感、腫脹、疼痛があり、
 これらの症状が、術後1週間を過ぎても続きます。
 術後創からの滲出が続く場合もあります。



 膝関節では、熱感や腫脹などの炎症所見の確認は
 容易です。
 股関節は、最初は疼痛や違和感などの自覚症状が
 唯一の症状であることが多いので、注意が必要です。


 RAの人は、術後も疼痛や腫脹を起こすことが
 ありますが、血液検査・関節液の培養等で容易に
 識別できます。


 どんな菌?
 弱毒菌の黄色ブドウ球菌や表皮ブドウ球菌が半数以上を占めていますが、
 MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)やMRSE(メチシリン耐性表皮ブドウ球菌)の頻度が
 増加してきています。

 
※弱毒菌でも、人工関節手術では局所の血流が低下し、患者さんの抵抗性が低下している例が多いので、起炎菌となりえます。

≪黄色ブドウ球菌≫
 この細菌は、食中毒の原因となるだけでなく、
 おでき、にきびや、水虫等に存在する化膿性疾患の
 代表的起因菌です。
 
 健康な人でものどや鼻の中などに高率で検出され、
 動物の皮膚、腸管、ホコリの中など身近にも
 存在しています。
 黄色ブドウ球菌はどこにでもある常在菌で、 
 普通の健康な人は、菌がいても発症しません。
 
≪表皮ブドウ球菌≫
 表皮ブドウ球菌は、人の表皮に常在する細菌です。

≪MRSA≫
 70年代に出現した抗生物質メチシリンに対して
 強い耐性のあるブドウ球菌。
抵抗力ができて、その薬が効かなくなる)
 
 国内では80年代後半から社会問題化してきており、
 接触と空気を通じて感染します。
 
 最近ではメチシリンだけでなく他の抗生物質にも
 耐性を持った多剤耐性の菌がみられます。
 
 免疫力の落ちた患者さんや高齢者の方は、
 死亡するケースがあります。

 手術後は?
 再置換術後、炎症が沈静しても、3ヶ月から数年は抗生物質の内服を続け、再発に注意します。
 (私の場合は、術後6ヶ月間にわたって抗生剤を飲用していました。)
 感染した人工関節の再置換術後の再発率は、7〜27%と報告にばらつきがあり、慎重な経過観察が必要です。

 

【参考文献】
 田村祐昭、川嶌眞人 看護のための最新医学講座 第18巻 運動器疾患 中山書店


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