

その10・危ないホテル (00/02/02 UP)
デパートでPOP書きに目覚め、
調子こいた私はグラフィックデザイナーになることにした。
そんなワケでデザイン学校に通うための資金を貯めるバイト生活に突入するのである。
昼は配膳、夜は居酒屋、たまに短期でデパートの催事場。
隙間を狙い洋服屋へ出勤と、休む間もなく働きまくってみた。
とりわけ、配膳先のホテルのレストランは異常にラクで大変お気に入り。
なにせ入店したお客様をテーブルに案内するだけなんだもん。
だが、問題がひとつ。
女だらけのデパートでのびのび育った私にとって、ホテルの料理人軍団は危険すぎた。
軍団は32才を頭に男だらけで9人。
他にフロアマネージャーとその手下の男が2人。
とにかく男・男・男なのである。
彼らの危険さと言えば
「昨日さあ、また山に女を捨ててきたよ」
というくらい危険なのだ。
状況を説明すると、ここらの女子大は山のてっぺんにある。
そのくせバスの便も悪く、ズル賢い彼らはバス停に車で待機してナンパしまくるのである。
で、そのまま「ドライブ」と称して更に山の奥へ向い、レイプ同然にコトを済まし、
後はそのままそこに女子を置き去るのだ。
初めてこれを聞いたとき、『そんなバカな』と思ったものだが、
奴らはこの調子で「月に28人ゲットしたぜ」などと自慢しあっていた。
こんな人種に「帰りにお茶飲みにいこうぜ」と言われても
そうそう行けないってもんじゃあないッスか。ねえ。
ただ一人、フロアマネージャーの手下Aがまともそうだったので
いつも一緒に賄いを食べていたのだが、
ある日彼が精神病院に通院中ということが判明。
「キレると危ないので近寄るな」
というアドバスを受け、そろりそろりと離れてみた。
それにしても普通の男が一人もいなかったぞ。
どうなってんだ○○ホテル!
ついでに客は
「あなた可愛いわあ。アレにそっくりよ」
などと誉めて私をゴキゲンにさせ、
“アレ”が実は“こけし”だったりして私を失望させた。
私を指差し
「あの人、聖子ちゃんにソックリ」
なんて言っておきながら
「…隣のうちの聖子ちゃんに」
なんていうフェイントまでかましてくれるんだもん。
まったく、どうなってんだ○○ホテル!
とかなんとか言いながら結構気に入っていたりして。
ああ、わが青春の○○ホテル。ってか〜んじ。
そうそう。
後日談として彼らのメンバーの一人が警察に捕まってとうとう新聞に載りました。
ちょっとビックリしたけど当然な気もしてちょっと複雑。
皆さんも人生、マジメにやりましょうね。
ではでは。
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