3.地震予知の可能性 (平成10年11月11日)

地震発生のメカニズム
 地震は地殻変動によってゆっくりと発生する歪を解消しようとする力が一挙に働き発生します。まず第一にプレートの沈み込みに引きずられて地盤が沈下しこの歪が一定の限度を越えると元に戻る力が大地震を引き起こします。これは日本で起こる地震の殆どですが、プレートの境界となる日本海溝が日本列島から約300km離れているので、震源が浅い場合は距離が有るが故に、又日本列島の直下の場合は深さが有るが故に、何れも被害は地震の規模の割に軽くなります。プレート境界は東日本では日本海溝から斜めに日本列島の下に潜り込んでいて、この接触面で地震が頻発します。これを発見者の名を採って和達・ベニオフ帯と呼びます。問題はこのプレートの沈み込みに伴ってプレートから離れた地殻にも歪が蓄積されて、これが破壊されて引っ張り力や圧縮力を生じ地殻が移動し地震となる事です。これはどこでも起こり得るし震源の浅い直下型の場合は大きな被害となります。国内至る所で活断層が見られますが、これは過去にその場所を震源とする地震が発生した証拠です。

プレートの発生と移動、消滅
 日本は世界に稀な火山・地震国です。日本列島は、太平洋、北米、ユーラシア、フィリピン海の各プレートの境界線に位置しており、太平洋プレートの上に東日本が、フィリピン海プレートの上に西日本が乗っかっています。世界最大の太平洋プレートを例にとりますと太平洋東部の海底には中央海嶺系が存在し、ここからプレートが生まれ、両脇に拡大していきます。これが毎年数cmの速度で移動し、このプレートが日本海溝に沈み込みます。これが北米プレートも一緒に引きずり込んで歪が生まれます。これが地震のエネルギーとなります。ハワイ諸島はこのプレート移動で日本列島に近づいています。やがては日本列島の下に消えてしまう事でしょう。
 地図を見るとハワイからアリューシャン列島に沿って海山列が有り、西に位置する程年代が古くなっています。これによってプレートの移動速度が分かります。又インド大陸は南極方面から北上してユーラシア大陸に衝突してヒマラヤ山脈を誕生させました。ヒマラヤ山脈の麓ネパールの標高2、3千mの山地ではアンモナイトの化石が多数産出しますが、これはこの地が中生代(約1億5千万年前)には海底であった事を意味します。又、南米大陸東海岸とアフリカ大陸西海岸の海岸線が奇妙に一致しているのに気付く事でしょう。丁度真ん中の海底には中央海嶺系が存在し、ここからプレートが両側に拡大しています。勿論長年月で隆起、沈下、風化、侵食等の影響で多少は海岸線が変化していますが骨格は保っています。

地震の予知は可能か
 東海地震の予知を目標に観測機器を設置してきましたが、地震予知連の結論は“難しい”との様です。でも近年の地震では必ず事前に電磁波が観測されています。結晶等の固い物質が破壊される時電磁波が出ます。固い岩盤に圧力が加わると電磁波が出ます。これを複数の地点で観測すれば圧力が加わっている場所を特定出来ます。もう少しデータが揃えば地震の前兆としての電磁波か他の原因によるノイズか判定出来る様になるでしょう。

注目すべきロシアでの予知報道
 ここに注目すべきロシアでの予知報道があります。
ロシアで11月迄に阪神震災級の地震も '95- 1-31(火) 日本経済新聞朝刊より
非常事態相が表明
 【モスクワ30日=共同】ロシアのショイグ非常事態相は30日の記者会見で、同省の専門家の見方として、今年2月から11月迄の間にロシアで、阪神大震災級の地震が80%の確率で起きる可能性がある、と述べた。同相は、地震発生の恐れがある具体的な地域名は挙げなかった。タス通信によると、非常事態省内ではカムチャッカ半島やクリール諸島(千島列島)付近で起きる危険性が指摘されているという。

  ※事実、5月28日未明、サハリン(樺太)北部の内陸でM7.5の大地震が発生した。ロシア政府が何を根拠に判断したのかは定かで無いが、注目すべき事実である。
 ロシアは広大な面積があるので毎年どこかで大地震が起こっているだろうと思われる方もおられるでしょうが、ヨーロッパ部分では地震は皆無、アジア部分ではカムチャッカ半島やクリール諸島で時々発生す程度です。

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