茨城県内で富士と呼ばれる山

秀麗優美な富士山は茨城県内からでも遠望できます。筑波山や八溝山の高地はもとより霞ヶ浦の平坦な台地からも見られます。このため富士の見える景観フォトコンテストが開催されており,これらの作品は富士山のさまざまな姿を写し出し,私たちに驚きと感動を与えてくれます。

2004年の年頭に県自然博物館で「富士山展」が開催され,この中に県内各地で撮影された富士の写真や浮世絵「富嶽三十六景常州牛堀」などの作品が展示されました。

私が興味を持ったのは「茨城県内で富士と呼ばれる山」一覧図の掲示です。なんと県内に14の富士山が存在することに驚くと同時に,この14の山々に登ってみようと思いました。先ず,地図で山の存在と登山ルートの有無を確認した。山の位置やコースが不明な点は市町村役場へ照会するとともに登山口などの現地調査もした結果,18山もあることが分かりました。そこで,私は登るに値する山に限定し17山に絞り込みました。最初は花の咲く時期や新緑,紅葉などベストシーズンに行く計画で05年春から着手し,カタクリの花咲く筑波山からスタートしましたが,5山を登るのに2年が経過していました。

精神的にも,病状的にも挫けていたところへ毎日新聞社の記者がお見えになり07年元旦版で「ふるさとの富士特集をやりたい!」と相談を受けました。元旦全面見開き特集で小生も紹介されていることから,ぜひ今年中に登ろうと決意も新たに取り組みました。

17山を登り終え,山行記録をまとめた今は,ノルマを達成した満足感とともに応援してくれた家族,友人,山岳部の皆様への感謝の気持ちでいっぱいです。また,富士山の宝永噴火(1707年〜1708年)から丁度300年という節目の年に間に合いました。どうもありがとうございました。謹んでお礼を申し上げます。

茨城の富士は緑豊かで,山岳信仰や歴史を秘めるなど,それぞれ個性を持っております。とくに推薦ということであれば山頂からの眺望が素晴らしい盛金富士や早瀬に滝音が共鳴する里見富士が印象的でした。生瀬富士は高度感のあるスリリングな登りが楽しめます。

勿論,百名山の筑波山,新百名山に選ばれた男体山はご案内のとおりの自然景観,植物や歴史など傑出したものでありました。

ふるさとの富士は,多くの反響を呼び郷土文芸誌や県岳連機関紙などに取り上げられて茨城の里山を見直す契機ともなりました。今後は,人々の自然志向,健康志向に対応した富士コースが整備され,四季折々に親しめるふるさとの山々に育ってゆくことを願っております。 (燈々無尽)

                 2008年元旦   茨城県庁山岳部 天海敏徳