堅香子一輪 カメラ近づけ筑波富士

月に入り筑波山のカタクリの花祭りが始まった。赤紫色の可憐な花を見たいと思い真壁町羽鳥から植樹祭発祥の地を経て筑波山に登る裏筑波コースを選ぶ。ユースホステル跡地の駐車場に車を止める。ここから木柱で幅広く階段状に整備された遊歩道を歩く。出発してほどなく左足膨ら脛の痙攣がはじまり,同行した長男にザックを預ける。杖を頼りにピョコタン,ピョコタンと苦行を強いられる。休憩を頻繁に取りながら広葉樹の開放感のあるなだらかな尾根を登る。途中カタクリ群落が現れる。開花はまだで鹿の背のような斑点模様の片葉が,埋もれた枯葉の中に広がっている。御幸ヶ原までは50分で到着した。あいにく前線が通過しているため200メートル先までしか眺望がきかない。これもまた自然の山の1コマと思い,乳白色のガスを楽しむ。

 ケーブルカー山頂駅まで来ると丁度,つくばエキスプレスを利用した東京方面からの行楽客がどっと降車する。この賑やかな客層と老朽化した売店の建物,そこで提供されるメニューは,まるでかけ離れた雰囲気で絵にならない。そのうちビアガーデンや高原の焼きたてパン屋などが立地し,スイス風のおしゃれなアルペンカフェに変身して行くことを期待したい。

一服したところで男体山頂をめざす。コンクリート製の急な階段をゆっくり登り20分で御本殿のある山頂に着く。しゃにむに甘夏をほおばり喉の渇きと足の疲れを癒す。

再び御幸ヶ原の鞍部に戻り,女体山の方向に足を進めると南面傾斜地に40アール程度のカタクリ群落が広がる。ちらほら赤紫色に咲いた一輪,一輪を探すことができる。見頃は今月下旬であろう。女体山頂は大きな切り立った輝石斑れい岩塊である。ここからつつじヶ丘や八郷盆地が薄いガスの下に眺められる。下りは山頂直下から野営場を経由して戻ることにする。万葉集に歌われた女の川,男の川の清らかな瀬音を聞きながら帰路に着く。

                                 (天海敏徳)

<コース記録> 4月2日(日)曇り 2名(長男)

裏筑波YH跡駐車場(9:00)御幸ヶ原(9:50)男体山(10:20)女体山(11:00

野営場経由 駐車場着(12:00