松明の 赤い火のぼる 真壁小富士

松明の赤い火が山を登る。五穀豊穣の願いをこめて。毎年830日に真壁小富士(権現山)で行われている「かったて祭り」のクライマックスシーン。「かったて」とは「火を掻きたてる」という意味で祭りの起原は平将門の天慶の乱に由来すると蕎麦屋「山の神」の主人が嬉しそうに語る。真壁小富士は筑波山と加波山を結ぶ稜線の上曽峠付近に位置する。

登山口は沢水の音響き,紅のモミジが美しい五所駒滝神社の境内にある。

私達は少しでも高度を稼ごうと山尾会館まで車で乗りつける。これが失敗の元であった。

篠林や藪を分け入りながら道無き道を尾根筋めがけて登り,悪戦苦闘を強いられた。

どうやら真壁石の採石場跡地の上部を遠巻きにしながら登っている様子で,石工が休憩したと思える青いトタン小屋に着く。朽ち果てた小屋は気味が悪いので素早く通り過ぎる。

赤いテープを巻いた駒滝神社コースと出会った時は「ほっと」した。ここからは赤いテープの巻かれた木々を頼りに尾根を登る。熊笹と巨岩が現れると頂上と思えるピークが3回登場し,未だかと思うと巻かれたテープが黄色に変わると下りはじめる。3bほどの巨岩があったところがピークらしいと戻る。頂上は蕎麦屋の主人が云ったように,何もなく眺望もあまり利かない。時折,木立越しに真壁の集落が展望できる程度である。筑波方面に黒い雲がかかってきたので下山を急ぐ。20分下ると中腹に権現山の小さな祠があり,広場となっている。ここまでが松明で登るコースとなっており,道幅も広く迷うことはない。

五所駒滝神社に出たところが終着である。ここから駐車場まで再度15分登ることになった。ここでミカンやゆで卵,紅茶を飲みながら「急がば回れ」と反省をした。来夏は,お富士権現の夜空に駈け上がる松明の赤い火を見てみたいものである。  (天海敏徳)


<コース記録> 071130日(金)曇り 2名 (小貫)

山尾会館駐車場(13:12) 青トタン小屋(13:50) 駒滝コース出合(14:00

頂上(14:2014:25)  駒滝神社(15:05) 駐車場(15:20