南アルプス深南部の山旅
    高塚山(1,621m),黒法師岳(2,067m)
目 的 三百名山の山へ。
日 時 平成15年10月31日(金)〜11月2日(日)
メンバー 檜山(単独)

記 録
@高塚山は,天竜川の支流の気田川と石切川に挟まれた山域を京丸山塊と呼ばれている。その最高峰が高塚山である。黒法師岳の南に派生した上にあり,山名は昔高塚山南麓に京丸集落があり,その京丸から眺めて高い山という意味から来たという。 

A黒法師岳は,深南部の主峰である。南アルプスの光岳以南の寸又川源流部は深南部と呼ばれている。三角形の立派な山容である。また,頂上には石屋が間違えて彫ったと言われる×字型の珍しい一等三角点標石が埋設されていることで有名な山。

 ○10/31(金) 自宅〜山犬の段登山口 365km

 土浦合庁13:00発── 土浦北IC──(常磐道・首都高・東名)───────清水IC───(静岡市・本川根町・中川根町)── 18:00山犬の段登山口

  午後から休暇を貰って,出発する。お陰で静岡市で食料を買い込み,中川根町から林道に入って,暮れかけた18時過ぎには予定の山犬の段に着いた。大きな休憩施設があり,中にテントを張って(この後朝方まで雨が降ったので,大いに助かった。)待望のビールを開けた。

 ○11/1(土) 起床 5:30 天気:晴れ 山犬の段〜林道ゲート152km
登山口6:45──── 7:05蕎麦粒山───── 7:30五樽沢分岐────7:55三ツ合山分岐──────8:25高塚山8:50────── 9:15三ツ合山分岐9:30─────9:50五樽沢分岐────10:00南赤石林道(途中で引き返す)─────10:20五樽沢分岐─────10:50蕎麦粒山10:55─────11:10山犬の段(登山口)───  (中川根町・春野町・天竜市・龍山村・佐久間町・水窪町)─  水窪ダム───(戸中川東俣林道)───── 17:15林道ゲート(テント)

夜中,屋根を雨が叩いていたので,起きて直ぐに空模様を見る。雨はあがり,天気は上々のよう。車が1台上がってきた。用意をしているうちに数台上がってきたが,この連休には相当数の車で例年混雑するらしく,駐車整理担当のお爺さんたちが既にスタンバイしていた。

青空が見え始めた天気に気持ち良く出発する。蕎麦粒山への登りは快適な山道である。真っ赤に紅葉したモミジが綺麗だ。傾斜もそうきつくはない。予定時間の半分ほどで着いた。山頂は南側が開けており,そこに2000年の設置された風景板があり,山の同定に良い。富士山が大きく見えるはずだが,生憎霞んで見えないのは残念。

蕎麦粒山からは急な下りとなり,高度を下げてゆく。下りきって少しのアップダウンを繰り返す。きれいに整備された歩きやすい道である。木の間から黒法師岳の特徴ある山容が見えた。五樽沢分岐を過ぎて登りに掛かった。少しの登りで三ツ合分岐に着いた。日差しの当たる明るいところで,倒木を利用して休憩用の腰掛けがあった。

ここから一旦原生林の中を何度緩やかに登り返す。先行者の単独行の男の人に会い直ぐに山頂に着いた。広々とした山頂で,周りの原生林で展望は効かない。三角点に腰を下ろして乾杯のビールを開けた。旨い。静かな秋の山頂を独り占めにした。

腰を上げて往路を戻る。三ツ合山分岐で,日差しを受けながら自宅に登頂報告を入れた。林道からの眺めが良いらしいので,五樽沢分岐から南赤石林道に5分ほどで降りた。錦秋の山々を眺めながら林道をゆったり歩いた。前黒法師岳から黒法師岳へ延びる尾根が見えた。林道に降りて正解と思っていたら,工事の音が聞こえてきた。山犬の段の手前で掘削工事をしていた。登山道の数カ所に林道工事のため歩行禁止の張り紙があったのだが,この連休は休みだろうと期待していたのだ。錦秋の景色に逢えたことに満足して五樽沢分岐まで戻ることにした。

 林道からの一気の登りは辛い。その上,蕎麦粒山への登り返しもあり,大汗をかいた。途中で,何組かの登山者に出会ったが,駐車整理のお爺さんからの事前情報の割には思いの外少ない感じがした。
蕎麦粒山では霞んではいるが富士山を確認できて満足した。のんびりと登山口を目指して下った。登山口から振り返ると紅葉に映えた蕎麦粒山が見えた。駐車場には既に20数台数えられたが,例年より大分少ないとお爺さんが言っていた。
紅葉の山に満足して,次なる黒法師岳へ転進することにした。

中川根町から天竜川に出て,上流の水窪町へと北上した。水窪ダムから未舗装の林道に入り,ゲートまで車を走らせた。ゲート前には既に車が6〜7台あった。うまい具合に下山してきた人があり,そのスペースに車を入れてテントを張った。今日の登山の成果に満足し,旨い酒を飲みながら星空を眺めて一人悦に入った。

 ○11/2(日) 起床 5:00 天気:晴れ 林道ゲート〜自宅 435km
ゲート5:40──── 6:45登山口7:05──── 7:55小ガレ────8:45稜線・分岐9:00───── 9:20黒法師岳10:05────── 10:35稜線・分岐───11:00小ガレ────11:45登山口12:00──── 13:05林道ゲート──  (水窪町・佐久間町・龍山村・天竜市・浜北市・浜松市──浜松IC── (東名・首都高・常磐道)─那珂IC─ 22:30自宅

夜中にゲート前で止まる車の音に何度か目覚めた。起きると車は増えて,用意をしている人がいた。テントをたたみ出発の準備をする。

ライトを付けて出発する。登山口(1045m)までは,林道を6K歩いて420m程登る。先行者を抜いて行く。登山者ばかりでなく,釣り客もいるようだ。途中で軽のオートバイに抜かれた。林道は,斜面の崩落で少し荒れたところもあるが,大したことはない。500m刻みで標識が設置されていた。途中の5km付近にテントが二つあった。

6kmの表示の直ぐ先が登山口となっていた。登山口を示す道標が立っていた。運動靴から登山靴に変えて,出発する。
登り始めて直ぐに急登となった。明瞭な尾根道となり,この等高尾根を忠実に辿ることになる。檜の植林や紅葉となった雑木林を抜けて行く。途中で一人抜いて登る。背の高い笹が出てきて,右側が切れた小さなガレ場に出た。対面に「バラ谷山」が大きく見えた。

更に傾斜を増した尾根を辿り,左手にガレた特徴ある釜ナギの頭が見えた。稜線はまだまだ上に見える。ますます傾斜が増して,急登の連続となる。ここからが頑張りどころというものだ。どんどん高度を稼ぎ,痩せた尾根を登る。ようやく気持ちの良い青空が見えてきて,暫くして赤い鉄柱が立つ稜線に出た。辺りは低い笹原が拡がり,日差しを受けての風が気持ち良い。目標の山黒法師岳が間近に大きく黒々と見えた。大休止して息を整えた。

黒法師岳に向かう。笹の中に道を拾いながら,アップダウンを緩やかに繰り返す。右側が大きくガレた所を過ぎると,左  手には冠雪の富士山や南アルプスの山々が見えた。快晴の天気に感謝する。ここから山頂まではほんの僅かであっ  た。山頂直前の所で下ってくる二人の高年登山者と挨拶を交わした。

山頂に着いて,早速噂の×印の三角点を確認した。周囲は樹林に囲まれて展望は効かない。写真を撮り,日差しのあるところにゆっくりと腰を下ろした。いつものようにビールを開けて至福の時を持った。ようやくこれで南アルプスの三百名山の山を登り終えたことに改めて満足感が拡がった。ラーメンを作って腹も満たした。

展望の効く山頂直下まで移動して,山の同定を楽しんだ。事前にカシバードで作図しておいたので,スムーズに同定が出来た。懐かしい大無間岳が大きく黒々と見え,特徴ある笊ヶ岳と池口岳も見えた。もちろん富士山の他今年の夏山合宿で登った聖,上河内,光岳の山々が見えた。そして,北西方面には恵那山が大きく見えた。この大展望に大いに満足して下山に掛かった。

気持ち良い風に吹かれながら,稜線分岐に着き,改めて黒法師岳を眺めて別れを告げた。この下りでは改めて等高尾根の傾斜の強さを再認識した。下る途中で5組12人の登山者に出会った。
林道の歩きでは,この山域の紅葉の素晴らしさに感嘆しながらゆったりとした気分でゲートまで歩いた。


南アルプスの山々                     富士山と大無間山

恵那山                              等高尾根方面