常念岳(2857m)・アサヨ峰(2799m)

目 的 百名山と三百名山の山へ。
日 時 平成17年9月19日(月)〜20日(火)
メンバー 檜山(単独)

記 録

10月号の岳人の記事(皇太子殿下の名文と写真)とNHKの番組の影響で,急遽常念岳に向かった。「田淵行男」の世界に浸りたかったのだ。しかし,21年ぶりの常念に向かったが,残念ながら,その世界はガスの中だった。
そして,アサヨ峰に転進した翌日の登山の結果,三百名山完登まで16山となった。

 ○9/19(月)  那珂町〜常念岳一ノ沢登山口 377km 天気:曇 仙流荘479km
檜山家23:45───(常磐道・首都高・中央道)───── 梓SA(仮眠)────豊科IC─────6:00一ノ沢駐車場6:25────6:40指導所6:50──── 8:35最後の水場─────  9:15主稜線(常念小屋)───── 10:15常念岳10:55─────11:25常念小屋11:40──── 12:00最後の水場──── 12:40烏帽子沢───── 13:30指導所──── 13:45駐車場14:00───(セラヴリゾート泉郷安曇野)14:30──── 豊科IC─  (中央道)── 伊那IC──  17:00仙流荘・駐車場(テント)

稲刈り作業が一日早く御赦免となったので,「田淵行男」の世界を見たくて常念岳に向かったのは,19日に変わろうとする頃だった。高速道は順調。当初は,アサヨ峰を登ってから転進する予定であった(そうすれば祝日のため早朝発のバスがあり,甲斐駒ヶ岳も登れると計画していたのだ。)が,天気が崩れてきており,急遽常念岳を一日目に登ることにし,コースも三俣から一ノ沢に変更することにした。梓SAで仮眠をする。

豊科ICを降りて,堀金村に入ると,朝靄の中にその特徴ある姿が浮かんでいた。指導所前の駐車場近くに止める。連休最後のためか,満杯から少し欠けていたが,それでもたくさんの車があった。指導所までは舗装道路を歩き,15分ほどで到着。入山届けをして,登山道を辿った。

登山道は良く整備されており,沢沿いのルートのため,随所で水が容易に確保出来る。樹林の中を緩やかに登って行く。この間,たくさんの人達が挨拶を交わしながら下ってくる。大きな涸れ沢(烏帽子沢?)に出て,小休止する。ここから,高巻きの道となったが,所々斜面が崩れて細くはなっているが,ルートには梯子や木道が架けられており良く整備されていた。行く手の沢が明るく開け,青空も見える。右手の沢から冷たい水が流れ込み,たくさんの人達が休んでいた。

 休まず先を急ぐ。沢を離れて左手斜面に入る前に「最後の水場」があった。ルートは,急傾斜の道となるが,要所に3つのベンチがあった。昨日までの作業疲れと寝不足のため,ここにきてピッチが上がらない。主稜線まで300mの表示がある第3ベンチで小休止した。ここから僅かの頑張りで常念の一角が見えて,砂礫の混じる主稜線に着いた。赤い常念小屋はすぐ下だった。本来ならここから槍,穂高岳が見えるところであるが,本日は厚い雲の中。田淵行男が愛した世界は何処に?

 頂上に向かう。ルートは砂礫と岩の累々とした道である。風が冷たい。振り返れば,横通岳方面は,信州側だけにガスが湧いていた。頂上には,たくさんの登山者で賑わっていた。蝶からの縦走者も多い。小さな社の前で写真を撮った。槍,穂高岳は厚い雲が隠してその姿は見えなかったのは,かえすがえすも残念であるが,21年ぶりの常念に立ったことで良しとしよう。ビールを開けて,乾杯した。

 田淵行男が愛した風景を共有出来なかったのは山の宿題として,下山に掛かった。本来は常念小屋に入って田淵の写真をぜひ見たかったが,玄関で写真を撮り,もう一度常念岳を再確認して下山した。 
一ノ沢登山口から少し下ったところは別荘地となっており,その一角にある会員制ホテルの温泉に入った。

 気持ちを新たに,284番目の三百名山「アサヨ峰」に登るべく転進した。長野県長谷村営バスの発着場のある広い駐車場には既に40台ほどの車があったが,河原に近い駐車スペースにテントを張ったのは17時過ぎだった。
*セラヴリゾート泉郷安曇野
・会員制のホテル アルカリ性単純温泉(無色透明) 620円


○9/20(火) 天気:曇り 那珂町・自宅840km
仙流荘8:05─────9:00北沢峠(2312m)──  9:10北沢長衛小屋───10:20栗沢山10:30─────11:05アサヨ峰11:25────12:05栗沢山──── 12:35北沢長衛小屋───── 12:45北沢峠13:00─────── 13:50仙流荘14:25─── 14:50さくらの湯(信州高遠)15:20─── (中央道・  首都高・常磐道)──── 21:10那珂町・自宅

8時過ぎ発の一番バスには,登山者,ハイカーなど20数名が乗り込んだ。天気は昨日よりも悪く,谷奥に見える鋸岳には,既に黒い雲が垂れ下がっていた。運転手の名ガイドを聴く。ウメバチソウやフジアザミが咲いていた。バスは深い渓谷(冬山の登山路)を見下ろしながらトラバース気味に登って行く。対岸に圧倒的な迫力で屹立する鋸岳の解説を聞きながら,ギザギザに刻まれた稜線の中に鹿窓が見えた。天海さんとの78年9月の山行を懐かしく思い出した。

北沢峠に着いて,早速北沢長衛小屋に向かって降りて行く。テントが数張りあった。アサヨ峰への登山道は,小屋から橋を渡ったところにある。栗沢山までは,樹林に中の急登であった。ルートは分かり易く迷うところもない。30分ほどで尾根に乗るが,相変わらず傾斜はきつい。ようやく樹林が薄くなり,ハイマツが出てくると,樹林は切れて,大まかな岩の道となった。風が冷たい。ガスの中に,甲斐駒と摩利支天の白い石灰岩の壁が浮かんでいた。岩場を数カ所登ると,栗沢山の頂上であった。小さな道標が立っていた。

  ここからは,ガスが濃くて,行く手のアサヨ峰は見えなかった。ルートは大まかな岩場の中の道となっていた。展望の効く岩稜ルートだ。何度か上下動を繰り返しながら行く。途中でアサヨ峰からの二人の単独者に会う。地図ではアサヨ峰まで1時間30分と記載されているので,呆気なくアサヨ峰に着いたので少し拍子抜けした。写真を撮り,ビールを開けて284番目の頂上に足跡を残した。

村営バスの時刻表を確認すると,北沢峠が1時発となっており,これに間に合うよう下山を急ぐことにした。来た道を栗沢山へと引き返す。途中で単独登山者に会い,ルートを教えた。栗沢山で再度甲斐駒ヶ岳方向を確認したが,何も見えなかった。下る途中で登りに出会った登山者と話をする。夜叉神からの縦走で,北沢峠からバスで戻るという。バスの時間が違うので,先を急ぐ。休まず下って,長衛小屋に降り,北沢峠に登り返した。

バスは,下山する登山者,ハイカーで満席だった。ゆったりした気分を揺られながら駐車場に着いた。
仙流荘の温泉に入ろうと思ったら,本日は定休日という。高遠まで走らせ町営の「さくらの湯」に入った。こぢんまりとしたきれいな温泉だった。満ち足りた気分で帰路に付いた。
*さくらの湯(信州高遠温泉)
・アルカリ性単純温泉(無色透明・少しヌルヌル) 500円
     (檜山 記)