五竜・鹿島槍縦走報告書(副題:中年の夏山合宿)


○ 目標山域   
北アルプス後立山連峰 唐松岳〜五竜岳〜鹿島槍ヶ岳縦走

○ 日  時    2007年 8月11日() 〜 8月12日()

○ 参 加 者  C.L 中野 一正、 長谷川 浩、近藤 慶一、佐藤 信聡


8月11日(土) 晴れ 後 曇り 一時雨

 筑西合同庁舎(前夜 23:00) ==== 長野IC(2:00) ==== (3:10)八方尾根ゴンドラ駐車場:仮眠(7:10)

==== 第1ケルン(7:55) ---- 八方池(8:40) ---- 扇雪渓(9:30) ---- (10:50)唐松山荘(11:10) ----(11:30)唐松岳(12:00) ---- 唐松山荘(12:10) ---- 五竜山荘(14:20)   幕営後 19:00就寝


先週の若人たちの夏山合宿に負けまいと、中野、長谷川、近藤、佐藤の4名の往年のメンバーにより後立山縦走を計画。最初は八方尾根入山で唐松、五竜、遠見尾根下山のルンルン山行の予定であったが、いつのまにか夢は膨らみ、鹿島槍まで縦走してしまおうという、中高年の身の程知らずのハードな計画になってしまった。

 前日の11時に筑西合同庁舎に集合。まだ千kmも走っていない初お披露目のMPV中野号に荷物を積み込み、いざ出発。国道50号線を進み、伊勢崎ICから北関道、上信越道へと乗り継ぎ、長野ICで降りてからは白馬へオリンピック道路をひた走る。午前3時頃には、八方尾根ゴンドラ駅の駐車場に到着し、テントを張って仮眠する。

 ゴンドラの始発時間は午前7時。かなり前から登山客や観光客が並んでいる。荷物を調えて、ゴンドラリフト1本、そしてクワッドリフト2本を乗り継いで第一ケルンに到着する。

 

(八方尾根から白馬三山)          (扇雪渓でシャカシャカを楽しむ)


 青空のもと、白馬三山、五竜岳が素晴らしい。大勢の登山客を縫うように出発する。花はこの時期にしては思いの外多く咲いていて、シモツケソウ、カライトソウのピンク、マツムシソウ、ハクサンシャジンの紫、ニッコウキスゲ、ミヤマオトギリの黄色など、目を楽しませてくれた。八方池からは不帰ノ剣が圧倒的にそびえ、途中の縦走路ではライチョウが顔を出し、扇雪渓では、持参したコンデンスミルクで久々の「シャカシャカ」を作って、暑さで乾いた喉をうるおした。もう、ここまででも夏山の魅力をすべて堪能したようなルンルン気分の登山であった。

 標準コースタイムよりだいぶ早く唐松山荘に到着。向こう側には万年雪をまとった剣・立山連峰が美しい。ここから唐松岳をピストンする。途中、思いがけずピンクのコマクサ群落を見ることができ、歓声をあげる。(中野さんを除く3人は、今までいかに山とご無沙汰だったのでしょうか・・・)

(唐松岳山頂の中高年部員4人)       (五竜山荘テント場でくつろぐ)


 唐松岳山頂はガスの中になってしまったが、扇雪渓の雪で冷やしたビール・缶チューハイで乾杯。

 山荘に戻り、再び荷をかついで縦走路を南下する。さすがに八方尾根とは違い、道は細く、大黒岳あたりまでは鎖場も多い。最低鞍部からは、尾根道をたんたんと登って白岳へと向かう。午後から不安定な天気となっているようでガスが濃くなってきた。

午後2時、五竜山荘着。テント場は小屋の前だが、急な斜面にあるため、狭くしかも傾斜している。既に多くのテントが張られているが、何とかスペースを探し幕営する。テントの外での豪華おつまみと夕食で宴が始まった。ビールは小屋で買うとロング缶800円だが、お酒大好きの中高年は金に糸目は付けないもの。下界の3倍もするビールで今宵も乾杯。

 それでも翌日のハードな行動が控えている(この時点でも本当に行くのかどうか半信半疑)ため、早めの19時に就寝。


8月12日(日) 快晴

 五竜山荘(4:10) ---- (4:55)五竜岳山頂(5:15) ---- 北尾根の頭(6:55) ---- (8:10)キレット小屋(8:20) ---- 鹿島槍北峰(9:50) ---- (10:30)鹿島槍南峰(11:00) ---- (12:05)冷池山荘(12:20) ----高千穂平(13:30) ---- 西股出合(14:50) ---- (15:40)大谷原(16:20) ==== (17:00)薬師の湯 ==== 長野IC ==== 筑西合同庁舎(22:40)  解散

 
 合宿でもなかなかない2時半起床。外は満点の星空。今日は、遠見尾根から下山し車を回してくれる近藤を除く3人で、五竜岳、鹿島槍を越えて赤岩尾根を降りる超ロングコース(コースタイム14時間)
に挑むことにする。きのうまでのルンルン登山が、今日は死の行軍となりそうである。

体力的に自信がないと言っていながら行く気は満々の中野はともかく、足に痛みが残るという長谷川、岩稜の下りに不安を訴える佐藤は、遠見尾根を下りたい気分だったが、このまま帰れば中高年部員の沽券に関わるとばかり決心することにした。

 まだ暗い4時過ぎ、ヘッドランプをたよりに五竜岳への稜線の道を歩き出す。先行している小屋泊まりの登山者をぐんぐん抜いて、岩場や鎖場を越え、日の出前には五竜岳山頂に立つことができた。頂上から見る荘厳な御来光、モルゲンロートに輝く北アルプスの峰々。実に素晴らしい朝である。
 この時点で足がけいれんしてしまった長谷川は近藤とともに遠見尾根に回ることになり、中野、佐藤の2人で鹿島槍に向かうこととする。共同装備は遠見尾根組に分担してもらったために、ザックは軽い。

五竜岳の下りは、最初は歩きやすい道だが、すぐに急になり、浮石の多いガレ場や鎖場、ハシゴが現れてくる。G1〜G5といくつかの小ピークの登下降もあり、なかなか時間がかかる。赤抜の岩場を越えるとキレット方面からの登山者ともすれ違うようになる。

縦走路上の北尾根の頭は、絶好の休憩地、展望地で、だんだん近づいてくる鹿島槍が素晴らしい。剣岳もますます格好良くなってきて楽しい縦走である。ここからはしばらくは道は歩きやすくなる。

(五竜岳からの荘厳な御来光)        (五竜岳頂上:朝日を浴びて)


急な鎖場をトラバースすると、狭い乗越に小屋がちょこんと乗っかった八峰キレットである。ここで山頂ビールを確保してから、鎖場とハシゴの連続する急斜面を登り、鹿島槍へ向かう。途中からは傾斜斜も落ちてやや歩きやすくなるが、長い登りである。それでも標準コースタイム2時間半は見過ぎで、我々は休憩なしの1時間20分で吊尾根に登りあげた。(急がないと下り着かないので・・)

 吊尾根の雪田でビールを冷やしてから、空身で北峰を往復。そして鹿島槍ヶ岳南峰には10時半に着いた。ほぼ予定どおりの時間である。広い山頂には登山者が多く賑やかだった。依然、雲ひとつない快晴で、剣岳が大きい。また、振り返り見る五竜岳も遠くはなったが、自己主張する山容は雄大である。雪でギンギンに冷やした缶ビールで乾杯。目の前に広がる北アルプスの大パノラマを前に、しばし疲れを忘れて見とれていた。

   (縦走路からの鹿島槍ヶ岳)             (鹿島槍ヶ岳南峰頂上)
 
(鹿島槍ヶ岳からの剣岳)              (鹿島槍を下る)


 つい30分も長居をしてしまい、先を急ぐことにする。下りは比較的緩い尾根道で歩みが進む。布引岳を越え、冷池山荘に着いたのは正午を少し回っていた。(通常はここまでが1日の行動ペースである)暑い上に足も疲れてきて、そろそろ辛くなってきた。

 爺ケ岳方面に少し登り返してから、赤岩尾根への分岐となる。最初に斜面をトラバースした後、鎖場や簡単なハシゴが現れる。その後はぐんぐん下る急坂でひざが痛くなる。おまけにバランスの悪い佐藤が苦手とする木製傾斜ハシゴ(階段?)も連続して現われ、ペースも落ちてきた。いつも積雪期しか利用しない赤岩尾根の無雪期の姿だが、こんなところ真夏に登ったらさぞかし大変だろうと思う。


 いい加減に飽きた頃、ようやく沢音が聞こえ、下の砂防ダムが見えてくれば西股出合も近い。堰堤のトンネルを抜け、長い林道歩きを経て、足が棒のようになってきた頃、大谷原の駐車場に着いた。午後3時40分、朝、五竜山荘を出発してから約11時間半の行動である。
 足を投げ出して休憩していると、先に下山した長谷川、近藤が中野車で迎えに来た。手には冷えたビールのロング缶がぶら下がっている。思わぬ差し入れに感謝感謝! おまけに飲んでしまったおかげで帰りの運転までお願いすることになってしまった・・。申し訳ございませんでした。

 薬師の湯で汗を流し、長野市内で食事をして、行きと同じく上信越道を経由して帰路に着く。途中、大きな渋滞もなく、午後10時40分には筑西合同庁舎に到着して解散した。

(遠見尾根下山組) 五竜岳頂上(5:40) ---- (6:30)五竜山荘(8:40) ---- 小遠見山(11:35) ---- (12:15)テレキャビン====(16:10)大谷原(中野、佐藤回収)

 五竜岳の下りは、すれ違いが多く時間がかかる。テント撤収後、遠見尾根へ下るが入山するパーティーは少ない。鹿島槍、五竜を眺めながらの下山、西遠見山付近に池塘が有りアクセントをつける。灌木の中の下り道で小さな登りがいくつも続いた後、鹿島槍の雪渓が見える。小遠見山(2007m)は、白馬から鹿島槍、雨飾、八ヶ岳など、360度の展望が楽しめるためか、アルプス平からのハイカーで賑わう。

 テレキャビンで下山後、八方尾根の車を回収し、大谷原へ向かう。

【感想】

 1泊2日のタイトな日程の中で、夏山の魅力満載の実に中身の濃い楽しい山行であった。今回のポイントは、八方尾根のお花畑、白馬三山の大展望、シャカシャカ、雷鳥、コマクサ群落、御来光、モルゲンロート、岩稜と鎖場、ハシゴの変化に富んだ縦走、頂上での冷えたビールの乾杯、そして何よりも気のおけない仲間達との夜の宴・・・。
中高年部員の皆さん、若い連中に負けず、今後も長く山に登りたいですね。これからもよろしくお願いします。

最後に、今回の山行で出会った花たちの名前をあげて報告を終わりたいと思います。
(ピンク)
 シモツケソウ、カライトソウ、コマクサ、ハクサンフウロ、タカネナデシコ、ショウジョウバカマ、イワカガミ、ヨツバシオガマ、ツリフネソウ

(白)
 ハクサンイチゲ、チングルマ、ウメバチソウ、イワシモツケ、ゴゼンタチバナ、キヌガサソウ、イワイチョウ、ヤマハハコ、イワツメクサ、トモエソウ、アオノツガザクラ、トウヤクリンドウ、ダイモンジソウ、ハクサンシャクナゲ、イワオウギ、ナナカマド

(黄色)
 ミヤマキンバイ、ミヤマキンポウゲ、ウサギギク、シナノキンバイ、イワオトギリ、ミヤマダイコンソウ、イワベンケイ、ミヤマアキノキリンソウ、キンコウカ、キツリフネ

(朱色) 
 クルマユリ、ニッコウキスゲ

(紫) 
 ハクサンシャジン、タカネマツムシソウ、イワギキョウ、ミヤマアズマギク、タテヤマウツボグサ、タテヤマリンドウ  
              (記録:NOBU)