甲斐駒ヶ岳(2,966m

2.目 的    黒戸尾根からの甲斐駒ヶ岳

3.日 時    平成19年4月29日(日)〜30日(月)

4.メンバー 檜山 隆、渡邊一雄

5.記 録    那珂市〜竹宇駒ヶ岳神社 往復約600km

甲 斐駒ヶ岳への登路である「黒戸尾根」は,山頂から北東に延びる尾根で,北杜市白州町の2つの登山口(竹宇,横手両駒ヶ岳神社)からの標高差は約2, 200m。日本最大級の登りだ。かつてはメインの登山道であったが,苦しい登りを嫌って最近は登山者が少ない。登山道沿いには信仰の山らしさを伝える 石造物がいたるところにあり、歴史ある表参道の道だ。そして、苦労して越えた七合目には、七丈の小屋が温かく迎えてくれる。この小屋の存在がたまらな く良いのだ。

今回の山行は、悪天のため八合目下で敗退した今年2月山行のリベンジである。

○4月28日〜29日  天気=晴れ  就寝19:30
那珂市20:30   那珂IC   (常磐道・首都高・中央道)   須玉IC  12:00駐車場(800m)5:50  竹宇駒ヶ岳神社6:00   7:40分岐(横手)   9:15刃渡り  9:45刀利天狗10:00   10:50五合目避難小屋11:05   12:20垂直梯子   12:45七丈小屋(2,380m)

前夜早く出発しテントでの仮眠を取ることにした。参加予定の菅谷が急遽仕事でキャンセルとなったのは、本人にとっても至極残念そうであった。

 登山口の竹宇駒ヶ岳神社を目指す。この時間,首都高,中央道とも順調な流れ。丁度0時に到着し、予定通り入山祝いをして仮眠を取った。既に車が7〜8台駐車されていた。

 竹宇神社までは僅かで着き,前回2月同様に安全登山を祈念して尾白川の橋を渡ってから本格的な登山が始まった。尾白渓谷への分岐を過ぎて、段々と高度 を上げてゆく。やがて深く抉られた道となり、そこにはたくさんの落ち葉が溜まって、カサカサと音をたてて登って行く。北側の急斜面に出ると、前回2月には 所々に雪が出てきたが、今回は雪線は大分上に移動していた。(このため、本格的な雪が出てくるまでジョギングシューズで登ることにした。)途中で一度少休止を取った。

尾根筋を忠実に辿る
と、横手への分岐に出た。この分岐付近が「笹ノ平」である。少し登ると、見覚えのある立派な金属製の道標出た。ここから道はひと登りすると平らな尾根に出て、八丁坂の登りが始まった。(今回も登っているときは、それほどの傾斜を感じなかったが、下りの時に改めて長い斜面を実感した。)ひと登りして少し平らになり、またひと登りして傾斜が緩むという不連続な登りが続く。この辺りから雪が出てきた。(前日の水戸での雨はここでは雪となっていたらしい。)狭い稜線となり、樹林が切れて刃渡りの岩場に出た。雪が2月よりも付いている。ここからは鳳凰三山、特徴あるオベリスクが見えた。所々に出てくる急傾斜に掛けられた鎖やザイルが有り難い。雪はそれほど深くはない。

 一群の石像物のある刀利天狗に着き、ここで登山靴に履き替えてアイゼンを着用した。ここで降りてきた単独登山者に出会った。聞くと、朝方出て、頂上ピストンの予定だったが、雪が多くて五合目で引き返してきたという。

 ここからは黒戸山をトラバース気味に登って行く。これが相変わらず長いのだ。漸く登りが下りのトラバースとなって、黒戸山を越えて朽ちかけた避難小屋の建つ五合目鞍部に出た。目の前には大きく盛り上がった黒戸尾根の特徴となるコブが見える。

 一旦鞍部の底まで下り、器用に壁に付けられた梯子を登り出す。前回の経験からか淡々と登るが、初見参の渡邊はどうだったのだろうか。傾斜の強い難所には必ず梯子や鎖、ザイルが付けられているのが心強い。2つ目のコブを登る。このコブの途中が最難所で、ほぼ垂直の梯子(5〜6m)とカンテ状の岩(3m)がある。3つ目のコブは少しの登りで左が切れたトラバースとなり、やがて七丈小屋の屋根が見えた。今日の長い登りから解放されたことに一安心して握手した。

 小屋に入ると別天地。ストーブが焚かれて(一日中焚いている。)暖かい。前回同様の場所を確保してビールで乾杯した。長かった登りの苦しさからの解放感で今回も旨かった。シェフ渡邊の料理に舌鼓を打ち至福のときを持った。もちろん量り売りのワインも頂いた。(コップ一杯300)

本日の小屋泊まりは、我々を入れて2月の同じ8人である。管理人は、綺麗に髪を刈り上げているので一瞬見間違えてしまった。(所有者の北杜市から指定管理者となって経営して12年目という。この管理人のキャラクターも、この小屋が好きになった理由の一つだ。)

小屋には本日登ってきた2人組がおり、雪が腐った下り斜面で10m程滑落したらしい。フィックスの必要性を言っていた。管理人もその箇所(大きな岩を右に回り込んで30m程の急斜面となっている)に掛けるよう先行するパーティーに6mm×30mロープ2本をテントの3人組(後で古河市の山岳会と判った。)に預けていた。

明日の天気を期待して床に就いた。相変わらずストーブで暑かった。

○4月30日() 起床:4:30  天気:快晴 
丈小屋5:45  6:35八合目ピーク6:40  7:35直下のピーク  7:40甲斐駒山頂8:15  8:45八合目  9:05七丈小屋9:30  9:05七丈小屋9:30   9:05七丈小屋9:30   10:00五合目小屋10:15  10:45刀利天狗  11:15刃渡り  12:05横手分岐  13:10竹宇駒ヶ岳神社  駐車場13:25  尾白の湯14:20  須玉IC  (中央道・首都高・常磐道)  20:30那珂市

夜中2時に起きてみると、空は満天の星。そこに登り着く2人組があった。聞くと、21時過ぎに駐車場を出て、1時間ほど休んで「Aフランケ」を登るという。その頑張りに脱帽する。頼もしい若者がいることにちよっと嬉しくなった。

 予定の4時3分に起床し、ラーメンを腹に入れて出発する。小屋の裏手から登る。テント組は先行していた。前回の八合目下を過ぎて、トレースを辿る。八合目ピークで先行組に合流。古河の山岳会と話を交わした。天気は最高で風もなく穏やかな晴天である。360度の眺望だ。単独者に続いて出発した。

  瘠せ尾根を辿りると、大きな岩場に出て、そこを右に回り込んで登る。少しに登って急斜面の登りとなるが、ハイマツまでの斜面は滑落したら奈落の底である。 ここがフィックスを付ける所だ。単独者の背中を追って登る。上からカリカリの急斜面を二人の若い登山者が変な恰好で降りてくる。見ると、アイゼンもピッケ ルもなく、切った枝を杖代わりにしていた。呆れて物も言えない。緊張しましたと言うが、当たり前だ。自殺行為そのものだ。慎重に下るよう言って別れた。(後で小屋の管理人には、怒られたらしい)急斜面を登り切ると、石像物や道標の建つピークに着いた。北岳が輝いていた。ここから頂上までは直ぐであった。

 頂上からは、見飽きることのない展望が拡がっていた。単独者と話を交わしながら至福のときを堪能した。後ろ髪を引かれる思いで下山に掛かった。

 急斜面の下で小屋で同宿だった若い登山者と会った。その下で会った古河市の山岳会パーティーにフィックスのお礼を言い、少し話を交わして別れた。(フィックスはしっかりと付けられていた。)呆気ないほどの時間で小屋に着いたら、無謀な2人組がいた。管理人にちょっとしたら5月にも来るかもと言って下山に掛かった。

 2人組と相前後して下山した。5合目には同宿した3人組がいた。八合目で断念したという。(雪山が初めての人がいたらしいが、良く登ったものだ。)

 駒神社に登頂の御礼を述べて、駐車場から少し下った所にある「尾白の湯」に入り、2日間の汗を流した。中央道で事故渋滞や小仏トンネルでの恒例の渋滞に巻き込まれながら、念願の黒戸尾根を完走出来たのは嬉しかった。


 *甲斐駒ヶ岳温泉「尾白の湯」 06年4月29日にオープンした公営温泉施設   泉質 ナトリウム塩化物強塩泉  700円  定休日 火曜日 

営業時間 10時〜21時
「八ヶ岳湯殿」からは目の前に八ヶ岳が拡がっています。

                                 記録:檜山