06年春山合宿:北アルプス・白馬三山(BC:猿倉台地)

日 時  平成18年5月2日
()〜6日()

参加者(11名)

 CL北條友由 SL檜山 隆  SL渡邊一雄 水越健夫 舞木善郎 加藤智司  関谷銃造 矢田和寛 西村優子 興津正一  菅谷龍雄


行動概要

5/2(火)〜3()    天気:晴れ

  県立中央病院20:15===筑西合同庁舎21:10===伊勢崎IC=== (北関道・関越・上信越道)===長野IC=== (オリンピック道路)===2:00八方スキー場第5駐車場(仮眠)6:45=== (タクシー)===7:05猿倉荘7:25===8:30猿倉台地BC9:25===10:15小日向コル10:50===12:05樺平手前12:40〜〜〜13:10BC着

  *マイクロ・タクシー料金(猿倉荘〜八方スキー場第5駐車場)

  行:3740円+2890円=6630円  帰:3820円+3070円=6890

 大型連休前日の割には高速道も、スムーズに走れた。予定の時間には八方スキー場の第5駐車場に着き、軽くビールで入山祝いをしてから仮眠した。

  翌朝、目の前には白く輝く白馬三山が拡がっていた。天気はまさに上々である。予約のマイクロとタクシーで猿倉荘に向かった。例年より雪がかなり多く、車道沿いは雪の壁となっており、ミズバショウやカタクリは雪の下だった。猿倉荘には夜進入した車が10数台あった。アスファルトは凍っていて危ない。

 準備をして出発する。荷物がえらく重い。猿倉荘からのひと登りが辛かった。一回の休みでBC予定地に着いた。白馬三山と小蓮華岳が一望できるベストロケーションなBCだった。

  BC設営後、樺平を目指す。小日向のコルへの登りにジグを切って行く。降りてきた空身の三人の話では、NHKが明大山岳部の新人訓練を撮る予定でコルBCを張るためのボッカという。コルには既にテントが数張りあった。懐かしき鑓温泉は、黒く長い亀裂となっていた。振り返れば、妙高、高妻が見えた。コルの上までスキーで登り、直ぐに狭い雪稜となってスキーを担いだ。樺平の最後の登り手前で今日の行動は時間切れとなった。

  滑降の用意をしているうちに、歩行隊はどんどん下っていった。滑る地点を何度か検討し、結局は長走沢を目がけて滑り込むことになった。一番手は当然果敢な滑りの水越だ。「ノープログレム」の声を聞いて、次々と大胆かつ豪快に滑り出す。斜度といい雪質といい「最高」の声が挙がった。わずか10数分の至福の時間を経て、歩行隊のいるコル直下に滑り降りた。大満足の滑降だった。

  天気は上々。時間はたっぷり。いつもの雪のテーブルを関谷工務店が施工し、入山祝いが始まった。この祝宴で、記憶喪失者が数人でたらしい。()新品のテントにはその痕が‥‥‥。


5/4(木)起床:3:45
    天気:晴れ       就寝:20:00

○ スキー隊5/4

  BC5:40−−−杓子岳頂上11:00−−−白馬岳頂上13:15〜〜〜13:50大雪渓上部〜〜〜14:20中間部〜〜〜15:30BC

 先輩の声に起こされた。5時前には明るくなった。今日は、全員で双子尾根から杓子岳・白馬岳へ。歩行隊は小日向のコルを目指す。スキー隊は、沢を詰めてコルの上の稜線を目指す。それぞれ思い思いのルートを登るが、いずれも傾斜がきつく、途中でスキーを担ぐことになった。それにしても興津はアイゼンなしのスキーを手に持ってよっつんばい登山スタイルで実に早い。(後で聞いたら、恐怖のあまり早く難場から逃れたいとの一心で登ったという。)この作戦の効果は体力の消耗が激しく、スキー隊はこの後の登りには精彩を欠いてしまった。

  平には、テントが3張りあった。そして特徴ある樺の大木が孤高を保っていた。ここから雪面を登ってJPへの雪稜に着いた。杓子岳東面の岩場を正面に見据えたこの地藤枝先輩の慰霊碑があるのだ。しかし、今年は雪が多くて残念ながらレリーフが見つけられなかった。(加藤、舞木、檜山の三人で、線香を手向けて「安全登山」を誓った。)

  JPへの登りは通常の尾根ルートではなく、雪壁に付けられたルートをひたすら登る。雪面からの輻射熱で、顔が熱い。ようやくJPに着く。ここから狭い雪稜が杓子の頂まで緩やかに上がっていた。今年はやはり雪が多いのだろう。通常はここから少し登ると砂礫混じりの夏道を辿って行くのだが、頂上まで雪稜が続いていた。富山側からの風を受けて、ようやく仲間の待つ頂上に立った。

  眺望は良く、剣の鋭鋒とそこから北方稜線の先に毛勝三山がドッシリとその存在感を誇示していた。全員()で記念写真を撮って、白馬岳を目指した。

 一旦高度を大きく下げてから、頂上小屋目指して登り返すのだ。縦走路には、たくさんの登山者が行き交っていた。エネルギー切れ寸前のところで、ようやく頂上小屋に着いた。大休止したのち、北條、西村を除いてそれぞれのペースで白馬岳を目指す。 碧の空の下、コンクリートの道標のある頂上に着いた。仲間との握手が嬉しい。早速主稜を覗く。ルートはバケツ状で、たくさんのパーティーが登ってくるのが見えた。(明日、舞木と二人で登る予定だったが、本日の体力の消耗度を考慮して早々に変節していた。)登り甲斐のあるルートだ。

 頂上小屋に戻り、滑走の準備をする。歩行隊の傍をすり抜けて滑る。右に左に良質の雪面を求めて滑っていく。時間が時間だけに雪が重く、滑るのも辛いものだ。途中からトラバースをして、テントのある猿倉台地に着いた。テントには、関谷の黒い笑顔があった。

  歩行隊も加藤を先頭に次々と到着した。テントの中での炊事が始まり、本日の登山行動への満足感がテントの中に拡がった。

○ 歩行隊
 BC出発5:40−−−6:50小日向のコル−−−7:50カンバ平−−−8:35レ リーフ8:55−−−ジャンクションピーク経由−−−10:30杓子山頂11:00−−−13:20白馬山頂13:40−−−大雪渓経由−−−16:30BC

 前日と同じ双子尾根ルートを登った。早朝は雪が程よく締まっており、快適な登りとなった。速いペースで前日のUターン地点を通過し、レリーフのある地点へと到着した。
 ここからはジャンクションピーク経由で杓子岳山頂へ向け急斜面の登りとなった。渡辺歩行隊長が先行して登っていく。慣れない雪山の急斜面であったので緊張したが、途中途中で、渡辺さん・舞木さんから歩き方・ピッケルの使い方・アイゼンの効かせ方などアドバイスがあり、若手3人もスリップすることなく無事通過することができた。

GW中快晴の予報だったためか登山客が多く、登山道には絶えず人がいて、道を譲り合う場面も多々あった。

最後の急斜面を登りきると、山頂には素晴らしい展望が待っていた。立山連峰、剣岳、反対には妙高・火打岳を見ることができた。ここまで、自分は結構緊張して登って来たせいか、杓子岳山頂についたときは嬉しくて、舞木さん達と握手する手にも思わず力が入ってしまった。

スキー隊の到着を待ち、記念撮影をした後白馬岳へと向かった。稜線上のルートはなだらかで雪も少なく、快適に歩くことができた。白馬山荘で個人的に山頂用のコーラを仕入れ、残りの道を急いだ。

白馬山頂は風が強かったが相変わらずの好天であった。白馬山へは、主稜ルートからも続々と登山者が登ってきていた。ほとんどガケのようなところから続々と登ってくる。猿倉から7〜9時間ほどかかるとのこと。

 山頂からは大雪渓経由の下りとなった。下り始めの頃は傾斜があり、斜面を滑りながら気持ちよく下ることができたが、傾斜が緩くなり始めると膝上まで潜る雪となり、つらい下りになってしまった。スキー班は潜ることもなくスイスイと行ってしまうのを見ると、山スキーをうらやましく思ってしまう。ズブズブの雪渓を抜けるとようやく平坦な歩きとなった。

大雪渓歩きの後、西村さんが体調不良(二日酔い?)のため少し遅れてしまったが、スキー班から遅れること1時間、最後の坂を登りきり全員で無事到着することができた。


5/5
()
起床:3:00          天気:晴れ 強風
○ 北條・檜山・興津
    BC5:05−−−6:05小日向コル6:25−−−6:50杓子沢 (引き返す)7:10−−−7:45小日向コル〜〜〜 (スキー滑降3回)〜〜〜12:05BC

○ 水越
  杓子沢7:10−−−鑓温泉8:15−−−11:00白馬鑓ケ岳11:20〜〜〜12:20杓子沢12:30−−−小日向コル13:15〜〜〜BC13:40

 朝起きると、気温が高く、テント周りの雪はグズグズで、風がいやに生暖かい。 本日の行動は、歩行隊は小蓮華尾根の踏査、スキー隊は小日向コルを越えて鑓温泉へ。BCで互いの健闘を祝して別れた。三度目の小日向コルへの登りは、スムーズに行く。コルから鑓温泉に向けて杓子沢へ滑り込む。ただ、高度を下げないようにトラバース気味に行く。コルで杓子沢横断箇所を事前に見当を付けていたところまで下ったが、崖となっていて、もっと高度を下げる羽目になった。

 杓子沢は、最近雪崩れたばかりの白いデブリが大きくうねっていた。それは、沢上部から二股方面まで抉られていた。このデブリの凄さは圧巻だ。この時点で、雪崩の危険回避のため、水越を除いて中止とした。(水越は、単独で鑓温泉まで行くという。行動時間と慎重行動を約して、CLの許可が降りた。)

  水越を見送ってから、コルに引き返す。1時間弱でコルに戻り、鑓温泉方面を見ると、米粒ほどの点となって水越が登っていた。結構速いペースだ。我々は、どこを滑るか。とりあえずコルから尾根を辿り、興津が登ってきた沢を滑り込むことにした。

滑り出しは急である。興津インストラクターが先行し、素晴らしいスピードとターンであっという間に沢の下部へ。続いて檜山、北條が。適度な傾斜と雪面に感動した。それぞれ満足した滑りに、思わず満面の笑みとなった。

 わずかな時間でコルの基部に立ち、再度コルを目指して登ることにした。コルから水越を捜すが、良く判らない。鑓温泉から二つの点が滑っているのが見えた。尾根を辿り、檜山が登ってきた沢を滑ることにした。当然興津インストラクターの先行だ。今回も風を切って本当に気持ち良く滑れた。堪能する時間がわずかで勿体ないほどだ。

 3度目は、マメの酷い北條はBCに下り、残った二人で杓子尾根寄りの尾根を登って適当な高度を稼いで滑降に移ることにした。風が心地良い。今度も勿体ないほどの時間で終わってしまった。満たされた気分でBCまで戻った。

 BCには、既に加藤が戻っていた。テントの整理と水作りに従事し、歩行隊本隊と水越を待った。ほぼ同じ時間に全員が戻った。(結局、水越は鑓ヶ岳まで登ったという)

 最後の晩餐が、賑やかにかつ盛大に打ち上げられた。持ってきた食料、飲料はすべて胃の中に流し込む勢いだ。笑いと歓声のうちに、陽が沈んでいった。

○ 歩行隊
 BC出発5:10−−−5:55白馬沢入り口6:10−−−7:22稜線上7:30  −−−10:00山頂直下(ここで強風のためUターン)10:30−−−白馬沢経由  −−−13:00BC

 この日はスキー班とは別行動で、歩行隊は小蓮華山のアタックとなった。白馬沢に向かう途中にはカモシカらしき死体が横たわっていた。雪崩か何かに巻き込まれたのだろうか。白馬沢の辺りから尾根に上がり、尾根伝いに登っていった。この途中、加藤さんのアイゼンが落ちてしまっていたことがわかった。白馬沢に入る手前で、片足だけのアイゼンが落ちていて、「誰かがザックにぶら下げていたのが落ちたのだろう」と話していたがまさか先行する加藤さんのものだったとは・・・、加藤さんがここで引き返すこととなってしまった。

加藤さんと別れた後の尾根歩きは比較的緩やかで、ガレ場が何箇所かあった以外は快適に登ることができた。山頂に近づくに連れ徐々に傾斜がきつくなり、風も強くなってきていた。山頂までもうワンピッチという岩場につくと雷鳥のつがいが出迎えてくれた。このあたりに来ると風が非常に強くなり、雪に混じって小石も飛んでくる。雷鳥のつがいも耐風姿勢をとっているようだった。


 しばらく岩場に身を隠し、風が弱まるのを待ったが、風は強くなるばかりで回復の兆しが見られなかった。安全第一と考えて、ここで引き返すこととなった。

 ここからの下りは斜度があったため、西村さんがザイルをつけて下ることとなった。小蓮華山は尾根歩きは緩やかであったが、山頂手前の2ピッチが急斜面であった。渡辺隊長のつけてくれた足跡をトレースして慎重に下って行く。途中白馬沢を見ると、いたるところに雪崩の跡が残っていた。
白馬沢を抜けると、すぐにBC地が見えた。時計を見るとまだ13時であった。


5/6
()
起床:4:00     天気:晴れ

  BC撤収6:10−−−6:20〜35猿倉荘7:00−−−第5駐車場7:40===白馬ロイヤルホテル8:30===長野IC===伊勢崎IC===14:00築西合庁(解散)

  今日も天気に恵まれて、撤収日和の中で開始する。猿倉荘までは下りであり、わずかな時間で着いた。予約したマイクロとタクシーに分乗して、第5駐車場まで行った。改めて、白馬三山に目をやれば、それは白く輝くドッシリとした山の連続だった。

  タクシーの事前情報により、風呂に入れる白馬ロイヤルホテルに行く。このホテルの露天風 呂からの 眺望は第一級だ。五龍岳から白馬乗鞍岳までが、一大パノラマとなって、眼 前に拡がっているのだ。(これからも使えるホテルだ)

  長野ICから高速に乗って伊勢崎へ。順調に走ることができ、築西合庁で解散して、 今回の合宿を終了した。